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{{ Infobox 航空機
+
[[ファイル:ボーイングE-3セントリー.jpg|サムネイル]]
| 名称=E-3 セントリー
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'''E-3'''
| 画像=画像:E-3 Sentry exercise Green Flag 2012 (Cropped).jpg
 
| キャプション=アメリカ空軍のE-3
 
| 用途=警戒監視・情報収集・指揮管制
 
| 分類=[[早期警戒管制機]]
 
| 設計者=
 
| 製造者=[[ボーイング]]社
 
| 運用者 more=<br />
 
** {{USA}}([[アメリカ空軍]])
 
** {{GBR}}([[イギリス空軍]])
 
** {{FRA}}([[フランス空軍]])
 
** {{SAU}}([[サウジアラビア空軍]])
 
** [[ファイル:NATO flag.svg|25px]][[北大西洋条約機構|NATO]]([[共同運用]]、[[ルクセンブルクの軍事|ルクセンブルク]][[機籍]])
 
| 初飛行年月日=[[1976年]][[5月]](量産型)
 
| 生産数=68機
 
| 生産開始年月日=[[1976年]]から[[1992年]][[5月12日]]まで。
 
| 運用開始年月日=[[1977年]][[3月]]
 
| 退役年月日=
 
| 運用状況=65機
 
| ユニットコスト=2億7000万ドル(1998年時点換算)<ref name="USAF1">{{cite web|url=http://www.af.mil/AboutUs/FactSheets/Display/tabid/224/Article/104504/e-3-sentry-awacs.aspx |title=Factsheet : E-3 SENTRY (AWACS) : E-3 SENTRY (AWACS) |accessdate=2015-6-4}}</ref>
 
}}
 
'''E-3'''は[[ボーイング]]社が製造した[[早期警戒管制機]](AWACS機)。愛称は歩哨・哨兵・見張りの意味をもつ'''セントリー''' ({{lang|en|Sentry}})。初飛行は1975年。
 
  
== 開発 ==
+
高性能の[[空中警戒管制機]] AWACS。 1977年からアメリカ合衆国が配備しているもので,[[ボーイング 707]]ジェット旅客機を改造して,胴体上部に直径 9.15mの回転レドームを搭載,毎分6回の割合で回転させて半径 400km内の空域および地表の目標 600を監視する。うち 200の目標について同時に敵味方を識別し,ただちに味方の航空機や艦艇に情報を伝達する。これにより,レーダ能力に制限のある戦闘機などには大きな力となる。1回の哨戒飛行は最大 11時間。湾岸戦争でもイラク軍機の撃墜に大きな役割を果たした。アメリカのほか,イギリス,フランス,サウジアラビアなどが採用している。 1972年2月に初飛行,1977年就役。乗員4人,電子機器操作員 16人以上。全長 46.6m,全幅 44.42m,総重量 150.8t,最大速度マッハ 0.83,戦闘行動半径 1600kmで6時間の哨戒が可能。生産はすでに終了したが,2006年現在で世界中に 66機が展開し,巡航ミサイルの探知など,機能向上のためのコンピュータ・システムの改良が続いている。
[[File:Lockheed RC-121C 1955.jpg|thumb|[[レシプロエンジン|レシプロ機]]であったEC-121は、1950年代半ばより運用されてきた]]
 
[[File:First E-3 Sentry at Tinker AFB.jpg|thumb|1977年にティンカー空軍基地で実施された最初のE-3の歓迎式典の様子]]
 
[[アメリカ軍]]は、大型の[[航空機]]に[[レーダー]]を搭載した空中早期警戒に高い関心を持っており、早い時期から[[早期警戒機]]を運用していた。[[ベトナム戦争]]の時期には、早期警戒(空載レーダー)には{{仮リンク|EC-121|en|EC-121 Warning Star}}([[ロッキード コンステレーション]]の派生型)を運用していたが、EC-121の管制能力は限定されており、[[指揮 (軍事)|指揮]][[統制]]用の[[C-130 (航空機)|C-130E]]の運用のほか、[[半自動式防空管制組織|SAGE]]では[[データリンク]]を通じて地上施設が指揮統制を行なったりしていた。[[技術]]発展に伴い、早期警戒のみならず指揮統制についても、同じ機体で行えることが求められるようになり、[[1963年]]には、EC-121の後継機の検討が開始されている<ref>Wilson 1998, p.&nbsp;72.</ref>。技術発展を鑑み、新型機のレーダーにはグランドクラッターの影響を受ける低空飛行機体をも探知できる[[ルックダウン能力]]も求められた<ref name="Eden_p92">Eden et al 2004, p.&nbsp;92.</ref>。開発にはボーイング社、[[マクドネル・ダグラス]]社、[[ロッキード]]社が候補となり、[[1966年]]7月にはロッキード社が外されている。[[1967年]]にはレーダーが並行して開発されることとなり、[[ウェスティングハウス・エレクトリック|ウエスチングハウス]]社と[[ヒューズ・ヘリコプターズ|ヒューズ]]社が競争開発にあたることとなった。陸地上空におけるレーダー(Overland Radar Technology,ORT)の開発は、EC-121Qを改装し、搭載・試験を行っている<ref name="AUR1">{{cite web|url=http://www.airpower.maxwell.af.mil/airchronicles/aureview/1972/may-jun/pearce.html |title=AWACS to Bridge the Technological Gap |accessdate=14 February 2009 |publisher=Air University }}</ref><ref name="Davies p2">Davies 2005, p.&nbsp;2.</ref>。ボーイング社は当初、専用の機体開発を検討していたが、十分な性能を有していた[[ボーイング707|707]]の改設計機を用いることとした。改設計案としては、前傾した[[垂直尾翼]]の先端に[[円盤]]状の[[レドーム]]を設置、航続時間延長のため、エンジンは[[ゼネラル・エレクトリック TF34/CF34|TF34]]を8基装備する案も検討されている<ref name="Eden_p92"/><ref>{{Cite web|first=Erik|last= Simonsen|url=http://www.boeing.com/news/frontiers/archive/2007/march/i_history.pdf|title=Still keeping watch|date=March 2007|publisher=Boeing|format=PDF|accessdate=21 August 2011}}</ref>。[[1970年]]7月にマクドネル・ダグラス社の[[ダグラス DC-8|DC-8]]改造案を破り、ボーイング社の707改造案が採用されている。まず、競争開発されている[[航空戦|空載]]レーダーを比較するため、2機の試作機(EC-137D)を製造することとした。[[プロトタイプ|試作]]機は、[[大量生産|量産]]型の要求である14時間の航続時間を必要としなかったため、搭載エンジン数は707と同じ[[プラット・アンド・ホイットニー JT3D|JT3D]]4基のままとなった<ref name="Davies p2"/>。
 
 
 
試作機EC-137は[[1972年]]2月9日に初飛行している。3月から7月にかけて、2種のレーダーの搭載飛行試験を行っている<ref name="AUR1"/>。試験の結果、1972年11月にウエスチングハウス社製のレーダーが採用されることとなった<ref name="koukuufan32">航空ファン別冊 No.32 アメリカ軍用機1945~1986 空軍編 文林堂 P118 雑誌コード 03344-8 1986年</ref>。ヒューズ社も[[F-15 (戦闘機)|F-15]]搭載の[[AN/APG-63]]を開発するなど優秀な技術を有していたが、ウエスチングハウス社はデジタル・パルス[[ドップラーレーダー]]を開発し、実用化させた。このレーダーは、クラッター処理に優れており、低空飛行物体の探知も可能であるほか、[[水平線]]越えモード(BTHモード)では長距離捜索のみならず[[船|船舶]]の探知も可能である<ref name="koukuufan32"/>。
 
 
 
[[1973年]]1月26日より全規模開発に移行し、前量産型3機の発注が行われた。[[費用|コスト]]削減のため、航続性能要求が緩和されており、エンジンはJT3Dが4基のままとなった<ref name="Davies p2"/><ref name="Janes 76 p246">Taylor et al 1976, p.&nbsp;246.</ref>。これらの初飛行は[[1975年]]2月である。
 
 
 
量産型の完成は[[1976年]]。[[アメリカ空軍]]では[[1977年]]から就役している。アメリカ空軍のほかは、[[北大西洋条約機構|NATO]]の共同運用のほか、エンジンを[[ゼネラル・エレクトリック]]と[[スネクマ]]共同開発による新世代の[[CFMインターナショナルCFM56|CFM56]]に換装した機体が[[イギリス空軍]]、[[フランス空軍]]、[[サウジアラビア空軍]]で使用されている。このほか、[[モハンマド・レザー・パフラヴィー|パーレビ]]体制下のイランが1977年にE-3を7機発注し、[[1981年]]までに配備を完了させる計画だったが、[[1979年]]の[[イラン革命]]によって[[モハンマド・レザー・パフラヴィー|パーレビ]]体制が崩壊したため、契約は全てキャンセルされた<ref>The Military Balance 1978-1979</ref>。
 
 
 
改造母機として利用している[[ボーイング707]]の生産数にはこのE-3として製造されたものも含まれており、1981年以降は[[アメリカ海軍]]向けの[[E-6 (航空機)|E-6]]と共に軍用型しか生産されなくなっていたが、同機は[[1991年]]をもって生産終了となった。そのため[[1991年]]にE-3導入を検討していた[[日本]]の[[航空自衛隊]]はAWACS導入に別の母機が必要になり、翌[[1992年]]ボーイング社が提案した[[ボーイング767]]を採用し、[[E-767 (航空機)|E-767]]として4機製造された。
 
 
 
== 設計 ==
 
=== 機体 ===
 
[[File:ILA 2008 PD 185.JPG|thumb|レーダードーム]]
 
[[File:E-3 cockpit.JPG|thumb|コックピット]]
 
[[File:RAF E-3D Sentry AEW1 Pilot in the Cockpit MOD 45152316.jpg|thumb|E-3Dのコックピット]]
 
機体は、[[ボーイング707|ボーイング707-320B]]を母体として利用している。強力な[[電磁波]]を発生させるレーダーを装備する特性上[[機体]]には[[窓]]がほとんどなく、数少ない開口部である[[操縦席]]の前面風防には対電磁波防護を施したものが使用され、機体外壁や乗降ハッチ(ドア)等も対電磁波防護の施された分厚いものになっている。その他には、[[空中給油]]装置の付加や発電機の能力向上が行われている。後部胴体の上に二本の支柱に支持された円盤状のレーダードーム([[レドーム]]。直径9.1m、厚さ1.8m)を搭載していることが外見上の大きな特徴である。大きなレーダードームを追加しながら、特に[[垂直尾翼]]の形状変更などの飛行安定性向上策は特に取られておらず、実際に飛行特性への影響もほとんどないといわれる。支柱の高さは3.4mあり<ref name="USAF1"/>、また、空気[[抗力|抵抗]]軽減のため、[[離陸]]時にはレーダードームは前下方に6度傾けられる。
 
 
 
アメリカとNATOのE-3は6,400kmの距離を飛行し、無給油で最大8時間滞空できる<ref name="GS.org_specs">[http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/e-3-specs.htm E-3 Sentry (AWACS): Specifications]</ref>。フランス、サウジアラビア、イギリスが購入したE-3は、CFM56-2ターボファンに換装されており、8,000kmを飛行し、約11時間滞空することができる。空中給油を実施することでさらに航続距離を延長することも可能である。機内には、休憩スペースや食事スペースが設けられており、長時間の任務時に乗務員が交代で作業を実施することができる<ref name="USAF1"/>。
 
 
 
コックピットは、アメリカ空軍向けは707と同じだがNATOやそのほかの国へ輸出されたE-3は計器の一部が[[ブラウン管|CRTディスプレイ]]に差し替えられている。
 
 
 
=== アビオニクス ===
 
[[File:AWACS antenna, Airborne Warning and Control System - National Electronics Museum - DSC00416.JPG|thumb|AN/APY-1のアンテナアレイ]]
 
レドームは運用時は[[油圧]]により水平方向に毎分6回転し<ref name="koukuufan32"/>、非運用時でもロートドームの基部にある軸受けにオイルを循環させるために毎分1/4回転している。レーダーは大量の熱を発するため冷却のためにレーダードームには機器冷却用の通風孔が設けられている。
 
 
 
レドームの片方に搭載されるAN/APY-1レーダーは、[[Sバンド]]を使用する[[フェーズドアレイレーダー|パッシブフェーズドアレイレーダー]]であり、機体の傾きを検出して走査を自動的に補正する機能を備えている。動作モードはパルス・ドップラー非高度走査、パルス・ドップラー高度走査、水平線以遠、洋上モード、インターリーブド、パッシブモードの6種類がある。探知距離は250[[マイル|mi]](400km)以上<ref>[http://www.northropgrumman.com/Capabilities/AWACSAPY2/Documents/AWACS.pdf AWACS Surveillance Radar]</ref>、低空を飛行している目標に対し200マイル(320km)で<ref name="FAS"/>、同時に600個以上の目標を探知、200個以上の目標を追尾できる。[[ルックダウン能力|ルックダウン]]時に、グランド{{仮リンク|クラッター (レーダー)|label=クラッター|en|Clutter (radar)}}を排除しつつ低空を飛行している目標を識別、追尾するために[[二次レーダー]]も統合されている<ref name="FAS"/>。後に、レーダーは海上監視能力を強化したAN/APY-2となった。もう片方には、AN/APX-103[[敵味方識別装置]]が装備される。なお、IFFを補完するため、レーダー自体も非協力的目標識別(NCTR)と呼ばれるレーダー反射波を解析することで目標識別が行うモードを備えている。
 
 
 
レーダーが収集した情報はコンピュータ処理され、11台(メイン9台と補助2台)設けられたコンソールのビデオスクリーン上にはデータがグラフィックや表形式で表示される。オペレータは、この情報をもとに監視、識別、武器制御、戦闘管理と通信を実施する。また、これらの情報は[[戦術データ・リンク|データリンク]]を通じて、味方の艦船や管制所に送信することができ、緊急時には、[[RC-135 (航空機)|RC-135]]または[[タスクフォース]]を経由して[[国家指揮権限]]に転送することができる。これらの電子・機械設備で発生した熱は、{{仮リンク|ブリードエア|en|Bleed air}}(抽出空気)によって冷却される。
 
 
 
== 近代化改修 ==
 
[[File:E-3 Sentry system operator of NATO.jpg|thumb|E-3 ブロック30/35のコンソール]]
 
=== ブロック30/35 ===
 
1987年から開発がはじめられたE-3Cに対する改修計画。機首、前部胴体側面、尾部にAN/AYR-2 ESM用アンテナを追加し、IFFをAPX-103B、JTIDSデータリンクターミナルをクラス2Hに換装、[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]統合航法装置の追加、コンピュータの処理能力向上とメモリ増加、ディスプレイの近代化を行う。クラス2H JTIDS端末の搭載により、[[レイテンシ]]は8倍に向上した。最初の改修機は1995年10月に完成した<ref>[http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/e-3-30.htm E-3 Sentry (AWACS) Block 30/35]</ref>。同様にNATOのE-3に対して行った改修では簡素化されており、「RSIPマイナス」と呼ばれる<ref name="gunken">軍事研究2009年4月号「アジア・太平洋の早期警戒管制機」</ref>
 
 
 
=== RSIP ===
 
1997年末から、E-3Cに対して行われた改修。RSIPはレーダーシステム改善計画の略。古い[[Transistor-transistor logic]](TTL)及び[[エミッタ結合論理]](MECL)電子部品を取り替え、[[コンピュータ言語|ソフトウェア言語]]として[[Ada]]を利用した既成のデジタルコンピュータに換装した。これにより、[[レーダー反射断面積]](RCS)が小さな[[巡航ミサイル]]などの目標をより正確に探知できるようになった。解析時間短縮のためパルス圧縮波形を使用し、[[電子防護|ECCM]]能力も強化されている。整備性や将来発展性の改善、表示装置の改良なども実施されている<ref name="USAF1"/>。
 
 
 
=== WLSP ===
 
2005年8月に契約が締結されたE-3Dに対する改修。WLSPは全運用期間支援計画の略。IFFモードSに対応させ、事故データ記録システム(ADRS)の交換などを実施した<ref>[http://www.defenseindustrydaily.com/britain-issues-12b-e3d-awacs-support-contract-01022/ WLSP: Britain’s $1.2B E-3D AWACS Support Contract]</ref>。
 
 
 
=== ブロック40/45 ===
 
2005年から開発されている改良型。「E-3 AWACS 35年の歴史で最も重要なアップグレード」と呼ばれる<ref name="flyteam">[http://flyteam.jp/news/article/39322 アメリカ空軍、E-3G AWACSの初期作戦能力獲得を発表]</ref>。C2/WAS/BM(指揮管制/広域監視/戦場管理)能力を強化する<ref name="kokufun"/>。具体的にはDAMA-SATCOMを導入して[[ネットワーク中心の戦い]]への適合を行うほか、GATMを導入し、航法精度を上げ航空交通管制(ATC)の要件を満たす<ref>[http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/e-3-40.htm E-3 Sentry (AWACS) Block 40/45 Modification]</ref>。また、レーダーの立ち上がりが遅い(離陸後一時間立たないと捜索を開始できない)原因の一つであったコンピューターを近代的なものに換装し<ref name="kokufun">航空ファン2014年7月号 P.60-61 世界の空中早期警戒(管制)機</ref>、情報を自動的に統合する機能を追加した。これに伴い、ディスプレイも直感的に状況を認識できる表示モードを持つタイプに換装されている<ref>[http://www.argoncorp.com/reference-project/e-3-awacs-block-4045-flat-panel-display E-3 AWACS Block 40/45 Flat Panel Display]</ref>。しかし、調達ユニットコストが計画より22.5%増加したため、[[ナン・マッカーディー制度]]を回避するために改修対象を31機から24機に減らしている<ref name="kokufun"/>。2014年7月28日に{{仮リンク|初期作戦能力|en|initial operating capability}}(IOC)を獲得し<ref name="flyteam"/>、2015年11月に南西アジアに初展開した<ref>[https://www.airforcetimes.com/story/military/2015/11/27/latest-model-e-3g-sentry-makes-combat-debut/76311170/ latest-model-e-3g-sentry-makes-combat-debut]</ref>。サウジアラビアのE-3Aも同仕様に改修される<ref>[http://www.defenseindustrydaily.com/saudis-seek-awacs-upgrades-04405/ US to support Saudi Arabian E-3 AWACS upgrade programme]</ref>。
 
 
 
=== IFF近代化 ===
 
2012年10月29日、アメリカ空軍はTelephonicsとIFF換装の契約を6,000万ドルで結んだ<ref>[http://www.airforce-technology.com/news/newsusaf-anupx-telephonics USAF orders AN/UPX-40 IFF systems from Telephonics]</ref>。この換装により搭載するAN/UPX-40は従来搭載していたAN/APX-103Cより遠距離から微弱な信号を感知でき、グランドクラッター除去能力により低空飛行目標の識別も容易である。またモード5の機能強化も盛り込まれている。最初の改修機は2015年7月39日に初飛行した。これはブロック40/46改修の一環として実施された<ref>[http://www.upi.com/Business_News/Security-Industry/2015/07/30/New-IFF-system-for-E-3-AWACS-aircraft/4541438281396/ New IFF system for E-3 AWACS aircraft]</ref><ref>[http://www.af.mil/News/ArticleDisplay/tabid/223/Article/611425/new-interrogation-system-installed-on-awacs-more-in-pipeline.aspx New interrogation system installed on AWACS, more in pipeline]</ref>。
 
 
 
=== E-3F MLU ===
 
2010年2月3日に契約が締結されたE-3Fに対する改修。ブロック40/45相当の改良となるが、この改修ではそれに加えIFFモードSとモード5への対応改修が含まれる<ref>[http://www.defenseindustrydaily.com/france-upgrading-their-e-3f-awacs-05092/ France Upgrading Their E-3F AWACS]</ref>。
 
 
 
=== DRAGON ===
 
DRAGONは製造ソース低減汎地球作戦航法アビオニクス換装の略。NATOとアメリカ空軍が共同で実施している。搭載されたアビオニクスの交換部品の入手が困難となったのに加えて、[[国際民間航空機関|ICAO]]の2018年までに満たす必要がある新しい飛行命令に準拠する必要があったためである<ref name=".af.mil497312">[http://www.af.mil/News/ArticleDisplay/tabid/223/Article/497312/dragon-program-to-improve-aging-e-3.aspx DRAGON program to improve aging E-3]</ref>。改修では生産が終了した1970年代のアビオニクスを除去し、最新のデジタルアビオニクスシステムで更新する。具体的な内容としては、通信航法機器を強化し、コックピットは[[グラスコックピット]]化し、エンジン、ナビゲーション、レーダーデータをカスタマイズして正確に表現する5つのマルチカラーグラフィックディスプレイとすることでフライトクルーを4名から3名に減らす。そのほか、[[ウインドシア]]を予測することができる気象レーダー、地上接近警報システムの強化、デジタル衛星通信システム、飛行管理システムの搭載、警告、注意および勧告をエンジン機器および乗組員警告システムを介して送信するシステム、パイロットと副操縦士がユーザーフレンドリーでカスタマイズ可能なエンジン、フルデジタルフライトデッキオーディオ音声配信システムの追加を実施する。またIFFモード5機能を追加することも可能<ref>[http://boeing.mediaroom.com/2012-05-23-Boeing-to-Modernize-Flight-Deck-and-Avionics-for-US-and-NATO-AWACS-Fleets Boeing to Modernize Flight Deck and Avionics for US and NATO AWACS Fleets]</ref><ref name=".af.mil497312"/><ref>[http://www.acc.af.mil/News/ArticleDisplay/tabid/5725/Article/660950/dragon-fires-up-for-flight.aspx DRAGON 'fires up' for flight]</ref><ref>[http://www.defenseindustrydaily.com/enter-the-dragon-nato-usa-upgrading-e-3-awacs-cockpits-07428/ Enter the DRAGON – NATO & USA Upgrading E-3 AWACS Cockpit]</ref>。
 
 
 
2014年8月にボーイングはNATOのE-3をアップグレードする2億5000万ドルの契約を授与され<ref>[https://www.flightglobal.com/news/articles/nato-to-upgrade-awacs-fleet-402518/ NATO to upgrade AWACS fleet]</ref>、2015年3月にNATO 向け改修初号機が初飛行した<ref>[https://www.rockwellcollins.com/Data/News/2015_Cal_Yr/GS/FY15GSNR22-NATO.aspx New Rockwell Collins avionics on NATO AWACS successful test flight]</ref>。2016年8月にボーイングは量産改修を開始<ref name="janes62867">[http://www.janes.com/article/62867/nato-begins-gatm-upgrade-for-awacs NATO begins GATM upgrade for AWACS | IHS Jane's 360]</ref>、最初の1機が12月13日に納入された。ボーイングは残る13機のアップグレードを2018年に完了する予定である<ref>[http://flyteam.jp/news/article/72981 ボーイング、NATO向けE-3 AWACSのフライトデッキをアップグレード | FlyTeam ニュース]</ref>。
 
 
 
2016年5月にはアメリカ空軍のE-3Gが同様の改修を受けて初飛行し<ref>[http://www.janes.com/article/60661/boeing-flies-first-upgraded-usaf-e-3g Boeing flies first upgraded USAF E-3G | IHS Jane's 360]</ref>、1月9日にティンカー空軍基地に到着した。残りの23機は今後8年間で納入される予定<ref>[http://www.janes.com/article/67087/usaf-receives-first-dragon-upgraded-awacs-aircraft USAF receives first DRAGON-upgraded AWACS aircraft | IHS Jane's 360]</ref><ref>[http://www.af.mil/News/ArticleDisplay/tabid/223/Article/1055128/first-e-3-with-dragon-modification-arrives-at-tinker-afb.aspx First E-3 with DRAGON modification arrives at Tinker AFB]</ref>。
 
 
 
=== 提案 ===
 
そのほか、以下の計画が提案されている。
 
==== エンジン換装 ====
 
アメリカ空軍とNATOのE-3はTF33を使用している。TF33は、性能が不十分で騒音が大きいことからより高性能エンジンに換装することが検討されている。候補のエンジンとしては、既に搭載されているCFM56エンジンのほか[[プラット・アンド・ホイットニー JT8D|JT8D-219]]が候補として挙がっている。JT8Dは、CFM56と比べ換装する際のコストが半分とされる<ref>[http://www.highbeam.com/doc/1G1-76547425.html EADS, NOrthrop Grumman, Partt and Whitney To Offer NATO AWACS Upgrade.(engine replacement service contract signed)(Brief Article)]</ref>。
 
 
 
==== バイスタティックUAV ====
 
[[RQ-3 ダークスター]]や[[RQ-4|RQ-4 グローバルホーク]]に[[バイスタティック・レーダー|バイスタティック]]受信機を装備し、E-3と組み合わせることで低RCS目標の探知を実現するもの<ref>[http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/e-3-upgrades2.htm E-3 Sentry (AWACS) Future Upgrades]</ref>。
 
 
 
== 型式 ==
 
; EC-137D
 
: 開発段階における試作機。2機製造(S/N 71-01407, 71-01408)。試験後、2機はE-3A仕様に改装。
 
; E-3A
 
: 初期量産型。量産24機及び原型2機の改修含め通算26号機まで。コアE-3Aとも呼ばれる。TF-33エンジン搭載、うち25機はブロック10であり、CC-1コンピュターとAN/APY-1レーダー装備。1機はブロック15であり、スタンダードE-3A同等のCC-2コンピュターとAN/APY-2レーダー装備。ブロック10の1機は後にJE-3Cに改装。状況表示コンソールは9台搭載<ref name="nenkan98">世界航空機年鑑 1998 航空情報 9月号臨時増刊 P128 酣燈社</ref>。
 
; E-3B
 
: ブロック20改修計画に基づくE-3Aの改良型。洋上監視能力の追加・向上、中央コンピュータをCC-2に変更し、処理能力を向上させ、状況表示コンソールを5台追加し14台搭載<ref name="nenkan98"/>。UHF無線機は12基、HF無線機は3基に増やされている。E-3Aのうち24機を改装<ref name="Pithere3"/>。
 
; スタンダードE-3A
 
: レーダーシステムをAN/APY-2に変更、中央コンピュータの処理能力向上等。自己防御装置([[チャフ]]・ディスペンサー)装備。通算26号機から34号機までのアメリカ空軍の9機は後にE-3Cに改修。NATOの18機は、この仕様で製造、TF-33エンジン装備<ref name="boeing-pdf">[http://www.boeing.com/assets/pdf/defense-space/ic/awacs/docs/E-3AWACS_overview.pdf boeing]</ref>。サウジアラビア空軍向け5機は、CFM56エンジン装備<ref name="Pithere3"/>。
 
; E-3C
 
: ブロック25改修計画に基づくスタンダードE-3Aの改良型。状況表示コンソール5台追加し19台搭載<ref name="nenkan98"/>。スタンダードE-3A9機<ref name="Pithere3">Pither 1998, pp.&nbsp;40–42</ref>及びコアE-3A(JE-3C)1機の計10機が改装<ref name="nenkan98"/>。
 
; E-3D
 
: イギリス空軍向け。CFM56エンジン装備。E-3Cと同仕様だがプローブアンドドローグ式の給油プローブを機首に追加装備しているほか、翼端にローラル1017イエローゲートESMポッドを装備している点が異なる。7機製造。[[イギリス軍]]での呼称はセントリー AEW.1。イエローゲートシステムについてはAN/AYR-2 ESMと比較して性能が劣るとして代替が検討されていたが<ref>[https://www.flightglobal.com/news/articles/uk-e-3d-2000-upgrade-to-allow-joint-operations-48062/ UK E-3D 2000 upgrade to allow joint operations]</ref>、行われなかった。
 
; E-3F
 
: フランス空軍向け。CFM56エンジン装備。E-3Cと同仕様だがイギリス空軍機と同様にプローブアンドドローグ式の給油プローブを機首に追加装備している点が異なる。4機製造。
 
; E-3G
 
: ブロック40/45の制式化名称。
 
; JE-3C
 
: E-3Aから改装、実験・開発用に使用。後にE-3Cに再改装。(S/N 73-01674)<ref name="FAS">[http://fas.org/man/dod-101/sys/ac/e-3.htm E-3 Sentry (AWACS) ]</ref>。
 
; KE-3A
 
: E-3(CFM56エンジン装備)と同じ母機を[[輸送機|輸送]]/[[空中給油機]]型に改造したサウジアラビア空軍向けの機体。大型レーダーは搭載していない。8機製造<ref name="Pithere3"/>。
 
 
 
== 後継機 ==
 
後継機として[[E-10 (航空機)|E-10]]が開発されていたが、国防予算縮小のあおりを受けて2007年に中止された。ブロック40/45やDRAGONなどの改修によりE-3の機体寿命は[[2024年]]まで延長され、最大で[[2035年]]まで持たせられるとされる。アメリカ空軍では[[2019年]]にE-3をさらにアップグレードするか後継機として新しい機体を開発するかどうかの決定を行う予定である<ref>[https://web.archive.org/web/20160305115408/http://jamesdrewjournalist.com/acc-air-force-to-decide-on-awacs-recap-or-upgrade-in-fy-19/ ACC: AIR FORCE TO DECIDE ON AWACS RECAP OR UPGRADE IN FY-19]</ref>。NATOでは、2014年に後継機についての決定を行う予定であったが<ref>[http://www.atlanticcouncil.org/blogs/natosource/nato-begins-discussions-to-replace-its-fleet-of-e-3-awacs NATO Begins Discussions to Replace its Fleet of E-3 AWACS]</ref>、報道はない。
 
 
 
== 運用国 ==
 
{{USA}}:34機<ref name="boeing-pdf"/>
 
* 現在作戦行動可能な機体は31機。他に1機がテスト用に用いられている。[[1995年]][[9月22日]]に[[アラスカ州|アラスカ]]でE-3C(S/N 77-0354)が1機墜落、部隊から除籍。2009年8月23日にもE-3C(S/N83-00008)が事故により喪失。将来的に運用数は24機となる見込みで、残りの機体は[[部品取り]]となる<ref name="kokufun"/>。
 
* 調達価格:7,050万[[アメリカ合衆国ドル|USドル]](1機あたり)1ドル=130円換算で91億6,500万円。
 
 
 
[[画像:Boeing Sentry at Ignatievo base.jpg|thumb|250px|イギリス空軍のセントリー AEW.1(E-3D)]]
 
{{GBR}}:7機
 
* 1987年より導入開始、[[1992年]][[5月12日]]にイギリス空軍に最終機が納入され、E-3の生産は終了した。2012年4月にメンテナンス中に発見された技術的な問題により地上待機となり<ref>[https://theaviationist.com/2012/04/14/awacs-grounded/ RAF’s E-3D AWACS fleet grounded by a mystery fault]</ref>、2016年11月には配線の問題により発火の問題があるとされた。広報担当者はE-3Dに関する定期的な技術検査の結果、いくつかの電気配線およびキャビンコンディショニングシステムの完全性に関する問題が特定されたと述べた<ref>[http://www.telegraph.co.uk/news/2016/11/07/raf-fleet-of-sentry-early-warning-planes-grounded-after-wiring-f/ RAF fleet of Sentry early warning planes grounded after wiring fault]</ref>。2017年1月12日国防省はIHSジェーンズに対し、航空機が運用状態に戻るとした<ref>[http://www.janes.com/article/66918/uk-sentries-return-to-operational-status-after-grounding UK Sentries return to operational status after grounding | IHS Jane's 360]</ref>。
 
 
 
* 調達価格:1億2,000万USドル(1機あたり)1ドル=130円換算で156億円。
 
[[File:202 36-CB a Boeing E-3F Sentry of EDCA 00.036 based at BA702, Avord Central France (3236001701).jpg|thumb|250px|フランス空軍のE-3F]]
 
{{FRA}}:4機
 
* 調達価格:2億6,800万USドル(1機あたり)1ドル=130円換算で348億4,000円。
 
 
 
{{SAU}}
 
* スタンダードE-3A:5機
 
** 調達価格は不明。5機で総額58億USドルとされているが、諸経費も大幅に含まれているため厳密な価格は不明となっている。CFM56-2A-2エンジン装備。2017年5月23日にRSIPアップグレードを完了した<ref>[http://flyteam.jp/news/article/79555 ボーイング、サウジアラビア空軍AWACSのRSIPアップグレードを完了]</ref>。
 
* KE-3A:8機(後に2機がELINT(電子情報収集)用に改修されたと見られる。)
 
** 調達価格:不明。6機で総額24億USドルとされているが、諸経費も大幅に含まれているため厳密な価格は不明となっている。
 
 
 
[[画像:060610-SKP-E-3-01.jpg|thumb|250px|NATO空軍のE-3]]
 
{{Flagicon|NATO}} [[北大西洋条約機構|NATO]]:18機
 
* 17機のE-3A早期警戒管制機が全て[[ルクセンブルクの軍事|ルクセンブルク]]籍として登録されている。配備されているのは[[ガイレンキルヒェン航空基地#NATO E-3A部隊|ガイレンキルヒェン航空基地]]。1980年に導入に向けての作業としてNATO空中早期警戒管制部隊(NATO Airborne Early Warning & Control Force ,NAEW&CF)が編成され、1982年より機体の運用を開始している。完全な作戦能力獲得は1988年である<ref>[http://www.e3a.nato.int/eng/html/organizations/history.htm NATO Airborne Early Warning & Control Force - history]</ref>。
 
* [[1996年]][[7月14日]]に[[ギリシャ]]で離陸中止後に1機破損。
 
* 調達価格:8,166万USドル(1機あたり。目安である)1ドル=130円換算で106億1,580万円。
 
{{-}}
 
 
 
== 事故 ==
 
E-3の全損事故は3件発生している。
 
[[File:E-3NellisPhotoa.jpg|thumb|250px|ネリス空軍基地における火災事故]]
 
* 1995年9月22日にアメリカ空軍のE-3B(コールサインYukla 27 S/N 77-0354)が[[アラスカ州]]・[[エルメンドルフ空軍基地]]を離陸後、間もなく墜落している。離陸中にエンジンへ[[バードストライク]]を受けたことが原因とされ、基地の北東約3kmに墜落した。乗員24名が死亡している<ref>{{Cite web|url=http://aviation-safety.net/investigation/cvr/transcripts/cvr_yukla27.php|title=CVR transcript Boeing E-3 USAF Yukla 27–22 SEP 1995|work=Aviation Safety Network|date= 16 October 2004 (last updated)|accessdate=21 August 2011}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.aewa.org/Yukla27 |title=Yukla 27|publisher=Airborne Early Warning Association|accessdate=22 August 2011}}</ref>。
 
 
 
* 1996年7月14日に、NATOのE-3A(機体番号LX-N90457)が、[[ギリシャ]]のプレベザ空軍基地(アクシオン国際空港)にて離陸滑走中に滑走路をオーバーランし、海浜に突入した。16名の乗員に死者は生じていない<ref>Hurturk 1998, p.&nbsp;358.</ref>。バードストライクが疑われたが、その証拠は見つからなかった<ref name="Flight1997">{{cite journal |date= 4–10 June 1997 |title=Military Safety |journal=[[Flight International]] |page=44 |url=http://www.flightglobal.com/pdfarchive/view/1997/1997%20-%201492.html|accessdate=23 August 2011}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.aviationpics.de/military/1999/awacs/awacs.html|title=Unusual Aviation Pictures|publisher=Aviationpics.de |date=14 July 1996|accessdate=8 September 2010}}</ref>。
 
 
 
* 2009年8月28日に、アメリカ空軍のE-3C(S/N 83-0008)が[[ネバダ州]]・[[ネリス空軍基地]]に着陸滑走中に火災が発生、機体が失われた<ref name="008 Destoyed">{{cite web|url=http://www.aewa.org/pipermail/aewa/2011-July/005816.html|title=The Fate of Balls 8|publisher=Airborne Early Warning Association|accessdate=22 August 2011}}</ref>。乗員32名は無事であり<ref>[http://archive.is/20120717052525/http://www.af.mil/news/story.asp?id=123165650 "E-3 damaged while landing at Nellis"]. ''US Air Force'', 31 August 2009. ([[wikisource:E-3 damaged while landing at Nellis|copy on Wikisource]])</ref>、事故原因は[[パイロットエラー]]とされている<ref name="Nellis Crash">{{cite web |url=http://www.airforcetimes.com/news/2010/02/airforce_awacs_crash_021110w/ |title= Pilot error led to AWACS crash at Nellis |accessdate=16 May 2010 |publisher=Airforcetimes.com}}</ref>。
 
{{-}}
 
 
 
== 仕様 ==
 
{{航空機スペック・ヘッダー
 
| 出典 = 月刊エアワールド1998年4月号別冊『空中警戒管制機 AWACS/E-767&E-3』
 
}}
 
 
 
=== 諸元 ===
 
* '''乗員''':
 
** E-3A: 操縦士4名、機器操作員13名
 
** E-3B/C: 操縦士4名、機器操作員17名
 
* '''全長''': 46.62 m (152 ft 11 in)
 
* '''全高''': 12.73 m (41 ft 9 in)
 
* '''翼幅''': 44.42 m (145 ft 9 in)
 
* '''翼面積''': 268.7 m<sup>2</sup> (2,892 ft<sup>2</sup>)
 
* '''水平尾翼幅''': 13.92 m (45 ft 8 in)
 
* '''ロートドーム直径''': 9.14 m (30 ft)
 
* '''ロートドーム厚''': 1.83 m (6 ft)
 
* '''機首-ロートドーム中心間隔''': 30.20 m (99 ft 1 in)
 
* '''胴体上面-ロートドーム中心間隔''': 4.27 m (14 ft)
 
* '''胴体上面-ロートドーム下面間隔''': 3.35 m (11 ft)
 
* '''空虚重量''': 73,480 kg (162,000 lb)
 
* '''運用時重量''': 147,400 kg (325,000 lb)
 
* '''最大離陸重量''': 156,000 kg (347,000 lb)
 
* '''動力''':
 
** アメリカ空軍 / NATO
 
*** [[プラット・アンド・ホイットニー|P&W]] [[プラット・アンド・ホイットニー JT3D|TF33-PW-100A]] [[ターボファンエンジン|ターボファン]], 93.4 kN (21,000 lbf) × 4
 
** イギリス空軍 / フランス空軍 / サウジアラビア空軍
 
*** [[CFMインターナショナル|CFMI]] [[CFMインターナショナルCFM56|CFM56-2A-2/3]] ターボファン, 106.8 kN (24,000 lbf) × 4
 
* '''燃料容量''': 22,936 [[ガロン|U.S.gal]] (84,769 [[リットル|L]])
 
 
 
=== 性能 ===
 
* '''最大速度''': 855 km/h=M0.70 (461 knots)
 
* '''巡航速度''': 940 km/h=M0.77 (506 knots)?
 
* '''航続距離''': 9,250 km (5,000 nm)
 
* '''実用上昇限度''': 9,300 m (29,000 ft)
 
* '''連続警戒対空時間''': 8~12時間
 
* '''離陸距離''': 2,420 m (7,940 ft)
 
* '''離陸滑走距離''': 1,945 m (6,380 ft)
 
* '''着陸距離''': 1,280 m (4,200 ft)
 
* '''着陸滑走距離''': 670 m (2,200 ft)
 
 
 
=== 武装 ===
 
* 搭載不可
 
* [[チャフ]]・ディスペンサー 4基(エンジンパイロン部に各1基。スタンダードE-3A、E-3C)
 
 
 
== 登場作品 ==
 
=== 映画 ===
 
; 『[[アウトブレイク (映画)|アウトブレイク]]』
 
: 主人公を乗せた[[OH-6 (航空機)|OH-6]]の捜索を行なった。
 
; 『[[インデペンデンス・デイ]]』
 
: [[ロサンゼルス]]沖に現れた未確認物体の調査に向かったが、物体の[[大気圏]]突入時の炎に巻き込まれて墜落。
 
; 『[[トランスフォーマー (2007年の映画)|トランスフォーマー]]』
 
: [[デストロン (トランスフォーマー)#ディセプティコン|ディセプティコン]]のメンバーであるスコルポノックを攻撃する[[A-10 (航空機)|A-10]]や[[AC-130]]の指揮管制を行った。
 
:; 『[[トランスフォーマー/リベンジ|トランスフォーマー・リベンジ]]』
 
:: ディセプティコンへの爆撃を担当する[[F-16 (戦闘機)|F-16]]と[[B-1 (航空機)|B-1B]]の指揮管制を行った。
 
 
 
=== 特撮作品 ===
 
; 『[[太陽戦隊サンバルカン]]』
 
: [[北極]]調査に向かった[[原子力潜水艦]]の捜索に向かったが、原潜同様「鉄の爪」の攻撃で撃墜させされた。
 
 
 
=== ゲーム ===
 
; 『[[大戦略シリーズ|大戦略]]』シリーズ
 
: アメリカの生産タイプで早期警戒管制機として登場。シナリオによっては現代大戦略シリーズでも登場する。作中では空中索敵能力にE-767との違いはなく、E-3にも派生型の区別はない。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{Cite journal|last=Davies|first=Ed|title=AWACS Origins: Brassboard – Quest for the E-3 Radar|journal=[[Air Enthusiast]]|issue=119, September/October 2005|location=Stamford, Lincs, UK|publisher=Key Publishing|issn=0143-5450|pages=pp. 2–6}}
 
* {{Cite book|editor-last=Eden|editor-first=Paul|title=The Encyclopedia of Modern Military Aircraft|location=London|publisher=Amber Books|year=2004|isbn=1-904687-84-9|ref={{harvid|Eden|2004}}}}
 
* {{Cite book|last=Hurturk|first=Kivanc N|title=History of the Boeing 707|publisher=Buchair UK|year=1998|isbn=0-9666368-0-5}}
 
* {{Cite journal|last=Lake|first=Jon|title=Aircraft of the RAF – Part 10 Sentry AEW.1|journal=[[Air International]]|issue= Vol 76 No. 2, February 2009|location=Stamford, UK|publisher=Key Publishing|pages=pp. 44–47}}
 
* {{Cite book|last=Pither|first=Tony|title=The Boeing 707 720 and C-135|publisher=Air-Britain (Historians)|year=1998|isbn=0-85130-236-X}}
 
* {{Cite book|editor-last=Taylor|editor-first=John W.R.|editor-link=John W. R. Taylor|title=Jane's All the World's Aircraft 1976–77|location=London|publisher=Macdonald and Jane's|year=1976|isbn=0-354-00538-3}}
 
* {{Cite book|last1=Veronico|first1=Nick |last2=Dunn|first2=Jim|url=http://books.google.com/books?id=3zz3KLbOvYUC&pg=PA83&dq=E-3+Sentry#v=onepage&q&f=false|title=21st Century U.S. Air Power|location= Grand Rapids, Michigan|publisher=Zenith Imprint|year=2004|isbn=978-0-7603-2014-3}}
 
* {{Cite book|last=Wilson|first=Stewart|title=Boeing 707, Douglas DC-8, and Vickers VC-10|location=Fyshwick, Australia|publisher=Aerospace Publications|year=1998|isbn=1-875671-36-6|ref={{harvid|Wilson|1998}}}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[ボーイング707]]
 
* [[早期警戒管制機]]
 
* [[E-767 (航空機)|E-767]]:後継機。母機を[[ボーイング767]]に変更。[[航空自衛隊]]が採用。
 
 
 
== 外部リンク ==
 
{{Commonscat|Boeing E-3 Sentry}}
 
* [http://www.boeing.com/defense-space/ic/awacs/index.html boeing]
 
* [http://www.raf.mod.uk/equipment/sentry.cfm Royal Air Force E-3 Sentry information]
 
* [http://www.awacs-spotter.nl/ NATO AWACS-Spotter Geilenkirchen website]
 
* [http://www.aewa.org/ Airborne Early Warning Association website]
 
 
 
{{DEFAULTSORT:E003}}
 
{{アメリカ軍の電子戦機}}
 
{{367-80}}
 
{{Boeing support aircraft}}
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
[[Category:アメリカ合衆国の軍用機]]
 
[[Category:アメリカ合衆国の軍用機]]
 
[[Category:早期警戒機]]
 
[[Category:早期警戒機]]
 
[[Category:電子戦機]]
 
[[Category:電子戦機]]
 
[[Category:ボーイング製軍用機]]
 
[[Category:ボーイング製軍用機]]

2019/5/1/ (水) 21:05時点における最新版

ボーイングE-3セントリー.jpg

E-3

高性能の空中警戒管制機 AWACS。 1977年からアメリカ合衆国が配備しているもので,ボーイング 707ジェット旅客機を改造して,胴体上部に直径 9.15mの回転レドームを搭載,毎分6回の割合で回転させて半径 400km内の空域および地表の目標 600を監視する。うち 200の目標について同時に敵味方を識別し,ただちに味方の航空機や艦艇に情報を伝達する。これにより,レーダ能力に制限のある戦闘機などには大きな力となる。1回の哨戒飛行は最大 11時間。湾岸戦争でもイラク軍機の撃墜に大きな役割を果たした。アメリカのほか,イギリス,フランス,サウジアラビアなどが採用している。 1972年2月に初飛行,1977年就役。乗員4人,電子機器操作員 16人以上。全長 46.6m,全幅 44.42m,総重量 150.8t,最大速度マッハ 0.83,戦闘行動半径 1600kmで6時間の哨戒が可能。生産はすでに終了したが,2006年現在で世界中に 66機が展開し,巡航ミサイルの探知など,機能向上のためのコンピュータ・システムの改良が続いている。



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