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海軍


海軍(かいぐん、: navy

主として海洋,湖水,河川などの水上,水中およびその上空において国の防衛を任務とする武装兵力,およびこれを建設し,支持し運用する国家の機関。平時には,航海,貿易,漁業,在外居留民,権益などの保護にあたる。

戦時には敵の海軍力を撃滅して制海権を獲得し,これを戦争目的達成のために行使する。敵の海上交通の破壊によって,敵の国力に打撃を与え,あるいは戦略ミサイル搭載の潜水艦によって戦略攻撃を行い,その潜在力によって戦争の抑止を任務とするものもある。フェニキア,ギリシア,ローマなど古代から海軍は創設されており,前5世紀頃のアテネ海軍は300隻の軍艦を保有していた。ポエニ戦争当時のローマ,カルタゴ海軍はガレー船から成り,平常は帆走し,戦闘に際しては櫂 (オール) によって推進し,接舷移乗して白兵戦を演じていた。

15~16世紀には,航海術,造船術の発達と東洋への航路開拓の欲求から大航海時代が始り,外洋海軍時代となって,ポルトガルスペインオランダフランスイギリスなどは海外植民地の獲得とその航路の安全維持のため,競って大海軍を建設した。

19世紀初め頃ナポレオン1世の敗退によって,世界の制海権はイギリスの手に帰し,イギリスは海洋帝国を建設した。第1,2次世界大戦を経て,世界の海洋支配力はアメリカの手に帰したが,1960年代以後ソ連海軍力の増強によって一時,米ソ二大海軍力の対決時代となった。

現代の海軍は,弾道ミサイル原子力潜水艦が戦略兵力の中核的存在となっており,航空母艦は依然外洋における制海兵力の主力的存在である。その他潜水艦を主とする海上交通破壊兵力,艦艇,航空機,固定施設,潜水艦より成る対潜兵力,上陸作戦を任務とする水陸両用作戦兵力,機雷敷設,機雷掃海を任務とする航空機を含む機雷戦,対機雷戦兵力などより成っている。多くの国では陸戦を主任務とする海兵隊も海軍の一部である。