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{{Infobox Film
 
| 作品名 = ゴッドファーザー
 
| 原題 = The Godfather
 
| 画像 = The Godfather.png
 
| 画像サイズ = 240px
 
| 画像解説 =
 
| 監督 = [[フランシス・フォード・コッポラ]]
 
| 脚本 = [[マリオ・プーゾ ]]<br />フランシス・フォード・コッポラ
 
| 原作 = マリオ・プーゾ
 
| 製作 = [[アルバート・S・ラディ]]<br />ロバート・エヴァンズ(クレジットなし)
 
| 製作総指揮 =
 
| 出演者 = [[マーロン・ブランド]]<br />[[アル・パチーノ]]<br />[[ジェームズ・カーン]]<br />[[ロバート・デュヴァル]]
 
| 音楽 = [[ニーノ・ロータ]]
 
| 撮影 = [[ゴードン・ウィリス]]
 
| 編集 = [[ウィリアム・H・レイノルズ|ウィリアム・レイノルズ]]<br />[[ピーター・ジンナー]]
 
| 配給 = [[パラマウント映画]]
 
| 公開 = {{flagicon|USA}} 1972年3月15日<br />{{flagicon|JPN}} 1972年7月15日
 
| 上映時間 = 177分
 
| 製作国 = {{USA}}
 
| 言語 = 英語<br>イタリア語<br>ラテン語
 
| 製作費 = $6,000,000<ref name="mojo">{{Cite web|url=http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=godfather.htm |title=The Godfather|publisher=[[Amazon.com]]|work=[[Box Office Mojo]] | accessdate=2012-05-07}}</ref>
 
| 興行収入 = $245,066,411<ref name="mojo"/>
 
| 前作 =
 
| 次作 = [[ゴッドファーザー PART II]]
 
}}
 
『'''ゴッドファーザー'''』(原題: {{lang|en|The Godfather}})は、1972年に公開された[[アメリカ合衆国の映画|アメリカ映画]]。監督は[[フランシス・フォード・コッポラ]]。[[マリオ・プーゾ]]の小説『[[ゴッドファーザー (小説)|ゴッドファーザー]]』の映画化作品。
 
  
公開されると当時の興行記録を塗り替える大ヒットになり、同年度の[[アカデミー賞]]において[[アカデミー作品賞|作品賞]]・[[アカデミー主演男優賞|主演男優賞]]・[[アカデミー脚色賞|脚色賞]]を受賞した。1990年には[[アメリカ国立フィルム登録簿]]に永久保存登録された。
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『'''ゴッドファーザー'''』(原題: {{lang|en|The Godfather}})
  
==あらすじ==
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アメリカ映画。1972年作品。フランシス・フォード・コッポラ監督。マフィア・ファミリーの興亡を苛烈(かれつ)に、かつ家族愛の視点からロマンティックにも描き、空前のヒットを記録した新時代のギャング映画。マフィアのドン「ゴッドファーザー」(マーロン・ブランド)の末っ子マイケル(アル・パチーノAl Pacino、1940― )は、ひとり堅気を志していたが、銃弾に倒れた父親や兄を見て立ち上がり、激しい抗争の末、2代目「ゴッドファーザー」として強大な権力の座につく。マリオ・プーゾMario Puzo(1920―1999)の同名ベストセラー小説をプーゾとコッポラが脚色。クロスカッティング(二つ以上の場面を交互につなぐ編集技法)を効果的に多用した力強い話術、懐古的な暗くくすんだ色調で統一したゴードン・ウィリスGordon Willis(1931―2014)の撮影、哀愁を帯びたニーノ・ロータの音楽が作品を盛り上げた。アカデミー作品賞、主演男優賞(マーロン・ブランドは受賞を拒否)、脚色賞を受賞。2年後に公開された『ゴッドファーザーPARTⅡ』はさらにスケールを拡大、二つの異なる時代にまたがるファミリーの萌芽(ほうが)と崩壊とを並行して描き、アカデミー賞作品賞、監督賞をはじめ前作を上回る6部門での受賞となった。1990年には物語を締めくくる『ゴッドファーザー PARTⅢ』がつくられた。
[[第二次世界大戦]]が終わった1945年。[[イタリア系アメリカ人]]のコルレオーネ家の邸宅は[[ニューヨーク市]]郊外の高級住宅街の一角を占める。屋敷では主人であるドン・コルレオーネ([[マーロン・ブランド]])の娘コニー([[タリア・シャイア]])の結婚祝賀宴が豪勢にとり行われていた。違法に入手したであろう戦時中に[[ガソリン]][[配給]]優遇措置を受けるためのステッカーが貼られた高級車が敷地外に並び、太陽の下では故郷を同じくするイタリア人やイタリア系の男女が老いも若きも陽気に歌い踊っている。
 
  
一方、邸の隅にある書斎では昼にもかかわらずブラインドが降ろされている。花嫁の父はかすかに寂しげな表情を浮かべ古い友人たちを迎え入れる。
+
{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
葬儀屋でドンに娘の名付け親(ゴッドファーザー)になってもらっていたアメリゴ・ボナセーラは、ドンに娘の代理の復讐を求めてきた。ドンはアメリゴに「自分は殺し屋ではない」と説明し、かつ長年自分のところに寄り付かなかったことを責める。だが「(マフィアであるドンに)借りを作ることが怖かった」と心情を吐露するアメリゴを寛大に許し、友情に従い誠実に対応した。
 
 
 
この謁見を、ドンのコンシリエーリ(相談役)であるトム・ヘイゲン([[ロバート・デュヴァル]])は部屋の隅で無表情のまま見つめている。
 
 
 
宴の中、[[アメリカ海兵隊|海兵隊]]大尉の制服に身を包んだ三男のマイケル([[アル・パチーノ]])が、恋人のケイ([[ダイアン・キートン]])を伴い久しぶりに帰宅する。
 
 
 
初めてマイケルの家を訪れたケイは彼の兄弟たち、大柄で快濶な長兄ソニー([[ジェームズ・カーン]])、大人しい次兄のフレド([[ジョン・カザール]])、それに血は繋がらないが兄弟同然に育った弁護士のトムを紹介される。突如現れた人気歌手ジョニー・フォンテーン([[アル・マルティーノ]])に目を丸くしてマイケルに種明かしをせがむ。マイケルはドンが非合法な手段によりこの歌手のキャリアを救った過去を明かした。ドン・コルレオーネ、即ち彼の父が組織暴力のトップ「ゴッドファーザー」であることを率直に伝える。ソニーもフレドも組織の幹部であり、トムはコンシリエーレ<ref>{{lang-it-short|consigliere}}</ref>(顧問、相談役)として組織に携わっていたのだ。
 
 
 
驚くケイに対しマイケルは、彼らは家族として重要な存在だが、自分はその家業には無縁であると誓う。ドンもまた、戦争中の英雄の1人であるマイケルが堅気の生活を送ることを望んでいた。
 
 
 
雪の降る賑やかな[[マンハッタン]]の街中をデートする2人。[[ラジオシティ・ミュージックホール]]を過ぎようとした時スタンドで売られている新聞を見たマイケルは驚愕する。そこには父親が襲撃され重傷を負った記事が載っていた。この瞬間からニューヨーク五大ファミリーの一つとして地下帝国で栄華を誇ったコルレオーネ家の運命は悲劇の暗転を繰り返すこととなる。
 
 
 
==キャスト==
 
=== 主な登場人物 ===
 
[[Image:Marlon Brando 1963.jpg|right|220px|thumb|マーロン・ブランド(1963年)]]
 
; [[ヴィトー・コルレオーネ|ドン・ヴィトー・コルレオーネ]]
 
: 演 - [[マーロン・ブランド]]
 
: 1891年、シチリア生まれ。コルレオーネ家の家長。「[[コルレオーネ]]」という名字はもともとヴィトーの生まれ故郷の町の名である。9歳の時に両親と兄をマフィアに殺されて、直後にアメリカに逃げたとき、入国審査官が間違って苗字として書類に記してしまったものであるが、コルレオーネ家にとっては名誉ある名前となっている。家族(広義のファミリー)にとっては良き夫、良き父、良き隣人であり深い愛情を子供たちに注ぐ。しかし渡世では違法なことも数多く行って現在の地位を確立した。表向きはオリーブ油の輸入会社を経営する実業家であり、義理堅く、同時にニューヨーク・マフィアの頂点に座り政治家を買収し、判事にコネをつなぎ、労働組合に影響力を持ち、殺し屋達からも心から崇敬されている。銃撃されたことをきっかけに引き際を感じ、他の有力なマフィアと平和協定を結んだ。しかし自分の死後は再び抗争が起きると予感し、家督をマイケルに譲り自身は相談役となった。
 
; [[マイケル・コルレオーネ|マイケル・“マイク”・コルレオーネ]]
 
: 演 - [[アル・パチーノ]]
 
: ヴィトー・コルレオーネの三男。1920年、アメリカ生まれ。[[ダートマス大学]]を中退して[[アメリカ海兵隊|海兵隊]]に従軍、第二次世界大戦の英雄として復員した。小柄で無口なインテリで伏目がちな表情を見せるが、内心は強い意志の持ち主。父を救う為に病院では命懸けで父を守り、その後は父を殺そうとした対立相手と汚職警官を射殺しイタリアへ逃亡する。警察の暴力により鼻の機能を損傷した為にハンカチを常用。ケイと恋仲でありながらイタリアに逃亡中にすぐに見初めたアポロニアと結婚するなど信義に欠いた面もある(しかし、この時点では彼の身は非常に危険でいつアメリカに帰国できるか分からない状態だった)。アポロニアを裏切り者に殺された後帰国。ヴィトーの死後、彼と計画した大規模なクーデターを同時に実行させ、ニューヨークの五大ファミリーのドン及び裏切者を抹殺してコルレオーネファミリーのドンとなる。
 
; サンティノ・“ソニー”・コルレオーネ
 
: 演 - [[ジェームズ・カーン]]
 
: ヴィトー・コルレオーネの長男でアンダーボス。1916年生まれ。良くも悪くも真っすぐで少々短気な性格故に暴力沙汰が絶えず、女癖が悪いので周囲から白い目で見られることもある。少年時代にトムを一家に連れてきた。時代の趨勢が麻薬ビジネスに移っていることでファミリーの衰退を危惧する。家族からはヴィトーからのみ「サンティノ」と呼ばれている。ヴィトーが銃撃されると代理でドンの地位に就くが、短気で逆上しやすい性格が災いし、確執のあった妹の夫のカルロの罠にはめられ、ハイウェイの料金所で待ち伏せていた殺し屋のマシンガンの一斉射撃を受けて殺される。
 
; フレデリコ・“フレド”・コルレオーネ
 
: 演 - [[ジョン・カザール]]
 
: ヴィトー・コルレオーネの次男。1917年生まれ。性根は優しいが、気が弱く胆力に欠ける。後半ラスベガスでビジネスを学ぼうとしたが、モー・グリーンにいいように手玉に取られるなどマフィアには向いていない(小説版では接客の才覚があったためしばしば来客の接待を任されていた)。
 
; コンスタンツァ・“コニー”・コルレオーネ・リッツィ
 
: 演 - [[タリア・シャイア]]
 
: ヴィトー・コルレオーネの末娘。兄ソニーの紹介でカルロ・リッツィと知り合い、彼と恋仲になる。第二次世界大戦が終わった1945年にカルロと結婚するが、夫からたびたび暴力をふるわれる。
 
; トム・ヘイゲン
 
: 演 - [[ロバート・デュヴァル]]
 
: [[ドイツ]]系および[[アイルランド]]系。両親を失い孤児となっていたところをソニーに連れて来られ、以来コルレオーネ家で成長した。ヴィトー・コルレオーネに並々ならぬ恩義を感じており、学費を出してもらい[[大学]]を出てファミリー専属の[[弁護士]]となった現在もファミリーに忠誠を誓い、ヴィトー・コルレオーネはシチリア人ではない彼をコンシリエーレ(相談役)の地位につけた。判断力の優れた師匠ジェンコ・アッバンダンド(劇中では名前のみ登場)より多くを学ぶ。マイケルが二代目となってからは、抗争に巻き込みたくないヴィトーの頼みで相談役から外されていた。やがてマイケルの最も信頼する部下として活躍。
 
; ケイ・アダムス・コルレオーネ
 
: 演 - [[ダイアン・キートン]]
 
: マイケルのダートマス大学での学友でありガールフレンド。誠実で真面目な青年だったはずの恋人が、父親の復讐のために殺人を犯して国外に逃亡するという悲劇に見舞われる。彼の帰国後に再会して結婚するが、マフィアの一員となり権力を得ると同時に徐々に変容していくマイケルの姿を目の当たりにすることになる。マイケルを愛することで困難を乗り越えられると考えるが、耐え難い不安に苦しめられる。
 
 
 
===コルレオーネ・ファミリー===
 
; ピーター・クレメンザ
 
: 演 - [[リチャード・S・カステラーノ|リチャード・カステラーノ]]
 
: ファミリー古参の幹部で忠臣。肥満体で武闘派、ヴィトーからは暴力はやりすぎることがないと言われている。ファミリー内では世話好きで面倒見がいい。料理も上手く、劇中でマイケルにパスタのレシピを教えている。途中裏切りを疑われるも、最後まで忠誠を保ちコルレオーネ家のために尽くした。
 
; サルバトーレ・“サル”・テッシオ
 
: 演 - [[エイブ・ヴィゴダ]]
 
: ファミリー古参の幹部。細身で冷静沈着。独立して自分の組織を持つことを望んでいる。ヴィトーの死後、マイケルにバルジーニとの平和協定を持ち掛けて殺害し、コルレオーネ一家の縄張りを奪おうと企むが、既にマイケルはヴィトーの警告により彼がバルジーニと結託して裏切ることを察知しており、逆に粛清されてしまう。
 
;ルカ・ブラージ
 
: 演 - レニー・モンタナ
 
: ヴィトーに忠義する殺し屋。大柄で肥満体、脅しや仕事には容赦はない。頭の回転は良くなく(劇中で呂律のまわらない独特のしゃべり方をしているが、演じたレニー・モンタナはプロレスラーであり、俳優業が本職ではないため。コッポラはこれを逆手に利用し、何度も一人で祝辞の練習をする場面を入れてルカを印象付けた)。ヴィトーの指示でタッタリアに寝返るふりをして内情を探ろうとするが、それを怪しんだソロッツオの手下に殺害される。小説版ではコルレオーネファミリー最強の存在とされている。
 
; カルロ・リッツィ
 
: 演 - [[ジャンニ・ルッソ]]
 
: コニーの夫。男前だが放蕩的な性格から信頼されず、ファミリーの中枢の仕事に関わることは許されていない。コニーの夫であることから捨て扶持だけはあてがわれている。そのため苛立ちと孤立感を深め、次第に浮気をしコニーに暴力を振るうようになる。バルジーニの手引きによりソニーを罠にはめて殺害させるが後に真相が露見し、マイケルの意を受けたクレメンザに車内で絞殺される。
 
; ジョニー・フォンテーン
 
: 演 - [[アル・マルティーノ]]
 
: 人気歌手。[[フランク・シナトラ]]がモデルとされる。名付け親はヴィトー。スターとしての人気は下降気味であり、ある戦争映画に出演することでカムバックを狙うが、プロデューサーのウォルツが大切に育て上げた女優の卵に手を出し台無しにしたために干されてしまい、ヴィトーに助けを乞う。その後は歌手として復活を遂げ、パート3で再登場する。
 
; ポーリー・ガットー
 
: 演 - ジョン・マルティーノ
 
: クレメンザの右腕の幹部候補。ヴィトーの専属運転手であるが、ヴィトー襲撃の際には仮病と思われる病気で欠勤していた。実はタッタリアに通じる裏切者であり、クレメンザの意を受けたロッコに射殺される。小説版ではマイケルの同級生であり、仕置人としてボナセーラの娘を辱めた若者達の制裁を行っていた。ガットーという姓が設定されているが、劇中では姓で呼ばれるシーンは無い。
 
; ウィリー・チッチ
 
: 演 - [[ジョー・スピネル]]
 
: クレメンザの部下でボディガード兼殺し屋。
 
; ロッコ・ランポーネ
 
: 演 - トム・ロスキー
 
: クレメンザの部下で裏切り者のポーリーを始末した。
 
; アポロニア・ヴィテッリ・コルレオーネ
 
: 演 - [[シモネッタ・ステファネッリ]]
 
: シチリアの旧家出身の女性で、お互い人目惚れしたマイケルと結婚する。容姿は名前の通りにギリシャ系。マイケルを狙い、裏切り者により愛車の[[アルファ・ロメオ]]に仕掛けられた自動車爆弾により死亡。
 
; アルベルト・“アル”・ネリ
 
: 演 - リチャード・ブライト
 
: 元・警官で、マイケル直属の殺し屋。劇中では数少ないヴィトーの死後ファミリーに入った人物。本作のラストでは黒幕殺害の時に警官の制服を着用して臨んだ。以後ファミリーの幹部、殺し屋として重要な地位を占める。
 
; マイケル・フランシス・リッツィ
 
: 演 - [[ソフィア・コッポラ]]
 
: コニーとカルロの息子。名付け親はマイケルで洗礼式のシーンで登場。乳児であり女児が男児の役となった。
 
; サンドラ・コルレオーネ
 
: 演 - ジュリー・グレッグ
 
: ソニーの妻。夫との間に4人の子供をもうけているが、夫の女癖の悪さのせいかあまり夫婦仲は良くない。コニーの結婚式で夫のペニスの大きさを自慢している。
 
; カルメラ・コルレオーネ
 
: 演 - モーガナ・キング
 
: ヴィトーの妻でマイケル達の母親。ファミリーの仕事には決して口を出さない。夫を立て、家族に愛情を注ぐ古き良きイタリアの母。演じたモーガナ・キングは本職は女優ではなく歌手であり、劇中で歌唱も披露されている。
 
 
 
===その他のマフィア===
 
; ドン・フィリップ・タッタリア
 
: 演 - ビクター・レンディナ
 
: タッタリア・ファミリーのドン。ニューヨーク五大ファミリーの一角で、コルレオーネ・ファミリーとの確執はあるが、ヴィトーからは「ソニーを殺せるタマではないポン引き」と酷評されており、彼の背後で糸を引いている真の黒幕がバルジーニであることを見抜かれる。愛人とホテルにいたところをロッコとその部下に愛人共々射殺される。
 
; ブルーノ・タッタリア
 
: 演 - トニー・ジョルジオ
 
: フィリップの息子。ルカ殺害時に居合わせ、彼を取り押さえて殺害を助力した。ヴィトー襲撃の報復としてソニーに殺された。
 
; バージル・ソロッツォ
 
: 演 - [[アルフレッド・レッティエリ|アル・レッティエリ]]
 
: 麻薬密売人の通称「[[トルコ人]]」。ナイフ使い。トルコで栽培したケシをイタリアで精製した麻薬ビジネスを行い、タッタリアと結託しており、コルレオーネ一家に麻薬ビジネスへの協力を持ち掛ける。レストランでの会食中にマイケルに射殺される。
 
; マール・マクラスキー警部
 
: 演 - [[スターリング・ヘイドン]]
 
: ニューヨーク市警の汚職警官。ソロッツォと結託している。アイルランド人だが酒を飲まない。ヴィトーが入院している病院で見舞いに来たマイケルの顔面を殴りつけ負傷させる(マイケルがハンカチで終始鼻をぬぐっているのはこの傷のためである)。ソロッツォと共にレストランでの会食中にマイケルに射殺される。
 
; ジャック・ウォルツ
 
: 演 - ジョン・マーリー
 
: [[ハリウッド]]の大物映画プロデューサー。強い自己顕示欲と自意識の持ち主で、[[愛人]]にしていた新人女優をジョニー・フォンテーンに寝取られたことに腹を立て、新作映画でジョニーが希望していた役から締め出そうとする。ヴィトーの指示を受けたトムの依頼をも突っぱねるが、寝ている間に保有する自慢の競走馬を殺害され、ベットに切断された首を置かれるという恐るべき脅迫を受ける。[[ハリー・コーン]]がモデルとされる。
 
; ドン・エミリオ・バルジーニ
 
: 演 - [[リチャード・コンテ]]
 
: ニューヨーク五大ファミリーの一つであるバルジーニ・ファミリーのドン。タッタリアを裏で操る抗争の真の黒幕であり、テシオを唆してマイケルを殺害し、コルレオーネ一家の縄張りを奪おうと企むが、警官に扮したアル・ネリにより射殺される。
 
; ドン・カーマイン・クネオ
 
: 演 - ルディ・ボンド
 
: ニューヨーク五大ファミリーの一つであるクネオ・ファミリーのドン。回転ドアに閉じ込められ、チッチに射殺される。小説版ではドン・オッティリーオ・クネオ。
 
; ドン・ビクター・ストラッチ
 
: 演 - ドン・コステロ
 
: ニューヨーク五大ファミリーの一つであるストラッチ・ファミリーのドン。エレベーター内でクレメンザに射殺される。
 
; モー・グリーン
 
: 演 - [[アレックス・ロッコ]]
 
: [[ラスベガス]]でカジノ・ホテルを経営するユダヤ人。[[ベンジャミン・シーゲル]]がモデル。フレドの面倒見を引き受けるが、フレドのお人よしにつけ込んで彼を軽く扱いマイケルの怒りを買う。バルジーニと結託している。マイケル・フランシス・リッツィの洗礼日に五大ファミリーのドン共々暗殺される。小説版ではアル・ネリに射殺される。
 
 
 
===その他===
 
; アメリゴ・ボナセーラ
 
: 演 - サルヴァトーレ・コルシット
 
: [[葬儀屋]]。作中で最初にセリフを発する人物。
 
: イタリア系であり、ヴィトーとは若い頃からの友人で家族付き合いをしていた時期もある。しかしながらヴィトーが荒仕事をして頭角を現すようになると、関わり合うのを恐れ、疎遠になる。後に自分の娘(ヴィトーの妻であるカルメラが名付け親)が凌辱され、加害者に意外なほど軽い判決が下されたことに憤慨してヴィトーを訊ね、コニーの婚礼の日にもかかわらず娘への加害者の暗殺を依頼しヴィトーを困惑させる(シチリア人は娘の婚礼日に依頼された願いを断ることができない)。後に惨殺されたソニーの傷ついた遺体を修復するようヴィトーから依頼される。
 
; ナゾリーネ
 
: 演 - ビト・スコッチ
 
: パン屋の主人。コニーの婚礼パーティーでは、娘の恋人であり、店で働くパン職人のエンツォがシチリアへ送還されないようヴィトーに依頼する。
 
; エンツォ
 
: 演 - ガブリエレ・トレ
 
: パン職人。シチリア出身でナゾリーネの義理の息子。ヴィトーが襲撃されたことを聞きつけていち早く病院に見舞いに駆けつけ、マイケルと共に暗殺阻止に一役買う。
 
; ファブリツィオ
 
: 演 - アンジェロ・インファンティ
 
: マイケルがシチリアに隠れていた際のボディガード。饒舌。ソニーの死が伝えられると同時にバルジーニの手引きでマイケルを裏切り、車に爆弾を仕掛け暗殺を企てる。誤爆によりアポロニアを殺してしまいシチリアから逃亡する。以下はオリジナル劇場公開版ではカットされているが、その後ニューヨークでピザ屋を開き、マイケルの復讐により車の爆破という同じ方法で殺された。
 
; カーロ
 
: 演 - フランコ・チッティ
 
: 同上。ファブリツィオと違って無口。続編にて再登場しマイケルを助ける。小説版ではアポロニアと共に爆死する。
 
; ドン・リオネーレ・トマシーノ
 
: 演 - コラード・ガイパ
 
: シチリアのドンでヴィトーの友人。1925年ヴィトーが両親の仇のチッチオへ復讐するためにシチリアに帰郷した際に復讐の手引きをする。殺害の後逃げる時にチッチオの子分に散弾銃を浴びせられ、足が不自由になる。その後もヴィトーとの友情は続き、マイケルがシチリアに亡命した際に彼を匿う役を申し出る。続編にて再登場しマイケルを助ける。
 
; ルーシー・マンチーニ
 
: 演 - ジニー・リネロ
 
: ソニーの愛人。コニーの結婚式では花嫁の介添人を務めている。続編ではソニーとの間に私生児であるヴィンセント([[アンディ・ガルシア]])が登場するが、小説版では子供はおらず、ソニーの死後はラスベガスに移住した。
 
 
 
==日本語吹き替え==
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
 
|-
 
!役名
 
!日本テレビ版
 
!DVD版
 
!Blu-ray版
 
|-
 
|ドン・ヴィトー・コルレオーネ||[[鈴木瑞穂]]||colspan=2 style=text-align:center|[[麦人]]
 
|-
 
|ミケーレ・“マイケル”・コルレオーネ||[[野沢那智]]||[[山路和弘]]||[[森川智之]]
 
|-
 
|サンティノ・“ソニー”・コルレオーネ||[[穂積隆信]]||colspan=2 style=text-align:center|[[谷口節]]
 
|-
 
|フレデリコ・“フレド”・コルレオーネ||[[大塚国夫]]||colspan=2 style=text-align:center|[[牛山茂]]
 
|-
 
|ケイ・アダムス・コルレオーネ||[[鈴木弘子]]||colspan=2 style=text-align:center|[[山像かおり]]
 
|-
 
|トム・ヘイゲン||[[森川公也]]||colspan=2 style=text-align:center|[[田原アルノ]]
 
|-
 
|クレメンザ||[[富田耕生]]||[[辻親八]]||[[後藤哲夫]]
 
|-
 
|コンスタンツァ・“コニー”・コルレオーネ・リッジ||[[小谷野美智子]]||[[渡辺美佐 (声優)|渡辺美佐]]||[[斎藤恵理]]
 
|-
 
|カルメラ・コルレオーネ||[[沼波輝枝]]||[[竹口安芸子]]||[[新田万紀子]]
 
|-
 
|マクラスキー警部||[[北山年夫]]||[[糸博]]||[[仲野裕]]
 
|-
 
|ジャック・ウォルツ||[[加藤精三 (声優)|加藤精三]]||colspan=2 style=text-align:center|[[水野龍司]]
 
|-
 
|ドン・エミリオ・バルジーニ||[[真木恭介]]||水野龍司||仲野裕
 
|-
 
|ソロッツォ||[[小林清志]]||[[銀河万丈]]||[[楠大典]]
 
|-
 
|カルロ・リッジ||[[青野武]]||[[内田直哉]]||[[桐本琢也]]
 
|-
 
|モー・グリーン||[[家弓家正]]||[[佐々木梅治]]||[[青山穣]]
 
|-
 
|テッシオ||[[塩見竜介]]||colspan=2 style=text-align:center|水野龍司
 
|-
 
|ポーリー・ガットー||[[伊武雅刀]]||rowspan=2|[[樫井笙人]]||
 
|-
 
|ファブリツィオ||[[里居正美]]||
 
|-
 
|カーロ||[[納谷六朗]]||[[星野充昭]]||
 
|-
 
|ジョニー・フォンテーン||[[山内雅人]]||[[大川透]]||内田直哉
 
|-
 
|ドン・フィリップ・タッタリア||[[宮川洋一]]||rowspan=2|島香裕||佐々木梅治
 
|-
 
|ルカ・ブラジ||[[今西正男]]||
 
|-
 
|ブルーノ・タッタリア||[[寺島幹夫]]||rowspan=2|宝亀克寿||rowspan=2|[[木村雅史]]
 
|-
 
|ドン・トマシーノ||[[河村弘二]]
 
|-
 
|ドン・ザルキ||[[北川米彦]]||[[西村知道]]||
 
|-
 
|アメリゴ・ボナセーラ||[[富田仲次郎]]||||[[佐々木梅治]]
 
|-
 
|エンツォ||[[小川真司]]||||[[高階俊嗣|髙階俊嗣]]
 
|-
 
|サンドラ||[[沢田敏子]]||[[佐藤しのぶ]]||
 
|-
 
|ルーシー||||[[片桐真衣]]||
 
|-
 
|アンソニー||[[冨永みーな]]||[[三浦智子]]||
 
|-
 
|フランク||[[松田辰也]]||[[亀井芳子]]||
 
|-
 
|}
 
*[[日本テレビ系列]]『[[水曜ロードショー (日本テレビ)|水曜ロードショー]]:世紀の超大作完全放送 ゴッドファーザー』(初回放送:1976年10月13日・20日)※2017年7月21日発売のゴッドファーザー45周年記念ブルーレイBOX TV吹替初収録特別版([[NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン]])に収録。
 
**その他声の出演:三枝みち子、[[斉藤昌]]、[[幹本雄之]]、[[信沢三恵子]]、[[寄山弘]]、[[千葉耕市]]、[[上田敏也]]、[[作間功]]、[[小関一]]
 
**演出:小林守夫、翻訳:[[木原たけし]]、効果:芦田公雄、熊耳勉、調整:前田仁信、制作:[[東北新社]]
 
 
 
*『ゴッドファーザーDVDコレクション』(5枚組 DVD-BOX)(2001年11月22日、[[パラマウント映画|パラマウントジャパン]] PDS-1002)※コッポラ・リストレーション版にもBlu-rayにも収録。
 
**その他声の出演:稲葉実、斎藤恵理
 
**演出:[[伊達康将]]、翻訳:佐藤一公、制作:東北新社
 
 
 
*『ゴッドファーザー コッポラ・リストレーション』(2008年10月3日、パラマウントジャパン DVD-BOX(5枚組)PPS-113778、ブルーレイBOX(4枚組)PPWB-113778)
 
**演出:伊達康将、翻訳:佐藤一公(リライト:小寺陽子)、制作:東北新社
 
 
 
==製作==
 
イタリア系の小説家の[[マリオ・プーゾ]]は5作目の長編小説の題材として、ニューヨークの犯罪ファミリーを選んだ。出版社からわずかな前払い金を受け取って書き始めた小説『マフィア』をプーゾは[[パラマウント映画]]に売り込み、1967年3月、パラマウントは映画化権を買い取ったことを発表した。プーゾはパラマウントの経済的援助を得て執筆を進め、1969年3月10日に446ページからなる小説『[[ゴッドファーザー (小説)|ゴッドファーザー]]』を上梓した。原作は同年9月に売上げ1位を記録し、67週間にわたってベストセラー・リストに留まった<ref>{{Cite |和書
 
|author = ハーラン・リーボ
 
|authorlink =
 
|translator = 河原一久、鈴木勉
 
|title = ザ・ゴッドファーザー
 
|date = 2001-11-22
 
|page = 25
 
|publisher = [[ソニーマガジンズ]]
 
|isbn = 978-4789717748
 
}}</ref>。
 
 
 
1969年秋から1970年冬にかけて、パラマウントの重役のピーター・バートと制作部長のロバート・エヴァンズは製作スタッフを探しにかかったが、有名なプロデューサーたちはマフィアを理想化したようなこのプロジェクトに加わることに消極的であった<ref>ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』前掲書、28頁。</ref>。結局映画のプロデューサーはその時点で1本のテレビ番組と1本映画の経験しかない[[アルバート・S・ラディ]]が務めることとなり、1970年3月23日、パラマウントはラディの会社アルフラン・プロダクションを通して映画の製作を行うことを発表した<ref>ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』前掲書、31頁。</ref>。
 
 
 
1970年8月10日、プーゾは脚本の第1稿を完成<ref>ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』前掲書、61頁。</ref>。
 
 
 
同年9月27日、パラマウント映画は監督に、イタリア系の[[フランシス・フォード・コッポラ]]を選んだことを発表<ref>ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』前掲書、56頁。</ref>。当時のコッポラは批評家からの評価は高かったが、興行的にはまだ成功を体験していない、いわばマイナーな監督であった。コッポラは原作者のプーゾと組んで脚本を執筆していったが、その改稿が進む中で徐々に物語の中心が父ヴィトーから息子マイケルに移っていった。
 
 
 
主人公であるヴィトー役には、プーゾが想定した[[マーロン・ブランド]]が起用された。ブランドは当時既に大物俳優であったが、落ち目と見られており、さらにわがままで現場をかき乱す俳優だと思われていたので映画製作者たちは敬遠した。ブランドは同作品の企画を知り、ヴィトー役に自分を売り込むため、自分のイメージ・フィルムをコッポラに送った。原作のヴィトーのブルドッグのような人相に見せるため口に綿を含んで顔を変え、渋みの演技が行えることを強調した。この努力が功を奏し、彼は見事ヴィトー役を獲得することが出来た。この時ブランドが結んだ契約条件は、出演料ゼロ、ロイヤリティーとして興行収入の数%を上限150万ドル付で支払う、ブランドの撮影中に起きた損害は全て自腹で負担させる、というものであった。
 
 
 
1970年の終わり頃からキャスティングは開始された<ref>ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』前掲書、84頁。</ref>。主要人物の中で最後まで決まらなかったのがマイケル役であった。製作者側はマイケル役に[[ロバート・レッドフォード]]を起用しようとしたが、コッポラとアルバート・S・ラディは、1969年上演の『[[:en:Does a Tiger Wear a Necktie?|Does a Tiger Wear a Necktie?]]』で[[トニー賞]]を受賞した[[アル・パチーノ]]こそが適役と言って譲らず、粘り強い交渉の末イタリア系(母方の先祖は[[シチリア島]]出身)のパチーノの起用にこぎつけた。1971年3月4日、パラマウントはパチーノの配役決定を発表した<ref>ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』前掲書、110-114頁。</ref>。
 
 
 
また、当時若手であったコッポラをサポートするために、スタッフにもトップクラスの人材が集められることとなった。その中でも[[撮影監督]]である[[ゴードン・ウィリス]]と美術を担当した[[ディーン・タヴォウラリス]]の功績は大きかった。ウィリスの下にはカメラ・オペレーターとして[[マイケル・チャップマン]]がついた。メイクアップ・デザイナーは[[ディック・スミス]]が担当した。
 
 
 
撮影は1971年3月23日、ニューヨークのラジオシティ・ミュージック・ホール前のシーンから開始され<ref>ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』前掲書、163-165頁。</ref>、同年8月7日まで行われた<ref>{{cite book |last=Cowie |first=Peter |title=The Godfather Book |year=1997 |publisher=Faber and Faber Limited |location=London, England |page=57 |isbn=0-571-19011-1}}</ref>。
 
 
 
当初、コッポラは映画を125分の作品として編集したが、パラマウントは「こんな作品は予告編にしかならない。もっと長くしろ」と要求。コッポラは「普通はもっと短くしろと言われるものなのに長くしろなんて普通じゃない」と反論した。177分のファイナル・カット版は1971年11月に完成し<ref>ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』前掲書、283頁。</ref>、映画は翌1972年3月に公開された。
 
 
 
コッポラは[[黒澤明]]監督作品である『[[悪い奴ほどよく眠る]]』(1960年9月15日公開)の、結婚披露宴から始まるという展開に感心して、本作でも採用した。
 
 
 
==公開後==
 
1972年3月15日に全米で映画が公開されると爆発的なヒットとなり、『[[ジョーズ]]』(1975年)に破られるまでの[[ハリウッド]]の興行収入記録を打ち立てた。批評家たちからも映画の内容を絶賛され、同年度の[[第45回アカデミー賞]]で作品賞を獲得した。続編の『[[ゴッドファーザー PART II]]』もアカデミー作品賞を受賞したため、今日に至るまで正編と続編でアカデミー作品賞を獲得した唯一の例としても有名。
 
 
 
マーロン・ブランドはヴィトー役での年齢を重ねていく演技が絶賛され、[[アカデミー主演男優賞]]を獲得した(ただし、本作とは別の理由から受賞は拒否)。アル・パチーノや[[ジェームズ・カーン]]、[[ロバート・デュヴァル]]など共演した俳優たちも、この作品によって一気にスターダムにのし上がった。
 
 
 
2006年には『ゴッドファーザー』の世界観をモチーフにした同名のビデオゲームが、[[エレクトロニック・アーツ]]より発売された。
 
 
 
コッポラは本作を製作中にヒット作『[[フレンチ・コネクション]]』を鑑賞しており、その出来栄えを高く評価し、「同じマフィア映画でも、『ゴッドファーザー』は暗くて退屈で悲しい映画だ。男が座って会話する場面ばかりだ。『フレンチ・コネクション』のようにヒットすることはないだろう」と語っていたという。その後「本作が成功したのは私の力ではない。多くの優秀なスタッフに恵まれたからだ」と謙虚なコメントをしている。
 
 
 
===評価===
 
[[Image:The Godfather (Drink).JPG|right|180px|thumb|カクテルのゴッドファーザー]]
 
 
 
公開当時には、アメリカ国内ですらあまり知られていなかったマフィアの世界を一般に知らしめ、現在に至るまでその[[ステレオタイプ]]を確立した映画である<ref name="Ebert">Roger Ebert、“[http://rogerebert.suntimes.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/19970316/REVIEWS08/401010321/1023 Great Movies – The Godfather]”、1997年3月16日。(参照:2009年6月26日)</ref>。マフィアを題材にした作品として抜群の知名度を誇るため、他の映画や[[テレビドラマ]]、ゲームなどでパロディにされることも多い。作中でしばしば繰り返される印象的なセリフ「奴が決して断れない申し出をする」(原文:<span dir="ltr" lang="en">I'm gonna make him an offer he can't refuse</span>)は特に有名であり、ブランドの特徴的な話し方と共にしばしば物真似の対象となっている。2005年にはアメリカ映画協会選定の名ゼリフランキングの第2位に選出された。また、[[カクテル]]の[[ゴッドファーザー (カクテル)|ゴッドファーザー]]はこの映画から名付けられたものである。
 
 
 
『ゴッドファーザー』の第1作と第2作で「[[マフィア]]の暴力を間接的に礼賛している」として、映画の人気とは対照的に知識人たちから批判を受けたことをコッポラは告白している<ref name="Coppola">『ゴッドファーザー PART III』に付随するコッポラ監督へのインタビューより</ref>。
 
 
 
===ランキング===
 
評論家選定の映画ベスト100などのリストで、必ずと言っていいほど上位に名前が挙げられる作品である。
 
*「映画史上最高の作品ベストテン」([[英国映画協会]]『Sight & Sound』誌発表)※10年毎に選出
 
**1982年:「映画批評家が選ぶベストテン」第17位
 
**1992年:「映画批評家が選ぶベストテン」第29位
 
**1992年:「映画監督が選ぶベストテン」第6位
 
**2002年:「映画批評家が選ぶベストテン」第4位
 
**2002年:「映画監督が選ぶベストテン」第2位
 
**2012年:「映画批評家が選ぶベストテン」第21位
 
**2012年:「映画監督が選ぶベストテン」第7位
 
*「[[AFIアメリカ映画100年シリーズ]]」
 
**1998年:「[[アメリカ映画ベスト100]]」第3位
 
**2001年:「[[スリルを感じる映画ベスト100]]」第11位
 
**2005年:「[[映画音楽ベスト100]]」第5位
 
**2005年:「[[アメリカ映画の名セリフベスト100]]」第2位
 
**2007年:「[[アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)]]」第2位
 
**2008年:「[[10ジャンルのトップ10]] ギャング映画部門」 第1位
 
*2000年:「20世紀の映画リスト」(米『ヴィレッジ・ヴォイス』紙発表)第11位
 
*2008年:「歴代最高の映画ランキング500」(<span dir="ltr" lang="en">The 500 Greatest Movies of All Time</span>)(英『[[エンパイア (雑誌)|エンパイア]]』誌発表)第1位(パートIIは19位、パートIIIは282位)
 
*2008年:「史上最高の映画100本」(仏『[[カイエ・デュ・シネマ]]』誌発表)第36位
 
*2010年:「エッセンシャル100」([[トロント国際映画祭]]発表)第4位
 
*2013年:「オールタイムベスト100」(米『[[エンターテイメント・ウィークリー]]』誌発表)第2位
 
以下は日本でのランキング
 
*1995年:「オールタイムベストテン・世界映画編」([[キネマ旬報]]発表)第18位
 
*1999年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊80周年記念)」(キネ旬発表)第7位
 
*2009年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊90周年記念)」(キネ旬発表)第1位
 
 
 
===主な受賞歴===
 
{|class="wikitable"
 
!賞
 
!部門
 
!候補者
 
!結果
 
|-
 
|rowspan="11"|[[第45回アカデミー賞|アカデミー賞]]
 
|[[アカデミー作品賞|作品賞]]||アルバート・S・ラディ||{{won}}
 
|-
 
|[[アカデミー主演男優賞|主演男優賞]]||[[マーロン・ブランド]]<ref>ただし、ハリウッドの[[ネイティヴ・アメリカン]]への扱いが不当だという事を理由に、受賞を拒否。[[第45回アカデミー賞]]式典にも出席していない。</ref>||{{won}}
 
|-
 
|rowspan="3"|[[アカデミー助演男優賞|助演男優賞]]||[[ジェームズ・カーン]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[ロバート・デュヴァル]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[アル・パチーノ]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[アカデミー監督賞|監督賞]]||[[フランシス・フォード・コッポラ]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[アカデミー脚色賞|脚色賞]]||[[マリオ・プーゾ]]<ref>ただし、この[[第45回アカデミー賞]]の式典にプーゾ本人は出席しておらず、代理人としてプーゾの娘であるドロシー・アン・プーゾが受賞した。</ref><br />[[フランシス・フォード・コッポラ]]||{{won}}
 
|-
 
|[[アカデミー作曲賞|作曲賞]]||[[ニーノ・ロータ]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[アカデミー編集賞|編集賞]]||[[ピーター・ツィンナー]]<br />[[ウィリアム・H・レイノルズ]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[アカデミー録音賞|録音賞]]||[[クリストファー・ニューマン]]<br />[[リチャード・ポートマン]]<br />バド・グレンツバック||{{nom}}
 
|-
 
|[[アカデミー衣裳デザイン賞|衣裳デザイン賞]]||アンナ・ヒル・ジョンストン||{{nom}}
 
|-
 
|rowspan="5"|[[英国アカデミー賞]]
 
|[[英国アカデミー賞 主演男優賞|主演男優賞]]||[[マーロン・ブランド]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[英国アカデミー賞 助演男優賞|助演男優賞]]||[[ロバート・デュヴァル]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[英国アカデミー賞 作曲賞|アンソニー・アスキス賞]]||[[ニーノ・ロータ]]||{{won}}
 
|-
 
|衣裳デザイン賞||アンナ・ヒル・ジョンストン||{{nom}}
 
|-
 
|有望若手男優賞||[[アル・パチーノ]]||{{nom}}
 
|-
 
|rowspan="8"|[[ゴールデングローブ賞]]
 
|-
 
|[[ゴールデングローブ賞 作品賞 (ドラマ部門)|作品賞 (ドラマ部門)]]||||{{won}}
 
|-
 
|[[ゴールデングローブ賞 監督賞|監督賞]]||[[フランシス・フォード・コッポラ]]||{{won}}
 
|-
 
|rowspan="2"|[[ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)|主演男優賞 (ドラマ部門)]]||[[マーロン・ブランド]]||{{won}}
 
|-
 
|[[アル・パチーノ]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[ゴールデングローブ賞 助演男優賞|助演男優賞]]||[[ジェームズ・カーン]]||{{nom}}
 
|-
 
|[[ゴールデングローブ賞 脚本賞|脚本賞]]||フランシス・フォード・コッポラ<br />[[マリオ・プーゾ]]||{{won}}
 
|-
 
|[[ゴールデングローブ賞 作曲賞|作曲賞]]||[[ニーノ・ロータ]]||{{won}}
 
|-
 
|[[第38回ニューヨーク映画批評家協会賞|ニューヨーク映画批評家協会賞]]||[[ニューヨーク映画批評家協会賞 助演男優賞|助演男優賞]]||[[ロバート・デュヴァル]]||{{won}}
 
|}
 
 
 
==エピソード==
 
*劇中に出てくる「馬の生首(血も含む)」は本物である。ただし、劇中の馬を殺したわけではなく撮影現場の近くにあった、馬肉で製造される[[ドッグフード]]の製造工場から、死骸を拝借したものである。
 
*ラストの洗礼式で洗礼を受けているコニーとカルロの子役はコッポラの娘である[[ソフィア・コッポラ]]であり、彼女は男子として洗礼を受けることになった。劇中ではマイケルが名付け親であり、'''マイケル・フランシス・リッチ'''と名付けられている。
 
*[[ロバート・デ・ニーロ]]がソニーの役のオーディションを受けているが、役のイメージには合わず、落選している。しかし、演技を気に入ったコッポラは続編で若きヴィトー役に彼を抜擢した。
 
*映画の中で出てくる「ルイズN.Y.ピザパーラー」は[[ユニバーサル・スタジオ・ジャパン]]で再現され、イタリアン・レストランとして営業している。
 
*ロバート・デュヴァルは当時からかなり頭が禿げてきていて、年齢に真実味を与えるため[[かつら (装身具)|かつら]]をつけて役作りをした。
 
*当初、パラマウントからコッポラは監督としての力量が疑問視されていたため、降板する可能性が常に付きまとっていた。しかし、マイケルがトイレで銃を探す場面を撮った時から、製作側はコッポラに何も言わなくなったという。コッポラは後に音声解説で「この場面のおかげで私は解雇されずにすんだ」と語っている。
 
 
 
==脚注==
 
{{脚注ヘルプ}}{{Reflist}}
 
 
 
==関連項目==
 
*[[ゴッドファーザー]]
 
*[[愛のテーマ (ゴッドファーザー)|愛のテーマ]]
 
*[[ハリウッド]]
 
*[[カンノーロ]]
 
*[[マリオ・プーゾ]]
 
*[[フランク・シナトラ]] - ヴィトーの長女の結婚式に招かれ、ヴィトーに映画出演抜擢の為の助力を乞う歌手「ジョニー・フォンテーン」のモデルとされている。ジョニーのエピソードは、フランク・シナトラが『[[地上より永遠に]]』への出演を強く希望した実話に基づいている。
 
*[[ベンジャミン・シーゲル|ベンジャミン・シーゲル(バグジー)]] - モー・グリーンのモデルとされている。
 
 
 
==外部リンク==
 
* [http://www.TheGodfatherTrilogy.com/ <span dir="ltr" lang="en">The Godfather Trilogy</span>]
 
* {{Allcinema title|7931|ゴッドファーザー}}
 
* {{Kinejun title|3410|ゴッドファーザー}}
 
* {{Amg movie|20076|The Godfather}}
 
* {{IMDb title|0068646|The Godfather}}
 
 
 
{{ゴッドファーザー}}
 
{{フランシス・フォード・コッポラ}}
 
{{アカデミー賞作品賞 1961-1980}}
 
{{ゴールデングローブ賞 作品賞 (ドラマ部門) 1961-1980}}
 
{{Normdaten}}
 
 
{{DEFAULTSORT:こつとふああさあ}}
 
{{DEFAULTSORT:こつとふああさあ}}
 
[[Category:1972年の映画]]
 
[[Category:1972年の映画]]

2019/4/27/ (土) 23:15時点における最新版

ゴッドファーザー』(原題: The Godfather

アメリカ映画。1972年作品。フランシス・フォード・コッポラ監督。マフィア・ファミリーの興亡を苛烈(かれつ)に、かつ家族愛の視点からロマンティックにも描き、空前のヒットを記録した新時代のギャング映画。マフィアのドン「ゴッドファーザー」(マーロン・ブランド)の末っ子マイケル(アル・パチーノAl Pacino、1940― )は、ひとり堅気を志していたが、銃弾に倒れた父親や兄を見て立ち上がり、激しい抗争の末、2代目「ゴッドファーザー」として強大な権力の座につく。マリオ・プーゾMario Puzo(1920―1999)の同名ベストセラー小説をプーゾとコッポラが脚色。クロスカッティング(二つ以上の場面を交互につなぐ編集技法)を効果的に多用した力強い話術、懐古的な暗くくすんだ色調で統一したゴードン・ウィリスGordon Willis(1931―2014)の撮影、哀愁を帯びたニーノ・ロータの音楽が作品を盛り上げた。アカデミー作品賞、主演男優賞(マーロン・ブランドは受賞を拒否)、脚色賞を受賞。2年後に公開された『ゴッドファーザーPARTⅡ』はさらにスケールを拡大、二つの異なる時代にまたがるファミリーの萌芽(ほうが)と崩壊とを並行して描き、アカデミー賞作品賞、監督賞をはじめ前作を上回る6部門での受賞となった。1990年には物語を締めくくる『ゴッドファーザー PARTⅢ』がつくられた。



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