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[[Image:EdisonPhonograph.jpg|thumb|蝋管式蓄音機|150px]]
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'''蓄音機'''(ちくおんき、[[アメリカ英語]]:Phonograph、[[イギリス英語]]:Gramophone)
[[Image:ColumbiaPhonographADV 1897.png|thumb|Graphpphone
 
[[1897年]]に [[コロムビア・レコード|Columbia Phonograph]] 社から発表された家庭用蓄音機の広告。聴診器のようなイアホンを用いて回転する円筒に記録された擦過音を直接聴く機構。|150px]]
 
'''蓄音機'''(ちくおんき、[[アメリカ英語]]:Phonograph、[[イギリス英語]]:Gramophone)は、言葉の意味は[[録音再生機器|録音機]]のことであるが、こんにちの用語としては、蝋管などによるエジソンらの装置から、エレクトロニクス時代以前あたりまでの[[レコードプレーヤー]]を総称して、日本では蓄音機と呼んでいる。以下もっぱらレコードプレーヤーについて説明する。
 
 
 
== 概要 ==
 
蓄音機は、声の振動を物理的な溝の凹凸ないし左右への揺れとして記録したレコードから、振動を取り出し拡大して、音声を再生する装置である。
 
 
 
エレクトロニクス発達以前のことゆえ、回転部(ターンテーブル)の動力としては巻き上げた重りや[[ぜんまいばね|ぜんまい]]を使用し、針で拾った振動のエネルギーを直接利用して、指数的に内径の広がる(元のエネルギーが非常にわずかなので、理想に近い形状が必要である)ホーンにより音響的に音声信号を拡大している。
 
 
 
かつては[[オーディオテクニカ]]のフォノギャラリーが世界有数のコレクションを誇っていたが、2014年3月に、その大半が[[福井県立こども歴史文化館]]に寄贈された。
 
 
 
== 歴史 ==
 
1857年、フランス人[[エドゥアール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィル]] ([[:w:Édouard-Léon Scott de Martinville|Édouard-Léon Scott de Martinville]]) が発明した[[フォノトグラフ]]が、音を記憶する装置の最古のものである(実際に波形を記録しているが、当時の技術でそれを音として再生する手段はなかった)。[[トーマス・エジソン|エジソン]]他による改良や発明を経て、平面盤である[[レコード]]とその再生専用機ができ、また録音はラッカー盤という専用の盤にカッティングマシンという専用機で記録し、それから雄型を作成して大量生産するようになった。蝋管などによるエジソンらの装置から、エレクトロニクス時代以前のレコードプレーヤーまでを総称して、日本では蓄音機と呼んでいる。
 
 
 
=== エジソンの蓄音機 ===
 
1877年12月6日、音楽を生ではなく録音再生する製品として最初に登場したのがエジソン<ref>[[トーマス・エジソン]]</ref>の蓄音機で、円柱の蝋管に音を深さで刻む[http://www.tactec.co.jp/classic_audio/11_phonograph_recorder.html 蝋管式蓄音機]で、音を出すには音の溝を針でなぞってそのまま機械的に振動板へ振動を伝える構造で、振動板の中心点に接着してある紐が引っ張って振動を伝える仕組みになっている。具体的にはとても複雑な仕組みで、角度や長さ等が厳密に設計されていて大変精巧な作りになっている。
 
この音を出すパーツをサウンドボックス、あるいはレプロデューサーといい、今でいえばスピーカーに相当するパーツで、振動板は現在のスピーカーの振動板が平行往復運動するのと違い、振動板の中央の点で駆動される為、振動板は撓み運動で音を出している。この振動板の中央を点で駆動する仕組みは[http://hizumishindo.blog.fc2.com/blog-entry-70.html マグネチックスピーカー]も同じで、戦後のダイナミックスピーカーが出るまで続いた。
 
 
 
=== 日本の蓄音機 ===
 
[[File:蓄音機屋.jpg|thumb|日本の明治時代に大道で見られた蓄音機屋。個人宅に普及するまではこのような場景が見られた。|150px]]
 
日本では、1910年(明治43年)、日本初の国産蓄音機[[ニッポノホン]]が発売された。これには、[[軍艦行進曲]]などが収録されたレコードが付属していた。
 
 
 
日本独自の装置として、1937年(昭和12年)日本フィルモン社が長さ13m、幅35mmのセルロイド系素材のベルトの両端を接続してエンドレスにし、そこに音溝を刻んだフィルモン音帯からレコード針で音を再生する装置「[[フィルモン]]」を売り出している。
 
 
 
== 『電蓄』の登場 ==
 
 
 
エレクトロニクスの進歩、[[真空管]]の小型化と性能向上に伴い、レコード針の動きを電気信号に変換して[[増幅]]し、[[スピーカー]]を鳴らす「電気式蓄音機」すなわち「電蓄」が登場した(順序としては駆動系の電化のほうが遅かった)。
 
 
 
[[LPレコード]]はレコードの溝が細かくなった上に、材質が[[ポリ塩化ビニル]]となって[[SPレコード|SP盤]]のような強い針圧に耐えられなくなったことから、電気式でないと再生できない。ステレオレコードに至っては、原理上電気信号を用いる方式でしか再生はほぼ不可能である。[[コンポーネントステレオ|オーディオ機器のコンポーネント化]]により、レコードから電気信号を取り出し、ライン出力に増幅するところあたりまでの装置を独立させて[[レコードプレーヤー]]とするようになった。
 
 
 
また、電蓄の語は、レコード盤をはみださせてぎりぎり乗る大きさのターンテーブルと、そのままスピーカーを駆動できるアンプを内蔵したいわゆる「ポータブル電蓄」が普及し、昭和中期にはトランジスタ化されて一般家庭にも広く普及したことから、オーディオ機器の中で「レコードプレーヤー」の語が一般的になった後も、「ポータブル電蓄」にその名を留めていた。
 
 
 
現在では[[北海道大学]]の[[伊福部達]]らにより、[[レーザー光線]]による非接触の蝋管再生装置が開発されている(金属製の雄型の再生も可能である)。
 
 
 
== 記念日 ==
 
 
 
[[日本オーディオ協会]]は、[[12月6日]]を[[音の日]]と定めた。これは、[[トーマス・エジソン|エジソン]]が[[1877年]][[12月]]に蓄音機による[[録音]]・[[再生]]の実験を成功させたことにちなむ。なお、この時録音されたものは『[[メリーさんのひつじ|メリーさんのひつじ (Mary Had a Little Lamb)]]』である。
 
 
 
エジソンの実験以前にも音を記録すること自体は成功していたが、再生は長らく不可能だった。[[2008年]]になって、[[フォノトグラフ]]によって[[1860年]][[4月9日]]に記録された[[フランス]][[民謡]]『[[月の光に|月の光に (Au Clair de la Lune)]]』を、コンピュータ解析によって再生することに成功した。[[科学アカデミー (フランス)|フランス科学アカデミー]]はこれを「人類最古の録音」としている<ref>[http://www.afpbb.com/article/entertainment/music/2370877/2782722 AFP通信記事]</ref>。
 
 
 
== 脚注 ==
 
<references/>
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[エミール・ベルリナー]] - 円盤式蓄音機「グラモフォン」を発明した。
 
* [[松本重雄]] - 実家が日本初の蓄音機専門店「三光堂」
 
 
 
== 外部リンク ==
 
{{Commonscat|Phonographs}}
 
* [http://www.firstsounds.org/press/032708/index.php ジョバンノーニ氏が再生に成功した史上初の録音]
 
* [http://bluesdays.exblog.jp/140034 Disc Vs. Cylinder] ([http://bluesdays.exblog.jp/ BLUES Diary 2003.7-2004.3])
 
* [http://info.pref.fukui.jp/koreki/ 福井県立こども歴史文化館]
 
 
 
{{音楽}}
 
  
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[[レコード]]から音を再生する装置。1877年アメリカ合衆国のトーマス・アルバ・[[エジソン]]が発明,錫箔を張った銅製の円筒を手で回転させ,ホーンの根もとについた針で音を記録し,振動板と針を代えて,この音を再生した。1884年にワックスで包んだ円筒形の厚紙をレコードとするろう管式,1887年に円盤式レコードが発明された。円盤式は改良されて電気吹き込みの SP(標準度演奏)レコードとなり,ぜんまい駆動のターンテーブルとホーンからなる機械式蓄音機となって普及した。今日では電気的方法で増幅,再生し,動力も電気による電気蓄音機([[レコードプレーヤ]])が中心となった。
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[[Category:音響機器]]
 
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2018/12/24/ (月) 11:49時点における版

蓄音機.jpg

蓄音機(ちくおんき、アメリカ英語:Phonograph、イギリス英語:Gramophone)

レコードから音を再生する装置。1877年アメリカ合衆国のトーマス・アルバ・エジソンが発明,錫箔を張った銅製の円筒を手で回転させ,ホーンの根もとについた針で音を記録し,振動板と針を代えて,この音を再生した。1884年にワックスで包んだ円筒形の厚紙をレコードとするろう管式,1887年に円盤式レコードが発明された。円盤式は改良されて電気吹き込みの SP(標準度演奏)レコードとなり,ぜんまい駆動のターンテーブルとホーンからなる機械式蓄音機となって普及した。今日では電気的方法で増幅,再生し,動力も電気による電気蓄音機(レコードプレーヤ)が中心となった。



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