ブレートシュナイダーの公式

提供: miniwiki
移動先:案内検索
ファイル:Bretschneider's formula.svg
p, q, r, s, A, C の値から四角形の面積が求まる。

ブレートシュナイダーの公式(ブレートシュナイダーのこうしき、Bretschneider's formula)は、四角形の面積を与える公式である。四角形ABCD について、p, q, r, s をそれぞれの辺の長さ、T を周の長さの半分、A と C を互いに対角とすると、四角形の面積は

[math]\sqrt{(T-p)(T-q)(T-r)(T-s)-pqrs\cos^2 \frac{A+C}{2}}[/math]

に等しい。円に内接する四角形の面積を表したブラーマグプタの公式の一般化であり、任意の四角形について成り立つ。名前の由来のブレートシュナイダー (1808–1878) はドイツ数学者

証明

四角形の面積を S とすると、

[math]S=\bigtriangleup \text{ADB} +\bigtriangleup \text{BDC} =\frac{1}{2} ps\sin A+\frac{1}{2} qr\sin C[/math]

より

[math]4S^2=(ps)^2 \sin ^2 A+(qr)^2\sin ^2 C+2pqrs\sin A\sin C[/math]

を得る。また、余弦定理より、

[math]\text{BD}^2 =p^2 +s^2 -2ps\cos A=q^2 +r^2 -2qr\cos C[/math]

であるから

[math]\frac{1}{4} (q^2 +r^2 -p^2 -s^2 )^2 =(ps)^2 \cos^2 A+(qr)^2 \cos^2 C-2pqrs\cos A\cos C[/math]

を得る。4S2 についての式と辺々を足し合わせ、加法定理 cos(A + C) = cos A cos C − sin A sin C を用いると、

[math]4S^2 +\frac{1}{4} (q^2 +r^2 -p^2 -s^2 )^2 =(ps)^2 +(qr)^2 -2pqrs\cos (A+C)[/math]

となる。倍角の公式 [math]1+\cos \theta =2\cos^2 \frac{\theta}{2}[/math] を用いて変形すると、

[math]16S^2=(p+q+r-s)(p+q-r+s)(p-q+r+s)(-p+q+r+s)-16pqrs\cos ^2 \frac{A+C}{2}[/math]

となる。この式は、周の長さの半分

[math]T=\frac{p+q+r+s}{2}[/math]

を用いて

[math]16S^2=16(T-p)(T-q)(T-r)(T-s)-16pqrs\cos ^2 \frac{A+C}{2}[/math]

となり、ブレートシュナイダーの公式を得る。

関連する公式

円に内接する四角形については、対角の和の半分が 90°であることから、ブラーマグプタの公式

S = √(Tp)(Tq)(Tr)(Ts)

が成り立つ。また、円に外接する四角形については、対辺の和が等しく、T = p + r = q + s であることから

[math]S=\sqrt{pqrs} \sin \frac{A+C}{2}[/math]

が成り立つ。さらに外接円と内接円を持つ四角形、つまり双心四角形については、

S = √pqrs

となる。また、上記の証明は p = 0 として三角形の面積を考えているとしても通用し、ヘロンの公式

S = √T(Tq)(Tr)(Ts)

を得る。

関連項目

外部リンク