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文化財保護法

(ぶんかざいほごほう、昭和25年5月30日法律第214号)

文化財を保護するため、1950年(昭和25)制定公布された法律。前年1月の法隆寺金堂炎上が契機となり、議員立法によるものであったことを第一の特色とし、第二には「国宝保存法」(1929制定)と「重要美術品等ノ保存ニ関スル法律」(1933制定)とをあわせたばかりでなく、「史蹟(しせき)名勝天然記念物保存法」(1919制定)をも吸収し、歴史上または学術上価値あるものは、土地や植物、動物などをも文化財として保護することにした。

 このほかにもまったく新しい観点から無形文化財、埋蔵文化財、民俗資料を加えたことが第三の特色である。その後、社会情勢などの変遷により、これらに適合させるため、1975年、同法に大改正がなされた。その結果、新たに、周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的建造物群、有形・無形の民俗資料をあわせた民俗文化財、無形文化財の一つであるが文化財の保存のために欠くことのできない伝統的技術・技能で保存の措置を講ずる必要のある選定保存技術などの保護についても考えられている。  1996年(平成8)の同法改正では、従来の指定制度を補完するものとして、緩やかな保護措置を講ずる制度(文化財登録制度)が導入された。さらに2004年(平成16)の改正(施行は2005年)では、地域における人々の生活または生業および地域の風土により形成された景観地で、わが国民の生活または生業の理解のため欠くことのできないものとして文化的景観が加えられた。  行政機構としては、当時の文部省外局として新しく文化財保護委員会を設け、国立博物館と国立文化財研究所を付属機関として吸収した。その後、1968年6月、文化財保護委員会が廃止され、新設の文化庁に文化財保護部として吸収され、諮問機関として文化財保護審議会が設置された。また、2001年の省庁再編に伴い、文化財保護部は文化財部に、文化財保護審議会は文化審議会文化財分科会に改組された。このような中央的機構に直結するものとしては、都道府県教育委員会に権限や事務を委任して地方的機構にかえている。都道府県教育委員会では、現在はおおむね文化課ないし文化財保護課などを設置し、文化財保護の主管課としている。また、国立博物館と国立文化財研究所は2001年4月より独立行政法人となり、2007年4月には統合されて独立行政法人国立文化財機構となっている。

 これらの機関が行う主要行政は、(1)保護すべき文化財の指定、(2)指定文化財の管理(滅失・亡失・毀損(きそん)などの防止、所在変更届出)、(3)保護(指定文化財の保存に障害を及ぼすようないっさいの行為の制限・禁止、危険な場合の積極的指導、財政援助など)、(4)公開、(5)調査、(6)記録の作成などとなっている。

 とくに(3)の保護関係の条文では、重要文化財に関し、所有者・管理者への財政援助とともに現状変更の制限、修理の届出制、輸出の禁止、売渡しの際の申出制など、文化財保護のための最小限の制限事項をうたっている。

 これらの文化財の保護については、社会や経済の急激な変動と生活様式、慣習の変遷により、種々の問題がおこっている。しかし、文化財は古い時代から伝えてきた国民的財産で、これを後世の人々に伝えることはわれわれの責務であることを自覚し、国や地方公共団体はもちろんのこと、所有者、管理団体、さらには国民が一体となって、文化財を保護してゆかねばならない。



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