桝田啓三郎
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桝田 啓三郎(ますだ けいざぶろう、1904年 - 1990年)は日本の哲学者(ドイツ・アメリカ哲学)。東京都立大学名誉教授。
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来歴・人物
愛媛県大洲市生まれ。法政大学文学部哲学科に学び、三木清を師とする。1930年の卒業後、法政大学で長く教鞭をとった。千葉大学、東京都立大学などでも教える。 卓越した語学力の持ち主であり、キルケゴール、ウィリアム・ジェームズ、フォイエルバッハ、フィヒテ、ベルクソン、デカルトを翻訳。特にキルケゴールについては、独学でデンマーク語を学んで原典から翻訳し、それまでドイツ語訳を使用することの多かった日本の研究状況を一変させた。現在でも新版が刊行されている。ジェームズも文庫で重版されている。
岩波書店『三木清全集』の編者の一人である。蔵書は、師の三木と同じく法政大学図書館に所蔵されている。息子の桝田啓介はアメリカ文学者で法政大学元教授。
翻訳
- 「アイロニーの概念」(三木清共訳)「反復」 キェルケゴール 「選集」改造社、1935
- 「プラグマティズム」 ウィリアム・ジェイムズ 創元社、1952、のち「著作集」日本教文社
- 「形而上学入門」 アンリ・ベルクソン 世界大思想全集:河出書房、1953
- 「唯心論と唯物論」 フォイエルバッハ 創元社、1953、のち角川文庫
- 「第一哲学についての省察 哲学の原理」 ルネ・デカルト 世界大思想全集:河出書房、1956、のち角川文庫
- 「純粋理性批判」 カント 高峯一愚共訳 世界大思想全集:河出書房、1956
- 「現代のヨーロッパ哲学」 I.M.ボヘンスキー 岩波書店 1956
- 「省察」 デカルト 世界文学大系・筑摩書房、1958 のち角川文庫
- 「誘惑者の日記 おそれとおののき 死にいたる病」 キルケゴール 世界文学大系・筑摩書房、1958
- 『理性と革命 ヘーゲルと社会理論の興隆』 マルクーゼ、中島盛夫・向来道男共訳 岩波書店 1961
- 『宗教的経験の諸相』全2巻、ウィリアム・ジェイムズ、「著作集」日本教文社、1962、新版1988
- 『二つの教化的講話』 キルケゴール「全集」筑摩書房、1962
- 「現代の批判 ほか」 キルケゴール 世界の名著・中央公論社、1966、のち新装版
- 『あれか-これか』 キルケゴール 「全集」筑摩書房、1966
- 「個別的因果律の論理・真理と確実性・論理学における客観主義・日本の哲学に対するリッカートの意義」、『三木清全集 第2巻』、岩波書店、1966-三木の独文論文を訳す
- 「作家と人間 諧謔的・哲学的アフォリズム集」 ルートヴィヒ・フォイエルバッハ 勁草書房 1971
- ウィリアム・ジェームズ 『根本的経験論』 加藤茂共訳、白水社、1978、新版1998
- フィヒテ 『フランス革命論-革命の合法性をめぐる哲学的考察』 叢書ウニベルシタス・法政大学出版局、1987
文庫・新書判
- キルケゴール『反復』 岩波文庫、初版1956、改版1981
- W・ジェイムズ『プラグマティズム』 岩波文庫、初版1957、改版2010
- W・ジェイムズ『宗教的経験の諸相』 岩波文庫(上下)、1969
- キルケゴール『現代の批判 他一篇』 岩波文庫、1981
- キルケゴール『死にいたる病』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1996
- キルケゴール『誘惑者の日記』 ちくま学芸文庫、1998
- キルケゴール『死にいたる病 現代の批判』 中央公論新社〈中公クラシックス〉、2003
関連文献
- 桝田啓介「父の思い出-桝田啓三郎とキェルケゴール」、松木真一編『キェルケゴールとキリスト教神学の展望』 関西学院大学出版会に収録
外部リンク
典拠レコード: