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ジョン・スチュアート・ミル

Mill, John Stuart

[生] 1806.5.20. ロンドン
[没] 1873.5.8. アビニョン

イギリスの思想家,経済学者。 J.ミルの長男。父の厳格な教育を受けて育ち,10代から哲学的急進派の論客として活躍。 1823年ロンドンの東インド会社に入社,56年まで在職。 26年の精神的危機を転機として,それまでの狭義のベンサム主義から脱してドイツの人文主義や大陸の社会主義,コント思想などにも関心を寄せるようになる。

65~68年下院議員となり,社会改革運動にも参加。社会科学も含めた科学方法論書でもある『論理学大系』A System of Logic (2巻,1843) 公刊後,19世紀中葉の経済学の再編成期にあたり『経済学原理』 Principles of Political Economy (48) で古典派経済学の体系を独自の方法で整理し,生産法則と分配法則とを分離して,前者を歴史を貫く不変の原則とし,後者は社会進歩とともに変革しうると説き,静学と動学の区別を導入し,労働階級の将来を論じ,定常状態に独自の解釈を加えるなど,かなりの期間大きな影響力をもった。

『功利説』 Utilitarianism (63) で快楽に質の差を導入したことでも著名。政治論では代議制と行政上の分権制の意義を強調した。ほかに『自由論』 On Liberty (59) ,遺稿『ミル自伝』 Autobiography (73) ,遺稿『社会主義論』 Chapters on Socialism (79) など著書,論文多数。トロント大学によりミルの『全集』 Collected Works of John Stuart Millが刊行されている。