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{{電磁気学}}
 
{{電磁気学}}
'''電気'''(でんき、{{lang-en-short|electricity}})とは、[[電荷]]の移動や相互作用によって発生するさまざまな[[物理現象]]の総称である。それには、[[雷]]、[[静電気]]といった容易に認識可能な現象も数多くあるが、[[電磁場]]や[[電磁誘導]]といったあまり日常的になじみのない概念も含まれる。
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'''電気'''(でんき、{{lang-en-short|electricity}})
 
 
[[ファイル:Lightning3.jpg|right|thumb|250px|alt=夜の稲妻|[[雷]]は最も劇的な電気現象の一つである。]]
 
 
 
電気に関する現象は古くから研究されてきたが、科学としての進歩が見られるのは17世紀および18世紀になってからである。しかし電気を実用化できたのはさらに後のことで、産業や日常生活で使われるようになったのは19世紀後半だった。その後急速な電気[[テクノロジー]]の発展により、産業や社会が大きく変化することになった。電気のエネルギー源としての並外れた多才さにより、[[交通機関]]の動力源、[[空気調和]]、[[照明]]、などほとんど無制限の用途が生まれた。[[商用電源]]は現代産業社会の根幹であり、今後も当分の間はその位置に留まると見られている<ref>{{Citation| first = D.A. | last = Jones| title =  Electrical engineering: the backbone of society| journal = Proceedings of the IEE: Science, Measurement and Technology| pages = 1–10| volume = 138| issue = 1}}</ref>。また、多様な特性から[[電気通信]]、[[コンピュータ]]などが開発され、広く普及している。
 
 
 
== 歴史 ==
 
{{Main|[[電磁気学の年表|電磁気学の歴史]]|[[電気工学#歴史|電気工学の歴史]]}}
 
 
 
=== 語源 ===
 
電気を表す英単語 electricity はギリシア語の {{lang|el|ηλεκτρον}} ([elektron], [[コハク|琥珀]])に由来する。[[古代ギリシア人]]が琥珀をこする事により[[静電気]]が発生する事を発見した故事によるもので、そこから古典ラテン語で ''electrum''、新ラテン語で ''ēlectricus''(琥珀のような)という言葉が生まれ、そこから electricity が派生した。
 
 
 
一方で漢語の「電気」の「[[電]]」は[[雷]]の別名であり、いわば「電気」というのは「雷の素」といった意味になる。[[ベンジャミン・フランクリン]]による研究はしばしば「雷の正体が電気である事を発見した」と紹介されるが、この文章は字義的な矛盾を含む事になる。もちろん「電気」という漢語がフランクリンの時代以後に作られたからである。
 
 
 
=== 古代 ===
 
[[ファイル:Thales.jpg|thumb|right|180px|古代の電気研究者[[タレス]]]]
 
電気について知識がなかったころにも、電気を発生させる魚類の電気ショックに気づいていた人々がいた。[[紀元前28世紀|紀元前2750年]]ごろの[[古代エジプト]]の文献にそういった魚を「[[ナイル川]]の雷神」とする記述があり、全ての魚の守護神だと記している。そういった魚類についての記述は、千年以上後の[[古代ギリシア]]、[[古代ローマ]]、イスラムの学者らの文献にもある<ref>{{Harvnb|Moller|Kramer|1991|pp=794-6}}</ref>。[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]や[[スクリボニウス・ラルグス]]といった古代の著作家は、[[デンキナマズ]]や[[シビレエイ目|シビレエイ]]による[[感電]]の例をいくつか記しており、それらの電気ショックが[[電気伝導体|導体]]を伝わることを知っていた<ref name=Electroreception/>。[[痛風]]や[[頭痛]]などの患者をそういった電気を発する魚に触れさせるという治療が行われたこともある<ref name=morris/>。[[雷]]や他の自然界の電気が全て同じものだという発見は中世[[イスラム]]という可能性もあり、15世紀の[[アラビア語]]辞書で雷を意味する ''raad'' という言葉が[[シビレエイ目|シビレエイ]]も表すとされていた<ref name="EncyclopediaAmericana">''The [[アメリカ大百科事典|Encyclopedia Americana]]; a library of universal knowledge'' (1918), [[ニューヨーク州|New York]]: Encyclopedia Americana Corp</ref>。
 
 
 
[[ファイル:Ironie pile Bagdad.jpg|thumb|left|180px|バグダッド電池]]
 
古代の[[地中海]]周辺地域では、[[コハク|琥珀]]の棒を猫の[[毛皮]]でこすると羽根のような軽い物を引き付けるという性質が知られていた。
 
[[紀元前600年]]ごろ[[ミレトス]]の[[タレス]]は一連の[[静電気]]についての記述を残しているが、彼は琥珀をこすって生じる力は[[磁性|磁力]]だと信じており、[[磁鉄鉱]]のような鉱物がこすらなくても発揮する力と同じものだと考えた<ref name=stewart>{{Harvnb|Stewart|2001|p=50}}</ref><ref>{{Harvnb|Simpson|2003|pp=6-7}}</ref>。タレスがそれを磁力だと考えたことは間違っていたが、後に電気と[[磁気]]には密接な関連があることが判明している。古代ギリシア人は、琥珀のボタンが髪の毛のような小さい物を引きつけることや、十分に長い間琥珀をこすれば火花をとばせることも知っていた。[[イラク]]で1936年に発見された、紀元前250年頃のものとされる、[[バグダッド電池]]なるものは[[ガルバニ電池]]に似ている。バグダッド電池は[[パルティア]]人が[[電気めっき]]を知っていた証拠とする説もあるが、これを単に金属棒に巻物を巻いて収め地中に埋めた壺(つまり電池ではない)とする説もある<ref>{{Citation| first = Arran | last = Frood| title = Riddle of 'Baghdad's batteries'| publisher = BBC| date = 27 February 2003| accessdate = 2008-02-16| url = http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/2804257.stm}}</ref>。
 
 
 
=== 近世 ===
 
[[ファイル:Leidse_flessen_Museum_Boerhave_december_2003 2.jpg|thumb|right|180px|ライデン瓶、Boerhaave博物館、ライデン [http://www.museumboerhaave.nl/]]]
 
イタリアの物理学者[[ジェロラモ・カルダーノ|カルダーノ]]は、『''De Subtilitate''』([[1550年]])のなかで<ref>Cardano, Girolamo, ''De subtilitate rerum''. Libri XXI. Nuremberg, Johann Petreius, 1550. Described at [http://www.sparkmuseum.com/BOOK_CARDANO.HTM], facsimile [http://echo.mpiwg-berlin.mpg.de/content/historymechanics/archimdesecho here].</ref>、電気による力と[[磁力]]とをおそらくは初めて区別した。[[1600年]]にイギリスの科学者[[ウィリアム・ギルバート (物理学者)|ウィリアム・ギルバート]]は、『''De Magnete''』のなかで[[カルダーノ]]の業績について詳細に述べ<ref name=stewart/>、ギリシア語単語「琥珀」''elektron'' からラテン語単語 ''electricus'' を作り出した<ref>{{Harvnb|Baigrie|2006|pp=7-8}}</ref><ref>Douglas Harper (2001). [http://www.etymonline.com/index.php?term=electric Online Etymology Dictionary: electric]. Retrieved August 29, 2006.</ref>。''electricity'' という英単語の最初の使用は、[[トーマス・ブラウン (作家)|トーマス・ブラウン]]の1646年の著作『''[[:en:Pseudodoxia Epidemica|Pseudodoxia Epidemica]]''』の中にあるとされる<ref>{{Harvnb|Chalmers|1937|pp=75-95}}</ref>。
 
 
 
ギルバートに続いて、[[1660年]]に[[オットー・フォン・ゲーリケ|ゲーリケ]]は静電発電機を発明した。[[ロバート・ボイル]]は[[1675年]]に、電気による牽引と反発は真空中で作用し得ると述べた。[[スティーヴン・グレイ]]は[[1729年]]に、物質を[[導体]]と[[絶縁体]]とに分類した。[[シャルル・フランソワ・デュ・フェ|デュ・フェ]]は、のちに ''positive''(陽)、''negative''(陰)と称ばれることになる、電気の2つの型を最初に同定した。大量の電気エネルギーの蓄電器の一種である[[ライデン瓶]]は、[[1745年]][[ライデン大学]]で、[[ピーテル・ファン・ミュッセンブルーク|ミュッセンブルーク]]によって発明された。ワトソン ([[:en:William Watson (scientist)|William Watson]]) はライデン瓶で実験し、[[1747年]]に静電気の放電は電流に等しいことを発見した。[[平賀源内]]は、[[18世紀]]半ばに[[エレキテル]]を開発した。
 
 
 
[[ファイル:Franklin-Benjamin-LOC.jpg|thumb|left|180px|[[ベンジャミン・フランクリン]]]]
 
 
 
18世紀中ごろ、[[ベンジャミン・フランクリン]]は私財を投じて電気の研究を行い、[[1752年]]6月、雷を伴う嵐のなか[[凧]]を揚げるという[[実験]]を行った<ref>{{Harvnb|Srodes|2002|pp=92-94}} フランクリンが単独でこの実験を行ったかは定かではないが、一般にフランクリン1人の業績とされている。</ref>。この実験で雷が電気であることを示し、それに基づいて[[避雷針]]を発明した<ref>{{Harvnb|Uman|1987}}</ref>。フランクリンは陽電気および陰電気の発明の確立者と見なされることが多い。
 
 
 
=== 近代 ===
 
[[ファイル:M Faraday Th Phillips oil 1842.jpg|thumb|150px|right|[[マイケル・ファラデー]]]]
 
 
 
1773年、[[ヘンリー・キャヴェンディッシュ]]は[[荷電粒子]]間に働く力が電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例することを実験で確認。1785年に[[シャルル・ド・クーロン]]が[[クーロンの法則]]として定式化した。
 
 
 
1791年、[[ルイージ・ガルヴァーニ]]は[[生体電気]]の発見を発表。[[神経細胞]]から筋肉に信号を伝える媒体が電気であることを示した<ref name=kirby>{{Harvnb|Kirby|1990|pp=331-333}}</ref>。1800年、[[アレッサンドロ・ボルタ]]は亜鉛と銅を交互に重ねた[[ボルタの電堆]]を発明。それまでの[[静電発電機]]よりも安定的に動作する電源となった<ref name=kirby/>。
 
 
 
1820年、[[ハンス・クリスティアン・エルステッド]]が[[電磁気学]]の基礎となる電流による磁気作用を発見。[[アンドレ=マリ・アンペール]]は現象を再現してさらに詳細な研究を行った。[[ジャン=バティスト・ビオ]]と[[フェリックス・サバール]]は1820年、電流とその周囲に形成される磁場の関係を定式化([[ビオ・サバールの法則]])。1821年、[[マイケル・ファラデー]]はその現象を応用した[[電動機]]を発明。1830年、ファラデーと[[ジョセフ・ヘンリー]]が[[電磁誘導]]現象を発見。電気と磁気(と光)の関係を定式化したのは[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル]]で、1861年から1862年の論文 ''[[:en:On Physical Lines of Force|On Physical Lines of Force]]'' で発表した。これには[[ウィリアム・トムソン]]の1845年の論文が影響を与えた。
 
 
 
[[ゲオルク・オーム]]は1827年、[[オームの法則]]を含む電気回路の数学的解析を発表した<ref name=kirby/>。[[グスタフ・キルヒホフ]]は1845年、[[キルヒホッフの法則 (電気回路)|キルヒホッフの法則]]を発見。これらの成果を基に[[ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ]](1853年)、[[テブナンの定理|シャルル・テブナン]](1883年、再発見)、[[鳳秀太郎]](?年)が電気回路に関する電圧、電流、電源の考え方を確立した。
 
 
 
このように19世紀前半に電気の研究は大いに進展したが、19世紀後半には[[電気工学]]が急速に発展した。[[ニコラ・テスラ]]は交流を応用した電気機器(交流発電機ほか)を発明。後の電気の発電、送配電に大きな影響を与えた。また、蛍光灯や[[無線機]]の発明も行った。[[トーマス・エジソン]]は[[蓄音機]]、[[電球]]などを発明。[[イェドリク・アーニョシュ]]は[[ダイナモ]]の原理を確立。[[ジョージ・ウェスティングハウス]]はテスラの[[交流電動機]]の権利を取得し、交流発電・送電システムの確立に寄与した。[[ヴェルナー・フォン・ジーメンス]]も電気産業の発展に貢献。[[アレクサンダー・グラハム・ベル]]は電話を発明。電気は科学的興味の対象から[[第二次産業革命]]の推進力となり、日常生活に欠かせないものへと変貌していった<ref>{{Citation| first = Dragana | last = Marković| title = The Second Industrial Revolution| url= http://www.b92.net/eng/special/tesla/life.php?nav_id=36502| accessdate = 2007-12-09}}</ref>。
 
 
 
== 物理学における電気 ==
 
[[電子]]や[[陽子]]などの[[素粒子]]固有の性質に由来する。[[古代]]より、[[摩擦]]した[[コハク|琥珀]](こはく)に物が吸い寄せられるなどの電気現象が知られており、[[物質]]にはこのような性質を持つものと持たないものがあるということがわかっていた。
 
 
 
近代になって[[物理学]]が発展すると、これらの現象(電気)は、定量化することができ、また保存されるということがわかった。電気の現象を研究する物理学の分野は[[電磁気学]]と呼ばれている。電気が多量にあると思われる場合や逆に少量しかない場合など、条件に応じて、物が吸い寄せられるなどの電気現象にその程度の相違が観察されたり、雷の火花の大きさの程度により、電気にも水量と同様にその嵩があるとして、電気の嵩の多少を示す量として電気の量、即ち「[[電気量]]」というものが考えられている。これに対して、「[[電荷]]」とは「電気量」の多少を特に問わずに電気が存在しさえすれば足りる時に「電荷」があるなどと言い表し、「電気量」とは少し視点が異なり、電荷量とは言わないことが多い。
 
 
 
電気は''正''と''負''の二種類がある。正と正または負と負に帯電した物体同士は反発し合い、正と負に帯電した物体同士は引き合う。その[[引力と斥力|引力あるいは斥力]]の強さは[[クーロンの法則]]により計算することができる。また、これにより「電気量」の単位を決めることもできる。
 
 
 
電気エネルギーは他の様々なエネルギーに変換でき、また逆に他のエネルギーから電気エネルギーにも変換できる。
 
* → [[運動エネルギー]] : [[電動機]]
 
* ← 運動エネルギー : [[発電機]]、[[風力発電]]、[[水力発電]]
 
* → [[化学エネルギー]] : [[電気分解]]、[[精錬|電気精錬]]
 
* ← 化学エネルギー : [[電池]]
 
* → [[熱エネルギー]] : [[電熱器]]、[[電磁調理器]]
 
* ← 熱エネルギー : [[火力発電]]、[[原子力発電]]、[[太陽熱発電]]、[[海洋温度差発電]]
 
* → [[磁気流体力学|磁気エネルギー]] :  [[電磁石]]、[[電磁ブレーキ]]
 
* ← 磁気エネルギー :  [[MHD発電]]
 
* → [[光エネルギー]] : [[照明]]、[[発光ダイオード]]、[[エレクトロルミネセンス]]
 
* ← 光エネルギー : [[太陽光発電]]
 
* ← [[核エネルギー]] : [[原子力電池]]
 
他のエネルギーと比べ効率が良く伝送が容易なため、現代では広く利用されている。
 
 
 
== 概念 ==
 
=== 電荷 ===
 
{{Main|電荷}}
 
{{seealso|電子|陽子|イオン}}
 
電荷とは、ある種の[[素粒子]]が持つ性質であり、物理学において自然界の4つの根源的な[[基本相互作用]]の一つである[[電磁気力]]の元となる。電荷は[[原子]]内にもともとあり、よく知られる担体としては[[電子]]と[[陽子]]がある。また電荷は保存量であり、孤立系内の電荷量は系内でどんな変化が起きても変化しない<ref>{{Harvnb|Trefil|2003|p=74}}</ref>。孤立系内では電荷は物体から物体へ転送され、その転送は直接的な接触の場合もあるし、金属の導線などの伝導体を伝わって行われることもある<ref name=duffin2-5>{{Harvnb|Duffin|1980|pp=2-5}}</ref>。[[静電気]]とは電荷が物体に(不均衡に)存在する状態であり、通常異なった素材をこすり合わせることで電荷が一方からもう一方に転送されて生じる。
 
 
 
[[ファイル:Electroscope.png|thumb|right|[[検電器|箔検電器]]に電荷を蓄えると、金属箔が電荷によって反発して開く。]]
 
電荷が存在すると電磁気力が発生する。電荷が互いに[[力 (物理学)|力]]を及ぼしあう現象は古くから知られていたが、その原理は古代には分かっていなかった<ref name=uniphysics>{{Harvnb|Sears|1982|p=457}}</ref>。ガラス棒を布でこすって[[帯電]](電荷を帯びること)させ、それを紐でつるした軽いボールに触れさせると、ボールが帯電する。同様のボールを同じようにガラス棒で帯電させると、2つのボールは互いに反発しあう。しかし一方をガラス棒で帯電させ、もう一方を琥珀棒で帯電させると、2つのボールは互いに引き付け合う。このような現象を研究したのが18世紀後半の[[シャルル・ド・クーロン]]で、彼は電荷には2種類の異なる形態があると結論付けた。すなわち、同じ種類の電荷で帯電したものは反発しあい、異なる種類の電荷で帯電したものは引き付け合う<ref name=uniphysics/>。
 
 
 
この力は荷電粒子自身にも働くため、電荷は物体表面に互いに距離をとるように一様に分布する傾向がある。この電磁気力の強さは[[クーロンの法則]]で定式化されており、互いの電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例する<ref>「同種の電気を蓄えた2つの小さな球の間の斥力は、2つの球の中心間の距離の2乗に反比例する」 Charles-Augustin de Coulomb, ''Histoire de l'Academie Royal des Sciences'', Paris 1785.</ref><ref>{{Harvnb|Duffin|1980|p=35}}</ref>。電磁気力は[[強い相互作用]]に次いで強い力だが<ref>{{Harvnb|National Research Council|1998|pp=215-216}}</ref>、強い相互作用とは異なりあらゆる距離に働く<ref name=Umashankar>{{Harvnb|Umashankar|1989|pp=77-79}}</ref>。ずっと弱い[[万有引力|重力相互作用]]と比較すると、2つの電子が電磁気力で反発しあう力はそれらが[[重力]]で引き付け合う力の10<sup>42</sup>倍である<ref name=hawking>{{Harvnb|Hawking|1988|p=77}}</ref>。
 
 
 
電子と陽子の電荷は極性が逆であり、物体全体の電荷は正の場合と負の場合がありうる。一般に電子の電荷を負、陽子の電荷を正とする。この習慣は[[ベンジャミン・フランクリン]]の業績に由来する<ref>{{Harvnb|Shectman|2003|pp=87-91}}</ref>。電荷量は記号 ''Q'' で表され、その単位は[[クーロン]]である<ref>{{Harvnb|Sewell|1902|p=18}}. The ''Q'' originally stood for 'quantity of electricity', the term 'electricity' now more commonly expressed as 'charge'.</ref>。電子はどれも同じ電荷量を持ち、その値は約 &minus;1.6022×10<small><sup>&minus;19</sup></small>&nbsp;[[クーロン]]である。陽子は同じ大きさの極性が逆の電荷量を持つので +1.6022×10<small><sup>&minus;19</sup></small>&nbsp;クーロンとなる。電荷は物質だけでなく[[反物質]]にもあり、それぞれに対応する[[反粒子]]は大きさが等しく極性が逆の電荷量を持つ<ref>{{Harvnb|Close|2007|p=51}}</ref>。
 
 
 
電荷量を測定する手段はいくつかある。[[検電器]]は最初の電荷測定機器だが、今では授業での実験などでしか使われない。今では電子式の[[エレクトロメータ]]がよく使われている<ref name=duffin2-5/>。
 
 
 
=== 電流 ===
 
{{Main|電流}}
 
電荷を持った粒子の移動によって、電流が発生し、その強さは[[アンペア]]を単位として計られる。どんな荷電粒子([[電荷担体]])でも移動することで電流を形成できるが、電子が最も一般的である。
 
 
 
歴史的な慣習により、電流の流れる向きは正の電荷の流れる向きとされており、電源の正極から負極に流れるとされる。負の電荷を持つ電子は[[電荷担体]]としては最も一般的だが、[[電気回路]]での電流の流れる向きと電子の移動する向きは反対である<ref>{{Citation| first = Robert | last = Ward| title = Introduction to Electrical Engineering| publisher = Prentice-Hall| page = 18| year = 1960}}</ref>。しかし、状況によっては電流の向きと[[荷電粒子]]の移動する向きが一致する場合もあるし、荷電粒子が両方向に同時に移動することもある。様々な状況で電流の流れる方向を便宜的に定めるために、このような規定がある。
 
 
 
[[ファイル:Lichtbogen 3000 Volt.jpg|thumb|200px|left|[[電弧]]は目に見える電流の一種である。]]
 
物質を電流が流れる過程を[[電気伝導]]と呼び、その性質は流れる荷電粒子と物質の性質によって様々である。[[金属]]の場合は電子が流れ、[[電気分解]]においては[[イオン]](電荷を帯びた[[原子]])が液体中を流れる。粒子自体の移動速度は極めて遅く、せいぜい毎秒数ミリメートルだが<ref name=duffin17>{{Harvnb|Duffin|1980|p=17}}</ref>、それによって形成される[[電場]]は[[光速]]に近い速度で伝播する。そのため、電気信号は導線上で極めて高速に伝送される<ref>{{Harvnb|Solymar|1984|p=140}}</ref>。
 
 
 
電流はいくつかの目に見える現象を引き起こし、歴史的にはそれらが電流の存在を確認する手段でもあった。水に電流を流すと分解されるという現象は1800年に[[ウィリアム・ニコルソン (化学者)|ウィリアム・ニコルソン]]と[[アンソニー・カーライル]]が発見した。これがいわゆる[[電気分解]]である。そこからさらに研究が進み、1833年に[[マイケル・ファラデー]]が[[ファラデーの電気分解の法則|電気分解の法則]]を解明した<ref name=duffin23-24>{{Harvnb|Duffin|1980|pp=23-24}}</ref>。[[電気抵抗]]のある物質を電流が流れるとき、局所的な発熱がある。これを研究したのが[[ジェームズ・プレスコット・ジュール]]で、1840年に数学的に定式化した[[ジュールの法則]]を導き出した<ref name=duffin23-24/>。電流に関する最も重要な発見をしたのは[[ハンス・クリスティアン・エルステッド]]で、1820年に講義の準備をしているときに導線に電流を流したときに近くにあった方位磁針が振れることに気づいた<ref name=berkson>{{Harvnb|Berkson|1974|p=370}} なお、講義の後という文献や講義の最中だったという文献もある。</ref>。これが電気と磁気の基本的相互作用の発見であり、そこから[[電磁気学]]が発展することになった。
 
 
 
工学や実用的観点では、電流を[[直流]] (DC) と[[交流]] (AC) に分類することが多い。これは電流が時間と共に変化するかしないかを示した用語である。直流は[[電池]]などが発する電流であり、常に一方向に流れる電流である<ref name=bird>{{Harvnb|Bird|2007|p=11}}</ref>。交流は電流の流れる向きが定期的に逆転する場合を指す。交流の電流の強さの時間変化は[[正弦波]]を描くことが多い<ref name=bird2>{{Harvnb|Bird|2007|pp=206-207}}</ref>。したがって、交流が流れる導体内では電荷(電子)が一方向に進むことはなく、短い距離を行ったり来たりすることになる。交流の電流の強さをある程度以上の時間で平均するとゼロになるが、エネルギーはある方向に運搬され、次に反対方向に運搬される。交流には定常的な直流では見られない特性があり、[[インダクタンス]]や[[静電容量]]に影響を受ける<ref name=bird3>{{Harvnb|Bird|2007|pp=223-225}}</ref>。そういった特性は電源を入れた直後など回路の[[過渡現象]]が主題となる場合に重要となる。
 
 
 
=== 電場 ===
 
{{Main|電場}}
 
{{See also|静電気学}}
 
 
 
電[[場]]の概念は、[[マイケル・ファラデー]]によって導入された。電場は電荷によってその周囲の空間に形成され、その電場内に存在する他の電荷に力を及ぼす。2つの電荷の電場の振る舞いは、ちょうど2つの[[質量]]の重力場のそれと似ており、広がりは無限だが互いに及ぼしあう力は距離の2乗に反比例する<ref name=Umashankar/>。ただし、電場と重力場には大きな違いが1つある。重力は常に引き付け合う力だが、電場は引き付け合う場合と反発しあう場合がある。惑星のような巨大な物体は全体としてほとんど電荷を帯びていないため、遠距離の電場は通常ゼロである。そのため宇宙規模の距離では本来弱いはずの重力が支配的になる<ref name=hawking/>。
 
 
 
[[ファイル:Field lines.svg|thumb|right|平面導体上の正電荷が作る電気力線]]
 
電場は空間の位置によって変化し<ref>ほとんど全ての電場は空間の位置によって変化する。例外としては、無限に広がる平面の導体が帯電している場合の電場は一様である。</ref>、ある位置に正の単位電荷量を静止させて置いたとき、その電荷が受ける力の強さがその位置の電場と定義される<ref name=uniphysics_469>{{Harvnb|Sears|1982|pp=469–470}}</ref>。この概念上の電荷を[[試験電荷]]と呼び、自身の電場が影響を及ぼさないようほとんどないくらいに小さく、しかも[[磁場]]を生じないために決して動かないものとする。電場は定義上から[[力 (物理学)|力]]であり、力は[[空間ベクトル|ベクトル量]]である。つまり、電場自身もベクトル量であり、大きさと方向がある。明らかに電場は[[ベクトル場]]である<ref name=uniphysics_469/>。
 
 
 
静止した電荷が形成する電場を研究する分野が[[静電気学]]である。電場は空間の各点における方向に沿って描いた想像上の曲線で視覚化できる。この概念を導入したのはファラデーで<ref name="elec_princ_p73">{{Harvnb|Morely|Hughes|1994|p=73}}</ref>、これを「[[電気力線]]」と呼び、今も時折見かける。正の点電荷をその電場内で動かそうとした場合、点電荷が通る経路は電気力線に沿ったものになる。ただしこれは物質的存在とは無関係の想像上の概念であり、電気力線の間も含めて空間全体に電場は存在する<ref name="elec_princ_p73"/>。静止した電荷から発する電気力線にはいくつかの特性がある。まず、電気力線は正の電荷を始点とし、負の電荷を終点とする。次に、良導体がある場合は常に直角に入っていく。さらに、電気力線同士が交差することはない<ref>{{Harvnb||Sears|1982|p=479}}</ref>。
 
 
 
中空の導体では電荷は常にその外側の表面に分布する。従って、その内部のどの位置でも電場はゼロとなる<ref>{{Harvnb|Duffin|1980|p=88}}</ref>。これが[[ファラデーケージ]]の動作原理であり、金属殻で囲まれた内部は外界の電場から隔離される。
 
 
 
静電気学の知識は高電圧装置の設計において重要である。電場を満たしている媒体には必ず耐えられる電場の強度(電界強度)の限界がある。電界強度がその限界を超えると[[絶縁破壊]]がおき、帯電した部分の間に[[電弧]]によるフラッシュオーバーが生じる。例えば空気の場合、電極の間が狭いなら電界強度が30kV毎センチメートルを越えると電弧が生じる。電極間の距離が大きい場合は限界がさらに低くなり、1kV毎センチメートルでも電弧を生じることがある<ref name=hv_eng>{{Harvnb|Naidu|Kamataru|1982|p=2}}</ref>。[[雷]]はこの現象が自然界で発生したもので、上昇気流によって地面と隔てられて電荷を蓄えた雲が電場を生じ、その強度が空気の限界を超えたときに発生する。大きな雷雲の電位は100MVにもなり、その放電エネルギーは最大で250kWhほどになる<ref>{{Harvnb|Naidu|Kamataru|1982|pp=201–202}}</ref>。
 
 
 
電界強度は近くに導体があると大きく影響され、特に尖った導体の先端部分に電気力線が集中する。この原理を応用したのが[[避雷針]]で、その尖った先端が周辺で発生する雷を引き寄せ、建物を守ることになる<ref>{{Harvnb|Rickards|1985|p=167}}</ref>。
 
 
 
=== 電位 ===
 
[[ファイル:Panasonic-oxyride.jpg|thumb|right|単三乾電池。"+"記号は乾電池の電極間の電位差による極性を表している。]]
 
{{Main|電位}}
 
{{Seealso|電圧}}
 
電位の概念は電場の概念と密接な関係がある。電場内に小さな電荷を置こうとすると力を受け、その力に逆らって電荷をその場所に置くことは[[仕事 (物理学)|仕事]]となる。ある位置の電位とは、単位試験電荷を[[無限]]遠からその位置までゆっくり運ぶのに要するエネルギーと定義される。一般にその単位は[[ボルト (単位)|ボルト]]であり、1ボルトとは無限遠から1[[クーロン]]の電荷をその位置に運んでくることが1[[ジュール]]の仕事となる位置の電位である<ref name=uniphysics_494>{{Harvnb|Sears|1982|pp=494–498}}</ref>。この電位の定義は公式なものだがあまり実用的でない。より実用的な定義として電位差すなわち[[電圧]]がある。こちらは単位電荷を2地点間で移動させるのに要するエネルギーと定義される。電場は「保存性」という特殊な性質があり、試験電荷の移動に際して移動経路と移動に必要なエネルギーは無関係である。2地点間の任意の経路で同じエネルギーを要するので、電位差は一意に定まる<ref name=uniphysics_494/>。ボルトはむしろ電位差の単位として認識されており、[[電圧]]は日常的によく使われる。
 
 
 
実用においては、電位の比較・参照の際の基準を定義した方が便利である。定義上は無限遠がそれにあたるが、より実用的には[[地球]]自体がそのどこをとっても同じ電位だと仮定することで基準点となる。この基準点をアースまたは[[接地]]と呼ぶ。地球は正及び負の電荷の無限の源泉とみなすことができ、そのため電気的には帯電していないし、帯電させることもできないと見なせる<ref>{{Harvnb|Serway|2006|p=500}}</ref>。
 
 
 
電位は[[スカラー量]]であり、方向はなく大きさだけの量である。これは重力場における[[高さ]]と似ている。ある高さで物体を離すと重力を発している重力源に向かって落ちていく。同様に電荷をある電位に置くと電場の電気力線に沿って「落ちて」いく<ref>{{Citation| first = Sue | last = Saeli| title = Using Gravitational Analogies To Introduce Elementary Electrical Field Theory Concepts| url = http://physicsed.buffalostate.edu/pubs/PHY690/Saeli2004GEModels/older/ElectricAnalogies1Nov.doc| accessdate = 2007-12-09}}</ref>。地図に同じ高さの地点を結んだ[[等高線]]が描かれるように、電場においても同じ電位の地点を結んだ等電位線を描くことができる。等電位線は電気力線とは直角に交わる。また、電気伝導体の表面は電位が等しいため、[[電気伝導体]]の表面とは平行になる。仮に伝導体表面に電位差があってもその電位差をなくすように電荷が移動して等電位になる。
 
 
 
電場は正式には単位電荷に及ぼされる力と定義されているが、電位の概念を使えばもっと実用的で等価な定義が可能である。すなわち、電場とは電位の局所的[[勾配 (ベクトル解析)|勾配]]である。通常[[ボルト毎メートル]]で表され、電位の勾配がもっともきつい方向(つまり等電位線が最も密になっている方向)が電場の方向となる<ref name=duffin60>{{Harvnb|Duffin|1980|p=60}}</ref>。
 
 
 
=== 電磁気学 ===
 
{{Main|電磁気学|古典電磁気学}}
 
[[ファイル:Electromagnetism.svg|thumb|left|140px|電流の周囲には磁場がある。]]
 
1821年、エルステッドは電流の流れる導線の周囲に[[磁場]]が存在することを発見し、電気と磁気に直接的な関係があることがわかった。さらにその相互作用は当時自然界に存在することがわかっていた重力や静電気力とも異なるようだった。方位磁針にかかる力は単に電流の流れる導線との間の引力や斥力といったものではなく、それとは直角な方向の力である<ref name=berkson/>。エルステッドはこれを「電気的衝突は回転するように働く」とやや不明瞭に表現した。この力は電流の向きにも依存し、電流を逆向きに流すと力の向きも反対になる<ref>{{Harvnb|Thompson|2004|p=79}}</ref>。
 
 
 
エルステッドはその発見を完全には解明しなかったが、その現象が相互的であることは述べている。すなわち、電流が磁石に力を及ぼすと同時に、磁場が電流に力を及ぼすということである。この現象をさらに研究したのが[[アンドレ=マリ・アンペール]]で、2つの平行な導線にそれぞれ電流を流すと相互に力を及ぼすことを発見した。同じ方向に電流を流すと2つの導線が引き付けあい、逆方向に電流を流すと反発しあう<ref name="elec_princ_92-93">{{Harvnb|Morely|Hughes|1994|pp=92–93}}</ref>。この相互作用はそれぞれの電流によって生じる磁場同士が介在して起きるもので、[[アンペア]]という単位の定義にもこの現象が使われている<ref name="elec_princ_92-93"/>。
 
 
 
[[ファイル:Electric motor cycle 3.png|thumb|電動機は電磁気学の重要な現象を利用している。電流が磁場を通ると電流および磁場の向きに対して直角の力を受ける。]]
 
この磁場と電流の関係は極めて重要であり、この現象からマイケル・ファラデーが1821年に[[電動機]]を発明した。ファラデーの[[単極電動機]]は[[永久磁石]]が[[水銀]]のプールの中央につき立てられた状態になっている。その上から導線が垂らされていて先端が水銀に浸っている。導線に電流を流すと接線方向に力が働き、導線が磁石の周囲を回るように動く。
 
 
 
1831年、ファラデーは導線を磁場を横切るように移動させるとその両端に電位差が生じることを発見した。これが[[電磁誘導]]であり、さらなる研究によって[[ファラデーの電磁誘導の法則]]と呼ばれる法則を見出した。すなわち、回路に乗じる電位差は、回路を貫く[[磁束]]の変化の割合に比例するという法則である。この発見を応用し、ファラデーは銅の円盤を回転させる機械エネルギーを電気エネルギーに変換する世界初の[[発電機]]を1831年に発明した。このファラデーの円盤は原始的なもので実用可能なレベルではなかったが、磁気を使って発電できる可能性を示した。
 
 
 
ファラデーとアンペールの業績により、時間と共に変化する磁場が電場を生み出し、時間と共に変化する電場が磁場を生み出すことが示された。つまり、電場または磁場が時間と共に変化すれば、もう一方の場が必然的に誘導される<ref name=uniphysics_696-700>{{Harvnb|Sears|1982|pp=696–700}}</ref>。このような現象は[[波動]]の性質を持っており、一般に[[電磁波]]と呼ばれる。電磁波については1864年に[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル]]が理論的に解析した。マクスウェルは、電場、磁場、電荷、電流の関係を明確に示す一連の方程式を導出。また彼は電磁波が[[光速]]で伝播することを証明し、光も電磁放射の一種であることを示した。[[マクスウェルの方程式]]は光、場、電荷を統合し、理論物理学における重要な進歩となった<ref name=uniphysics_696-700/>。
 
 
 
== 電気回路 ==
 
[[ファイル:Ohms law voltage source.svg|thumb|200px|left|基本的な[[電気回路]]。左側の[[電圧源]] ''V'' が回路に[[電流]] ''I'' を流す。それによって[[抵抗器]] ''R'' に[[電力量|電気エネルギー]]を供給し、電流は電圧源に戻る。]]
 
{{Main|電気回路}}
 
 
 
光や動力を得たり、有用な計算をさせるために、[[電気素子]]を[[電気伝導体]]で繋いだものを、電気回路という。電気回路は、[[抵抗器]]、[[インダクタ]]、[[コンデンサ]]、[[スイッチ]]、[[変圧器]]、その他の電子部品などから成る。[[電子回路]]には[[半導体]]などの[[能動素子]]が使われており、[[非線形システム論|非線形]]な挙動を示すため、それを表すには[[複素解析]]が必要である。最も単純な電気回路部品は[[受動素子]]でかつ[[線型性]]を示すもので、一時的にエネルギーを蓄えられるが電力源は含まず、入力に対して線形に反応する<ref name=ec_3>{{Harvnb|Edminister|1965}}</ref>。
 
 
 
[[抵抗器]]は最も単純な受動素子である。名前が示す通りそれを通る電流に対して[[電気抵抗]]を示し、エネルギーの一部を熱に変換する。電気抵抗は導体内を電荷が移動する結果生じる。例えば金属では主に電子同士やイオン同士の衝突によって電気抵抗が生じる。電気工学の基本法則である[[オームの法則]]によれば、抵抗器を流れる電流はその両端の電位差に比例する。多くの物質の電気抵抗値は、広範囲の温度や電流値に対してほぼ一定である。抵抗値の単位[[オーム]]は[[ゲオルク・オーム]]に因んで命名されたもので、ギリシア文字 Ω で表す。1Ωの抵抗器に1ボルトの電位差を印加すると1アンペアの電流が流れる<ref name=ec_3/>。
 
 
 
[[コンデンサ]]は電荷を蓄える機能を持つ素子で、蓄えた電荷によって生じた電場にエネルギーを蓄える。概念的には薄い絶縁層を2枚の導体の板で挟んだ形状で、[[静電容量]]を増すために体積に対して表面積を増やすべく、実際には金属薄膜をコイル状に巻いている。静電容量の単位[[ファラド]]は[[マイケル・ファラデー]]に因んで命名されたもので、''F'' で表す。1ファラドのコンデンサに1クーロンの電荷を蓄えると1ボルトの電位差が生じる。コンデンサを電圧源に接続すると、最初は電流が流れて電荷が蓄積される。しかし、電荷が蓄えられていくと電流は時間と共に減少し、最終的に全く流れなくなる。従ってコンデンサでは定常電流([[直流]])が流れることはなく、むしろそれを阻止する性質がある<ref name=ec_3/>。
 
 
 
[[コイル]]は一般に導線の[[巻線]]であり、そこに流れる電流によって生じた磁場にエネルギーを蓄える素子である。電流が変化するとその磁場も変化し、[[誘導起電力]]が生じる。その誘導起電力は電流の時間変化に比例し、その比例定数を[[インダクタンス]]と呼ぶ。インダクタンスの単位[[ヘンリー]]は[[ジョセフ・ヘンリー]]に因んだもので、''H'' で表す。1ヘンリーのコイルに1秒間に1アンペアの割合で変化する電流を流すと、1ボルトの誘導起電力が生じる<ref name=ec_3/>。コイルはある意味でコンデンサとは逆の作用をし、定常電流は自由に流れるが、電流の急激な変化は阻止しようとする。
 
 
 
応用面の話題については[[電気工学]]も参照。
 
== 発電と電気の利用 ==
 
=== 発電と送電 ===
 
[[ファイル:Nuclear.power.plant.Dukovany.jpg|thumb|200px|チェコのDukovany原子力発電所。冷却塔から廃熱のための蒸気が出ている。]]
 
{{Main|発電}}
 
{{seealso|送電|配電}}
 
前述の通り、電気エネルギーはさまざまな形態のエネルギーへの変換が容易であり、伝送も比較的簡単であるので、現代ではさまざまな分野で必要不可欠のものとなっている。非電気エネルギーを電気に変換することを、発電と呼ぶ。
 
 
 
タレスの琥珀棒の実験は、電気エネルギー生産の最初期の研究だった。その[[摩擦帯電]]現象は軽い物なら引き寄せることができ、火花を発生させることもあるが、発電方法としては極めて非効率である<ref name=batteries>{{Harvnb|Dell|Rand|2001|pp=2-4}}</ref>。史上初の実用的な電力源は18世紀に発明された[[ボルタ電池]]である。ボルタ電池から始まった[[電池]]はエネルギーを化学的に蓄え、そこから必要に応じて電気エネルギーを引き出して使うことができる<ref name=batteries/>。電池は様々な用途に使える一般的な電力源だが、蓄えているエネルギー量は有限であり、完全に放電すると再充電するか廃棄するしかない。電気エネルギーへの大きな需要に応えるためには、継続的に発電し、電線を通してそれを送電する必要がある。
 
 
 
電力は主に[[水蒸気]]で駆動される[[発電機]]で発電され、水蒸気を発生させるための熱源としては[[化石燃料]]の燃焼や[[原子力発電|核分裂反応]]の発生する熱が使われている。あるいは水流や風の持つ[[運動エネルギー]]を利用して発電機を駆動する場合もある。[[蒸気タービン]]は1884年に[[チャールズ・アルジャーノン・パーソンズ]]が発明し、何らかの熱源で蒸気タービンを回して発電することで今では全世界の80%の[[電力]]を得ている。そういった発電機は1831年の[[発電機#ファラデーの円盤|ファラデーの円盤]]とは似ても似つかないものだが、磁場を横切る形で移動する伝導体の両端に電位差が生じるという[[ファラデーの電磁誘導の法則]]に従って発電している<ref>{{Harvnb|McLaren|1984|pp=182-183}}</ref>。19世紀末に[[変圧器]]が発明され、高電圧低電流でより効率的に電力を送ることが可能になった。[[送電]]が効率化されたことで1つの大きな[[発電所]]で発電して広い地域に電力を供給できるようになり、[[規模の経済]]の効果が発揮されるようになる<ref name=Patterson_p44-48>{{Harvnb|Patterson|1999|pp=44–48}}</ref>。
 
 
 
[[ファイル:Parque eólico La Muela.jpg|thumb|right|[[風力発電]]は世界各国で重要性が増しつつある。]]
 
国家規模の電力需要を賄えるほど電気エネルギーを蓄えるのは容易ではないため、電力網には常に必要とされるだけの電気エネルギーを供給し続ける必要がある<ref name=Patterson_p44-48/>。そのためには常に電力需要を注意深く予測し、発電所間で常に連携する必要がある。ある程度の発電能力は、急激な電力需要増や何らかの障害への対策としてとって置く必要がある。
 
 
 
国が近代化し経済発展すると共に、電力需要は急激に増大する。アメリカ合衆国では20世紀の最初の30年間、毎年12%電力需要が増加し<ref>{{Citation| last = Edison Electric Institute| title = History of the U.S. Electric Power Industry, 1882-1991| url= http://www.eia.doe.gov/cneaf/electricity/chg_stru_update/appa.html| accessdate = 2007-12-08}}</ref>、最近では発展の著しいインドや中国が似たような増加傾向を示している<ref>{{Citation| last = IndexMundi| title = China Electricity - consumption| url= http://www.indexmundi.com/china/electricity_consumption.html| accessdate = 2007-12-08}}</ref>。歴史的に見て、電力需要の成長率は他のエネルギー形態のそれよりも急激だった<ref>{{Harvnb|National Research Council|1986|p=16}}</ref>。
 
 
 
環境問題への懸念から、[[風力発電]]や[[水力発電]]といった[[再生可能エネルギー]]に注目が集まりつつある。様々な発電技法の環境への影響が議論される中で、これらは相対的にクリーンだとされている<ref>{{Harvnb|National Research Council|1986|p=89}}</ref>。
 
 
 
=== 利用 ===
 
[[ファイル:Gluehlampe 01 KMJ.png|right|thumb|180px|[[電球]]は[[ジュール熱]]によって[[フィラメント]]を発光させる。]]
 
電気はエネルギーの形態としては極めて柔軟であり、その用途は極めて幅広い<ref>{{Citation| first = Matthew | last = Wald| title = Growing Use of Electricity Raises Questions on Supply| newspaper = New York Times| url= http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9C0CE6DD1F3AF932A15750C0A966958260| date = 21 March 1990| accessdate = 2007-12-09}}</ref>。1870年代に実用的な[[電球]]が発明され、[[照明]]が電力の用途として最初に一般に普及した。照明に電気を使うことは新たな危険性を伴っていたが、同時にガス灯などの火をそのまま使う従来の技法に付きまとっていた火災の危険性を大きく低減させることになった<ref>{{Harvnb|d'Alroy Jones|1967|p=211}}</ref>。電力網は電気照明のためにまず大都市圏から急激に整備され始めた。
 
 
 
電球が利用している[[ジュール熱]]現象は、より直接的に[[電気ストーブ]]でも利用されている。電気エネルギーをジュール熱に変換して利用することは制御が容易で便利だが、元々の発電で熱エネルギーを電気エネルギーに変換していることを考えると大きな無駄ともいえる<ref>{{Harvnb|ReVelle|1992|p=298}}</ref>。デンマークなどの多くの国々で、新たに建設する建物で電気を熱源として利用することを制限または禁止する法律が成立している<ref>{{Citation| last = Danish Ministry of Environment and Energy| work = Denmark´s Second National Communication on Climate Change| title = F.2 The Heat Supply Act| url= http://glwww.mst.dk/udgiv/Publications/1997/87-7810-983-3/html/annexf.htm| accessdate = 2007-12-09 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20080108011443/http://glwww.mst.dk/udgiv/Publications/1997/87-7810-983-3/html/annexf.htm |archivedate=2008年1月8日}}</ref>。しかしながら電気は[[冷却]]<ref>{{Harvnb|Brown|2002}}</ref>や[[空気調和設備|空調]]のエネルギー源としてよく使われていて、その分野の需要増が電力需要全体を押し上げている<ref>{{Citation| first = B. | last = Hojjati| first2 = S. | last2 = Battles| title = The Growth in Electricity Demand in U.S. Households, 1981-2001: Implications for Carbon Emissions| url= http://www.eia.doe.gov/emeu/efficiency/2005_USAEE.pdf| accessdate = 2007-12-09}}</ref>。
 
 
 
電気は[[電気通信]]にも使われている。中でも[[電信]]は1837年、[[チャールズ・ホイートストン]]と{{仮リンク|ウィリアム・フォザギル・クック|en|William Fothergill Cooke}}が最初に商業化した。1860年代には大陸間の電信網、さらには[[大西洋横断電信ケーブル]]ができ、電気によって数分で世界中に通信可能となった。[[光ファイバー]]技術も通信の一部を担うようになったが、やはり通信の大部分は電気が担っている。
 
 
 
電磁気学的現象を目に見える形で使っている例として[[電動機]]があり、クリーンで効率的な動力源となっている。[[ウインチ]]など据え置き型では電力供給が容易だが、[[電動輸送機器]]のような電動機自体が移動する用途では、電池を搭載して電力を供給するか、[[集電装置]]のような機構で電力を供給する必要があり、移動距離や移動範囲が制限されている。
 
 
 
20世紀最大の発明の1つである[[トランジスタ]]<ref>{{Harvnb|Herrick|2003}}</ref>は、現代のあらゆる[[電子回路]]の基本素子である。最近の[[集積回路]]には、数センチ平方メートルの中に数十億個の微細なトランジスタが含まれている。
 
 
 
== 日常用語における電気 ==
 
日常的に'''電気'''という場合、下記のように様々な意味で用いられる。
 
* [[電荷]]または[[電流]](例: 「電気が流れる」)
 
* 電流を流す力([[電圧]]、[[起電力]]と同義)
 
* [[エネルギー]]の一種([[電力]]または[[電力量]]と同義)
 
* [[電球]]、または電気を使用した[[照明]]器具の[[通称|俗称]](例: 「電気をつける」)
 
* 電気屋 - [[家庭用電気機械器具|家電製品]]を販売する店([[電器店]])。電気そのものを販売しているのは[[電力会社]]であるが、一般的にそれを指して言うことはほぼ無い。ただし、電気に携わる研究者ないし技術者が自らを「電気屋」と呼称する事はあり得る。
 
* [[商用電源]](電力会社が販売する電力)の俗称
 
 
 
== 電気と自然界 ==
 
=== 生理学的効果 ===
 
{{Main|感電}}
 
人間の身体に電圧がかかると細胞に電流が流れ、比例関係にあるわけではないが、電圧が高いほど流れる電流も大きくなる<ref name=tleis>{{Harvnb|Nasser|2008|pp=552–554}}</ref>。知覚されるしきい値は供給周波数や電流の流れる経路によって異なるが、知覚されやすい周波数でだいたい0.1mAから1mAである。ただし、条件によっては1μAであっても電気振動を知覚する場合がある<ref>{{Harvnb|Sverre|2000|pp=301-309}}</ref>。電流が十分強ければ筋肉が収縮し、心臓の筋肉が細動し、[[熱傷]]を生じる<ref name=tleis/>。電気伝導体が帯電しているかどうかは一見しただけではわからないため、電気は一般に危険なものとされている。感電による苦痛は強烈な場合もあるため、電気は[[拷問]]の手法にも採用されてきた。感電によって死に至ることもある。[[死刑]]の手段として感電を使う[[電気椅子]]もあるが、最近ではそういった死刑手段は使われなくなる傾向にある<ref>{{Harvnb|Lipschultz|Hilt|2002|p=95}}</ref>。逆に人工的な電気エネルギーで生体電気現象の復帰を促す[[治療]]方法として[[電気的除細動]]がある。
 
 
 
=== 自然界における電気現象 ===
 
[[ファイル:Electric-eel2.jpg|thumb|right|デンキウナギ ''Electrophorus electricus'']]
 
電気は人類の発明品ではなく、自然界にも様々な形で見られ、その代表例が[[放電]]現象の[[雷]]である。放電現象には他に[[セントエルモの火]]もある。[[皮膚感覚|触覚]]や[[摩擦]]による[[静電気]]や[[化学結合]]といった巨視的レベルでよく見られる相互作用は、原子スケールでの電場間の相互作用に起因している。[[地磁気]]は地球の核を流れる電流で生まれた天然の[[ダイナモ]]によって生じていると考えられている([[ダイナモ理論]]<ref>{{Harvnb|Encrenaz|2004|p=217}}</ref>。[[石英]]や[[砂糖]]のような結晶は、圧力を加えられると電位差を生じる<ref name=crystallography>{{Harvnb|Lima-de-Faria|Buerger|1990|p=67}}</ref>。これを[[圧電効果]]と呼び、1880年に[[ピエール・キュリー]]とジャック・キュリーが発見した。この効果は可逆的で、圧電性のある物質に電圧を印加すると、その形状が微妙に変化する<ref name=crystallography/>。
 
 
 
[[サメ]](とくに[[シュモクザメ]])などの生物は電場の変化を知覚し反応する。これを[[電気受容感覚]]と呼ぶ<ref name=Biodynamics>{{Harvnb|Ivancevic|2005|p=602}}</ref>。捕食や防御のために自ら電気を発生させる生物もあり、それを[[生物発電]]と呼ぶ<ref name=Electroreception>{{Harvnb|Bullock|2005|pp=5-7}}</ref>。例えば[[デンキウナギ目]]の[[デンキウナギ]]は筋肉細胞が変化した「発電板」を持ち、高電圧を発生することで獲物を探し麻痺させる<ref name=Electroreception/><ref name=morris>{{Harvnb|Morris|2003|pp=182-185}}</ref>。全ての動物は細胞膜に沿って[[活動電位]]と呼ばれる電圧パルスを発生させて情報を伝え、[[神経細胞]]による神経系によって[[筋肉]]まで情報伝達する<ref name="neural science">{{Harvnb|Kandel|Schwartz|Jessell|2007|pp=27-28}}</ref>。[[感電]]はこのシステムを刺激し、筋肉を収縮させる<ref>{{Harvnb|Davidovits|2007|pp=204-205}}</ref>。活動電位は特定の植物や動物においてその活動を調整する役目を果たしている<ref name="neural science"/>。[[心電図]]や[[筋電図]]はそういった神経系の電位差を測定して図示するもので、[[脳波]]は脳内の電気活動を間接的に測定して図示するものである。
 
 
 
== 文化と電気 ==
 
[[ファイル:Nikola Tesla, with his equipment Wellcome M0014782.jpg|thumb|ラボで実験をするニコラ・テスラ]]
 
19世紀から20世紀初めにかけて、産業が発達していた[[西洋]]においても一般大衆にとって電気は日常生活の一部ではなかった。当時の[[大衆文化]]では電気を不思議な魔法のような力として描くことが多く、生きものを殺したり、死者を蘇らせたり、自然の法則に反する力を発揮するものとして描かれていた<ref name="Van Riper 69">{{Harvnb|Van Riper|2002|p=69}}</ref>。そのような見方は1771年、[[ルイージ・ガルヴァーニ]]が[[動物電気]]を応用して死んだカエルの脚をけいれんさせる実験を行ったことに端を発している。そして、明らかに死んだ人間が電気の刺激で息を吹き返したという話がガルヴァーニの研究のすぐ後に医学誌に報告された。『[[フランケンシュタイン]]』(1819) を書いた[[メアリー・シェリー]]もそれらの話を知っていたが、彼女は怪物を生き返らせた方法について特に固有名詞を挙げていない。電気を使った怪物の復活は後のホラー映画の定番となった。
 
 
 
[[第二次産業革命]]の生命線として電気が徐々に大衆にもなじみのあるものになっていくと、肯定的に捉えられることが多くなっていった<ref name="Van Riper 71">{{Harvnb|Van Riper|2002|p=71}}</ref>。[[ラドヤード・キップリング]]は1907年の詩 ''[[:en:Sons of Martha|Sons of Martha]]'' で、電気に関わる技師について "finger death at their gloves' end as they piece and repiece the living wires"(手袋の端で死に触れ、生きたワイヤーを繕う)と記している<ref name="Van Riper 71" />。[[ジュール・ヴェルヌ]]の作品や《[[トム・スイフト]]》ものなどの冒険小説では、電気を動力源とする乗り物が重要な役割を演じた<ref name="Van Riper 71" />。[[トーマス・エジソン]]、[[チャールズ・スタインメッツ]]、[[ニコラ・テスラ]]といった科学者も含めて、実在か架空かを問わず電気に精通した人は一般に大衆からは魔法使いのような力を持っているとみなされた<ref name="Van Riper 71" />。
 
 
 
20世紀後半には電気は物珍しいものから日常生活に不可欠なものへと変貌し、なんらかの災害が起きたことを示すことの多い「停電」のときだけ注意を惹くようになった<ref name="Van Riper 71" />。停電がおきないよう電力網を維持している作業員たちは[[グレン・キャンベル]]のヒット曲「[[ウィチタ・ラインマン]]」 (1968) で無名のヒーローとして歌われている<ref name="Van Riper 71" />。
 
 
 
== 脚注・出典 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
{{Refbegin|2}}
 
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* {{Citation| first = William | last = Berkson| title = Fields of Force: The Development of a World View from Faraday to Einstein| publisher = Routledge| year = 1974| isbn = 0-7100-7626-6}}
 
* {{Citation| first = Charles E. | last = Brown| title = Power resources| publisher = Springer| year = 2002| isbn = 3540426345}}
 
* {{citation| first = Theodore H. | last = Bullock| title = Electroreception| publisher = Springer| year = 2005| isbn = 0387231927}}
 
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電流や摩擦電気,放電など,[[電荷]]の関連する現象を一般に電気あるいは電気現象という。古代ギリシア人は,摩擦電気による現象とは認識していなかったものの,装飾品として用いていた琥珀が軽い紙きれなどをひきつけることを知っていた。エレクトリシティは琥珀のギリシア語エレクトロンに由来している。電荷の大小を電気量,電荷の移動を電流という。
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== 関連項目 ==
 
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{{ウィキポータルリンク|エレクトロニクス}}
 
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* [[アンペールの法則]]
 
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* [[電力会社]] - [[商用電源]]
 
* [[電力機器]]
 
* [[家庭用電気機械器具]]
 
* [[電気自転車]]
 
 
== 外部リンク ==
 
{{Sisterlinks|commons=Electricity}}
 
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* [http://www.hometips.com/hyhw/electrical/electric.html Illustrated view of how an American home's electrical system works]
 
* [http://users.pandora.be/worldstandards/electricity.htm Electricity around the world]
 
* [http://amasci.com/miscon/elect.html Electricity Misconceptions]
 
* [http://www.micro.magnet.fsu.edu/electromag/java/index.html Electricity and Magnetism]
 
* [http://steverose.com/Articles/UnderstandingBasicElectri.html  Understanding Electricity and Electronics in about 10 Minutes]
 
 
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電気(でんき、: electricity

電流や摩擦電気,放電など,電荷の関連する現象を一般に電気あるいは電気現象という。古代ギリシア人は,摩擦電気による現象とは認識していなかったものの,装飾品として用いていた琥珀が軽い紙きれなどをひきつけることを知っていた。エレクトリシティは琥珀のギリシア語エレクトロンに由来している。電荷の大小を電気量,電荷の移動を電流という。

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