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防衛装備庁(ぼうえいそうびちょう、英語:Acquisition, Technology & Logistics Agency、略称:ATLA)は、装備品等について、その開発及び生産のための基盤の強化を図りつつ、研究開発、調達、補給及び管理の適正かつ効率的な遂行並びに国際協力の推進を図ることを任務とする、防衛省外局である。2015年平成27年)10月1日に発足した[1]

概要

防衛装備品の開発・取得・輸出を一元的に担う機関とされている。この意味では、太平洋戦争中に設けられた軍需省に通じるものがあるが、当時の軍需省は商工省(現・経済産業省)を改組して設置されたものであり、防衛省の外局として設置する本組織とは根本的に異なる。(なお、任務は全く異なるものの名称が類似していた防衛施設庁2007年〈平成19年〉廃止)は、「防衛庁に設置される機関」として設置され、防衛庁が防衛省となった2007年1月以降は「防衛省の外局」であった。)

政府は、2015(平成27)年度予算概算要求で防衛装備庁設置のための予算を要求しており[2][3]、同年6月10日第189回国会で防衛装備庁設置を柱とする改正防衛省設置法が成立している[4]

経理装備局の装備グループ、各幕僚監部の装備品調達部門、装備施設本部技術研究本部を集約・統合する組織と位置づけられている。職員数は約1,800名で、内訳は事務官技官等約1,400名、自衛官約400名[5][6]。また調達や装備品の輸出に関わる権限がこの機関に集中する為、先述したかつての防衛施設庁でも見られた汚職や腐敗を防ぐ処置として庁内部に20人規模の監察担当者が設置されているほか、外部からの監視体制も旧機関に比して強化された体制となっている[7]

現在、国際的に見て調達コストが高いことから、防衛装備庁を設置することで、装備品の開発と管理の一元管理を行い、防衛装備移転三原則に基づく防衛装備の輸出による生産規模を確保することや国際共同開発を行うことでコスト削減を図ることを目的としている[8][4]

所掌事務

防衛省設置法第36条に規定された任務を達成するために、防衛省設置法第4条に列記された事務のうち、第5号から第7号まで、第9号から第11号まで、第13号から第15号まで及び第32号から第34号までに掲げる事務(第8条第6号に掲げるものを除く。)をつかさどる。具体的には、以下のことに関する事務がある。

  • 職員の人事に関すること。(第5号)
  • 職員の補充に関すること。(第6号)
  • 礼式及び服制に関すること。(第7号)
  • 所掌事務の遂行に必要な教育訓練に関すること。(第9号)
  • 職員の保健衛生に関すること。(第10号)
  • 経費及び収入の予算及び決算並びに会計及び会計の監査に関すること。(第11号)
  • 所掌事務に係る装備品、船舶、航空機及び食糧その他の需品(以下「装備品等」という。)の調達、補給及び管理並びに役務の調達に関すること。(第13号)
  • 装備品等の研究開発に関すること。(第14号)
  • 前号の研究開発に関連する技術的調査研究、設計、試作及び試験の委託に基づく実施に関すること。(第15号)
  • 所掌事務に係る国際協力に関すること。(第32号)
  • 防衛大学校防衛医科大学校その他政令で定める文教研修施設において教育訓練及び研究を行うこと。(第33号)
  • 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき防衛省に属させられた事務(第34号)

組織

「防衛省組織令」(昭和二十九年六月三十日政令第百七十八号)及び「防衛装備庁内部部局の内部組織に関する訓令(平成27年防衛装備庁訓令第1号)において、防衛装備庁の編成は次のとおりとなっている。

特別な職

  • 防衛装備庁長官(防衛省設置法35条2項)- 事務次官級・政令指定職6号
  • 防衛技監(1)(政令170条)- 政令指定職5号
  • 技術顧問(12人以内)(防衛装備庁の技術顧問に関する省令1)

次長の官職はない。

内部部局

  • 長官官房(政令171条)
    • 装備官(4)(政令178条1項)
    • 審議官(1)
    • 総務官(1人)(政令180条)
    • 人事官(1)
    • 会計官(1)
    • 監察査察・評価官(1)
    • 装備開発官(4)
    • 船舶設計官(1)

長官官房には官房長の官職がない。また、課を置かず、課長に準ずる官職が置かれている。装備開発官は船舶を除く装備品等の考案及び試作に関する事務をシステム装備、陸上装備、艦船搭載装備及び航空機装備の4分野に分け、1人につき1分野を分掌している。

  • 装備政策部
    • 装備政策課(政令187条)
    • 国際装備課
    • 装備制度管理官(1)
  • プロジェクト管理部
    • プロジェクト管理総括官(3)(政令179条1項)
    • 事業計画官(1)(政令191条)
    • 統合装備計画官(1)
    • 事業監理官(3)
    • 装備技術官(3)
  • 技術戦略部
    • 革新技術戦略官(1)(政令179条1項)
    • 技術戦略課(政令196条)
    • 技術計画官(1)
    • 技術振興官(1)
  • 調達管理部
    • 調達企画課(政令200条)
    • 原価管理官(1)
    • 企業調査官(1)
  • 調達事業部
    • 調達総括官(1)(政令179条1項)
    • 総括装備調達官(2)(訓令31条1項)[9]
    • 需品調達官(1)(政令204条)
    • 武器調達官(1)
    • 電子音響調達官(1)
    • 艦船調達官(1)
    • 通信電機調達官(1)
    • 航空機調達官(1)
    • 輸入調達官(1)

施設等機関

  • 航空装備研究所(政令213条)
    • 研究企画官(1)(防衛装備庁施設等機関組織規則(以下、省令と表記)3条1項)
    • 管理部(省令4条)
    • 航空機技術研究部
    • エンジン技術研究部
    • 誘導式武器技術研究部
    • 土浦支所(省令11条2項)
    • 新島支所
  • 陸上装備研究所
    • 研究企画官(1)(省令14条1項)
    • 総務課(省令15条)
    • システム研究部
    • 弾道技術研究部
    • 機動技術研究部
  • 艦艇装備研究所
    • 研究企画官(1)(省令22条2項)
    • 総務課(省令23条)
    • システム研究部
    • 航走技術研究部
    • 探知技術研究部
    • 川崎支所(省令28条2項)
  • 電子装備研究所
    • 研究企画官(1)(省令31条2項)
    • 総務課(省令32条)
    • 情報通信技術部
    • センサ研究部
    • 電子対処研究部
    • 飯岡支所(省令37条2項)
  • 先進技術推進センター
    • 総括研究管理官(1)(省令40条1項)
    • 研究管理官(3)(省令41条1項)
    • 目黒地区
  • 千歳試験場(2018年(平成30年)4月1日に札幌試験場から名称変更[10]。)
  • 下北試験場
  • 岐阜試験場

審議会等

  • 防衛調達審議会(政令212条)

主要幹部

防衛装備庁長官は防衛審議官とともに政令で規定される指定職6号の役職であるとともに、防衛会議の構成員も務める[11]

官職名 氏名 補職発令日 前職
防衛装備庁長官 深山延暁 2018年08月03日 地方協力局長
防衛技監 外園博一 2015年10月01日 大臣官房技術監
長官官房審議官 藤井敏彦 2017年07月05日 経済産業省関東経済産業局
長官官房装備官(統合装備担当) 山岡建夫 2017年04月01日 技術戦略部技術戦略課長
長官官房装備官(陸上担当) 柴田 昭市 2018年08月01日 第1師団
長官官房装備官(海上担当) 佐藤直人 2017年12月20日 海上自衛隊補給本部
長官官房装備官(航空担当) 内倉 浩昭 2018年08月01日 航空幕僚監部防衛部長
装備政策部長 土本英樹 2018年08月03日 大臣官房審議官
プロジェクト管理部長 石川武 2017年08月01日 内閣府国際平和協力本部事務局次長
技術戦略部長 三島茂徳 2017年04月01日 プロジェクト管理部事業監理官(艦船担当)
調達管理部長 水野谷賢司 2018年08月03日 長崎支局長
調達事業部長 佐々木正人 2017年08月01日 防衛省大臣官房監査課長
歴代の防衛装備庁長官
氏名 在職期間 出身校 前職
01 渡辺秀明 2015年10月01日 - 2017年07月28日 慶應義塾大学工学部 技術研究本部長
02 鈴木良之 2017年07月28日 - 2018年08月03日 中央大学法学部 人事教育局長
03 深山延暁 2018年08月03日 - 東京大学経済学部 地方協力局長

脚注

関連項目

外部リンク