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文化

文化(ぶんか、ラテン語: cultura

人間の知的洗練や精神的進歩とその成果,特に芸術や文学の産物を意味する場合もあるが,今日ではより広く,ある社会の成員が共有している行動様式や物質的側面を含めた生活様式をさすことが多い。このように定義される文化は,言語,思想,信仰,慣習,タブー,掟,制度,道具,技術,芸術作品,儀礼,儀式などから構成される。これは E.タイラーの「文化または文明とは,知識,信仰,芸術,道徳,法律,慣習など,人間が社会の成員として獲得したあらゆる能力や習慣の複合的総体」という古典的定義に由来する。この見方によれば,人類文化全体は個性的なまとまりをもった多数の個別の文化単位で構成され,個々の文化単位はある程度他の文化単位と重なり合っている。

それぞれの文化単位の間における違いは,物理的な居住環境や資源,言語,儀礼,習慣,道具の製造と使用などのさまざまな活動分野における固有の発展可能性の範囲,さらに社会の発展の度合いに起因する。個人の行動,価値観,理想,あるいは信仰は,その人が所属している文化に大幅に影響され,個人が複数の異なる文化のなかで暮したり,旅行したりすることもありうる。また,これらの個別文化のなかには地域や階層,少数民族集団などの下位文化 (サブカルチャー ) が含まれていたり,また主流の既成文化を否定する対抗文化 (カウンターカルチャー) が存在する場合もある。さらに今日では文化の主体をより小単位にして,企業文化や学校文化というとらえ方も広くみられる。

タイラーの定義はこのような個別文化の実態を体系的に考察するには広すぎることから,分析的に文化を再定義するさまざまな試みが行われてきた。行動様式の規則性の根底にある価値体系 (C.クラックホーン) に焦点を当てたり,文化を人間の行為に意味づけする象徴の体系 (C.ギアツ) あるいは観念の体系 (R.キーシング) ととらえようとしたり,さらに構造言語学や記号論の基本的概念を適用して,コードに基づいて記号の交換を行うコミュニケーションの体系 (E.リーチ) ととらえる見方もある。他方,文化を人間の自然環境に対する適応の体系と考え,技術,経済活動,生産組織を中心にして諸文化を考察する文化的唯物論(M.ハリス) や文化生態学 (J.スチュワード) ,新進化主義 (L.A.ホワイト,E.サービス) の立場もある。

比較文化において,異文化を自分の文化の枠によって解釈したり評価することを自民族中心主義 (エスノセントリズム ) といい,一方,文化相対主義は自分の文化と異なる文化の理解と正しい認識に由来する比較研究方法である。文化の発達は,人間の学習能力や子孫へ知識を伝達する能力に立脚している。文化の内部や文化の間での変化は,生態学的および環境的な変化に伴って生じる。つまり,同じような文化の発達段階にある社会の間における文化的な特徴の伝播,文化変容,比較的個性的な人々による外国文化の修得,あるいは長い間における文化の要素の進化によって変化が起るのである。文化は,構成要素のパターン (文化の特徴,領域,類型) や組織の構造と機能 (社会組織,経済システム,教育,宗教と信仰,慣習と法律) の観点からとらえられる場合もある。また,近代的な都市文化と比較した非都市的文化や,近代的な産業社会と異なる農民社会ないし部族社会に,さらに分類する場合もある。

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