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刑罰

punishment; Strafe

犯罪に対する制裁として犯罪者に科せられる法益の剥奪をいう。

(1) 刑罰の本質をめぐって応報刑主義と目的刑主義との対立があるが,行刑過程では受刑者の教化改善作用が重視されるようになっている。現行刑法は死刑懲役禁錮罰金拘留科料の6種を主刑とし,没収を付加刑として規定している (9条) 。懲戒,懲罰,過料などの行政罰は刑罰でないし,保安処分も行為者の責任に応じた非難としての性格をもたず刑罰ではない。

(2) 残虐な刑罰 不必要な精神的または肉体的苦痛を内容とする人道上残酷と認められるような刑罰をいう。日本国憲法 36条は「……残虐な刑罰は,絶対にこれを禁ずる」と定めている。刑法の定める絞首刑 (11条) が「残虐な刑罰」にあたるかどうかについて,最高裁判所は,憲法 36条の「残虐な刑罰」とは火あぶり,磔,釜ゆでなどのごとき刑をいうのであって,絞首刑はそれにはあたらないと判示した。 (死刑)

(3) 刑の量定 有罪判決で刑の言い渡しをするとき,宣告刑をいかなる資料と基準で決定するかが刑の量定 (量刑) の問題である。一般に,刑は犯人の責任に応じて量定しなければならず,その際,犯人の年齢,性格,経歴および環境,犯罪の動機,方法,結果および社会的影響ならびに犯罪後における犯人の態度を考慮し,犯罪の抑制および犯人の改善更生に役立つことを目的としなければならないとされる (改正刑法草案 48条参照) 。これまで,量刑の適正化のための判決前調査制度,不定期刑制度の採用などが論議されてきた。

(4) 刑の執行 刑の言い渡しの裁判の確定によって国家の刑罰権が現実化し,各種の刑罰に適合した手続に従って執行すべきことになる。死刑は監獄内の刑場で絞首して執行する (刑法 11条1項) 。自由刑は監獄法を中心とした行刑法令に基づいて執行されるが,監獄法は制定以来すでに 80年余を経ており,最近の行刑思想ともずれが目立っており,改正が検討されている。財産刑は検察官の命令によって執行する。具体的手続は民事訴訟の強制執行手続による。