ECMAScript

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ECMAScript
パラダイム マルチパラダイムプログラミング言語プロトタイプベース関数型言語命令型プログラミング
登場時期 1997
開発者 Ecma International, ブレンダン・アイク
最新リリース ECMA-262 8th Edition (ECMAScript 2017)
型付け ダック・タイピング、弱い動的型付け
方言 JavaScript, ActionScript, JScript, QtScript, DMDScript, InScript
影響を受けた言語 Self, HyperTalk, AWK, C, Perl, Python, Java
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ECMAScript
ファイル:Crystal source.png
拡張子 .es
MIMEタイプ application/ecmascript[1]
開発者 サン・マイクロシステムズ
Ecma International
初版 1997年6月(26年前) (1997-06
最新版
8th Edition
(2017年6月27日(6年前) (2017-06-27)
種別 スクリプト言語
派生元 JavaScript
ウェブサイト ECMA-262, ECMA-290,
ECMA-327, ECMA-357


ECMAScript(エクマスクリプト)は、JavaScriptの標準であり、Ecma Internationalのもとで標準化手続きなどが行われている。

Ecma Internationalのほか、ISO/IEC JTC 1からもISO/IEC 16262として標準化されている。日本もJIS X 3060としてJIS化している。

バージョン

ECMAScript仕様は、Ecma InternationalにてECMA-262という規格番号で標準化されている。改訂にあたっては版 (edition) が更新されている。

6th editionから、「ECMAScript 2015」仕様の名称に発行年が付加されることになった。以降、ECMAScriptは毎年改訂されることになり、以降特定の版を指す場合は、edition名ではなく年号つきの仕様書名で呼ばれることが推奨されている[2]

Edition 公開日 以前のバージョンとの違い 編集者
1 1997年6月 初版 Guy L. Steele, Jr.
2 1998年6月 Editionとしての仕様はそのままであり、ISO/IEC 16262 international standardに完全な対応をした Mike Cowlishaw
3 1999年12月 正規表現、よりよい文字列の取り扱い、新しいコントロール構文、try/catch例外処理、より厳格なエラー処理、数字のその他の書式化フォーマット Mike Cowlishaw
4 放棄 4th Editionは放棄された。言語の複雑化に関する政治的な差異による。いくつかの成果は5thの基礎として採用され、いくつかは6thの基礎となっている。
5 2009年12月 "strictモード"、初期化時に発生しがちなエラーを回避するための追加仕様の追加。多くの曖昧な部分、および仕様に準拠しつつも現実世界の実装の融通の利く振る舞いを明確にした。いくらかの新機能、getterやsetter、JSONライブラリのサポート、より完全なオブジェクト属性リフレクション[3] Pratap Lakshman, Allen Wirfs-Brock
5.1 2011年6月 Pratap Lakshman, Allen Wirfs-Brock
6

(2015)

2015年6月 クラスモジュール、イテレータ、for/ofループ、Pythonスタイルのジェネレータ、アロー関数、2進数および8進数の整数リテラル、Map、Set、WeakMap、WeakSet、プロキシ、テンプレート文字列、let、const、型付き配列、デフォルト引数、Symbol、Promise、分割代入、可変長引数 Allen Wirfs-Brock
2016 2016年6月 冪乗演算子、Array.prototype.includes Brian Terlson
2017 2017年6月 非同期関数 (async/await)、SharedArrayBufferとAtomics、String.padStart/padEnd、Object.values/entries、Object.getOwnPropertyDescriptors、関数の引数における末尾のカンマ許容
2018 策定中

ECMAScriptにはいくつかの拡張が存在する。

  • ECMA-357 (ECMAScript for XML) - 2004年公開、E4Xとして知られる
  • ECMA-402(国際化API) - 2012年公開
  • ECMA-404 (JSON) - 2013年公開

EcmaはECMAScriptのための "Compact Profile" も定義した — ES-CP、あるいはECMA 327として知られる — リソースの厳しいデバイス用にデザインされている。ECMAScriptのいくつかの動的な機能(『eval』関数など)はオプションにされている。これにより、処理系はプログラムの振る舞いに対してより多くの仮定ができるようになり、その結果、より良いパフォーマンス・トレードオフを実行時に得ることができるようになる。 HD DVD standardはECMAScript Compact Profileに準拠し、完全なECMAScriptの支援をより少ないメモリのデバイスで実行できるよう採用している。

文法

方言およびその呼称

ECMAScript は、ウェブブラウザをはじめとする多くのアプリケーションでサポートされている。DOMとの連携はドキュメントの操作を可能にする。

アプリケーション 呼称 最新バージョン 対応するECMAScriptリビジョン
Mozillaおよびその派生品 JavaScript 1.8.5 ECMA-262 5.1 edition
ECMA-357[呼称 1]
Internet Explorer JScript(IE8まで) 5.8 ECMA-262 3rd edition
JavaScript (Chakra) 11.0 ECMA-262 5.1 edition
Google Chrome
Opera
JavaScript ECMA-262 5.1 edition
Safari (JSCore) JavaScript ECMA-262 5.1 edition
Konqueror (KJS) JavaScript ECMA-262 3rd edition
iCab InScript ECMA-262 3rd edition
Microsoft .NET JScript .NET 10.0 ECMA-262 4th草案 [呼称 2]
Adobe Flash ActionScript 3 ECMA-262 4th草案 [呼称 3]
ECMA-357
Adobe Acrobat JavaScript 1.5 ECMA-262 3rd edition
Adobe Creative Suite ExtendScript ECMA-262 3rd edition
DMDScript DMDScript ECMA-262 3rd edition
Qt QtScript ECMA-262 3rd edition
Max/MSP JavaScript 1.5 ECMA-262 3rd edition
  1. Mozillaは1.8 Beta 1以降でE4Xをサポートしている。
  2. 2001年頃のマイクロソフトの草案であり、独自に開発を進めたもので、現在のECMAScript 4草案とは大きく異なる。
  3. 2001年頃のNetscapeの草案に近く、現在のECMAScript 4草案のサブセットに近い。

ECMAScript 4

ECMAScript 4は過去2回仕様作成が挑戦されたが、仕様がまとまらず、失敗に終わっている。

1回目

2000年〜2003年ごろ行われた。主に、旧Netscape社とマイクロソフトによって行われたが、意見がまとまらずに、打ち切りとなった。この時の案はActionScriptへと引き継がれた。

2回目

2007年〜2008年ごろ、2回目の仕様作成が行われた。大きく機能を追加される予定であったが、意見がまとまらず、2008年8月13日に、小規模の改善にとどまる、ECMAScript 3.1を進めることとなった[4]。仕様は、http://www.ecmascript.org/docs.php にて公開されている。

以下のような予定があった。

  • 大規模・大人数開発のための機能の追加
  • 型に関する機能の追加
  • ジェネリックプログラミングの機能の追加
  • ECMAScript 3 が下位互換だが、互換でない仕様が一部に入る
  • ActionScript 3 の上位互換だが、互換でない仕様が一部に入る

脚注

関連項目

外部リンク

テンプレート:ECMAScript