S/2015 (136472) 1

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S/2015 (136472) 1
仮符号・別名 MK2(非公式)[1]
視等級 (V) ~26[2]
分類 衛星
発見
発見日 2015年4月[2][3]
発見者 Alex Parker
Marc Buie
Will Grundy
Keith Noll[2]
発見場所 HST/広視野カメラ3[2]
軌道要素と性質
軌道の種類 周回軌道
軌道長半径 (a) 21,100 - 300,000 km[2]
公転周期 (P) 12.4 - 660 [2]
マケマケの衛星
物理的性質
直径 160 km[1]
175 - 250 km[2]
絶対等級 (H) 7.89 ± 0.04[2]
Template

S/2015 (136472) 1は、知られている中で準惑星マケマケ公転する唯一の衛星である[2][4][5]。発見チームからはMK2という愛称で呼ばれている[1]

特徴

ファイル:Makemake moon artist's view with legend.jpg
マケマケとS/2015 (136472) 1の想像図

推定アルベド(反射能)を4%と仮定すると直径は175km、2%ならば250kmとなり[2]、マケマケからは少なくとも21,000km離れていると推定されている[3][6]公転周期は12日以上であるとされている(この最小値は軌道が円形であると仮定したものであり、実際の軌道離心率は不明である)[2][3][5][7]。発見に至る観測は、ハッブル宇宙望遠鏡広視野カメラ3を用いて2015年4月に行われ、2016年4月26日にその存在が発表された[1]

他のほとんどの大型太陽系外縁天体には、少なくとも1個の衛星を持つことが知られており、エリス1個ハウメアには2個冥王星には5個2007 OR10には1個の衛星が確認されている[8]。衛星は主天体の質量を測定させやすくするため、S/2015 (136472) 1はマケマケの質量をより精度の良い推定につながるだろう[8]

観測

画像の予備調査では、S/2015 (136472) 1は木炭に似た反射率を示し、明るさもマケマケの1,300分の1[1][3]しかない非常に暗い天体であることが示唆された。マケマケはカイパーベルトの中で2番目に明るい天体で知られていたため、これは驚くべきことであった。これを説明する1つの仮説として、明るく揮発性の氷が、遠くの太陽からの熱で宇宙空間に失われてしまうのを防ぐほどの十分な重力を持っていないことが挙げられる[9]

S/2015 (136472) 1の軌道を決定するには、更なる観測が必要である[3]。軌道が円形ならば、S/2015 (136472) 1は過去の巨大衝突によって形成された可能性があるが、楕円形であれば外部から捕獲された可能性がある[9]

画像分析を担当したチームの責任者であるサウスウエスト研究所English版のAlex Parkerは、S/2015 (136472) 1の軌道は、地球上からの観測では横向きになっていると述べている。これによって、S/2015 (136472) 1はマケマケからの光に遮られてしまい、さらにその表面が暗いため検出するのは困難で、過去の調査では観測することが出来なかったとされている[9]

関連項目

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 HubbleSite – NewsCenter – Hubble Discovers Moon Orbiting the Dwarf Planet Makemake (04/26/2016) – The Full Story”. hubblesite.org. . 2018閲覧.
  2. 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 Parker, A. H.; Buie, M. W.; Grundy, W. M.; Noll, K. S. (2016). “Discovery of a Makemakean Moon”. The Astrophysical Journal 825 (1): L9. arXiv:1604.07461. Bibcode 2016ApJ...825L...9P. doi:10.3847/2041-8205/825/1/L9. 
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 準惑星マケマケに衛星を発見”. AstroArts (2016年4月27日). . 2018閲覧.
  4. Chang, Kenneth (2016年4月26日). “Makemake, the Moonless Dwarf Planet, Has a Moon, After All”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2016/04/27/science/makemake-the-moonless-dwarf-planet-has-a-moon-after-all.html . 2018閲覧. 
  5. 5.0 5.1 Parker, A. (2016年5月2日). “A Moon for Makemake”. Planetary Society blogs. Planetary Society. . 2018閲覧.
  6. Hubble Spies A Moon Orbiting A Distant Dwarf Planet”. Popular Science. . 2018閲覧.
  7. Hubble discovers moon orbiting the dwarf planet Makemake”. EurekAlert! (2016年4月26日). . 2018閲覧.
  8. 8.0 8.1 Brown, M. E.; Van Dam, M. A.; Bouchez, A. H.; Le Mignant, D.; Campbell, R. D.; Chin, J. C. Y.; Conrad, A.; Hartman, S. K. et al. (2006). “Satellites of the Largest Kuiper Belt Objects”. The Astrophysical Journal 639 (1): L43–L46. arXiv:astro-ph/0510029. Bibcode 2006ApJ...639L..43B. doi:10.1086/501524. http://web.gps.caltech.edu/~mbrown/papers/ps/gab.pdf. 
  9. 9.0 9.1 9.2 Mike Wall (2016年4月26日). “Distant Dwarf Planet Makemake Has Its Own Moon”. Space.com. . 2018閲覧.

外部リンク

テンプレート:準惑星の衛星