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'''エアバスA380'''({{lang|en|'''Airbus A380'''}})は、欧州[[エアバス]]社の[[ターボファンエンジン|ターボファン]]4発の超大型[[旅客機]]。
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'''エアバスA380'''({{lang|en|'''Airbus A380'''}})
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「ジャンボジェット」と呼ばれた[[ボーイング747]]になぞらえ、、{{要出典範囲|非公式に「スーパージャンボ」<ref group="注">かつて[[全日本空輸|ANA]]が運航していた[[ボーイング747#747SR-100型|B747SR-100型機(就航期間:1979年1月25日~2006年3月10日)]]の愛称として利用されていた。因みにANAによる同型機の運用により、世界で初めての有償座席数・500席が提供されることとなった。</ref>や「空のタイタニック」と呼ばれることもある。|date=2017-08}}
 
-->
 
== 概要 ==
 
[[File:A380 Reveal 1.jpg|thumb|2005年1月18日、[[トゥールーズ]]で開催されたA380の完成披露式典]]
 
世界初の総2階建て<ref group="注">[[エアバス]]社は、同じ2階席を持つボーイング747(前方の一部が2階建て)との差別化を図るために「総2階建て」という表現を使用している。英語では、ボーイング社は747を「Double Deck」、エアバス社はA380を「All Double Deck」と表現。</ref>ジェット旅客機である。完成披露の時点ではボーイング747を抜いて、史上最大・世界最大<ref group="注">A380(73.0 m)より「全長」の長い旅客機として[[ボーイング747-8]](76.3 m)、[[エアバスA340|A340-600]](75.3 m)がある</ref>の旅客機である。初飛行は[[2005年]][[4月27日]]。初期の構想から初飛行まで16年の歳月を要した。初飛行から10年後の2015年末時点で、[[エアバス]]社は[[中東]]や[[東南アジア]]地域を中心に300機を超える受注を獲得しており、この時点でA380プロジェクト全体としての損益分岐点に到達し、計画全体での黒字化に成功したと発表された。2016年10月現在、4発エンジンのワイドボディ旅客機としては同社の民間航空機部門で唯一生産されている機体である。
 
 
 
A380は1990年初頭に'''A3XX'''として開発が始まった。エアバス社のほかにも[[ボーイング]]社や[[マクドネル・ダグラス]]社が次世代大型旅客機として [[ボーイングNLA #他の検討された機体のスペック|ボーイング747-X]]と[[マクドネル・ダグラス MD-12]]を計画していたが、いずれも開発は凍結された。この後、ボーイング社は総2階建の[[ボーイングNLA|NLA]]の開発を試みるが、これも中止された。[[スホーイ]]による[[KR-860 (航空機)|KR-860]]の計画があった。かつて[[ロッキード・マーティン|ロッキード]]社も総2階建旅客機を計画したが、構想の段階で終わっている。
 
 
 
== 開発経緯 ==
 
=== 欧米の巨大機開発競争 ===
 
エアバスはボーイング747に対抗できる輸送力を持つ機体として、[[1989年]]から'''UHCA'''(ウルトラ・ハイ・キャパシティ・エアクラフト)構想の実現に向けての作業を開始した。ボーイング社はこれに過敏に反応し、[[1991年]]に747改良型など3種の計画を発表し、UHCA阻止の動きに出た(詳しくは[[ボーイング747-8#欧州とボーイングのポスト747構想|ボーイング747-8の開発の経緯]]を参照)<ref>「超大型旅客機エアバス380」P21</ref>。この動きに対し、エアバスを構成する(当時)[[アエロスパシアル]]、[[DASA]]、[[BAe]]、[[コンストルクシオネス・アエロナウティカス S.A.|CASA]]の4社はボーイング社と共同で、[[1993年]]1月にUHCAとは別にVLCT(ベリー・ラージ・コマーシャル・トランスポート)と呼ぶ大型輸送機構想を発表したが、ライバル同士の意見がかみ合わず、エアバスは[[1994年]]6月、UHCAを'''A3XX'''(530席 - 570席の100型と630席 - 680席の200型の構想)として計画に着手したことを発表し、VLCTは中止された<ref>「超大型旅客機エアバス380」P22</ref>。
 
 
 
ボーイング社はこれに対抗し、同年に747-500Xと747-600Xを発表、対決する構えを見せた<ref>「超大型旅客機エアバス380」P24</ref>([[ボーイング747-8#747X計画|747X計画]])。747X計画はさまざまに変遷する流動的なものであったが、その間にもボーイング社は<!--「これからは大型機が大規模空港を結んで、そこから小型機で小規模空港へ行く、という時代では無く、中型機が各空港を直接結ぶ」<ref>[[地球ドラマチック]] 2015年5月30日放送分</ref>という喧伝などの-テレビ番組視聴メモにつきコメント化-->エアバス社に対する露骨な[[ネガティブキャンペーン]]を繰り広げ、A3XXのイメージダウンを図った([[ソニック・クルーザー]]を参照)。しかしエアバスは計画を進めた。
 
 
 
[[2000年]][[12月19日]]、エアバスは62機の受注を獲得したことから、A3XXを'''A380'''として開発に入ったことを発表した<ref>「超大型旅客機エアバス380」P27</ref>。ボーイング社は翌年に747X計画を延期し、[[ソニック・クルーザー]]計画を発表したものの、[[2003年]]には計画を凍結し、その開発能力を中型機[[ボーイング787]]へと注力していった<ref>「超大型旅客機エアバス380」P27-29</ref>。しかし、その後ボーイング社は、A380と[[ボーイング777 #777-300ER(773B)|777-300ER]]や[[エアバスA340|A340-600]]の間を埋めるという理由で、[[ボーイング747-400 #747-400ER型|747-400ER]]、[[ボーイング747-8|747-8]]型(計画名 747Advanced)などの大型機の開発を開始している。
 
 
 
=== スケジュールの遅延と受注 ===
 
[[File:Transport A380 en.svg|thumb|[[トゥールーズ]]におけるA380の最終組立までの地理的物流経路]]
 
[[File:A380 transport Port de Bordeaux.jpg|thumb|荷船で輸送中のA380の部品]]
 
A380の1号機は[[2005年]][[1月18日]]にトゥールーズの本社工場で完成披露の式典が行われた<ref>「超大型旅客機エアバス380」P37</ref>。
 
 
 
6月1日にエアバス社は、「納入を2か月から6か月遅らせる」と発表した。問題は主翼の強度不足と機内配線による重量オーバーだった。前者は直ちに改善されたが、後者の解決は困難であった<ref>「超大型旅客機エアバス380」P48</ref>。A380の最大定員853席すべてに個別に引かれた電線は延べ約563km<ref>「超大型旅客機エアバス380」P49</ref>におよび、接続や収納に予想以上の時間を要していることと、サービスの一環として座席に配したオーディオ機器の配線によって重量が予想以上に増え、対応に時間がかかった。
 
 
 
18日の時点で[[アメリカン・インターナショナル・グループ]] (AIG) のリース部門・[[インターナショナル・リース・ファイナンス]] (International Lease Finance Corporation, ILFC) を含む16の[[航空会社]]がA380型機を発注しており、その数は27機の[[貨物機]]を含め159機<ref>「超大型旅客機エアバス380」P47</ref>にのぼった。エアバス社[[CEO]]のノエル・フォルジャールは「この航空機を500機販売する」という期待を表明している。<!-- 以下、不適切では? A380型機の価格は公表されていないものの、おそらくは3億ドル程度だろうと見込まれている(ただし通常、航空会社は複数もしくは早期購入に対して大きな割引を受けられるものであり([[ローンチカスタマー]]に対するものがその最たるもの)、定価に発注数をかけたものがそのままエアバス社の売り上げになるわけではない。-->
 
 
 
予定では[[ローンチカスタマー]]の[[シンガポール航空]]は[[2006年]]の第4四半期 - 同年末に最初のA380型機を受け取り、[[カンタス航空]]は[[2007年]]4月、[[エミレーツ航空]]は[[2008年]]より前にA380型機の引渡しを受けることになっていた。A380型機の最初の路線就航は2006年末の[[ロンドン・ヒースロー空港|ロンドン]]発[[シンガポール・チャンギ国際空港|シンガポール]]経由[[シドニー国際空港|シドニー]]行シンガポール航空便、続いて同じくシンガポール航空によるシンガポール発[[香港国際空港|香港]]経由[[サンフランシスコ国際空港|サンフランシスコ]]行、シンガポールから[[成田国際空港|千葉]]経由[[ロサンゼルス国際空港|ロサンゼルス]]行、[[シャルル・ド・ゴール国際空港|パリ]]、[[フランクフルト空港|フランクフルト]]への直行便が就航する予定であった。また、カンタス航空はA380型機をロサンゼルス - シドニー便に投入すると公表した。また、この頃にはエアバス社は月に4機のペースで引き渡しを行うと表明していた。
 
 
 
しかし、2006年[[6月13日]]、エアバス社は引渡しが再び6 - 7か月遅れることを発表した<ref>「超大型旅客機エアバス380」P51</ref>。理由は生産上の遅れとしているが、顧客ごとに異なる内装仕様に対応するため、機内の配線設置に手間取っていることが原因とされている。社内で使用している[[CAD]]ソフト[[CATIA]]が、ドイツとスペインではバージョン4を使っていたのに対し、イギリスとフランスではバージョン5に変更していた事でデータの共有に問題が起き、ケーブルの長さが設計変更に対応していなかったという<ref>[http://worldcadaccess.typepad.com/blog/2006/09/a380_delayed_by.html A380 Delayed by CATIA 4/5 Mix - WorldCAD Access]</ref>。なお、引渡し機数に関しても計画の年25機([[2009年]]から年45機)から2007年は9機、2008年以降も予定より5 - 9機縮小するとした。これにより、さらに大幅な受領の遅れが生じるため、航空会社の心証が悪化した。エアバス社は、影響を受ける航空会社各社に対し大規模な補償交渉を行なったほか、安価なリースパッケージを提供することで旅客機型のキャンセルを回避しようとした。また、引き渡し延期をめぐっては、エアバス親会社の[[エアバス・グループ|EADS]]株の急落に加え、EADS・エアバス両社幹部がこの発表前に大量の株を売却した[[内部者取引|インサイダー]]問題が発覚しており、EADS社元CEOノエル・フォルジャールが逮捕、その他10人がフランス当局によって告発されている。
 
 
 
さらに、2006年[[9月21日]]には、EADSが3度目となる納入スケジュールの遅れを発表。続く[[10月3日]]には最大の発注元であるエミレーツ航空が、「エアバスからA380計画がさらに10か月遅れ、機体引き渡しは2008年8月になるとの連絡を受けた」という声明を出している。エミレーツ航空は同声明の中で「当社にとって極めて深刻な問題で(契約に関する)すべての選択肢を見直している」としていたが、その後2007年[[5月14日]]に4機の追加発注を受けたことで契約のキャンセルは回避された。その後、2007年[[6月22日]]に行われた[[パリ航空ショー]]において、8機が追加発注され、さらに2013年11月のドバイのエアーショーにて50機の追加発注が決定し合計140機となり、同機における最大のカスタマーとなっている。
 
 
 
2006年[[11月7日]]、貨物型の導入を予定していた[[フェデックス・エクスプレス|フェデックス]]が、発注をキャンセルしたことを明らかにした。次いで2007年[[3月2日]]に、貨物型の導入を予定していた[[ユナイテッド・パーセル・サービス]] (UPS) は、エアバスが再建計画の一環として旅客機の生産を優先すると発表したことで、引き渡しがさらに遅れることを懸念し、発注をキャンセルした(UPSは、のちにB747-8Fを新規発注)。さらには旅客・貨物の両型式を発注していたILFCも貨物型だけ注文をキャンセルし、旅客型のみの納入を受けることを明らかにしている。
 
 
 
エアバス社はこの時点でオプションを含め80機あった貨物型の受注を全て失い、貨物型の開発を一時中断した。旅客型の受注件数は基本設計から半世紀が経過し、大型化に限界があるボーイング747の発展形である[[ボーイング747-8]]の受注件数を上回っているが、貨物型はボーイング747-8に大きく遅れをとることとなった<ref group="注">またA380は機首部分下部に大型のノーズギアを格納する際に開くドアがある(上記エアバスカラーの画像参照、ちなみに747はノーズより若干後ろにノーズギア装置一式があり、コクピットは2階席部分しかも鼻先部分から離れて配置されている)ことから機首にノーズカーゴドア機構を採用できないことも、差が生じている原因である。</ref><ref group="注">機構の違いは、A380が「旅客機」として開発されたことによること、一方747は(元を正せば)「軍用輸送機」として開発されたことによる(結果として、民間旅客機に転用された)。使い勝手の面から見ても、2階を支える桁の関係上長さ以外の面を含めて最大積載サイズは747の方が大きい。</ref><ref>旅客機型式シリーズ3「ジャンボジェットBoeing747Classic」(イカロス出版)</ref><ref>旅客機型式シリーズ スペシャル「エアバスA380」(イカロス出版)</ref>。
 
 
 
=== テスト飛行 ===
 
[[File:1er vol de l' A380.jpg|thumb|初飛行後に着陸するA380の試作機]]
 
[[2005年]][[4月27日]]に[[フランス]]の[[トゥールーズ]]で初飛行した<ref>「超大型旅客機エアバス380」P39</ref>。
 
 
 
[[2006年]]11月からA380 MSN002([[ロールス・ロイス]] [[ロールス・ロイス トレント|トレント 900型]]を装備、製造番号2:F-WXXL)を用い、世界の[[空港]]の[[滑走路]]、[[誘導路]]、PBB([[ボーディング・ブリッジ|パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ]])が適合するかどうかのテストと、PRの一環として世界周遊飛行を行った。行程はトゥールーズから出発し、4回に分けて10都市を回るもので、1回目の飛行では、[[シンガポール・チャンギ国際空港|シンガポール]]([[11月14日]])、[[仁川国際空港|大韓民国・ソウル]]([[11月15日]])に寄港。2回目に[[香港国際空港|香港]]([[11月18日]])と[[成田国際空港|成田]]([[11月19日]] - [[11月20日]])、3回目は[[中華人民共和国]]を中心として、[[広州白雲国際空港|広州]]([[11月22日]])、[[北京首都国際空港|北京]]、および[[上海浦東国際空港|上海]]([[11月23日]])に飛行。4回目では、[[ヨハネスブルグ国際空港|南アフリカ・ヨハネスブルグ]]([[11月26日]])に立ち寄り、[[南極点]]上空を通過して、[[シドニー国際空港|オーストラリア・シドニー]]([[11月28日]])に寄港。[[太平洋]]を横断して[[バンクーバー国際空港|カナダ・バンクーバー]](11月29日)に飛行したあと、[[北極点]]上空を通過しトゥールーズに戻った。
 
 
 
この飛行の成功により、[[12月12日]]に[[欧州航空安全庁]] (EASA) および[[連邦航空局|米国連邦航空局]] (FAA) の型式証明を同時に取得した<ref>「超大型旅客機エアバス380」P135</ref>。この際、FAAがアメリカ機に義務付けている燃料タンク爆発防止装置の装備がなされていないことを指摘した。欧州機では装備義務はなく、エアバスもアメリカ機(ボーイング機)との構造の違いを主張し、装備の必要はないとしている。ただし、アメリカの航空会社に採用される場合はFAA基準が適用される可能性がある。
 
 
 
同機は「ワールド・ツアー2007」の一環としてA380 MSN007(製造者連番7:F-WWJB)で[[2007年]][[6月4日]]に成田空港に再度飛来し、[[6月6日]]にシドニーに向かった。
 
 
 
また、A380 MSN009(製造者連番9:F-WWEA)を用いて、[[エンジン・アライアンス]]社製[[エンジン・アライアンス GP7000|GP7000エンジン]]を搭載したA380の型式証明取得のため、テスト飛行を行った。2007年[[9月26日]]から、[[コロンビア]]の[[ボゴタ]]を振り出しに、北米・南米・中近東へ断続的にテストフライトを行い、[[10月18日]]に[[関西国際空港|関西空港]]に寄港、その後トゥールーズに戻った<ref>{{PDFlink|[http://www.kiac.co.jp/news/2007/626/A380HP.pdf 関西国際空港株式会社 - 広報], www.kiac.co.jp}}</ref>。このエンジンを搭載したA380-861型は2007年12月に型式証明を取得した。
 
 
 
== 引き渡し、就航 ==
 
[[File:Singapore Airlines A380-800(9V-SKA).jpg|thumb|[[シンガポール航空]]のA380]]
 
2007年[[10月15日]]、初飛行以来30か月間のテストを経て、最初の納入先であるシンガポール航空に機体が引き渡された<ref>「超大型旅客機エアバス380」P191</ref>。同年[[10月16日]]にパイロットや技術者などのシンガポール航空関係者が乗り込み[[エアバス]]本社([[トゥールーズ]])からシンガポールに向けて飛び立った。そして同年[[10月25日]]よりSQ380便としてシンガポール - シドニー間に就航した。この初号便の座席は[[eBay]]による[[インターネットオークション]]で販売され、売り上げは慈善団体に寄付される。また「現在運航している世界最大の旅客機」がボーイング747からA380に代わった。
 
 
 
結果として、最初の納入は当初予定から1年半遅れた。2007年11月末での受注数は193機であるが、一説によれば遅れに伴う補償費用や生産設備の稼働率低下、人海戦術に伴う人件費増大等によってエアバスは60億[[ユーロ]](約1兆円)のプロジェクト経費増大を来たしており、さらに米ドルに対するユーロ高傾向もあってA380の採算ラインは、当初の270機から、420機程度にまで悪化している<ref>「超大型旅客機エアバス380」P52</ref>と言われる。
 
 
 
2007年11月12日、エアバス社は[[サウジアラビア]]王子の[[アル・ワリード王子|アル・ワリード]]がA380をプライベート機として購入するため売買契約を結んだと発表した。2つのダイニングやゲームルーム、主寝室などを備え、機体に3億ドル、改装費に1億ドル。ミサイル防衛システムも含まれている。エアバス社では"The Flying Palace"(空飛ぶ宮殿)と呼んでいる<ref>「超大型旅客機エアバス380」P179</ref>。この機体は元々[[エティハド航空]]向けに納入予定であった飛行試験2号機であることが明らかになっている。
 
 
 
シンガポール航空による定期就航が始まったことにより、A380 の順調なスタートにこぎ着けたと思われたが、エアバスは2008年5月13日、量産計画を再調整し、ウェーブ1(量産化前段階)からウェーブ2(量産移行後)においての引き渡し計画を修正する発表を行った。その結果、2006年に計画された急激な量産化は達成不可能となったことが確認されウェーブ2への移行に若干の遅れが生じた。これは、ウェーブ1における作業が予想以上に時間を要したことが原因としている。
 
 
 
今後の展望として、同日、エアバス社は次の通り発表した。
 
* 予定のA380の引き渡し機数
 
** 2008年:13機→12機(1機減)
 
** 2009年:25機→21機(4機減)
 
 
 
これ以降の引き渡し機数については、今後顧客との話し合いによって決まるとしている。その後2008年9月のカンタス航空向け初号機、製造通算14号機の引き渡しに先立ち、エアバス社は2008年と2009年の引き渡し数は12機と21機を堅持、2010年については30機から40機の間になると公表した。2008年12月30日に2008年の12機目となるエミレーツ航空向け4号機が引き渡された。なお、2008年後半に顕在化した[[リーマン・ショック|世界金融危機]]のため、エアライン各社は引き渡しペースの鈍化をエアバス社に要望し、それに応える形で2009年5月には2009年中の引き渡し数を14機に削減するむね再度発表されている。
 
 
 
2008年[[7月28日]]、エアバス社のハンブルク施設に新設されたユルゲン・トーマス・デリバリーセンターでエミレーツ航空に対してA380-861が引き渡された。A380の航空会社への引渡しはこれが6機目で、これまでの5機はいずれもシンガポール航空に引き渡されていたことから、エミレーツ航空はA380を受領した二番目の航空会社である。
 
 
 
今回の引渡し機は同年8月1日にドバイ - ニューヨーク(ジョン・F・ケネディ)線で初就航した。そのほかに長距離路線の就航先として、ロンドン、シドニー、オークランドがあるが、今後の機数の増加によって就航都市は増えていく予定である。2009年3月、エミレーツ航空は、採算の悪化を受け、ドバイ - ニューヨーク(ジョン・F・ケネディ)線からA380の撤退を決定し、ボーイング777-300ERに変更した。
 
 
 
同機は商業運航の合間にクルーと整備員の訓練研修を兼ねて飛行していたが、同年9月に入り原因不明の電子機器トラブルが発生し飛行作業を中断した。商業運航が再開されたのは同年9月12日であった。
 
 
 
2008年[[9月19日]]、豪カンタス航空に同社向けA380-842(製造通算14号機)が引き渡され、同年9月21日にシドニーに到着した。同航空では約一か月間慣熟訓練を行ない、同年10月20日にメルボルン - ロサンゼルス線で商業運航を開始した。
 
 
 
2013年[[3月14日]]、通算100号機のA380がマレーシア航空へ引き渡された<ref>{{Cite web|date=2013-03-14|url=http://www.aviationwire.jp/archives/17293|title=100号機目のA380、マレーシア航空に引き渡し|publisher=Aviation Wire|accessdate=2013-03-14}}</ref>。マレーシア航空にとっては6機目の機体。しかしながら2015年5月、同社は会社の業績不振の影響もあって近い将来にA380を放出することを示唆した<ref>[http://www.businessnewsline.com/news/201505011110180000.html マレーシア航空、保有する6機のA380機を全て売却へ]</ref>。2016年2月、同社CEOは、売却を延期し、少なくとも2018年まで同型機保有総数は現在の6機のまま据え置く、と述べた<ref>[http://jp.reuters.com/article/idJPL3N15U28S マレーシア航空、A380機の売却は少なくとも2年延期=CEO] - Reuters(2016年2月15日)</ref>。同年11月30日、A380型機を新たな航空会社に移管し、イスラム教のメッカ巡礼のためフライトを運航する計画を発表した<ref>[https://www.traicy.com/20161201-MHa380 マレーシア航空、エアバスA380型機をメッカ巡礼に活用 新たな航空会社設立] - トライシー(2016年12月1日)</ref>。
 
 
 
2017年11月3日、エミレーツ航空に同社100機目のA380(機体番号:A6-EUV)が引き渡された<ref>[https://www.emirates.com/media-centre/emirates-welcomes-100th-a380-to-its-fleet#conversations Emirates welcomes 100th A380 to its fleet]</ref><ref>[http://www.airbus.com/newsroom/press-releases/en/2017/11/emirates-welcomes-100th-a380-to-its-fleet.html Emirates welcomes 100th A380 to its fleet]</ref>。2018年に[[アラブ首長国連邦|(UAE)]]の初代ザイード大統領の生誕100年を迎えることから、「100th A380」のロゴに加え、同氏を描いた特別塗装機となっている。
 
 
 
[[File:World A380 map NEW 2013.png|thumb|upright=1.35| {{legend|#000000|A380を1機以上保有する国}} {{legend|#9412D0|将来導入予定の国}}]]
 
'''主な就航路線(2017年3月現在)'''(注)都市名が同じ場合、空港は同じとする。
 
* シンガポール航空 - 出発地:[[シンガポール・チャンギ国際空港|シンガポール]]
 
** 就航地:ロンドン・シドニー・パリ・[[香港国際空港|香港]]・メルボルン・[[チューリッヒ国際空港|チューリッヒ]]
 
* [[エールフランス]] - 出発地:[[シャルル・ド・ゴール国際空港|パリ]]
 
** 就航地:[[ジョン・F・ケネディ国際空港|ニューヨーク]]・[[ヨハネスブルグ国際空港|ヨハネスブルグ]]・シンガポール
 
* [[ルフトハンザドイツ航空]] - 出発地:[[フランクフルト空港|フランクフルト]]
 
** 就航地:[[北京首都国際空港|北京]]・香港・ヨハネスブルグ・ニューヨーク・[[サンフランシスコ国際空港|サンフランシスコ]]
 
* エミレーツ航空 - 出発地:[[ドバイ国際空港|ドバイ]]
 
** 就航地:ロンドン・[[マンチェスター空港|マンチェスター]]・パリ・チューリッヒ・フランクフルト・デュッセルドルフ・ミュンヘン・マドリード・バルセロナ・アムステルダム・ローマ・ミラノ・シドニー・ブリスベン・メルボルン・パース・北京・上海・香港・成田・[[トロント・ピアソン国際空港|トロント]]・サンフランシスコ・ロサンゼルス・ニューヨーク・ダラス・ヒューストン・バンコク・クアラルンプール・シンガポール・ソウル・[[キング・アブドゥルアズィーズ国際空港|ジェッダ]]・クウェート・ムンバイ・モーリシャス
 
** 以遠就航地:シドニー - [[オークランド国際空港 (ニュージーランド)|オークランド]]・バンコク - 香港・ブリスベン - オークランド・メルボルン - オークランド
 
* カンタス航空 - 出発地:[[シドニー国際空港|シドニー]]・[[メルボルン空港 (オーストラリア)|メルボルン]]
 
** 就航地:(シドニー・メルボルン)- ロンドン・ロサンゼルス・ダラス
 
** 以遠就航地:(シドニー・メルボルン)- ドバイ - ロンドン
 
* [[大韓航空]] - 出発地:[[仁川国際空港|ソウル]]
 
** 就航地:ロサンゼルス・ニューヨーク・[[ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港|アトランタ]]・パリ・香港
 
* [[中国南方航空]] - 出発地:北京・[[広州白雲国際空港|広州]]
 
** 就航地:広州<ref group="注">初めて自国の国内線でA380が就航した。</ref>・[[上海虹橋国際空港|上海]]、ロサンゼルス
 
* [[マレーシア航空]] - 出発地:[[クアラルンプール国際空港|クアラルンプール]]
 
** 就航地:ロンドン・シドニー
 
* [[タイ国際航空]] - 出発地:[[スワンナプーム国際空港|バンコク]]
 
** 就航地:シンガポール・成田・[[関西国際空港|大阪/関西]]
 
* [[ブリティッシュ エアウェイズ]] - 出発地:[[ロンドン・ヒースロー空港|ロンドン]]
 
** 就航地:ロサンゼルス・香港・ヨハネスブルグ・ワシントン・シンガポール
 
* [[アシアナ航空]] - 出発地:ソウル
 
** 就航地:ロサンゼルス・ニューヨーク・香港・バンコク・成田
 
* [[カタール航空]] - 出発地:ドーハ
 
** 就航地:ロンドン・パリ・バンコク
 
* [[エティハド航空]] - 出発地:アブダビ
 
** 就航地:ロンドン
 
 
 
=== 日本への就航 ===
 
[[日本]]路線は、[[2008年]][[5月20日]]にシンガポール航空がシンガポール - 東京/成田線で運航を開始したのが最初である。だが、悪天候により[[中部国際空港]]へ回避着陸([[ダイバート]])し、その後4時間ほど遅れて成田に到着した。なお、当日は成田空港開港30周年の日であった。
 
 
 
その後は、[[2010年]][[6月12日]]到着便よりルフトハンザドイツ航空がフランクフルト - 東京/成田線(2018年1月現在、2014年3月の羽田線復帰以降、成田自体に乗り入れておらず、2014年3月の羽田線復帰に伴い、事実上の撤退となっている)で、[[2011年]][[6月17日]]より大韓航空が[[仁川国際空港|ソウル/仁川]] - 東京/成田線(往路:KE701<ref group="注">初便の往路便のみ便名はKE380であった。</ref>・復路:702便)でそれぞれ運航開始。同年[[7月1日]]よりシンガポール航空がシンガポール - 東京/成田 - [[ロサンゼルス国際空港|ロサンゼルス]]線でボーイング777-300ERに代わり運航開始し、[[以遠権]]のフライトで初めて就航した。[[2012年]]7月1日よりエミレーツ航空がドバイ - 東京/成田線に就航し、成田空港の第2ターミナルビルに初めてA380が発着(ゲートは66番)したが、翌2013年5月31日をもってA380での就航を終了した。
 
 
 
一方で、2010年[[9月2日]]到着便よりエールフランスがパリ - 東京/成田線で運航開始したものの、2014年[[5月11日]]をもってボーイング777-300ERに機材変更された。大韓航空もデイリー運航から曜日限定運航に切り替え、2012年4月以降は全便他機材に切り替えたが、2012年[[10月28日]]から[[2013年]][[3月30日]]まではA380での運航が復活している(往路:KE705・復路:706便。ただし、他の機材により運航される場合がある)。
 
 
 
シンガポール航空では2012年[[8月10日]] - [[8月15日]]に、大阪就航40周年を記念してシンガポール - 大阪/関西(往路:SQ618・復路:SQ619便)線で運航し、[[関西国際空港]]に定期旅客便として初めてA380が就航した。なお、当路線では2013年・2014年にも8月中旬<ref>2013年は11日 - 17日、2014年は9日 - 17日の予定。</ref><ref>[http://www.nkiac.co.jp/news/2013/1729/sqa380kix.pdf#search='%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%88%AA%E7%A9%BA+%E9%96%A2%E8%A5%BF%E7%A9%BA%E6%B8%AF+%EF%BC%A1%EF%BC%93%EF%BC%980' シンガポール航空 関西=シンガポール線 本年もA380型機の期間運航が決定] 新関西国際空港株式会社 2013年4月25日付</ref><ref>[http://www.nkiac.co.jp/news/2013/1917/ozsqa380.pdf#search='%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%88%AA%E7%A9%BA+%E9%96%A2%E8%A5%BF%E7%A9%BA%E6%B8%AF+%EF%BC%A1%EF%BC%93%EF%BC%980' アシアナ航空 シンガポール航空 A380型機を期間運航 〜アシアナ航空 シンガポール航空 関西空港就航20周年〜] 新関西国際空港株式会社 2014年3月26日付</ref><ref>[http://www.kansai-airport.or.jp/a380/ この夏、3社のエアバスA380が関西空港に集合!] 関西国際空港</ref>に運航している。また、[[2014年]][[8月9日]]・[[8月13日]]には名古屋就航25周年を記念してシンガポール - 名古屋/中部(往路:SQ672・復路:SQ671便)線でも運航し、中部国際空港にも定期旅客便として初めてA380が就航した<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20140809k0000e040177000c.html 中部国際空港:世界最大のエアバスA380が飛来] 毎日新聞 2014年8月9日付</ref><ref>[http://www.aviationwire.jp/archives/43037 シンガポール航空、中部にA380特別便 名古屋就航25周年] Aviation Wire 2014年8月9日付</ref>。
 
 
 
タイ国際航空が、2013年[[1月1日]]からバンコク - 東京/成田線で運航開始(往路:TG676・復路:TG677便)。<br>さらに同年[[12月1日]]からは、東京/成田線で午前出発便もA380に変更(往路:TG641便・復路:TG640便)、またバンコク - 大阪/関西線(往路:TG622・復路:TG623便)でも運航開始。[[2015年]]5月からB747-400に機材変更し運航していたが、[[2016年]][[5月16日]]から10月29日までの間、再投入され<ref>[http://flyteam.jp/news/article/60137 タイ国際航空、5月16日から関西/バンコク線にA380を投入] FlyTeam 2016年2月24日付</ref>、2017年1月前後にB747-400となったが{{要出典|date=2017年9月}}、2017年9月現在、成田発夕刻便とその復路便、関空発夕刻便とその復路便をA380で運航している<ref>[http://www.thaiair.co.jp/special/a380/ エアバスA380 新登場 | タイ国際航空]</ref>。
 
 
 
アシアナ航空が、2014年[[6月13日]]からソウル/仁川 - 東京/成田線(往路:OZ102・復路:OZ101便)、同年[[7月29日]]からソウル/仁川 - 大阪/関西線(往路:OZ112・復路:OZ111便)で、同年[[8月19日]]まで一時的に投入された<ref>[http://flyteam.jp/news/article/32196 アシアナ航空のA380、2階席のエコノミーは「2-4-2」] FlyTeam ニュース 2014年4月15日付</ref><ref>[http://jp.flyasiana.com/C/ja/boardContents.do?menuId=004001000000000&menuType=BOARD&boardCode=BOARD_NEWS&newsSeq=2748&newsCateCode=NEWS01&boardCmd=VIEW ASIANA380 運航路線情報]</ref>。そして、2016年10月30日から11月9日の間、ソウル/仁川 - 東京/成田線(往路:OZ102・復路:OZ101便)で期間限定投入され、2年ぶりに日本に同社のA380が飛来した<ref>[http://flyteam.jp/news/article/69916 アシアナ航空、10月30日から11月9日に成田/仁川線にA380を投入]</ref>。2017年10月29日から2018年3月24日まで、再度ソウル/仁川 - 東京/成田線(往路:OZ102・復路:OZ101便)にA380を投入している<ref>[http://flyteam.jp/news/article/84129 アシアナ航空、10月29日から成田/仁川線にA380投入 正式発表] - Fly Team(2017年9月12日)</ref>。
 
 
 
シンガポール航空が路線計画変遷に伴い、2016年[[10月22日]]をもってロサンゼルス-東京/成田線-シンガポール線(SQ11/12)におけるA380の運航が終了となった<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160616-00000005-awire-bus_all シンガポール航空、成田経由便777に A380から若返り]</ref>。同路線は翌日よりB777-300ERとなったが、東京/成田線-シンガポール線(SQ637/638)がA380になるとの発表もない。また同社は羽田線も有していることから、A380は東京/成田線から事実上の撤退となった可能性が高い。この後、大阪/関西線については同年12月4日から2017年始にかけて期間限定で運用されている<ref>[http://flyteam.jp/airline_route/kix_sin/news/article/69582 シンガポール航空、12月4日から年始までA380を関西線に投入へ]</ref>。
 
 
 
マレーシア航空が、ロンドン線のみで使用しているA380を2017年8-9月の期間限定で成田路線に導入し、東京/成田線-クアラルンプール線(MH89/88)に運用した<ref>[http://marcoflyer.com/2017/06/03/mh_a380_to_tokyo_seoul/ 【2017年8-9月限定】マレーシア航空のエアバスA380が東京成田/ソウル仁川線に期間限定就航!]</ref>。また、2015年12月14日、同月20日に決勝戦が開かれる「[[FIFAクラブワールドカップ2015]]」に出場する[[FCバルセロナ]](欧州代表)の選手とサポーターを乗せたバルセロナ-東京/成田直行チャーター便は、同クラブ首脳がVIP席の多さにこだわった結果A380となり、マレーシア航空所有6機目、A380累計100機目のロゴ入り機であった<ref>[http://www.aviationwire.jp/archives/77184 マレーシア航空、成田にA380 FCバルセロナ来日便] - Aviation Wire(2015年12月15日)</ref><ref>[http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2015/12/15/kiji/K20151215011688890.html バルサ 超VIP待遇の来日、チャーター機手配で往復に数億円] - スポニチアネックス(2015年12月15日)</ref>。
 
 
 
以上のように、本機体の初就航当時は積極的に日本への乗り入れを希望するエアラインが多数有ったものの、2017年3月現在は撤退あるいはデイリーから季節限定あるいは期間限定に切り替えとするエアラインが増えつつある。しかし、エミレーツ航空が2017年3月26日からドバイ - 東京/成田線にA380を再就航させ<ref>[http://www.aviationwire.jp/archives/115460 エミレーツ航空、成田へA380復活 3年9カ月ぶり] Aviation Wire 2017年3月26日 2017年3月29日閲覧</ref>、日本に定期的に乗り入れる外資系のA380はタイ国際航空と合わせて2社となった。
 
 
 
=== 日本の航空会社の動向 ===
 
日本はA380と同じく大型旅客機と呼ばれているボーイング747を世界で最も多く導入していることから、[[日本航空]] (JAL) や、[[全日本空輸]] (ANA) がA380を導入する可能性があると言われていた。2010年10月、羽田にデモフライトした際、エアバス側の意向で[[新千歳空港]]での適合テストも行なわれた。
 
 
 
==== スカイマーク ====
 
[[スカイマーク]]は国際線参入の一環として2010年11月8日に同機の購入について基本合意し、2011年2月17日に6機(うち2機はオプション)の購入契約を正式に締結した。この正式契約成立により、日本の航空会社として初めてエアバスA380が導入され、同時に日本籍で初めてエアバス社製・四発ワイドボディ機が登録されることになり、契約通りに進めば2014年に2機を導入する予定であり<ref>{{Cite web|date=2010-11-08|url=http://www.skymark.co.jp/ja/company/press/press101108.html|title=エアバス社とA380型機導入に関する基本合意書を締結|publisher=スカイマーク株式会社|accessdate=2011-01-10}}</ref><ref>{{Cite web|date=2010-11-08|url=http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-18056420101108|title=スカイマーク、エアバスA380型機6機購入へ|publisher=ロイター日本語ニュース|accessdate=2011-01-10}}</ref><ref>{{Cite web|date=2010-11-12|url=http://www.airbusjapan.com/press-release-details/detail/a3804/|title=スカイマーク株式会社がエアバスの大型機A380を4機購入する覚書を締結|publisher=エアバス・ジャパン|accessdate=2011-01-10}}</ref>、ロンドンやフランクフルト、ニューヨークへ就航させるほか、2018年以降にも9機追加導入する計画を明らかにしていた<ref>{{Cite web|date=2010-11-12|url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-18148120101112|title=海外展開でA380を15機導入、大量輸送で低価格実現へ=スカイマーク|publisher=ロイター|accessdate=2011-01-10}}</ref>。スカイマークカラーに塗られた機体の試験飛行も行われていたが、スカイマーク側が経営の悪化を理由に契約変更を申し出たところエアバス側が拒否して購入契約が決裂。購入キャンセルについて交渉中であることが明らかにされた<ref name="nikkei140729">[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ2900E_Z20C14A7MM0000/ スカイマーク、エアバスとA380解約交渉 国際線見直し] 日本経済新聞 2014年7月29日</ref><ref name="sky140729">{{pdf|[http://www.skymark.co.jp/ja/company/press/140729_press.pdf エアバスA380導入に関するお知らせ]}}{{リンク切れ|date=2017年10月}} スカイマーク 2014年7月29日</ref>。
 
 
 
[[2014年]][[7月28日]]、2014年前期に円安に伴う燃料費高騰や[[格安航空会社]] (LCC) の台頭などによって経営が赤字に転落した状況から、スカイマーク側がエアバスに「2機の導入延期、および4機の契約解除」とする案を打診。するとエアバス側はスカイマークに「大手航空会社の傘下」に入ることを要求し、さらにこれを拒否して契約をキャンセルした場合は「[[違約金]]」を請求することになる、と[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]]が報道<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140729-00000002-bloom_st-bus_all エアバス、スカイマークのA380発注キャンセルで合意] ブルームバーグ、2014年7月30日閲覧。</ref>。これを受けてスカイマークは「当社の経営の主体性を揺るがすような主張は受け入れられない」とする声明を発表。しかし、上記の声明を受けてエアバス側は「スカイマークとの協議および同社の機体に対する姿勢を受け」て契約協議の終了を通知<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140730-00050140-yom-bus_all エアバス、スカイマークとの交渉打ち切りを表明] [[読売新聞]]、2014年7月30日閲覧。</ref><ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N9FF3I6JIJUQ01.html エアバス、スカイマークの購入契約解除-西久保社長は諦めず] ブルームバーグ、2014年7月30日閲覧。</ref>。さらに「すべての権利及び権利侵害における救済措置を保持している」として、最大700億円規模の[[違約金]]を請求される事態となったが<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140730-00000007-jct-bus_all エアバスへの違約金最大700億円 スカイマークの経営に「深刻打撃」] [[J-CASTニュース]]、2014年7月30日閲覧。</ref>販売する予定だった機体を別の航空会社に売る目処がついたこともあって2014年10月に最低200億円まで減額に合意する方針と[[朝日新聞]]が報道したが<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASGB25R4RGB2ULFA02K.html スカイマーク、違約金200億円で大筋合意 エアバスと]</ref>、スカイマーク側の経営不振による資金不足もあり、2014年12月の時点でスカイマークが契約解除された機体がまだ他社に納入されていないことが会員制写真投稿サイトの[[Airliners.net]]で確認されており<ref>[http://www.airliners.net/photo/Untitled-%28Skymark%29/Airbus-A380-841/2555858/&sid=44b730fa9e835232023f54c18ca349df]</ref>、違約金交渉が最終合意された事実はなく、12月19日になってエアバス側が英国商事裁判所に対し、訴訟の準備を開始した旨、報道され、スカイマーク広報も追認した<ref>[http://www.skymark.co.jp/ja/company/investor/141219_ir.pdf エアバス社との交渉に関する一部報道について]</ref>。
 
 
 
==== 全日本空輸(ANA) ====
 
全日本空輸は、当初A380導入の是非について、[[2008年]]内に結論を出す予定であったが、2008年12月に[[世界金融危機 (2007年-)|世界経済の悪化]]を受け、「[[ボーイング747-8]]とともに大型機の導入計画を一時凍結する」と発表した。理由は世界の金融不況に伴うもので、「新大型機検討委員会は廃止されずに時期を見て再開させる」とされていた。
 
 
 
しばらく話の進展がなかったが2014年3月27日、同社は5機種の機材発注を同時決定した。その発注した5機種のうち、大型機として既存のボーイング777-300ERに加え、[[ボーイング777X|ボーイング777-9X]]が新たに加わることとなった<ref>[http://www.anahd.co.jp/pr/201403/20140327-2.html ANAグループ、5機種の機材発注を同時決定]</ref>。2014年3月31日をもって同社からボーイング747が全機退役したにもかかわらず導入の話の進展がなかったことに加えて、「新大型機1種」は777-9Xとして選定された。
 
 
 
[[2016年]][[1月]]にANAの親会社[[ANAホールディングス|ANAホールディングス(HD)]]が、A380型機を3機導入すると[[日本経済新聞]]より報道された<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ24HSI_R31C15A2MM8000/ ANA、超大型エアバスA380導入 3機1500億円] - 日本経済新聞電子版(2016/1/1 2:00配信)</ref><ref>[http://flyteam.jp/news/article/58398 ANA、A380導入決定 2018年に3機 スカイマーク向け製造分か] - FlyTeam(2016/01/01 09:25配信)</ref>。この機体が過去に[[スカイマーク]]がエアバスに発注していた6機中、製造済み2機を含むのか、もしくは新規発注機材であるのか詳細は明かされてないが、2018年頃に納入される予定でANAのハワイ路線に投入され、成功すれば追加発注につながる可能性もあると報じられている<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0ARA36KLVR401.html エアバス、ANAHDから超大型機A380の契約獲得-関係者] - [[ブルームバーグ (企業)|Bloomberg.co.jp]](2016/01/02 08:38 JST配信)</ref>。
 
 
 
2016年1月29日、ANAHDはA380型機を3機導入することを正式に発表した。[[成田国際空港|成田]]から[[ダニエル・K・イノウエ国際空港|ハワイ]]向けリゾート路線を拡充する機材となる予定で<ref>[http://www.anahd.co.jp/pr/201601/pdf/20150129-3-1.pdf 固定資産(航空機)の取得に関するお知らせ] - ANAホールディングス(2016/1/29)</ref>、[[2018年]]~[[2019年]]に納入される見込み。2019年春より東京-ホノルル線へ導入する特別塗装デザインと、愛称「FLYING HONU」(空飛ぶ[[アオウミガメ|ウミガメ]] の意)を決定した<ref>[https://www.ana.co.jp/group/pr/201703/20170306.html A380型機 特別塗装機が「FLYING HONU」に決定!] - ANA NEWS 第16‐120号(2017年3月6日)</ref><ref>『[[エアライン (雑誌)|エアライン]]』2017年5月号、[[イカロス出版]]、 70頁。</ref>。順調に納入されれば、ANAが日本初のA380を保有する航空会社となり、世界では15社目の発注航空会社となる。また、同社の[[フリート]]では2014年3月31日以来、4発エンジン旅客機が再び加わることとなる。
 
 
 
== 名前の由来 ==
 
本来の命令規則によればA340、A350と続くはずであったが、この機種はいきなりA380になっている。理由は以下の通り。
 
* 航続距離が8,000マイル(約12,800km)に向上し、それを強調するため
 
* 比較的ボーイングの機体の使用率の割合が大きい中国市場を開拓するため、中国で「末広がり」を意味する番号が「八」だったため<ref>トゥールーズにあるエアバス工場にて見学の際確認</ref>
 
 
 
== 機体 ==
 
[[File:Airbus A380 cross section.svg|thumb|[[断面図]]]]
 
 
 
=== 外形 ===
 
A380型機は、低翼で後退角を持った[[主翼]]、通常形式の[[尾翼]]、主翼[[パイロン]]に装着したエンジンなどの一般的なジェット[[旅客機]]と同じ特徴を持っている。A380型機は基本型の旅客仕様-800型が最初に販売された。
 
 
 
ボーイング747と違い、2階席も通路が2つある<ref group="注">機体規模を他の旅客機に例えるなら[[ボーイング777 #777-300(773A)|ボーイング777-300]](1階席)の上に[[エアバスA340]](2階席)を上乗せした大きさである。</ref>。
 
 
 
=== 客室 ===
 
2階建ての客室の1階(主デッキ)は最大幅6.58mで、ボーイング747-400の主デッキ客室最大幅より45.7cm広い。また上部デッキの客室最大幅は5.92mでエアバス社の従来のワイドボディ機の客室最大幅5.62mよりわずかに広い<ref>「ボーイング787VS.エアバスA380」P177-179</ref>。
 
 
 
==== 店舗・サービス設備 ====
 
[[File:Emirates Airbus A380-861 onboard bar Iwelumo.jpg|thumb|[[エミレーツ航空]]のA380のバー。[[ブルジュ・アル・アラブ]]および[[パーム・ジュメイラ]]の装飾が左右に施されている。]]
 
エアバス社はその客室の大きさから[[ラウンジ]]、[[滝]]、[[バー (酒場)|バー]]、[[免税店|免税品店]]や[[シャワールーム]]などを設けることも可能としており、実際に[[エミレーツ航空]]は[[ファーストクラス]]利用者向けのシャワールームを設置した。しかし、飛行中は不測の[[乱気流]]で機体が大きく揺れることがあり、乗客が怪我や死亡する危険を最小限にするには、乗客が常に立ち歩く状態は好ましくない<ref group="注">航空会社としては乗客に飛行中は常に座席ベルトの着用を求めており、立ち歩く設備を設置・運営して、もしも事故があると、訴訟によって航空会社の責任を問われた時に不利になる可能性がある。</ref>。作ったとしてもすぐに廃れるだろうという意見もあるが、在来機において既にバーは実現されている。また、逆に[[ボーイング747]]の開発の際ではそのような接客設備の採用が検討され、ラウンジはいくつかの航空会社において実現したものの、座席数を増やすためにその後廃止された。
 
 
 
==== 座席数 ====
 
[[File:A380 The Residence Apartment Etihad Airways ITB2015 (1).JPG|thumb|[[エティハド航空]]のA380の最上級クラス「レジデンス」に設けられているベッド。]]
 
キャビンの総面積はB747-400の約1.5倍、座席数は[[ファーストクラス|ファースト]]・[[ビジネスクラス|ビジネス]]・[[エコノミークラス|エコノミー]]の3クラスからなる標準座席仕様で同じく約1.3倍である。エアバス社では「従来の大型機と比べて同じ座席仕様でありながら、1人当たりの占有面積が広くなる」を同機のセールスポイントとしている<ref group="注">一部の報道等では「座席数は、現行の747に比べて約2倍の800席が可能」等の表現がされていたが、747の400席は3クラス仕様の標準座席数であり、A380の800席はエコノミークラスだけのモノクラス仕様での標準座席数であるため、これらの数値で比較するのは公平を欠いている。エアバス社もこのような「2倍」という表現はしていない。</ref>。[[エティハド航空]]では、これを活かし通路を1つとする代わりにベッドを座席ごとに設置した通常のファーストクラスより上の「レジデンス」を導入している。座席の機内が総2階建て構造であることから、客室の最前部(メインデッキのL1/R1ドア付近)と最後部にそれぞれ直線式と螺旋式の階段が設けられ、最前部の階段では大人2人が楽にすれ違える幅がとられている。なお、2017年に最前部階段の位置を従来のメインデッキのL1/R1ドア付近からL2/R2ドア付近への設計変更が可能になることが発表された<ref name="broomberg170405">[http://www.aviationwire.jp/archives/117018 エアバス、A380に新客室オプション 階段変更で575席] - Bloomberg 2017年4月5日</ref>。これにより、一例として4クラス497席の座席数から78席増の575席へと座席数を増やすことが可能となる。更に2018年4月には、新造機だけでなく既存機にも適用可能な「キャビン・フレックス」オプションが導入された<ref>[http://www.airbusjapan.com/single-jp/detail/a380-47/ A380向けキャビン・フレックスをローンチ] - エアバス 2018年4月10日(2018年4月14日閲覧)</ref>。これは、2階のドア3を機能させないことで、プレミアムエコノミーで最大11席、ビジネスクラスで7席増やすことが可能になる。
 
 
 
民間旅客部門では今までにない座席数である。例として[[エール・オーストラル]]はモノクラス仕様で計840座席とし、世界最多有償座席数として記録が更新される計画もあったが、発注はキャンセルされた<ref name="broomberg160411">[https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5H81R6KLVRO01 欧州エアバス、840人乗り「空飛ぶいわしの缶詰」の受注失う] - Bloomberg 2016年4月12日</ref>。2クラス仕様では2015年11月4日にエミレーツ航空が中距離2クラス仕様・615席(ビジネス58席・エコノミー席557席)を受領した事で、2クラス仕様における世界最多有償座席数であった[[全日本空輸|ANA]]の[[ボーイング747-400 #747-400D型|ボーイング747-400D(2014年3月31日をもって全機退役)]]の569席を上回り、記録を更新した。2016年7月現在、2クラスで世界最多の有償座席数そして世界初の600席台有償提供である。標準座席仕様では、2011年11月現在、エールフランスが538席<ref group="注">3クラス仕様から4クラス仕様への移行に伴い2011年12月13日以降は、ルフトハンザドイツ航空の526席(ファースト8席・ビジネス98席・エコノミー420席)が最多となる予定。なお、4クラス仕様後の座席数は507席となる予定(ファースト9席・ビジネス80席・プレミアムエコノミー38席・エコノミー席380席)</ref>として、有償提供をしている。3クラス仕様における初の500席台であり、世界最多有償座席数の記録を更新している。また、一部の他の航空会社でも標準座席仕様で500席台とする予定である。
 
 
 
2000年代後半以降では、ワンランク上のエコノミークラス(プレミアムエコノミーなど)を導入して4クラス仕様とする航空会社があるが、エールフランスが507席<ref group="注">2011年11月現在は、3クラス538席と混在しているが、2011年12月12日までにこの4クラス仕様に完全移行予定。</ref>として、有償提供をしている。この仕様においても初の500席台であり、世界最多有償座席数の記録を更新している。
 
{{main|en:Seat configurations of Airbus A380}}
 
 
 
=== 操縦室 ===
 
[[File:Airbus A380 cockpit.jpg|thumb|A380の操縦室]]
 
操縦室と乗務員休憩区画などは2階建て客室部分の前にあり、メインデッキと呼ばれる1階とアッパーデッキと呼ばれる2階の間の1階より少し上がった中2階の高さに位置している<ref group="注">1階席からコクピットに上がるための小階段が設置されている</ref>。これは視界の確保と他のエアバス機との互換性のことも考えての設計である。
 
 
 
操縦室は予備席も含めて5つの座席が備わる。2人乗務による操縦を行えるように、最前部左の機長席とその右の副操縦席の2座席を取り巻き操縦装置類が配置されている。操縦室後半には間隔を開けて2つまたは3つの座席が備わっている<ref group="注">操縦士用の乗務員休憩区画が操縦室のすぐ後ろにあり、脚格納室と操縦室の間と前部階段室の上階に主電子機器室と副電子機器室がある。</ref>。
 
 
 
本機はLCD([[液晶ディスプレイ]])を用いた[[グラスコックピット]]を備えている。ただし、エアバス社の従来のグラスコックピットと違う点は、一辺8インチの正方形のLCD6面から、縦8インチ横6インチの縦長のLCDが8面へと増えたことである<ref>「ボーイング787VS.エアバスA380」P159</ref>これにより、コックピットに持ち込む書類の数の削減が可能となる。<!-- 以下、主観ではないでしょうか? それが結果今の不細工な格好を作り出してしまった。-->操舵形態は同社では[[エアバスA320]]以来採用されている[[旅客機のコックピット#操縦桿とサイドスティック|サイドスティック]]方式である。
 
 
 
=== 垂直尾翼 ===
 
垂直尾翼前縁頂点部に機外カメラを取り付けることが可能となっている。機内のモニターでは、高さ24mからの映像が映し出される。この機外カメラの取り付けは、航空会社によるオプションである。
 
 
 
=== エンジン ===
 
[[File:British Airways Airbus A380-841 F-WWSK PAS 2013 07 Trent 970 engine.jpg|thumb|[[w:Rolls-Royce Trent 900|ロールス・ロイス トレント 900]]の[[ジェットエンジン]]を搭載した[[ブリティッシュ・エアウェイズ]]のA380]]
 
2社が製造するエンジンから1種類を選ぶことができる。これらはいずれも主翼下面にパイロンを介して左右に2つずつ合計4基が取りつけられる高バイパス比[[ターボファンエンジン]]である。1つは[[ロールス・ロイス・ホールディングス]]製[[ロールス・ロイス トレント|トレント 900]]、もう1つは[[エンジン・アライアンス]]([[GE・アビエーション|GE]]・[[プラット・アンド・ホイットニー|P&W]]の合弁企業)製[[エンジン・アライアンス GP7000#GP7270 諸元|GP7270]]である。トレント 900はA380が初飛行した時のエンジンであり、最初は数多く販売されたが、その後GP7200の販売も伸びてきており、トレント 900の発注と肩を並べるまでになっている<ref group="注">[[2008年]]2月1日にはテスト機の4つの[[ロールス・ロイス トレント|トレント 900]]エンジンのうち1つに[[GTL]]を含む燃料を使用して、[[イギリス]]の[[:en:Bristol Filton Airport|ブリストル=フィルトン空港]]からフランスの[[:en:Toulouse Blagnac International Airport|トゥールーズ国際空港]]までの約3時間のテスト飛行を成功させている。</ref>。エンジンのメーカー別にA380の型式がロールスロイス トレント900シリーズはA380-84X、エンジン・アライアンス GP7200シリーズはA380-86Xと表され区別できる。
 
 
 
着陸滑走時には、ボーイング747などの4発機はエンジン4基全ての[[逆噴射装置]]を使用するが、A380では内側の第2と第3エンジンの2基分のみを使用する。操縦席のリバース操作レバーも、第2と第3エンジンの部分のみである。なお、計画当初A380はブレーキ性能が十分とのことで逆噴射装置を採用する予定はなかった。重量軽減と信頼性向上のため、逆噴射装置では民間機では初となる電気で作動するETRAS (Electrical Thrust Reverser Actuation System) を採用している<ref>Hispano-Suiza and Honeywell Electrical thrust reverser actuation system (ETRAS®)http://www.hispano-suiza-sa.com/spip.php?rubrique48&lang=en</ref>。
 
 
 
低騒音で低二酸化炭素排出量を実現し、世界一運航規制の厳しい[[ロンドン・ヒースロー空港]]でも24時間運用が可能である。このことから広告では「環境にやさしい飛行機」であることを売りにしている<ref group="注">2008年のシンガポール航空ショーでは機体に「Greener.Cleaner.Quieter.Smarter」と塗装し曲芸時にアピールした</ref>。
 
 
 
=== タイヤ ===
 
巨体を支える[[降着装置]]の[[タイヤ]]は、ノーズギア2本、ボディギア12本(6輪ボギー×2)、ウイングギア8本(4輪ボギー×2)の計22本である。なお、ボーイング747のタイヤはノーズギア2本、ボディギア8本、ウイングギア8本の計18本、ボーイング777ではノーズギア2本、ボディギア12本の計14本である。
 
* タイヤを製造しているのは、[[ブリヂストン]]である<ref>『エアバスA380』40頁、41頁 [[イカロス出版]]より</ref>。初号機にはブリヂストンのタイヤが採用された<ref>{{Cite web|date=2007-10-31|url=http://response.jp/article/2007/10/31/101282.html|title=ブリヂストン、エアバス A380 初号機にタイヤ納入|publisher=[[Response.]]|accessdate=2011-01-10}}</ref>。また、[[エミレーツ航空]]向けの機材には[[ミシュラン]]がタイヤを製造すると報道された<ref>{{PDFlink|[http://www.michelin.co.jp/content/download/3857/141282/version/2/file/081104.pdf ミシュラン該当ページの12ページ目にその記述がある]}}</ref>。
 
 
 
=== 空港の対応 ===
 
[[国際民間航空機関]](ICAO)では、A380型機などの新大型航空機に対応する新たな飛行場等級「コードF」を設定し、滑走路や誘導路など基本施設の整備について細かな基準を設けている。それまでは[[ボーイング747-400]]型機などの大型ジェット機を想定したコードEが最高ランクであった。
 
 
 
旅客取扱施設においては、総2階建てという新型機の特性から、固定ゲートを利用して航空機に搭乗する際の[[ボーディングブリッジ|PBB]](パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ:搭乗橋)の運用が大きな課題となる。エアバス社によれば、現在世界の空港で広く採用されている、1機あたり2本のPBBで十分対応可能であるが、メインデッキ2本使用で140分、アッパーデッキ、メインデッキ各1本、計2本使用で90分のターンアラウンド(便間作業)タイムを設定している<ref>[http://www.airbus.com/content/dam/corporate-topics/publications/backgrounders/techdata/aircraft_characteristics/Airbus-Commercial-Aircraft-AC-A380-Dec-2016.pdf A380マニュアル 170ページ/326ページ TERMINAL SERVICING参照、便間作業ダイヤグラム貼付有、公式英文マニュアル]</ref>。アッパーデッキ1本、メインデッキ2本、計3本のPBBが使用出来れば、さらに乗降に必要な時間や機内清掃など作業時間なども短縮されるため、乗客の利便性がさらに向上するとしている。このほか、ゲートラウンジの拡張や、駐機中の航空機に電気や空調を供給する{{仮リンク|地上動力装置|en|Shorepower}}(GPU)の能力アップなどが必要となる<ref group="注">世界の国際空港の大半はボーイング747-400の乗降に対応できるが、これを上回る大きさであるので空港改修が必要である。その一つとして、2階席もワイドボディ旅客機なみの収容数であるため、空港施設の搭乗橋を増設し、1階席に2口、2階席に1口とする改修がある。ボーイング747も前方が2階建てであるが、2階席は人数はそれほど多くないため1階席2口で処理している。2階席の乗客が1階の乗降口を利用するので、全体としての乗降時間が比較的長くなる。また、単独歩行が困難ないしは不可能な旅客や幼児同伴の旅客などは、階段の昇降を要する2階席の利用は安全上の配慮により認めていない。また、ターミナルビルには対応ゲートを設ける。</ref>。
 
[[File:Airbus A380-800 of Lufthansa in Frankfurt Germany - Aircraft ground handling at FRA EDDF.jpg|thumb|[[フランクフルト空港]]における[[ルフトハンザドイツ航空]]のA380-841型機の[[グランドハンドリング]]]]
 
 
 
[[日本の空港]]では、[[成田国際空港]]が2013年時点で第1ターミナルビルの15番・26番・45番・46番、第2ターミナルビルの66番、96番<!--準備工事のみ 67番・68番-->が同機対応である。[[東京国際空港]](羽田空港)は、国際線ターミナルの107番スポットが該当する
 
(但し、こちらは混雑する昼間の定期乗り入れは後方乱気流などの問題もあり原則、国交省は認可しない方針だが成田空港閉鎖などによる代替着陸などによる緊急運用を見込んでいる<ref>http://www.aviationwire.jp/archives/125063 なぜA380は羽田に就航できないのか 特集・訪日4000万人達成を考える] Aviation Wire 2017年7月20日付</ref>。詳細は[[羽田空港発着枠]]を参照)。[[関西国際空港]]は第1ターミナル国際線の11番、31番が該当する<ref group="注">http://www.nkiac.co.jp/news/2014/2050/kixa380upperdeck.pdf</ref>。[[首都圏 (日本)|首都圏]]以外でも、2014年11月時点で[[中部国際空港]]、[[新千歳空港|新千歳空港(国際線ターミナルのみ対応)]]<ref group="注">これら2空港は、成田・羽田・関西空港のようにアッパーデッキに直接つながる三口搭乗方式のゲートはなく、通常のメインデッキからの二口搭乗方式である。そのため、2階席利用の搭乗客は、前方の座席の場合は前方の階段、後方の座席の場合は最後部の階段を使って搭乗する。</ref>が運用可能空港となっている。
 
 
 
[[シドニー国際空港]]などではA380に対応するため、地盤を固めたり、ボーディングブリッジを減らしたりなどの処置を行った。そのためスポット運用がぎりぎりになり、他機がスポットが空くのを待つという光景も見受けられたり、ブラジルで[[2014 FIFAワールドカップ]]が開催され、需要の増加が予想される[[グアルーリョス国際空港|サンパウロ国際空港]]へエールフランスが大会期間中、同型機の就航を計画していたが、ブラジル航空当局が事前に同空港を調査したところ前述の飛行場等級コードFの規定を一部満たせていない可能性があり、改修工事の目途も立たないことから当局は大会期間中の同型機の同空港への就航は認可しない方針(大会後改修対応)であることが分かったりしていて<ref>[http://flyteam.jp/airport/sao-paulo-guarulhos-international-airport/news/article/32228 サンパウロにA380就航はダメ グアルーリョス国際空港が基準満たず]</ref>、充分な改修に対応しきれない空港もある。
 
 
 
このように今後、総2階席を持つ旅客機が増える見込みがあれば、空港側の改修なども広がりが期待できるが、規定を満たせない空港が対応しない限り路線数も増やせないため、未知数である。
 
 
 
=== 日本企業の参加 ===
 
A380の生産には、日本企業の21社が参加している<ref>「超大型旅客機エアバス380」P161-168</ref>。
 
 
 
[[2002年]]4月に床下・[[垂直尾翼]]の部材担当として[[東邦テナックス]]、[[ジャムコ]]、[[住友金属工業]]、[[東レ]]の4社が参入、6月に[[三菱重工業]](前・後部カーゴドア)、[[SUBARU]](垂直尾翼前縁・翼端、フェアリング)、[[日本飛行機]]([[水平尾翼]]端)、10月に[[新明和工業]]、[[横浜ゴム]]、[[日機装]]が、[[2003年]]2月に[[横河電機]]、[[カシオ計算機]]、[[牧野フライス製作所]]が、6月に[[ブリヂストン]]、[[三菱レイヨン]]が参加を決定した。とくに日本の[[炭素繊維]]の技術に目が向けられフレームなどの主要な部分に多用されている。
 
 
 
== 派生型 ==
 
A380は就航中、他に開発が計画・研究されている派生型がいくつかある。
 
 
 
=== A380-800型機 ===
 
旅客仕様の基本型で、2007年10月25日にシンガポール航空が商業飛行を開始した。
 
{| class=wikitable style="text-align: center;"
 
|+ 型式名と装備エンジンの一覧
 
|-
 
! 機種 !! エンジン !! 型式証明取得
 
|-
 
| A380-841 || R-R Trent 970-84/970B-84 || 2006年12月12日
 
|-
 
| A380-842 || R-R Trent 972-84/972B-84 || 2006年12月12日
 
|-
 
| A380-861 || EA GP7270 || 2007年12月14日
 
|-
 
| colspan=6 style="text-align:left; font-size:90%;" |
 
* 出典:<ref>{{cite web | url = http://www.easa.europa.eu/certification/type-certificates/docs/aircrafts/EASA-TCDS-A.110_Airbus_A380-05-01122009.pdf|format=PDF| title =EASA Type-Certificate Data Sheet (TCDS) A.110 Issue 05.0| publisher = EASA| date=1 December 2009| accessdate=11 April 2011}}</ref><ref name="FAA A380">{{cite web | url = http://rgl.faa.gov/Regulatory_and_Guidance_Library/rgMakeModel.nsf/0/55dee2ac296beaa58625754c0070d4db/$FILE/A58NM.pdf |format=PDF| title =FAA Type Certificate Data Sheet (TCDS) NO.A58NM Revision 4 | publisher = FAA| date=26 January 2009| accessdate=19 January 2013 }}</ref>
 
* {{nowrap|R-R}}: [[ロールス・ロイス・ホールディングス|ロールス・ロイス]]、EA: [[エンジン・アライアンス]]
 
|}
 
当面はこの型のみの販売・引渡しを行うことにしており、
 
* 機体重量の軽減
 
* [[アビオニクス]]の改善(新たに開発される[[エアバスA350 XWB|A350]]との共通性を高めたデザインが予想されている)
 
* より効率的なエンジンの搭載(これもA350向けに新たに開発されるTrentXWBの装備が考慮されている)
 
* 最大離陸重量の増加による航続距離の延伸
 
など、段階的な性能向上プログラムも検討されている。これらの改良を取り入れた第一段階の生産機は2012年頃から納入されると考えられている。この機体は[[エアバス]]社のエンジン換装型新型機プログラムと同様に、A380も[[エアバスA320neo|A320neoやA321neo]]などといった一連の「neoシリーズ」に加わる事となり、「A380neo」として改良が施された新型機となる。[[2016年]]には[[UAE]]のエミレーツ航空が、改良機構想の「A380neo」に関する発表を行っており、同社はエンジン換装などが施されない場合でも、アビオニクスを中心とした改良機を追加発注する用意があるとしている。
 
 
 
[[2015年]]6月に2機の発注を検討していることが報道された[[ユナイテッド航空]]も含めると、A380-800型機を導入した航空会社数は世界全体で14社となる。この発注が実現に至った場合、ユナイテッド航空が[[アメリカ合衆国]]の航空会社として初めてのA380-800型機発注となる。アジアでは[[シンガポール共和国]]のフラッグキャリアである[[シンガポール航空]]が、A380シリーズ全体での[[ローンチカスタマー]]として初号機を受領し、[[シンガポール]]発欧米路線やオセアニア路線などで活躍している他、保有機材数としてもアジア地区最多の機数を有している。その他に[[タイ国際航空]]などが、繁盛期ごとの臨時定期便で[[日本国|日本]]の[[成田国際空港]]へ定期乗り入れを行っている。
 
 
 
現状ではエミレーツ航空がA380-800型機の最大の顧客で、[[2016年]][[3月]]には日本の[[スカイマーク]]向けに製造途中だった機材を引き受ける形で2機追加購入する契約を結んでいる。
 
 
 
=== A380plus型機 ===
 
基本型の-800型の発展型として開発調査することを発表された初めての型。2017年6月18日(現地時間)にパリ航空ショー2017にて発表されたA380-800型機の効率向上モデル。同航空ショーでコンセプトモデル(既存のA380-800型機に後述の大型ウイングレットをモックアップで装着)が展示され、基本型に比べて効率性と経済性を向上させ、外観ではウィングレットをより大きくし、翼端を上下に分かれる形状に変更したものである(上方に3.5m、下方に1.2mと、上下で4.7mの高さを持つ)。他には翼そして空力的観点の見直しも行い、燃料消費率を最大4%減少が達成される見込みである。また、機内では2階席への階段やクルーレスト、サイドウォールなどの見直しで、客室をより最適化して基本型よりも最大で80席を増加できるようにしたという(エアバス社では「Cabin enablers」と称す)<ref>[http://www.airbus.com/newsroom/press-releases/en/2017/06/airbus-presents-the-a380plus.html Airbus presents the A380plus]</ref>。具体的には、A380-800型機の標準座席数は4クラス497席であるが「Cabin enablers」を導入すると575席に増加できる。また、最大離陸重量は578トンに増加し、航続距離は300nm(555.6キロ)延長される。最大78席を増席した場合、A380-800型機と同じ航続距離8200nmとなる。さらにエアバス社は、メンテナンス間隔を広げ、メンテナンスコストも削減できる、事を示している。開発が正式決定となれば、A380発展型しての初めてとなるが、最大顧客のエミレーツ航空は同年11月に提案を受け入れなかったことが判明している<ref>[http://aviationweek.com/commercial-aviation/emirates-dismisses-a380plus-concept-negotiations-continue Emirates Dismisses A380plus Concept As Negotiations Continue]</ref>。
 
 
 
=== A380-800F型機(開発中断)===
 
貨物機型も貨物航空会社へ提案されている。貨物機型については重量物が運べないのでそれほどメリットがないとされ、ボーイング社はA380Fより777Fや747-8Fのほうがロスが少ないと説明している。
 
 
 
世界最大の旅客・貨物機だけに貨物容積は広いが、機体の大きさのわりに搭載量は少なく、高速貨物輸送用途ではライバルとなる747貨物型に比べると不利な点が多い。また、ノーズ部が開かないため長い貨物が積めなかったり、専用ローダーがないと2階へ搭載できない欠点がある。このように、747貨物型では可能だったことが不可能になるだけでなく、747貨物型では必要のなかった設備の追加も必要なことから経済性では問題となり、貨物機としてはあまり関心を集めていない。
 
 
 
受注状況の例としては、エミレーツ航空など旅客型はA380を発注しているが、貨物型は747-8Fを発注している。比較的軽い貨物を扱うFedExとUPS、ILFCはA380を一度、発注したが、旅客型の納入遅延をうけ、納入遅延を懸念してFedExが発注をキャンセルし、続いて2007年3月にUPS(2016年に747-8Fを発注)、ILFCが発注キャンセルした。このためエアバス社は受注を失い、2017年6月現在、試験機を含めて実機は1機も存在せず貨物機の開発は中断している。しかし、発注する会社が出てくれば開発は再開される予定である。
 
 
 
=== 他の派生型(計画中) ===
 
以下の派生型はいずれも発注している航空会社はない。
 
* A380-700 (A380の胴体短縮型)
 
* A380-800C(メインデッキの一部を貨物室としたコンビ型、397席 - 454席)
 
* A380-800R(A380-800の長距離型。ブリティッシュ・エアウェイズやカンタス航空、シンガポール航空等の超長距離路線向けに提案されている)
 
* A380-800S(A380-800の短距離型)
 
* A380-900 (A380の胴体延長型。標準座席構成で3クラス656席。エミレーツ航空やヴァージン・アトランティック航空などが興味を示していると報道されている)
 
* A380-900S(A380-900の短距離型)
 
* A380neo(A380の後継機としてエンジン換装などを検討している報道があり、2014年12月にエミレーツ航空の社長が興味を示している<ref>[http://flyteam.jp/news/article/44040 「A380neo 140機を発注する」 エミレーツのティム・クラーク社長] FlyTeam ニュース 2014年12月12日付</ref>
 
 
 
== 今後の展望 ==
 
前述したように、A380は大きすぎて採算に合う路線が限られていること、加えて、双発機の大型化・性能向上などに伴う大型4発機の受注低迷も相まって、2014年・2015年と2年連続して航空会社からの新規受注を1件も獲得できず(受注を獲得できたのはリース会社からのみ)、今後もこの傾向が続くようであれば[[2018年]]にも生産を打ち切る可能性があると示唆していた<ref>[http://flyteam.jp/news/article/44020 大型機にとって受難の時代 A380生産が2018年にも終了する可能性] FlyTeam ニュース 2014年12月11日付</ref>。2016年7月12日には、2018年以降の生産ペースを年27機から12機へ大幅に引き下げると発表した<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160713-00000092-asahi-bus_all エアバス、A380の生産大幅減へ 航空会社の戦略変化]</ref>。
 
 
 
しかし、[[2016年]][[5月]]にエミレーツ航空からの発表として、A380シリーズをさらに購入する意思があると国際通信社を通じて報じられた。世界最大のA380オペレーターである同社は、現在104機のA380-800型機を世界各地を結ぶ国際線の主要超大型機材として運航しているが、さらに追加発注を行う用意があるとしている。 [[ロイター通信]]は、エミレーツ航空[[CEO]]のコメントとして、発注は通算で「確定発注200機以上」になるとのコメントを紹介しており、すでにエアバス社からの発表によって、計画全体で[[黒字]]化の達成を発表されている超大型機A380プロジェクトをさらに後押しすることになると共に、これを以て総二階建機の生産体制が[[2020年代]]まで継続することになる。
 
 
 
一方で、エンジンを一新した「A380neo」の開発も視野に入れており、近い将来、それについての可否が決定する見込み<ref>[http://www.businessnewsline.com/news/201412161052490000.html Airbus: 燃費改良版のA380neoの開発でRolls-Royceと近く合意の見通し]</ref>。
 
 
 
上記のような、新世代型の開発の一環として2017年6月に「A380plus」の開発調査を発表した。
 
 
 
A380plusは燃費を最大4%削減できる新たな大型ウイングレットの搭載、主翼の改良による空力性能向上を実現しており、2017年4月に発表済みの客室改良を合わせて実施すると、既存のA380と比べ、座席当たりのコストを13%削減できると発表している。
 
 
 
A380plusは最大離陸重量を578トンに増加し、既存の航続距離の8,200海里で最大80名多く輸送、または航続距離を300海里延伸することできると発表している<ref>[http://flyteam.jp/news/article/80692]</ref>。
 
 
 
また、2017年から比較的機材更新の早いシンガポール航空では一部機材で入れ替えを開始していて、残発注5機を新機内仕様で受領し、運用5機をリース会社に返却し残保有14機を新機内仕様に改修して、最終的に新機内仕様19機で運用する予定<ref>[http://www.aviationwire.jp/archives/136249 シンガポール航空、機内刷新のA380初号機受領 フルフラットベッドのスイート]</ref> 。
 
 
 
== 仕様(A380-800型機) ==
 
{{multiple image
 
|direction = vertical
 
|width = 220
 
|image1 = Giant planes comparison.svg
 
|caption1 = '''巨大航空機4機種の比較図''':
 
{{legend|#d6c35b|[[H-4 (航空機)|H-4 スプルース・グース]]}}
 
{{legend|#7fdf8a|[[An-225 (航空機)|An-225 ムリーヤ]]}}
 
{{legend|#e9a4a4|'''エアバスA380-800型機'''}}
 
{{legend|#a4b8e8|[[ボーイング747-8|ボーイング747-8型機]]}}
 
|image2 = Airbus A380 seatmap.svg
 
|caption2 = A380-800型機の519席の座席配置。<br />1階に[[ファーストクラス|ファースト]]および[[エコノミークラス|エコノミー]]両クラスの331席を配置し、2階に[[ビジネスクラス|ビジネス]]およびエコノミー両クラスの188席を配置している。
 
}}
 
{{航空機スペック
 
 
 
|固定翼 or 回転翼?=固定翼<!-- 選択肢: 固定翼/回転翼 -->
 
|ジェット or プロペラ?=ジェット<!-- 選択肢: ジェット/プロペラ/混載/その他 -->
 
 
 
|出典=''Airbus official website''<ref name="airbus">[http://www.airbus.com/en/aircraftfamilies/a380/a380/specifications.html Airbus - A380 Specifications], www.airbus.com</ref>.
 
 
 
|乗員=2名(操縦士)
 
|定員=3クラス 525名、モノクラス 853名
 
|ペイロード SI=66,400 kg
 
|ペイロード fp=146,387 lb
 
|全長 SI=73 m
 
|全長 fp=239 ft 6 in
 
|スパン SI=79.8 m
 
|スパン fp=261 ft 10 in
 
|全高 SI=24.1 m
 
|全高 fp=79 ft 1 in
 
|面積 SI=845 [[平方メートル|m<sup>2</sup>]]
 
|面積 fp=9,100 [[平方フィート|ft<sup>2</sup>]]
 
|翼型=
 
|空虚重量 SI=<!-- kg -->
 
|空虚重量 fp=<!-- lb -->
 
|運用時重量 SI=276,800 kg
 
|運用時重量 fp=610,240 lb
 
|有効搭載量 SI=<!-- kg -->
 
|有効搭載量 fp=<!-- lb -->
 
|最大離陸重量 SI=560,000 kg
 
|最大離陸重量 fp=1,235,000 lb
 
|その他の諸元=
 
* '''貨物(-800F型)''': 38 LD3 (Unit Load Device) コンテナ または 13 パレット
 
 
 
|エンジン名(ジェット)=[[ロールス・ロイス・ホールディングス|ロールスロイス]] [[ロールス・ロイス トレント|トレント 970]] または [[エンジン・アライアンス]] [[エンジン・アライアンス GP7000|GP 7270]]
 
|エンジン種類(ジェット)=[[ジェットエンジン|ターボファンエンジン]]<!--ターボジェット/ターボファン/など-->
 
|エンジン数(ジェット)=4<!--1つなら1と書くこと-->
 
|推力 SI=311 kN
 
|推力 fp=69,915 lbf
 
|推力 original=
 
|推力 more=
 
 
 
|最大速度 SI=[[マッハ数|マッハ]] 0.89
 
|最大速度 fp=約1,090 km/h, 589 kt
 
|最大速度 more=
 
|巡航速度 SI=マッハ 0.85
 
|巡航速度 fp=約1,041 km/h, 562 kt
 
|巡航速度 more=
 
|失速速度 SI=<!-- km/h -->
 
|失速速度 fp=<!-- kt -->
 
|失速速度 more=
 
|超過禁止速度 SI=<!-- km/h -->
 
|超過禁止速度 fp=<!-- kt -->
 
|航続距離 SI=15,200 km
 
|航続距離 fp=8,200 海里
 
|航続距離 more=
 
|フェリーレンジ SI=<!-- km -->
 
|フェリーレンジ fp=<!-- 海里 -->
 
|フェリーレンジ more=
 
|上昇限度 SI=<!-- m -->
 
|上昇限度 fp=<!-- ft -->
 
|上昇率 SI=<!-- m/min -->
 
|上昇率 fp=<!-- ft/s -->
 
|翼面(円板)荷重 SI=<!-- kg/m<sup>2</sup> -->
 
|翼面(円板)荷重 fp=<!-- lb/ft<sup>2</sup> -->
 
|推力重量比= <!--計算して無次元数にする-->
 
|馬力荷重 SI=<!-- kW/kg -->
 
|馬力荷重 fp=<!-- hp/lb -->
 
|最大馬力荷重 SI=
 
|最大馬力荷重 fp=
 
|最大推力重量比=
 
|その他の性能=
 
* '''巡航高度''': 13,100 m (43,000 ft)
 
* '''離陸滑走距離'''
 
** '''トレント 970''': 2,990 m
 
** '''GP 7270''': 3,030 m
 
* '''着陸滑走距離''': 2,100 m
 
 
 
|アビオニクス=
 
 
 
}}
 
 
 
== 受注、引き渡し状況 ==
 
下記すべてA380-800(純旅客型)
 
{| class="wikitable" style="border-collapse:collapse"
 
!航空会社!!運航開始年!!確定発注数<ref group="注">Firm Orders</ref>!!引き渡し数!!エンジン
 
|-
 
|[[File:Flag of South Korea.svg|20px|]] [[アシアナ航空]]
 
|style="text-align:right"|2014
 
|style="text-align:right"|6
 
|style="text-align:right"|6
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
|[[File:Flag_of_the_United_Kingdom.svg|20px|]] [[ヴァージン・アトランティック航空]]
 
|style="text-align:right"|2018
 
|style="text-align:right"|6
 
|style="text-align:right"|
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|- style="background-color:#efefef"
 
|-
 
|[[File:Flag of France.svg|20px|]] [[エールフランス]]
 
|style="text-align:right"|2009
 
|style="text-align:right"|10
 
|style="text-align:right"|10
 
|style="text-align:right"|GP7200
 
|-
 
|[[File:Flag of the United Arab Emirates.svg|20px|]] [[エミレーツ航空]]
 
|style="text-align:right"|2008
 
|style="text-align:right"|142
 
|style="text-align:right"|95
 
|style="text-align:right"|GP7200(90)<br />トレント900(52)
 
|-
 
|[[File:Flag of the United Arab Emirates.svg|20px|]] [[エティハド航空]]
 
|style="text-align:right"|2014
 
|style="text-align:right"|10
 
|style="text-align:right"|10
 
|style="text-align:right"|GP7200
 
|-
 
|[[File:Flag of Qatar.svg|20px|]] [[カタール航空]]
 
|style="text-align:right"|2014
 
|style="text-align:right"|10
 
|style="text-align:right"|8
 
|style="text-align:right"|GP7200
 
|-
 
|[[File:Flag of Australia.svg|20px|]] [[カンタス航空]]
 
|style="text-align:right"|2008
 
|style="text-align:right"|20
 
|style="text-align:right"|12
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
|[[File:Flag of Singapore.svg|20px|]] [[シンガポール航空]]
 
|style="text-align:right"|2007
 
|style="text-align:right"|24
 
|style="text-align:right"|19
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
|[[File:Flag of South Korea.svg|20px|]] [[大韓航空]]
 
|style="text-align:right"|2011
 
|style="text-align:right"|10
 
|style="text-align:right"|10
 
|style="text-align:right"|GP7200
 
|-
 
|[[File:Flag of Thailand.svg|20px|]] [[タイ国際航空]]
 
|style="text-align:right"|2012
 
|style="text-align:right"|6
 
|style="text-align:right"|6
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
|[[File:Flag of the People's Republic of China.svg|20px|]] [[中国南方航空]]
 
|style="text-align:right"|2011
 
|style="text-align:right"|5
 
|style="text-align:right"|5
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
|[[File:Flag_of_the_United_Kingdom.svg|20px|]] [[ブリティッシュ・エアウェイズ]]
 
|style="text-align:right"|2013
 
|style="text-align:right"|12
 
|style="text-align:right"|12
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
|[[File:Flag of Malaysia.svg|20px|]] [[マレーシア航空]]
 
|style="text-align:right"|2012
 
|style="text-align:right"|6
 
|style="text-align:right"|6
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
|[[File:Flag of Germany.svg|20px|]] [[ルフトハンザドイツ航空]]
 
|style="text-align:right"|2010
 
|style="text-align:right"|14
 
|style="text-align:right"|14
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
|エア・アコード<ref group="注">航空学校</ref>
 
|style="text-align:right"| 
 
|style="text-align:right"|3
 
|style="text-align:right"|
 
|style="text-align:right"|未定
 
|-
 
|アメデオ(ドリック・リース)<ref group="注">広胴型機の大手リース会社</ref>
 
|style="text-align:right"|
 
|style="text-align:right"|20
 
|style="text-align:right"|
 
|style="text-align:right"|未定
 
|-
 
|不明な顧客<ref group="注">Unidentified Customer(s)</ref>
 
|style="text-align:right"|
 
|style="text-align:right"|10
 
|style="text-align:right"|
 
|style="text-align:right"|未定
 
|-
 
|[[File:Flag of Japan.svg|20px|Flag of Japan]] [[全日本空輸]]
 
|style="text-align:right"|2019(予定)
 
|style="text-align:right"|3
 
|style="text-align:right"|0&nbsp;
 
|style="text-align:right"|トレント900
 
|-
 
 
 
|- style="background: #EFEFEF" class="sortbottom"
 
! colspan="2" | 合計
 
! 317
 
! 213
 
! &nbsp;
 
|}
 
=== オプション(予備発注)をキャンセルした企業 ===
 
A380-800F(貨物機型)も含む
 
* [[File:Flag of Réunion.svg|20px|]] [[エール・オーストラル]]<ref name="broomberg160411" />
 
* [[File:Flag of India.svg|20px|]] [[キングフィッシャー航空]]
 
* [[File:Flag of Japan.svg|20px|]][[スカイマーク]]<ref name="nikkei140729" /><ref name="sky140729" />
 
* [[File:Flag_of_Hong_Kong.svg|20px|]][[香港航空]]
 
* [[File:Flag of Russia.svg|20px|]] [[トランスアエロ航空]]
 
* [[ファイル:Flag of Iran.svg|20x20ピクセル]] [[イラン航空]]<ref>[https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-18/OIELHP6JTSE801 イラン航空、超大型機A380購入を見送り-エアバスへの発注削減]</ref>
 
* [[File:Flag_of_Saudi_Arabia.svg|20px|]] [[キングダム・ホールディング・カンパニー]]<ref group="注">サウジアラビアのアル・ワリード王子が運営する同国最大の会社で、公的な持株会社</ref>
 
* [[File:Flag_of_the_United_States.svg|20px|]] [[フェデックス・エクスプレス|FedEx Express]]
 
* [[File:Flag_of_the_United_States.svg|20px|]] [[インターナショナル・リース・ファイナンス|ILFC]]<ref group="注">航空機リース会社</ref>
 
* [[File:Flag_of_the_United_States.svg|20px|]] [[ユナイテッド・パーセル・サービス#航空部門|UPS Airlines]]
 
(2017年6月30日現在)
 
{{main|en:List of Airbus A380 orders and deliveries}}
 
 
 
== 事故・故障・事件 ==
 
* 2009年8月21日、シンガポール航空のA380が香港国際空港を離陸直前に故障のため、17時間後に再離陸した。
 
* 2009年9月29日、シンガポール航空のA380がパリのシャルル・ド・ゴール国際空港を離陸2時間45分後にエンジン(Trent 900)故障のため、パリに引き返した。
 
* 2010年11月4日、カンタス航空のA380-842型機(機体記号VH-OQA)がシンガポールからシドニーへ向けて飛行中、左翼内側の第2エンジンが一部破損し[[シンガポール・チャンギ国際空港]]に緊急着陸([[カンタス航空32便エンジン爆発事故]])。乗客433名・乗員26名の計459名に死傷者なし。地上で2名の軽傷者。この時、燃料系統とブレーキ系統それぞれの約半分が故障し、空中で燃料を投棄できず、ブレーキも不十分な状態に陥っていた。原因はエンジンの製造時に空いた小さな穴からオイルが漏れて爆発炎上したためであった。なお、この事故を受け、同社が当時運航している事故機を含めた6機全てが一時的に運航を停止した<ref>{{Cite web|date=2010-11-04|url=http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-17999820101104|title=豪カンタスがエンジントラブルでA380型運航停止、シンガポール航空などは継続|publisher=ロイター|accessdate=2011-01-09}}</ref>。
 
: また、シンガポール航空も保有する11機全ての運航を見合わせた。エンジンを供給するロールスロイス社とエアバス社の要請によるものである<ref>{{Cite web|date=2010-11-04|url=http://sankei.jp.msn.com/world/asia/101104/asi1011042312005-n1.htm|title=A380の運航見合わせ シンガポール航空|publisher=MSN産経ニュース|accessdate=2011-01-09}}</ref>。翌11月5日、シンガポール航空の保有分11機に関しては、全機が安全であることが確認され、同社分に関しては運航が再開された<ref>{{Cite web|date=2010-11-05|url=http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS877872220101105|title=シンガポール航空、A380型機の運航を再開|publisher=ロイター|accessdate=2011-01-10}}</ref>。
 
: 一方で同11月5日、ルフトハンザ・ドイツ航空が、この事故を受けて同日の成田発フランクフルト行の便をエンジン検査のため欠航とした<ref>{{Cite web|date=2010-11-05|url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201011/2010110500438|title=成田発ルフトハンザ便が欠航|publisher=時事ドットコム|accessdate=2011-01-09}}</ref>。カンタス航空の保有分に関しては、安全点検を受け問題の有無を確認した<ref>{{Cite web|date=2010-11-05|url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201011/2010110500420|title=点検で問題なければ運航再開へ=豪カンタス航空|publisher=時事ドットコム|accessdate=2011-01-09}}</ref>。同年11月27日から運航再開となった<ref>{{Cite web|date=2010-11-23|url=http://sankei.jp.msn.com/world/asia/101123/asi1011231210003-n1.htm|title=カンタスがA380の運航再開|publisher=MSN産産経ニュース|accessdate=2011-01-09}}</ref>。
 
 
 
* 2011年4月11日午後8時25分、[[ジョン・F・ケネディ国際空港]]にて滑走路へタクシング中のエールフランス7便(エアバスA380・機体記号F-HPJD)の左側主翼端が、駐機場にいた[[コムエアー]]6293便([[ボンバルディア CRJ#CRJ700|ボンバルディアCRJ-700]]・機体記号N641CA)の[[垂直尾翼]]に接触した<ref name="NSTB110412">{{Cite web|date=2011-04-12|url=http://www.ntsb.gov/Pressrel/2011/110412.html|title=NTSB INVESTIGATING WING CLIPPING INCIDENT AT JFK AIRPORT|publisher=National Transportation Safety Board|accessdate=2011-04-14}}</ref>。A380のウイングチップとCRJ-700の垂直尾翼が破損<ref name="NSTB110412"/>。負傷者は報告されていない<ref name="NSTB110412"/>。
 
 
 
* 2014年7月2日、カンタス航空94便[[ロサンゼルス国際空港]]発[[メルボルン空港 (オーストラリア)|メルボルン空港]]行で、離陸から約1時間後、水を流す配管から漏れ出した水により2階部分で大量の水漏れが発生、1階にも降り注ぐ事態となり、出発地のロサンゼルス国際空港に引き返す<ref>{{Cite web|date=2014-07-03|url=http://www.cnn.co.jp/business/35050320.html|title=A380機で大量の水漏れ、通路が「川」に 豪カンタス|newspaper=CNN.co.jp|publisher=Turner Broadcasting System, Inc.|accessdate=2014-07-03}}</ref>。
 
 
 
* 2014年12月5日、離陸のため滑走路に向かい始めた大韓航空86便(エアバスA380型機(機体番号HL7627)で運航)をファーストクラスの乗客として乗っていた同社副社長[[趙顕娥|チョ・ヒョナ]]が、客室乗務員に対してクレームをつけて旅客機を搭乗ゲートに引き返させた上で機内サービス責任者を86便から降ろし、運航を遅延させた出来事である。ナッツをきっかけにして暴言を吐き引き返し(ランプリターン)をしたため、しばしば短く「ナッツリターン」と呼ばれている([[大韓航空ナッツ・リターン]])。
 
 
 
* 2017年9月30日、[[パリ=シャルル・ド・ゴール空港|パリ]]発ロサンゼルス行きの[[エールフランス66便エンジン爆発事故|エールフランス66便]]({{仮リンク|AF066便|en|Air France Flight 66}})A380-861型機(機体記号F-HPJE)が、大西洋上[[グリーンランド]]西の上空を飛行中、4発ある[[エンジン・アライアンス]]社製[[エンジン・アライアンス GP7000|GP7270]]エンジンのうち、右翼の第4エンジンが爆発し、残り3発のエンジンで1時間ほど飛行を続け、[[カナダ]]東部の{{仮リンク|グースベイ空軍基地|en|CFB Goose Bay}}に15時42分(GMT)へ緊急着陸した。同機には24人の乗組員と496人の乗客が乗っていたが、怪我人などはなかった<ref>{{Cite web|date=2017-10-01|accessdate=2017-10-01|url=http://www.bbc.com/news/world-europe-41454712|title=Air France plane engine fails over Atlantic}}</ref><ref>[http://www.aviationwire.jp/archives/130809 エールフランスのA380、エンジン損傷し緊急着陸 LA行きAF66便]  - Aviation Wire(2017年10月2日 07:37 JST版)2017年10月5日閲覧</ref><ref>[https://jp.reuters.com/article/paris-airbus-investigation-idJPKCN1C903L エアバス超大型機A380のエンジン爆発事故、仏当局が調査主導へ] - [[ロイター]](2017年10月4日 / 10:36版)2017年10月5日閲覧</ref>。エールフランスは代替着陸した乗客輸送のため[[ボーイング777#777-300ER(773B)|ボーイング777-300ER]]型機(自社機:機体記号F-GZNO:旅客定員472名)、別途[[ボーイング737]]型機(リースチャーター機)も派遣し輸送した<ref>[http://flyteam.jp/news/article/84896 エールフランス航空のAF66便、第4エンジン破損でカナダに緊急着陸]</ref>。事故機は2017年12月6日までに現地にて第4エンジン換装し、4基のエンジンでAF371V便としてパリへ空輸され、2018年1月15日から営業運航便AF990便パリ発ヨハネスブルグ行きで運用復帰している<ref>[https://blog.flightradar24.com/blog/air-france-flight-af66-suffers-engine-failure-over-greenland/ Air France Flight AF66 Suffers Engine Failure over Greenland]</ref><ref>[https://www.planespotters.net/airframe/Airbus/A380/F-HPJE-Air-France F-HPJE Air France Airbus A380-800]</ref>。
 
 
 
== 競合機種 ==
 
* [[ボーイング747-400]]
 
* [[ボーイング747-8]]
 
* [[ボーイング777 #777-300ER(773B)|ボーイング777-300ER]]
 
* [[ボーイング777X|ボーイング777-8X/-9X]](開発中)
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
=== 注釈 ===
 
{{Reflist|group="注"}}
 
 
 
=== 出典 ===
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
*「超巨大旅客機エアバスA380」杉浦一機 平凡社新書413 2008年 ISBN 978-4-582-85413-8
 
*「図解ボーイング787VS.エアバスA380」青木謙知 ブルーバックス B-1748 2011年 ISBN 978-4-06-257748-9
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[リチャード・ブランソン]]
 
* [[KR-860 (航空機)]]
 
  
 +
ヨーロッパの[[エアバス]]が開発した世界最大の旅客機。2000年12月,総 2階建て 800席の超巨人機を目指して開発が始まった。そのねらいは一時に大量の旅客を輸送することによって[[空港]]の混雑を防ぎ,航空輸送の経済性を高め,航空会社の利益を上げやすくするというもの。原型機は 2005年4月27日に初飛行,開発試験も順調に進み 2006年12月に[[型式証明]]を取得した。しかし量産に入るのが遅れ,1号機が[[シンガポール航空]]へ引き渡されたのは,当初計画から 1年半遅れの 2007年10月であった。遅れの理由は,総延長 500kmに及ぶ複雑な電気配線が間に合わないというものであった。19機を発注したシンガポール航空で運航が始まると,最大 853席まで可能なキャビンに 3クラス 471席のみを配置,機内空間に余裕のあるところから乗客の評判もよく,シンガポール―シドニー線を皮切りに,ロンドン,東京,北アメリカ各地へ飛ぶようになった。近年では「空の女王」と呼ばれ,2012年6月現在約 80機が 100ヵ所以上の都市へ飛んでいる。最大離陸重量 560t。推力 30t級のロールス=ロイス・トレントまたは GP7200エンジン 4基を装備,航続距離 1万5400km。受注数は 257機。日本の[[スカイマーク]]も 6機発注している。
 +
 
== 外部リンク ==
 
== 外部リンク ==
{{Commons|Airbus A380}}
 
 
* [http://www.airbusjapan.com/ エアバス・ジャパン株式会社]
 
* [http://www.airbusjapan.com/ エアバス・ジャパン株式会社]
 
* [http://www.airbus.com/aircraftfamilies/passengeraircraft/a380family/ Airbus A380(英語版)]
 
* [http://www.airbus.com/aircraftfamilies/passengeraircraft/a380family/ Airbus A380(英語版)]
 
*[https://www.google.co.jp/maps/@25.2429109,55.3720675,3a,82y,201.76h,76.96t/data=!3m7!1e1!3m5!1s74aFKFRGWxkAAAQIt3wicw!2e0!3e2!7i13312!8i6656 Emirates Airbus A380-800] - [[Google ストリートビュー]]
 
*[https://www.google.co.jp/maps/@25.2429109,55.3720675,3a,82y,201.76h,76.96t/data=!3m7!1e1!3m5!1s74aFKFRGWxkAAAQIt3wicw!2e0!3e2!7i13312!8i6656 Emirates Airbus A380-800] - [[Google ストリートビュー]]
* {{YouTube|_gqWeJGwV_U|Airbus A380 Evacuation Test}} - エアバス社によるA380の使用可能非常口半数90秒脱出テスト(Discovery Channel)
 
  
 
{{Airbus aircraft}}
 
{{Airbus aircraft}}
 
{{Airbus A3xx timeline}}
 
{{Airbus A3xx timeline}}
 
+
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{DEFAULTSORT:えあはすA380}}
 
{{DEFAULTSORT:えあはすA380}}
 
[[Category:エアバスの旅客機]]
 
[[Category:エアバスの旅客機]]

2018/10/12/ (金) 08:18時点における最新版

エアバスA380Airbus A380

ヨーロッパのエアバスが開発した世界最大の旅客機。2000年12月,総 2階建て 800席の超巨人機を目指して開発が始まった。そのねらいは一時に大量の旅客を輸送することによって空港の混雑を防ぎ,航空輸送の経済性を高め,航空会社の利益を上げやすくするというもの。原型機は 2005年4月27日に初飛行,開発試験も順調に進み 2006年12月に型式証明を取得した。しかし量産に入るのが遅れ,1号機がシンガポール航空へ引き渡されたのは,当初計画から 1年半遅れの 2007年10月であった。遅れの理由は,総延長 500kmに及ぶ複雑な電気配線が間に合わないというものであった。19機を発注したシンガポール航空で運航が始まると,最大 853席まで可能なキャビンに 3クラス 471席のみを配置,機内空間に余裕のあるところから乗客の評判もよく,シンガポール―シドニー線を皮切りに,ロンドン,東京,北アメリカ各地へ飛ぶようになった。近年では「空の女王」と呼ばれ,2012年6月現在約 80機が 100ヵ所以上の都市へ飛んでいる。最大離陸重量 560t。推力 30t級のロールス=ロイス・トレントまたは GP7200エンジン 4基を装備,航続距離 1万5400km。受注数は 257機。日本のスカイマークも 6機発注している。

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