「2002 FIFAワールドカップ・決勝」の版間の差分

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{{Infobox football match
 
| title = 2002 FIFAワールドカップ・決勝
 
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| date = 2002年6月30日
 
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}}
 
'''[[2002 FIFAワールドカップ]]・決勝'''は、[[2002年]][[6月30日]]に[[神奈川県]][[横浜市]][[港北区]]の[[横浜国際総合競技場]]で行われた、第17回目の[[FIFAワールドカップ]]の決勝である。
 
 
 
== 背景 ==
 
=== 初の共催 ===
 
初の2ヶ国共催となった2002 FIFAワールドカップの組み合わせは、グループリーグ・決勝トーナメントとも[[日本]]と[[大韓民国|韓国]]で半数ずつの試合を行うこととなっていた。2ヶ国間での頻繁なチーム移動を極力避けるため、グループリーグA-Dは韓国で、グループリーグE-Hは日本で行った。
 
 
 
決勝トーナメントでは、グループリーグA/C/F/Hを勝ち上がったチームが準決勝までを日本で戦い(日本ゾーン)、グループリーグB/D/E/Gを勝ち上がったチームが準決勝までを韓国で戦う(韓国ゾーン)組み合わせとなっていた。この結果、日本ゾーンと韓国ゾーンのチームが対戦するのは決勝と3位決定戦(韓国・[[大邱スタジアム]])のみとなっていた。
 
 
 
=== ファイナリスト ===
 
日本で行われる決勝は、韓国ゾーンを勝ち上がった[[サッカードイツ代表|ドイツ]](優勝3回)と、日本ゾーンを勝ち上がった[[サッカーブラジル代表|ブラジル]](優勝4回)の組み合わせとなった。
 
 
 
両国は第二次世界大戦終了後の第4回大会以降、[[1978 FIFAワールドカップ|1978年アルゼンチン大会]](このときの決勝の顔合わせは[[サッカーアルゼンチン代表|アルゼンチン]]対[[サッカーオランダ代表|オランダ]])を除いてどちらかが決勝に進出しているが、決勝に限らず両国がワールドカップで対戦するのはこれが史上初であった。
 
 
 
== 決勝までの道のり ==
 
=== ドイツ ===
 
ドイツはグループリーグでは[[2002 FIFAワールドカップ・グループE|グループE]](日本)に入り、初戦の[[サッカーサウジアラビア代表|サウジアラビア]]戦([[札幌ドーム]])でFW[[ミロスラフ・クローゼ]]の[[ハットトリック]]を含む大量8得点を挙げて勝利(8-0のスコアは2002年大会の最多得失点差となった)、続く[[サッカーアイルランド共和国代表|アイルランド]]戦([[茨城県立カシマサッカースタジアム|カシマスタジアム]])はクローゼのゴールで先制するも後半ロスタイムに[[ロビー・キーン]]に同点ゴールを決められ1-1のドロー、最終戦の[[サッカーカメルーン代表|カメルーン]]戦([[横浜国際総合競技場]])ではクローゼとMF[[マルコ・ボーデ]]のゴールで2-0で勝利し、勝ち点7(2勝1分け)の1位で決勝トーナメント進出を決めた。予選3試合全てにゴールを挙げたクローゼの好調が光った。
 
 
 
決勝トーナメントは韓国ゾーンに入り、1回戦でグループB2位の[[サッカーパラグアイ代表|パラグアイ]]と対戦([[済州ワールドカップ競技場]])、攻めきれない時間が続くものの後半終了間際にFW[[オリバー・ノイビル]]のゴールで1-0でパラグアイを振り切った。準々決勝は[[サッカーアメリカ合衆国代表|アメリカ]]と対戦([[蔚山文殊サッカー競技場]])、前半39分のMF[[ミヒャエル・バラック]]のゴールを守りきって再び1-0での辛勝。準決勝は地元の応援で勢いに乗る[[サッカー大韓民国代表|韓国]]と対戦([[ソウルワールドカップ競技場]])、圧倒的アウェーの状況の中、後半30分のバラックのゴールで1-0で勝利。決勝へと駒を進めた。
 
 
 
=== ブラジル ===
 
ブラジルはグループリーグでは[[2002 FIFAワールドカップ・グループC|グループC]](韓国)に入り、初戦の[[サッカートルコ代表|トルコ]]戦(蔚山文殊サッカー競技場)では前半終了間際に先制を許すも、後半のFW[[ロナウド]]・MF[[リバウド]]の得点により2-1で逆転勝ち。続く[[サッカー中華人民共和国代表|中国]]戦(済州ワールドカップ競技場)ではDF[[ロベルト・カルロス・ダ・シウバ|ロベルト・カルロス]]、MF[[ロナウジーニョ]]とロナウド、リバウドのそろい踏みで4-0で圧勝。最終戦の[[サッカーコスタリカ代表|コスタリカ]]戦([[水原ワールドカップ競技場]])もロナウドの2得点などで5-2で勝利、3戦全勝の勝ち点9で決勝トーナメント進出を決めた。
 
 
 
決勝トーナメント進出は日本ゾーンに入り、1回戦で[[2002 FIFAワールドカップ・グループH|グループH]]2位の[[サッカーベルギー代表|ベルギー]]と対戦([[御崎公園球技場|神戸ウイングスタジアム]])、ベルギーの堅守に苦しむも、後半のリバウド・ロナウドのゴールで2-0でベルギーを下した。準々決勝は今大会の「[[死の組]]」とも呼ばれた[[2002 FIFAワールドカップ・グループF|グループF]]を勝ち上がった[[サッカーイングランド代表|イングランド]]と対戦([[静岡県小笠山総合運動公園スタジアム|静岡スタジアム エコパ]])、イングランドのFW[[マイケル・オーウェン]]に先制を許すも、前半ロスタイムにリバウドのゴールで同点に追いつき、後半5分のロナウジーニョのゴールで逆転し、2-1で準決勝に進んだ。準決勝では、決勝トーナメントで開催国[[サッカー日本代表|日本]]と、台風の目と称された[[サッカーセネガル代表|セネガル]]を下して勢いに乗る[[サッカートルコ代表|トルコ]]と対戦([[埼玉スタジアム2002]])、ボール支配率で劣勢に立たされるものの、後半のロナウドのゴールを守りきって1-0で勝利し、決勝に進出した。エースFWのロナウドは、準々決勝以外の全ての試合でゴールを挙げるなど好調を維持していた。
 
 
 
== 試合結果 ==
 
=== 概要 ===
 
試合は、ここまで16得点と圧倒的な攻撃力を誇るブラジルに対して、準決勝までわずか1失点と堅守を誇るドイツがいかに守り抜くかという構図が予想され、実際にその通りの展開となった。試合は前半から両チームのつばぜり合いが続く中、ブラジルがやや攻勢を見せる。MF[[ジョゼ・クレベルソン]]のミドルシュートはバーをたたき、前半終了間際にはブラジルの絶対的エースFW[[ロナウド]]がゴール正面でフリーになるもドイツの守りの中心であるGK[[オリバー・カーン]]が足ではじくスーパーセーブを見せ、前半を両チーム無得点で終える。
 
 
 
後半開始直後はドイツが攻勢に出て、コーナーキックのチャンスからフリーとなったMF[[イェンス・イェレミース]]が頭であわせるもブラジルのGK[[マルコス・ロベルト・シウベイラ・レイス|マルコス]]に阻まれ、FW[[オリバー・ノイビル]]のフリーキックはポストにはじかれて得点ならず。その後、ブラジルのDF[[ジウベルト・シウバ]]との接触プレーによりドイツのGKカーンが負傷(後に[[靭帯損傷]]の大怪我であることが判明)するもプレーを続行。すると後半22分、ブラジルのMF[[リバウド]]の無回転ミドルシュートをカーンが防ぐもボールをキャッチしきれずにファンブル、これを見逃さなかったロナウドがゴールに押し込み先制。後半34分にもクレベルソンのパスをゴール正面で受けたロナウドが2点目をたたき込み、ブラジルがそのまま2-0で勝利し、ワールドカップ最多の5度目の栄冠を勝ち取った。
 
 
 
終わってみれば、8得点を挙げ本大会ダントツの得点王に輝いたロナウドの活躍を象徴するかのような試合展開であった。また、両チーム合わせて[[イエローカード]]がわずか2枚と、ワールドカップ決勝としては[[1970 FIFAワールドカップ|1970年メキシコ大会]]以来となるクリーンな試合展開であった。
 
 
 
=== 試合データ ===
 
{{Footballbox
 
| date = [[2002年]][[6月30日]]
 
| round = 決勝
 
| time = 20:00 ([[日本標準時|JST]])
 
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| score = 0 - 2
 
| report = [https://web.archive.org/web/20090130065850/http://www.fifa.com/worldcup/archive/edition%3D4395/results/matches/match%3D43950064/report.html レポート]
 
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| goals2 = [[ロナウド]] {{goal|67||79}}
 
| stadium = [[横浜国際総合競技場]]([[横浜市|横浜]])
 
| attendance = 69,029人
 
| referee = {{Flagicon|ITA}} [[ピエルルイジ・コッリーナ]]
 
}}
 
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| title = ブラジル
 
}}
 
|}
 
 
 
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|colspan="4"|{{Flagicon|GER|size=100px}}<br />'''ドイツ:'''
 
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|-
 
|GK||1||[[オリバー・カーン]] {{Captain|link=キャプテン (サッカー)}}
 
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|DF||2||[[トーマス・リンケ]]
 
|-
 
|DF||5||[[カルステン・ラメロウ]]
 
|-
 
|FW||7||[[オリバー・ノイビル]]
 
|-
 
|MF||8||[[ディートマー・ハマン]]
 
|-
 
|FW||11||[[ミロスラフ・クローゼ]]||{{yel|9}}||{{suboff|74}}
 
|-
 
|MF||16||[[イェンス・イエレミース]]||||{{suboff|77}}
 
|-
 
|MF||17||[[マルコ・ボーデ]]||||{{suboff|84}}
 
|-
 
|MF||19||[[ベルント・シュナイダー (サッカー選手)|ベルント・シュナイダー]]
 
|-
 
|DF||21||[[クリストフ・メッツェルダー]]
 
|-
 
|MF||22||[[トルステン・フリンクス]]
 
|-
 
|colspan="4"|'''控え:'''
 
|-
 
|DF||3||[[マルコ・レーマー]]
 
|-
 
|DF||4||[[フランク・バウマン]]
 
|-
 
|DF||6||[[クリスティアン・ツィーゲ]]||||{{subon|84}}
 
|-
 
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|-
 
|MF||10||[[ラース・リッケン]]
 
|-
 
|GK||12||[[イェンス・レーマン]]
 
|-
 
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|-
 
|FW||14||[[ジェラルド・アサモア]]||||{{subon|77}}
 
|-
 
|DF||15||[[セバスティアン・ケール]]
 
|-
 
|DF||18||[[ヨルク・ベーメ]]
 
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|FW||20||[[オリバー・ビアホフ]]||||{{subon|74}}
 
|-
 
|GK||23||[[ハンス=イェルク・ブット]]
 
|-
 
|colspan="4"|'''監督:'''
 
|-
 
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|}
 
|[[Image:GER-BRA 2002-06-30.svg|300px]]
 
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{| style="font-size: 90%" cellspacing="0" cellpadding="0" align=center
 
|colspan="4"|{{Flagicon|BRA|size=100px}}<br />'''ブラジル:'''
 
|-
 
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|-
 
|GK||1||[[マルコス・ロベルト・シウベイラ・レイス|マルコス]]
 
|-
 
|DF||2||[[カフー]] {{Captain|link=キャプテン (サッカー)}}
 
|-
 
|DF||3||[[ルシマール・ダ・シウヴァ・フェレイラ|ルシオ]]
 
|-
 
|DF||4||[[ロッキ・ジュニオール]]||{{yel|6}}
 
|-
 
|DF||5||[[エジミウソン・ジョゼ・ゴメス・ジ・モラエス|エジミウソン]]
 
|-
 
|DF||6||[[ロベルト・カルロス・ダ・シウバ|ロベルト・カルロス]]
 
|-
 
|MF||8||[[ジウベルト・シウバ]]
 
|-
 
|FW||9||[[ロナウド]]||||{{suboff|89}}
 
|-
 
|MF||10||[[リバウド]]
 
|-
 
|MF||11||[[ロナウジーニョ]]||||{{suboff|84}}
 
|-
 
|MF||15||[[ジョゼ・クレベルソン|クレベルソン]]
 
|-
 
|colspan="4"|'''控え:'''
 
|-
 
|MF||7||[[リカルド・ルイス・ポッズィ・ロドリゲス|リカルジーニョ]]
 
|-
 
|GK||12||[[ネウソン・デ・ジェズス・シウヴァ|ジーダ]]
 
|-
 
|DF||13||[[ジュリアーノ・ベレッチ]]
 
|-
 
|DF||14||[[アンデルソン・コレア・ポウガ|アンデルソン・ポウガ]]
 
|-
 
|DF||16||[[ジェニウソン・アンジェロ・デ・ソウザ|ジュニオール]]
 
|-
 
|FW||17||[[デニウソン・デ・オリヴェイラ・アラウージョ|デニウソン]]||||{{subon|90}}
 
|-
 
|MF||18||[[マルコス・アンドレ・バチスタ・サントス|ヴァンペッタ]]
 
|-
 
|MF||19||[[ジュニーニョ・パウリスタ]]|| ||{{subon|85}}
 
|-
 
|FW||20||[[エジウソン・ダ・シルバ・フェレイラ|エジウソン]]
 
|-
 
|FW||21||[[ルイス・カルロス・ボンボナート・グラール|ルイゾン]]
 
|-
 
|GK||22||[[ロジェリオ・セニ]]
 
|-
 
|MF||23||[[カカ (サッカー選手)|カカ]]
 
|-
 
|colspan="4"|'''監督:'''
 
|-
 
|colspan="4"|{{flagicon|BRA}} [[ルイス・フェリペ・スコラーリ]]
 
|}
 
|}
 
 
 
'''副審:'''
 
<br />{{Flagicon|SWE}} リンベリ・レイフ
 
<br />{{Flagicon|ENG}} シャープ・フィリップ
 
<br />'''第4の審判:'''
 
<br />{{Flagicon|SCO}} ダラス・ヒュー
 
 
 
{| class="wikitable"
 
|-
 
|
 
!{{BRAf}}
 
!{{GERf}}
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|得点||2||0
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|シュート数||9||12
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|ゴールシュート数||7||4
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|ボール支配率||44%||56%
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|コーナーキック||3||4
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|ファウル||19||21
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|オフサイド||0||1
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|イエローカード||1||1
 
|- style="text-align: center;"
 
|style="text-align: left;"|レッドカード||0||0
 
|}
 
 
 
{{winners|fb|2002 FIFAワールドカップ優勝国|ブラジル|2大会ぶり5回目}}
 
 
 
== その他のエピソード ==
 
*この決勝戦は[[明仁|今上天皇]]・[[皇后美智子|皇后]]、[[高円宮憲仁親王|高円宮]]夫妻、[[小泉純一郎]][[内閣総理大臣]]ら国内の要人のほか、共同開催した[[大韓民国]]の[[金大中]][[大統領 (大韓民国)|大統領]]夫妻、[[ヨハネス・ラウ]][[連邦大統領 (ドイツ)|ドイツ大統領]]ら各国のVIPが観戦する中で行われた。
 
*ドイツが決勝進出したことで、[[第28回主要国首脳会議|サミット]]出席のため[[カナダ]]を訪れていたドイツの[[ゲアハルト・シュレーダー]]首相が、帰国する小泉総理の乗る[[日本国政府専用機]]に同乗し訪日した。政府専用機に他国の要人が同乗することは極めて異例。
 
 
 
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[[Category:2002 FIFAワールドカップ|けつしよう]]
 
[[Category:サッカーの試合]]
 
[[Category:FIFAワールドカップブラジル代表]]
 
[[Category:サッカードイツ代表]]
 
[[Category:横浜市のスポーツ競技大会]]
 
[[Category:港北区の歴史]]
 

2019/4/27/ (土) 17:35時点における最新版



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