伝使(でんし)とは、古代日本の律令制において、伝馬によって通行する官人・使者のこと。
概要
公式令によれば、支給された伝符に示された剋数によって支給される馬の数が決められ、その剋数は官人・使者の身分によって異なっていた。なお、天平10年(738年)の但馬国・周防国の正税帳が残されているが、国司の赴任や使者の往来の過程で、多くの伝使の往来が確認可能である。だが、9世紀に入ると、伝馬制が弱体化し、伝使の例も少なくなっていく。
参考文献
- 柳雄太郎「伝使」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-04-031700-7)