コンコルダート(政教条約)

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コンコルダート(独: Konkordat)あるいはコンコルダ(仏: concordat)

政教条約(せいきょうじょうやく)

一般に教会と国家との相互に関連ある事項に関して両者の間に結ばれる,国際法上の効力を有する条約。狭義には,ある国家の版図内における教会に関する事項を規制するために,国家の元首とカトリック教会の長としての教皇との間に結ばれる条約をさす。一般的内容は,条約を結んだ国家はカトリックを公認し,領土内におけるその宗教活動を保障し,教会内の立法権を教皇または司教に認める。これに対し教会側は,相手がカトリック国であれば聖職者の指名権を,非カトリック国であればその拒否権を国家に与える。また兵役その他の点での聖職者の特権や教会財産に関する取決めがなされるほか,個々の場合に従ってさまざまな内容が盛込まれる。その歴史は 11~12世紀の叙任権争いに始り,最古の例は 1107年のイギリスのヘンリー1世とのものであるが,最も重要なのはカリクツス2世と皇帝ハインリヒ5世との間に結ばれたウォルムスの条約である (叙任権論争 ) 。 20世紀の政教条約としては,教皇を主権者とするバチカン市国の創立を決めた 1929年のイタリアとのラテラノ条約が有名である。また 33年には教皇とナチス・ドイツとの間で,ナチスはドイツのカトリック教会に介入しないかわり,教会も政治に介入しないという協定が結ばれた。政教条約は無期限であり,教皇側が破棄した例はかつてない。