硫化カルシウム
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硫化カルシウム | |
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IUPAC名 | 硫化カルシウム |
組成式 | CaS |
式量 | 72.14 g/mol |
形状 | 白色固体 |
結晶構造 | 立方晶系(面心立方格子構造) 格子定数:a = 5.6836 Å |
CAS登録番号 | 20548-54-3 |
密度と相 | 2.8 g/cm3, 固体 (15 ℃) |
水への溶解度 | 0.015 g/100 mL (10 ℃) |
融点 | 2,400 ℃ |
硫化カルシウム(りゅうかカルシウム、英:Calcium sulfide、化学式:CaS)はカルシウムの硫化物である。石膏製ギプスのリサイクルや石炭製品の処理過程における反応物として研究される一方で、処分場での埋め立て材に使われる。冷水に難溶性。
生成法
硫化カルシウムは、より一般的なカルシウム化合物である硫酸カルシウムの炭素還元反応、つまり、硫酸カルシウムと炭素の混合物を、空気を絶って900℃に熱することにより生成する。
- <ce>CaSO4\ + 2C -> CaS\ + 2CO2</ce>
硫化カルシウムは硫酸カルシウムとさらに以下のとおり反応する。
- <ce>3CaSO4\ + CaS -> 4 CaO\ + 4 SO2</ce>
反応性
硫化カルシウムは湿気があるとその水分とさまざまな比率で反応し、水硫化カルシウム Ca(SH)2、水酸化カルシウム <ce>Ca(OH)2</ce>、<ce>Ca(SH)(OH)</ce> の混合物を生成する。
- <ce>CaS\ + H2O -> Ca(SH)(OH)</ce>
- <ce>2 CaS\ + 2 H2O -> Ca(SH)2\ + Ca(OH)2</ce>
- <ce>CaS\ + 2 H2O -> Ca(OH)2\ + H2S</ce>
Ca(SH)(OH)はさらに水と反応して水酸化カルシウムと硫化水素を生じる。硫化水素は腐った卵のような不快な臭いの原因物質である。
- <ce>Ca(SH)(OH)\ + H2O -> Ca(OH)2\ + H2S</ce>
水酸化カルシウムの飽和溶液は単体硫黄と反応して石灰硫黄合剤を生成する。これは殺虫剤として使われてきた。活性を持つ成分はおそらく硫化カルシウムではなく五硫化カルシウムである[1]。
脚注
- ↑ Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.