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イングランド

イギリス,グレートブリテン島の 3分の2近くを占める地域。首都ロンドン。北はスコットランド,南西はウェールズに接し,南はイギリス海峡を隔ててフランスと,西はアイリッシュ海を隔ててアイルランド島と相対し,東は北海に面する。グレーターロンドンおよび 6大都市圏(ウェストミッドランズ,ウェストヨークシャー,グレーターマンチェスター,サウスヨークシャー,タイン・ウィア,マージーサイド),27県,56単一自治体(ユニタリー unitary authority)からなる。前7世紀以降ヨーロッパ大陸からケルト人がやってきて定住したが,前1世紀半ばにローマ軍が侵入。ローマ帝国が衰微すると,アングロ・サクソン人が侵入してケルト人を放逐した。その後デーン人(ノルマン人)の侵入がはなはだしく,1016年ついにその支配下に入り,11世紀にノルマン朝の封建制度が確立した。ヘンリー2世(在位 1154~89)の治世下に領土も拡大し,種々の改革や法制の整備も進み,繁栄の礎が築かれた。南部沿岸には海岸近くまで急崖が迫るところが多いが,サウサンプトン,ウェーマス,プリマスなどの天然の良港がある。海岸から内陸に向かって低い丘陵地帯となり,ミッドランド地方の低地に続く。ここは工業の中心で,バーミンガム,ウルバーハンプトンなどが中核の都市となっている。この北部からペナイン山脈が北方に延びる。山脈の東側は,ヨークシャー地方の炭田・工業地帯が北海沿岸の低地へと広がり,西側は,ランカシャー織物工業地帯となっている。スコットランドとの境界に近い北西部のカンブリア山地はペナイン山脈からの続きで,この山地のスコーフェルパイク山(978m)がイングランドの最高峰となっている。主要河川はテムズ川,セバーン川,マージー川などで,いずれも河口部は三角江(エスチュアリー)をなし,これに沿ってロンドン,ブリストル,リバプールなどの大港湾都市が立地する。ヨークシャー炭田のほか各地に炭田があり,北海油田開発後も産業の基礎を担っていたが,今日では採炭は減少している。北東部のミドルズブラなどで鉄鋼業が行なわれ,各地の造船業,機械工業,自動車工業,金属加工業に材料を供給する。テムズ川,マージー川,ハンバー川の河口三角江沿岸などに製油所がある。1980年代以降,鉄鋼,造船,繊維などが国際競争力を失い,21世紀初頭までにはサービス業や金融業などが経済の中心になった。牧畜も盛んで,南部ではウシの飼育,酪農が,東部のイーストアングリア地方やリンカーンシャー県などでは,穀物やジャガイモの栽培を中心とした耕種農業が行なわれる。面積 13万281km2。人口 5144万6000(2008推計)。