川地民夫
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川地 民夫(かわち たみお、本名:河地 猛〈かわち たけし〉、1938年7月21日 - 2018年2月10日[1])は、日本の俳優。
神奈川県逗子市に生まれる。逗子開成高等学校卒業、関東学院大学工学部中退。
来歴・人物
大学在学中、逗子の家の隣に石原裕次郎が住んでいたのが縁で裕次郎の勧めもあり日活に入社する[1]。1958年、『陽のあたる坂道』でデビュー。小林旭、沢本忠雄と「三悪トリオ」として売り出し、アクション物、青春物に次々と主演する。その後、脇役に転じてから独特の個性に磨きがかかり、特に1963年の『野獣の青春』以来、鈴木清順監督に重用された。
日活退社後は、東映への出演が多く、特に1971年から9本作られた、菅原文太と共演した『まむしの兄弟』シリーズで見せたユーモラスな演技は、大いに人気を博した。
1980年代、当時の妻のがん闘病と死去の悲しみ、川地自身の脊椎の怪我や胃潰瘍等に1990年代初頭まで苦しめられるなど自身の健康上の問題で苦労していた時期もあったが、これらを克服し仕事に復帰していた。
私生活では、3度の結婚(離婚と死別を各1度)、また事実婚とその破局を1度経験している[1]。
- 共演者として交際があった女優中原早苗と事実婚状態となるも未入籍のまま早期に破局。これは公私にわたるよき友人であった菅原と飲み歩きで家をあけることが度重なった結果中原との関係が拙くなり関係解消に至ったと『いつみても波瀾万丈』内で紹介された。
- 中原との破局後一般人女性と初婚、女児を2人もうけるも結婚生活は7年で破局。
- 再婚相手は宝塚歌劇団卒業生の麻生薫。川地のいきつけの飲食店を運営していたのが麻生の母で、折りしも東京公演のため上京の合間をぬって母の店を手伝っていた麻生と知り合う。
- 1974年、麻生がこの年限りでの宝塚退団を決意した際、麻生の退団後の進路が未定だったこと、また川地の人柄に信頼をおいていた麻生の母から娘を貰ってくれないかの旨懇願され結婚を決意、退団翌年の1975年1月挙式。
- しかし1984年、麻生が卵巣がんを発症し、1988年10月13日、麻生と死別。
2018年2月10日16時59分、脳梗塞のため神奈川県横須賀市内の病院で死去[1]。79歳没。
出演
映画
- 陽のあたる坂道(1958年、日活)
- 風速40米(1958年、日活)
- 嵐を呼ぶ友情(1959年、日活)
- 海底から来た女(1959年、日活)
- 雨に咲く花(1960年、日活)
- 渡り鳥いつまた帰る(1960年、日活)
- 狂熱の季節(1960年、日活)
- 太陽は狂ってる(1961年、日活)
- 処刑前夜(1961年、日活)
- 憎いあンちくしょう(1962年、日活)
- 野獣の青春(1963年、日活)
- 黒い太陽(1964年、日活)
- こんにちは赤ちゃん(1964年、日活)
- 風と樹と空と(1964年、日活) ※吉永小百合、十朱幸代、山本陽子、大楠道代(当時・安田道代)の四大女優と共演
- 春婦伝(1965年、日活)
- さすらいは俺の運命(1965年、日活)
- 泣かせるぜ(1965年、日活)
- 河内カルメン(1966年、日活)
- 東京流れ者(1966年、日活)
- 大巨獣ガッパ(1967年、日活)
- 昭和のいのち(1968年、日活)
- 日本残侠伝(1969年、日活)
- 男の世界(1971年、日活)
- まむしの兄弟シリーズ(東映)[1]
- 懲役太郎 まむしの兄弟(1971年)
- まむしの兄弟 お礼参り(1971年)
- まむしの兄弟 懲役十三回(1972年)
- まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯(1972年)
- まむしの兄弟 刑務所暮し四年半(1973年)
- まむしの兄弟 恐喝三億円(1973年)
- まむしの兄弟 二人合わせて30犯(1974年)
- 極道VSまむし(1974年)
- まむしと青大将(1975年)
- 必殺仕掛人(1973年、松竹)
- 仁義なき戦い(1973年、東映)
- 新幹線大爆破(1975年、東映)
- 河内のオッサンの唄(1976年、東映)
- 新宿酔いどれ番地 人斬り鉄(1977年、東映)
- 犬笛(1978年、東宝)
- 女帝(1983年、にっかつ)
- チ・ン・ピ・ラ(1984年、東宝)
- 結婚案内ミステリー(1985年、東映) - 関根政夫
- べっぴんの町(1989年、東映)
- ありふれた愛に関する調査(1992年、アルゴ・ピクチャーズ)
- 民暴の帝王(1993年、東映)
- 秋桜(1997年、エースピクチャーズ)
- ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY(2000年、松竹) - サワイ・ソウイチロウ
- ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE(2003年、松竹)
- 大決戦!超ウルトラ8兄弟(2008年、松竹) - サワイ国連事務総長
- 永遠のダイヤモンド(2016年、オルスタックソフト販売、F&T PRODUCE)
テレビドラマ
- 人形佐七捕物帳(1965年、NHK)
- 雨の中に消えて(1966年、NTV / 日活) - 野崎正也
- 眠狂四郎(1967年、CX)
- ある日わたしは(1967年、NTV) - 黒木
- 三匹の侍 第5シリーズ 第20話「白い幻花」(1968年、CX) - 土屋千四郎
- あひるの学校(1968年 - 1969年、NHK)
- ゴールドアイ 第13話「超レーザー光線COZ」(1970年、NTV / 東映)
- 大岡越前(TBS / C.A.L)
- 鬼退治(1971年、NET) - 小島久男
- 水戸黄門(TBS / C.A.L)
- 銭形平次 第230話「盗まれた名画」(1970年、CX / 東映) - 源太
- 大江戸捜査網(12ch / 日活 - 三船プロ)
- 第43話「謎の浮世絵」(1971年) - 津田
- 第168話「殺意なき殺人」(1974年) - 小早川(椎名)新十郎
- 第184話「前科なき殺人者」(1975年) - 文吉
- 第247話「血塗られた兄弟の契り」(1976年) - 源次(永井源次郎)
- 第321話「初春 雪どけを待つ女」(1978年) - 佐吉
- 第385話「純愛に賭けた色事師」(1979年) - 宗吉/団九郎(二役)
- プレイガール (12ch / 東映)
- 第131話「スリラー 怨みを込めて接吻を」(1971年) - 中山竜策
- 第146話「女の武器は熱い肌」(1972年) - 斉賀
- 第153話「寝室に銃を向けろ!」(1972年)
- 木枯し紋次郎 第11話「龍胆は夕映えに降った」(1972年、CX / C.A.L) - 瀬川の仙太郎
- 荒野の素浪人(NET / 三船プロ)
- 第1シリーズ 第16話「暗殺 情無用の死人沢」(1972年) - 榊原平太郎
- 第2シリーズ 第26話「隠し山地獄」(1974年) - 丈太郎
- 忍法かげろう斬り 第17話「おんなを捨てた女」(1972年、KTV / 東映) - 後藤才次郎
- キイハンター 第235話「脱獄囚バッド・ファーザー」(1972年、TBS / 東映) - 望月
- 地獄の辰 捕物控 第21話「竜神河岸に一人立つ」(1973年、NET / 東映)
- アイフル大作戦 第29話「グラマーにせ札株式会社」(1973年、TBS / 東映)
- 旗本退屈男 第4話「天下の嶮も物ならず」(1973年、NET / 東映) - 源太
- 白い牙 第3話「悪名悲歌・有光洋介」(1974年、NTV / 大映テレビ) - 風間義一
- 子連れ狼 第2部 第18話「哀燈流し」(1974年、NTV / ユニオン映画) - 小冨
- ふりむくな鶴吉 第7話「飛翔」(1974年、NHK) - 直次
- 殺さないで!(1975年、THK) - 伊丹英
- Gメン'75(TBS / 東映)
- 第1話「エアポート捜査線」(1975年) - 朝倉警部
- 第14話「マフィアの招待旅行」(1975年) - 柏村秀樹
- 第59話「東京・沖縄縦断捜査網」 - 第61話「沖縄に響く痛恨の銃声」(1976年) - 安仁屋刑事
- 第89話「警視庁拳銃盗難事件」(1977年)
- 破れ傘刀舟 悪人狩り 第46話「鞭を振る女」(1975年、NET / 三船プロ) - 蝮の辰三
- 夜明けの刑事 第48話「花の好きな女の秘密」(1975年、TBS / 大映テレビ) - 藤波秀男
- 痛快! 河内山宗俊 第10話「鬼より怖い奴がいた」(1975年、CX / 勝プロ) - 藤助
- 非情のライセンス(NET / 東映)
- 第2シリーズ 第63話「兇悪のデザイン」(1975年) - 樋口和男
- 第2シリーズ 第90話「兇悪の偽装工作」(1976年) - 速見強
- 第2シリーズ 第117話「過去」(1977年) - 山岡修治
- 大非常線(1976年、NET / 東映) - 井手竜二
- ベルサイユのトラック姐ちゃん(NET / 東映)
- 第1話「ベルトラ姐ちゃん一番手柄」(1976年) ※特別出演
- 第7話「恋とダイヤに御用心!」(1976年) - アキラ
- お耳役秘帳 第20話「伝馬町心中」(1976年、KTV / 歌舞伎座テレビ) - 若杉又一郎
- 同心部屋御用帳 江戸の旋風II 第22話「夕立ち女房」(1976年、CX / 東宝)
- 隠し目付参上 第25話「斬られ役団九郎 男冥利の花道か」(1976年、MBS / 三船プロ) - 宇之
- 人魚亭異聞 無法街の素浪人 第23話「さらばミスターの旦那」(1976年、NET / 三船プロ) - 榊竜之介
- 華麗なる刑事 第12話「母と子と刑事」(1977年、CX / 東宝)
- 特捜最前線(ANB / 東映)
- 第42話「Gメン・波止場に消ゆ!」(1978年) - 北川忠夫
- 第287話「リミット1.5秒!」(1982年) - 唐沢義明
- 太陽にほえろ! 第291話「トラック刑事」(1978年、NTV / 東宝) - 西本正二
- 大都会 PARTII 第51話「北九州コネクション」(1978年、NTV / 石原プロ) - 安岡俊次
- ポーラテレビ小説(TBS)
- 夫婦ようそろ(1978年) - 坂入仙之助
- マリーの桜(1980年) - 花島卓弥
- 桃太郎侍
- 第123話「別れに泣いた信州路」(1979年、NTV / 東映) - 浅吉
- 第217話「その処刑許さん!」(1980年、NTV / 東映) - 新吉
- 鉄道公安官 第21話「秋芳洞に消えた女」(1979年、ANB / 東映) - 唐沢
- ザ・スーパーガール 第25話「さらば女豹 女がすべてを賭ける時」(1979年、12ch / 東映)
- 江戸の激斗 第18話「復讐の狼」(1979年、CX / 東宝) - 伊佐次
- そば屋梅吉捕物帳 第13話「涙雨殺し人別帳」(1979年、12ch / 国際放映) - 白戸の佐平次
- 日本名作怪談劇場 第8話「怪談 夜泣き沼」(1979年、12ch / 歌舞伎座テレビ室) - 木幡小平次
- 騎馬奉行 第26話「新しき旅立ち」(1980年、KTV / 東映)
- ライオン奥様劇場 / 徳川の女たち(1980年、CX / 東映) - 徳川家斉
- 走れ! 熱血刑事 第26話「追撃・マニラコネクション」(1981年、ANB / 勝プロ)
- プロハンター 第20話「ローマで起こった不思議な出来事」(1981年、NTV / セントラル・アーツ)
- 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第149話「偽りの絆が廻す夫婦独楽」(1981年、ANB / 東映) - 巳之助
- 傑作推理劇場 / 松本清張の百円硬貨(1981年、ANB / 東映)
- 土曜ワイド劇場(ANB)
- 三毛猫ホームズの怪談 赤猫は死を招く(1981年、東映)
- 下町女占い師 清香姐さんの人情事件簿(1995年、ABC / C.A.L.)
- 遠山の金さん(ANB / 東映) ※高橋英樹版
- 第6話「三年かかって帰った男」(1982年)
- 第45話「十年間寝られなかった男」(1983年)
- 源九郎旅日記 葵の暴れん坊 第6話「駿府茶どころ父子みち」(1982年、ANB / 東映) - 安次
- 漂流家族(1983年、THK)
- 月曜ワイド劇場 / 妻たちの離陸 ある日突然夫への離婚宣言(1984年、ANB)
- 母ちゃんの牧場(1984年、THK)
- 火曜サスペンス劇場(NTV)
- 妻の疑惑(1986年、東映) - 野沢剛造
- 鉄の串(1986年、映像プロデュース) - 上杉守
- 地方記者・立花陽介7 但馬城崎通信局(1996年、オセロット)
- 水曜ドラマスペシャル / 亜樹子・哀しみ色の罠(1986年、TBS / テレパック)
- 傑作時代劇 / しぶとい連中 美人母子の偽装心中(1987年、ANB / 東映)
- 名奉行 遠山の金さん 第1シリーズ 第1話「花吹雪一番手柄」(1988年、ANB / 東映) - 弥助
- 東芝日曜劇場 / 冬のほとりで(1990年、CBC)
- 新春大型5時間時代劇スペシャル / 戦国最後の勝利者! 徳川家康(1992年、ANB / 東映)
- 月曜ドラマスペシャル / 湯けむり仲居純情日記4(1994年、TBS)
- ウルトラマンティガ(1996年 - 1997年、MBS / 円谷プロ) - サワイ・ソウイチロウ総監
- ウルトラマンダイナ 第33話「平和の星」、第51話「最終章III 明日へ…」(1998年、MBS / 円谷プロ) - サワイ・ソウイチロウ顧問(前総監)
- ドラマ30 / 蔵の宿(2000年、CBC / 名古屋東通)
- オヤジ探偵 第1シリーズ 第6話「銃弾の復讐! 狙われた女刑事」(2001年、ANB / 東映)
- 天国への階段 第1話「北海道…愛と復讐」、第12話「結婚・幸福の南の島へ」(2002年、YTV)
- はんなり菊太郎〜京・公事宿事件帳〜 第6話「旅立ち」(2004年、NHK) - 田所
- 月曜ゴールデン(TBS)
- 十津川警部シリーズ50 消えたタンカー(2013年、テレパック) - 黒川秀隆
- 釣り刑事5 二つの事件と二つの過去!?(2014年、G・カンパニー) - 浮き師・伊予助丸
- トクチョウの女〜国税局特別調査部〜(2017年3月4日、CX) - 恩田総一郎[1]
舞台
- 八代亜紀特別公演「北海おんな節」
オリジナルビデオ
- 実録・大阪やくざ戦争 報復 (2002年、GPミュージアムソフト)
- 実録・関東やくざ戦争 修羅の盃(2003年、GPミュージアムソフト)
- 首領への道 23(2003年、GPミュージアムソフト)
- 誇り高き野望 2、3(2005年、アネック)
バラエティー・情報番組
- スター千一夜(CX)
- 底ぬけ脱線ゲーム(NTV)
- 今夜は最高!(NTV)
- 午後は○○おもいッきりテレビ(NTV)
- 連想ゲーム(NHK)
- クイズ面白ゼミナール(NHK)
- レディス4(TX)
- クイズ!脳ベルSHOW
CD
- 「東京港(とうきょうみなと)」 (2006年、フリーボード)[1]
著書
- 『動かない手でVサイン-ガンで逝った妻、多香子に捧ぐ』(1989年、太田出版) - ※麻生死去の翌年に上梓された。
- 『平成忘れがたみ 映画俳優五十年』(2008年、たる出版)ISBN 4924713929
脚注
外部リンク
- [1] - allcinema
- | sub | s=0000000442709 | -7 }}/ Tamio Kawaji - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- 川地民夫 - テレビドラマデータベース
- 川地民夫のプロフィール/写真/画像 - goo ニュース
典拠レコード: