ペトル・ヴォピェンカ

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ペトル・ヴォピェンカPetr Vopěnka, 1935年5月16日 - 2015年3月20日)はチェコ数学者。専門は公理的集合論

経歴

プラハに生まれ、カレル大学エドゥアルド・チェフに数学を学ぶ。1964年以降、同大学で講師を務め、1967年に博士号を取得。1968年には学内で教授への昇格が内定していたが、この昇格は妨害され続け、彼が実際に教授職についたのは1990年になってからだった。

1980年代半ばごろからはフッサール現象学に傾倒し、数学の哲学にも関心を示すようになる。またこのころ、当時の「正常化体制」下にあって活動を制限されていた哲学者達をカレル大学数学・物理学部に招き、公開哲学講座を主催している。1990年にはカレル大学副学長に就任し、1990年から1992年にかけてはチェコ共和国(当時はチェコおよびスロバキア連邦共和国の一部)の教育大臣も務めた。

数学上の業績

初期にはトポロジーを研究していたヴォピェンカだったが、1970年代はじめごろから数理論理学へと関心を移し、カントール集合論に代わる、いわゆる「代替集合論」(alternative set theory)の構築へと向かっていった。「半集合(semiset)の理論」と呼ばれる彼の集合論は、BG集合論に変更を加えたもので、そこでは集合に包含される真クラス(これを半集合と呼ぶ)の存在が許容される。半集合はファジィ集合などと同様に、曖昧な境界を持つクラスを表現するのに応用されている。

主な著作

  • Petr Vopěnka and Petr Hájek, The Theory of Semisets, North-Holland, 1972.
  • Petr Vopěnka, Mathematics in the Alternative Set Theory, Teubner, 1979.