「黄海」の版間の差分

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黄海(こうかい、英語:Yellow Sea)は、中国大陸朝鮮半島の間にある海。

呼称

黄河から運ばれる黄土により黄濁している部分があることから黄海と呼ばれている。フランスの地図製作者ダンヴィルが1737年に作成した『中国新地図帳』に黄海 (Hoang Hai ou Mer Jaune) と表記したことで国際的にも認知されるようになった。

朝鮮半島では「高麗史」など古くからの文献などに「西海」や「朝鮮西海」との記述が見られる。大韓民国では、一般に西海서해、ソヘ)という呼称が用いられるが、黄海황해、ファンヘ)が用いられる場合も多い。朝鮮民主主義人民共和国では朝鮮西海조선서해、チョソンソヘ)[1]と呼ばれる。

2010年7月に韓米両国は共同声明で、連合訓練を行う際には日本海 (Sea of Japan)、黄海 (Yellow Sea) という呼称を使わずに、朝鮮半島の東と西の海域 (off the east and west coast of the Korean Peninsula) という中立的な表現を米側の公式文書で使用することで日本海呼称問題の解決をはかった[2][3]

国際水路機関発行の「大洋と海の境界(第三版)」[4]では、Yellow Sea (Hwang Hai) としている。

なお、朝鮮半島の黄海側には黄海道と呼ばれる地域があるが、この名称は本来、同地域の主要都市である黄州海州に由来するものである。

概要

ファイル:SandSpillsInYellowSea.jpg
黄海の衛星写真 NASA, 2002

黄海は太平洋縁海であり、広義の東シナ海の一部である。北西側では、山東半島遼東半島の間の渤海海峡を通じて渤海とつながっている。北東は遼東半島と朝鮮半島の間に西朝鮮湾(西韓湾)が入り込んでおり、その湾奥に鴨緑江が河口を作っている。

水深は平均44mと浅く、大陸棚となっている。北は遼東半島から、南は揚子江河口までにまたがっている。河口からは海底に三角州済州島付近にまで形成されており、かつては底引き網漁の好漁場であった。近年は中華人民共和国からの排水による海洋汚染の深刻化が懸念されている。

朝鮮半島沿岸部は第二次大戦以降、軍事境界線を延長する形で海上に北方限界線が設定され、韓国と北朝鮮の間の事実上の国境として機能している。しかし、北朝鮮は1999年9月2日以降これを否定し、独自の「朝鮮西海海上軍事境界線」を設定[5]している。この海域では1999年以降に第1延坪海戦第2延坪海戦延坪島砲撃事件とたびたび武力衝突が発生しており、南北間の緊張[6]の原因になっている。

中韓問題では、韓国が李承晩ラインを一方的設定して公海上で操業する中国漁船を拿捕して「国際法上の慣例を無視した措置」をした時から、中国と韓国の間では排他的経済水域に関する争いがある。蘇岩礁可居礁をめぐる領有権争いに加え、中国漁船が韓国側水域に侵入することが両国間の問題となっている。

日本政府は日本海呼称問題に関して、韓国側が日本海のみを「East Sea」にするよう主張し、黄海については「West Sea」に変更すべきとは主張していないことから、これが殊更に日本海のみを標的にしたものであると主張している[7]。しかし、ko:한반도でも、『朝鮮半島』の三方向の海を東の海は東海、西の海は黄海、南の海は南海であるとしているなど中国に比べて日本は甘くみられた対応をされている。西海が教科書やマスコミなど国内で利用されているのにも関わらず、韓国の飛行機などでの半島の西側の海を「黄海」(Yelow sea)と公式表記していることは全く気にされていない。そのため、日本海を東海とすることにのみ固執しているのは「日本」が海の名称にあるのが単に気に入らないだけと指摘されている[8]。2018年に韓国と北朝鮮は「東海と黄海の両地区」を開発することに合意したことを聯合ニュースが報じている[9]

脚注

関連項目