顔射

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顔射(がんしゃ)とは、他人の顔へ射精することである。顔面射精の略で、アダルトビデオ用語の一つ。[1]

概説

相手の「顔」に射精することによって、自らの精液を浴びせる欲求を満たす行為である。

顔射をしたいという時は、いきなり出すのではなく、女性側に許可を取るのが一般的なマナーである。誤って相手のに精液が入ってしまうと結膜炎などを引き起こす危険性が高い。

アダルトビデオ

顔射は、雑誌アダルトビデオ等で多々観られる射精行為で、支配欲求を満足させる行為の一つとして認識されている。

同様の理由でアダルトゲーム成人向け漫画等フィクションの世界でも多用される傾向にある。

性器部分がモザイク等による修正のため「性行為を行なっていないのでは?演技なのでは?」と言う批判や疑念を払拭するために、かつてはAV男優がAV女優の体に向けて射精し、射精の様子と精液を撮影することで性行為を証明していた。更に、視聴者を興奮させるために、AV男優がAV女優の顔に射精する演出により人気を博した。

アダルトビデオ(ゲイビデオを含む)における顔射は次の通りである。

  • 性交またはアナルセックス時の射精寸前に挿入した陰茎を引き抜き、相手の顔に向けて射精するもの。
  • 手淫オーラルセックス等に依る射精として相手の顔に向けて射精するもの。
    跪いた相手の前に男性を立たせて男性の性器と相手の顔の高さを合わせ、男性の性器を相手が手や口に依る刺激でエレクトさせ、顔で精液を受け止める場面がこれにあたる。
    精液が目に入らないようにするのが普通である。誤って相手の目に入ると、結膜炎などの症状を引き起こす恐れもある。

また、複数の男性が自慰に依って一人の相手の顔に次々と射精して行くアダルトビデオ作品が存在し、その行為を特に「ぶっかけ」と呼ぶ。 またその射精専門の男性俳優達を汁男優と呼ぶ。

欧米のポルノ・ビデオ業界では1980年代から"Cumshot"として作品の中に顔面射精を取り入れていた。

ぶっかけ

ぶっかけとはアダルト用語の一つで、相手の顔面をはじめとして相手の身体の一部や衣類、その他の性的対象物に射精し精液をかけること。文字通り精液をかけることから「ぶっかけ」と言う。

80年代、いわゆる顔面射精行為を「ぶっかける」と言うことはあったが、一般的用法の範囲に収まっていた。90年代中盤に、シャトルワン(のちのシャトルジャパン)より、「スペルマぶっかけ○シャワーズ」が発売され、このシリーズのエスカレートとともに、多人数の射精専門のAV男優汁男優)が1人のAV女優の顔に立て続けに射精するスタイル、それを称して「ぶっかけ」物がジャンルとして確立した。

多人数による射精行為が発展した経緯は、成年コミックとの関係が深い。1985年に出版された森山塔著『よいこの性教育』では、すでに多人数による射精行為が描かれている。90年代初頭には、成年コミック、また成年向け同人誌において、顔面射精行為はポピュラーな表現となっていた。成年コミックによる射精行為は、人間による物理的制約がないため、大量となる描写が多く、それを実写で再現するために、汁男優が登場したものと思われる。シャトルジャパンのシリーズがアニメなどのキャラクターを多く採用していことからも、その関係がわかる。

ゲイビデオの中にも、一人の男性に対して立て続けに射精する作品があり、男女物のアダルトビデオと同様に「ぶっかけ」という表現を用いている。

ぶっかけの起源としては外国のポルノビデオでのプレイであるgangbang(輪姦、多数の男性が一人の女性に対して性行為する事)を挙げる向きもあるが、80年代末の日本ではこれに類する行為がすでにみられており、ぶっかけがgangbangの起源となったのか、gangbangがぶっかけの起源になったのか、定かではない。

欧米のポルノ雑誌の分野では"Private"や"Colorclimax"などのポルノマガジンで既に1970年代からそれに類する内容の写真が掲載されている。

ビニ本裏本などを除く書店売りの出版物では、大洋図書の『マスカットノート』(絶版)1986年12月号において、ヌードモデルの松岡愛子が顔面に射精され口から精液を流しているカットが登場したのが最初と見られる。その後も引き続き『ミルキー通信』(絶版)、『GAL'Sシャワー』(絶版)等で高い人気となっていった。当時のカメラマンは、単に女性の顔に付着した精液を撮影するだけでなく、ハイスピード連射機能など高度な撮影技術を駆使し、勃起した陰茎から糸を引くように射出されていく精液を描写したり、精液が女性モデルの顔に当たり跳ね返る様子を捉えるなど、躍動的な射精を静的な写真に収めるための工夫をいろいろと凝らしていた。

ぶっかけ関連の女優としては倉沢七海霧島アキなどが、関連する集団にはSPCなどが、監督にはラッシャーみよしなどがいる。

ぶっかけは、アメリカのアダルトビデオ業界で起こったジャポルノブームにより、日本が生み出したジャンル、「Bukkake」(英語発音: [ˌbuːˈkækɪ] ブーキャキ)として世界に知られることになったが、ヨーロッパ各国では顔射を取り入れた、またそれを主体としたハード・ポルノメーカーがそれ以前にも多く存在している。

ぶっかけ専門の風俗店も2007年頃から現れている。

顔射をメインにした作品

AVのシリーズ

80年代末の先駆的メーカーではシャトルジャパンハウスギルドが挙げられる。

写真集

さーくる社から顔射をメインが出版されていた。モデルのヌード露出は少なく消しも強めであるが、精液と戯れる魅力的な女性が生き生きと描写されている。

雑誌

  • 『マスカットノート』(大洋書房)絶版
  • 『ミルキー通信』(大洋書房)絶版
  • 『GAL'Sシャワー』(大洋書房)絶版

文学作品

丸谷才一の短編小説「鈍感な青年」では、恋人同士の初めての性行為で男性が早漏してしまい、思いがけず女性に顔射してしまうシーンが有り、芸術性高い顔射描写を読む事が出来る。

脚注

  1. https://pan-pan.co/detail/95502 顔射の始まり!全てはAVのせいなんです!

関連項目