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(あく)

原義は人間にとって有害な諸事象,あるいはそれらの原因をいう。広範な概念であり,天災や疾病などの自然的悪,人倫に反する道徳的悪,制度的悪,さらにそれらの根源とみられる形而上学的悪など便宜的に区分されるが,これらは視点の相違によるとも考えられる。古代においては悪を起すものを超人間的存在として考え,悪魔,魔神など擬人化の傾向が神話や宗教にみられる。多くの宗教は人間存在に悪が内在するとして,対照的に神の正義を立証しようとする (キリスト教の原罪,プラトンやプロチノスの悪としての肉体,ライプニッツの形而上学的悪など) 。これら悪の起源を人間的存在そのものや超越者に求めるのとは反対に,人間経験やその結果としての体制に悪の起源を認める傾向もある。その代表的なものはマルクス主義。古代中国思想における性善説性悪説も悪の起源を超越とするか内在とするかの対立である。ときには美が悪の反対概念とされる。人間を有限的存在としてみるかぎり,悪の問題は常に哲学,心理学,社会学などの中心問題の一つであり続ける。



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