石川吉伸
石川 吉伸(いしかわ よしのぶ)は、日本の化学者、薬学者(医薬分子設計学・計算化学・生物無機化学)。学位は博士(薬学)(熊本大学・1998年)。静岡県立大学薬学部准教授・大学院薬学研究院准教授。
山口大学医学部附属病院薬剤部技術補佐員、デラウェア大学博士研究員、熊本大学大学院医学薬学研究部講師などを歴任した。
来歴
生い立ち
熊本大学の薬学部薬科学科にて薬学を学ぶ[1][2]。1992年3月に熊本大学を卒業すると、そのまま大学院に進学し、1994年3月に薬学研究科の博士前期課程を修了した[1][2]。同年6月から1995年3月まで、東京工業大学の資源化学研究所にて研究生として研究を続けた[2]。1998年3月、熊本大学大学院にて薬学研究科の博士後期課程を修了し、博士(薬学)の学位を取得した[1][2][3]。
研究者として
1998年5月より、山口大学医学部附属病院にて、薬剤部の技術補佐員として勤務する[2]。同年6月より、母校である熊本大学の薬学部にて助手となる[2]。2003年4月より、熊本大学の大学院にて医学薬学研究部の講師に昇任した[2][4]。また、その間、2002年10月から2003年9月にかけてアメリカ合衆国のデラウェア大学にて博士研究員を務めた[2]。2008年4月に静岡県立大学に移り、薬学部の准教授に就任した[2][5]。また、同大学の大学院では、薬学研究科の准教授も兼務する。2012年、静岡県立大学の大学院にて薬学研究科と生活健康科学研究科が統合再編され、新たに2研究院1学府が発足したことにともない、薬学研究院の准教授を兼務することとなった[5]。静岡県立大学では、橋本博らとともに、生命物理化学の研究室に所属している[6][7]。
研究
専門は薬学であり、医薬分子設計学、計算化学、生物無機化学といった化学的な分野を研究している[8]。具体的にはインシリコ創薬について研究しており、インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼを標的とする阻害剤や、ポリ(ADP‐リボース)グリコヒドロラーゼの阻害剤の開発を手掛けている[9]。また、生体高分子‐低分子複合体の分子ドッキングや分子動力学のシミュレーションにも取り組んでいる[9]。小郷尚久らと執筆した論文「Structure-Guided Design of Novel l-Cysteine Derivatives as Potent KSP Inhibitors」は、アメリカ化学会の発行する『ACS Medicinal Chemistry Letters』に掲載されるとともに[10]、同誌の表紙を飾っている[11][12]。
学会としては、日本薬学会、日本化学会、アメリカ化学会などに所属している[13]。日本薬学会では、医薬化学部会や構造活性相関部会などに所属していた[13]。
略歴
- 1992年 - 熊本大学薬学部卒業。
- 1994年 - 熊本大学大学院薬学研究科博士前期課程修了。
- 1994年 - 東京工業大学資源化学研究所研究生。
- 1998年 - 熊本大学大学院薬学研究科博士後期課程修了。
- 1998年 - 山口大学医学部附属病院薬剤部技術補佐員。
- 1998年 - 熊本大学薬学部助手。
- 2002年 - デラウェア大学博士研究員。
- 2003年 - 熊本大学大学院医学薬学研究部講師。
- 2008年 - 静岡県立大学薬学部准教授。
- 2008年 - 静岡県立大学大学院薬学研究科准教授。
- 2012年 - 静岡県立大学大学院薬学研究院准教授。
賞歴
- 1999年 - 九州分析化学奨励賞。
著作
主な論文(和文)
- 石川吉伸稿「X線結晶構造解析による牛心筋シトクロム酸化酵素のプロトンポンプ機構の解明」『ファルマシア』35巻1号、日本薬学会、1999年1月1日、54-55頁。ISSN 0014-8601{{#invoke:check isxn|check_issn|0014-8601|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・行成明洋・富杉佳計ほか稿「近位軸配位子がFe-CO振動に及ぼす影響――共鳴ラマン法によるシトクロムb562多重変異体の解析」『生物物理』40巻、日本生物物理学会、2000年8月5日、48頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・大嶋美智子・富杉佳計ほか稿「大腸菌由来酸素センサータンパク質Dosのヘム周辺構造」『生物物理』41巻、日本生物物理学会、2001年9月10日、116頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・龍大輔・清田浩平ほか稿「ヒト脳由来ニューログロビンのヘム周辺構造」『生物物理』42巻、日本生物物理学会、2002年10月10日、128頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・浜辺由紀・富杉佳計ほか稿「NO運搬タンパク質NP4のヘム周辺構造」『生物物理』42巻、日本生物物理学会、2002年10月10日、128頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・龍大輔・堤紘子ほか稿「ヒト脳由来ニューログロビンの遠位ヘムポケット環境」『生物物理』43巻、日本生物物理学会、2003年8月25日、85頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・浜辺由紀・森山友美子ほか稿「NO運搬タンパク質NP4の外来性配位子結合に対するアミノ酸残基の役割」『生物物理』43巻、日本生物物理学会、2003年8月25日、86頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・細川智子・松浦明美ほか稿「IDO(Indoleamine 2,3-Dioxygenase)の基質結合性に対するヘム周辺アミノ酸残基の役割」『生物物理』43巻、日本生物物理学会、2003年8月25日、86頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・森山友美子・浜辺由紀ほか稿「NO運搬タンパク質NP4(ニトロフォリン4)の外来性配位子結合機構(ヘム蛋白質)」『生物物理』44巻、日本生物物理学会、2004年11月10日、126頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・堤紘子・龍大輔ほか稿「ヒト脳由来ニューログロビンの外来性配位子の結合性(ヘム蛋白質)」『生物物理』44巻、日本生物物理学会、2004年11月10日、126頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・清田浩平・坂本力治ほか稿「ビスヒスチジン配位型ミオグロビン変異体のX線結晶構造解析(ヘム蛋白質)」『生物物理』44巻、日本生物物理学会、2004年11月10日、128頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・渡辺亮介・繁富輝明ほか稿「ヒト薬物代謝酵素CYP2C9のヘム構造と薬物結合性――一塩基多型が及ぼす影響(ヘム蛋白質)」『生物物理』44巻、日本生物物理学会、2004年11月10日、130頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 宇野公之・松浦明美・細川智子ほか稿「IDO(Indoleamine 2,3-Dioxygenase)の基質結合性に対するヘム周辺アミノ酸残基の役割(ヘム蛋白質)」『生物物理』44巻、日本生物物理学会、2004年11月10日、130頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 山下沢・帆足洋平・渡辺季美子ほか稿「一酸化炭素が引き起こす転写因子CooAの活性化機構(ヘム蛋白質)」『生物物理』45巻、日本生物物理学会、2005年10月19日、230頁。ISSN 0582-4052{{#invoke:check isxn|check_issn|0582-4052|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
- 石川吉伸稿「分子動力学法による構造アンサンブルに基づくバーチャルスクリーニング」『ファルマシア』45巻2号、日本薬学会、2009年2月1日、175-176頁。ISSN 0014-8601{{#invoke:check isxn|check_issn|0014-8601|error={{#invoke:Error|error|{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。|tag=span}}}}
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 「学歴」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 「主な経歴」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
- ↑ 「学位」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
- ↑ 「OB・OG(旧職員・卒業・修了生)」『熊本大学 Morioka_Lab.』熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)環境社会医学部門環境分析科学講座生命分析化学分野。
- ↑ 5.0 5.1 「教員情報詳細」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
- ↑ 「教員一覧」『教員一覧』静岡県立大学薬学部・薬学研究院。
- ↑ 「2013年度教員・学生一覧」『member』静岡県立大学生命物理化学分野。
- ↑ 「専門分野」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
- ↑ 9.0 9.1 「主要研究テーマ」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
- ↑ Naohisa Ogo, et al., "Structure-Guided Design of Novel l-Cysteine Derivatives as Potent KSP Inhibitors", ACS Medicinal Chemistry Letters, Vol.6, Iss.9, American Chemical Society, 2015, pp.1004–1009.
- ↑ "About the Cover", Cover Description: Vol. 6, Iss. 9 - ACS Medicinal Chemistry Letters (ACS Publications), ACS Publications.
- ↑ 「薬学研究院創薬探索センターの論文が米国化学会学術雑誌の表紙に」『薬学研究院創薬探索センターの論文が米国化学会学術雑誌の表紙に:静岡県公立大学法人 静岡県立大学』静岡県立大学、2015年9月17日。
- ↑ 13.0 13.1 「所属学会」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
関連項目
外部リンク
- =TOP= of New Site 1 - 公式ウェブサイト
- テンプレート:Researchmap
- 石川吉伸 - J-GLOBAL
- テンプレート:Kaken
- テンプレート:研究者リゾルバー
- 生命物理化学の窓 - 所属する研究室の公式ウェブサイト