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フジ (植物)


フジ学名: Wisteria floribunda)は、マメ科フジ属つる性落葉木本

一般名称としての藤には、つるが右巻き(上から見て時計回り)と左巻きの二種類がある。右巻きの藤の標準和名は「フジ」または「ノダフジ」、左巻きの藤の標準和名は「ヤマフジ」または「ノフジ」である(牧野富太郎の命名による)。

形態・生態

つるに巻きついて登り、樹冠に広がる。直射日光の差す場所を好む、好日性植物である。花序は長くしだれて、20cmから80cmに達する。はうすい紫色で、藤色の色名はこれに由来する。他のマメ科植物同様、夜間は葉をすぼめる。

分布・生育地

日本産のフジは固有種[1]。海外のフジは、フジ属に属する別の品種である。

本州四国九州温帯から暖帯に分布する。低い山地、平地の林に普通。

人間との関わり

強い日当たりを好むため、公園や庭園などの日光をさえぎるものがない場所に木や竹、鉄棒などで藤棚と呼ばれるパーゴラを設置し、木陰を作る場合が多い。天蓋に藤のつるをはわせ、開花時には隙間から花が垂れ下がるように咲く。変異性に富んでおり、園芸品種が多い。一才藤(いっさいふじ)として鉢植え盆栽用に流通するのは、樹高50cmくらいの一才物のフジ。

大阪市福島区野田ノダフジ(野田藤)と呼ばれる藤の名所[2]で、牧野富太郎による命名のきっかけとなった。同区玉川の春日神社には、野田の藤跡碑がある。

花は天ぷらなどにすることができる。ただし他のマメ科植物同様にレクチンを中心とした配糖体の毒性が含まれており、多量に摂取すると吐き気、嘔吐、眩暈、下痢、胃痛などを起こすおそれもあるためあまり食用には適していない。加熱されていない種子は中毒の可能性がより高くなる。その他に、樹皮や莢にはウイスタリン(wistarin)、種子には有毒性アルカロイドの一種であるシチシン(cytisine)が存在するという報告も上がっている。

他のつる性植物同様、茎を乾燥させて椅子などの家具に加工されることもある。藤の花や葉を図案化した家紋藤紋」がある。

脚注

  1. 樹に咲く花 離弁花2』、94頁。
  2. 名所であったのは江戸時代のことで、明治に入って開発により数を減らし、第二次世界大戦時の空襲によりほぼ全滅した。現在同地にあるフジは1970年代以降の復興運動に依るもの。

参考文献

  • 茂木透写真 『樹に咲く花 離弁花2』 高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、94-95。ISBN 4-635-07004-2。
  • 林将之 『葉で見わける樹木 増補改訂版』 小学館〈小学館のフィールド・ガイドシリーズ〉、2010年。ISBN 978-4-09-208023-2。

関連項目

外部リンク