「関越自動車道高速バス居眠り運転事故」の版間の差分

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(運転手)
 
 
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{{Infobox 事故
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{{テンプレート:20180815sk}}
|image = [[ファイル:藤岡JCT航空写真1986-001.jpg|200px]]
 
|caption = 航空写真。{{国土航空写真}}。写真中央右の、市道が東西にアンダーパスしている部分が事故現場である。
 
|date = [[2012年]](平成24年)[[4月29日]]
 
|time = 4時40分頃([[日本標準時|JST]])
 
|place = [[群馬県]][[藤岡市]]岡之郷<br />([[関越自動車道]]上り車線)
 
|coordinates = {{coord|36|16|24.9|N|139|05|44.5|E|region:JP-10_type:landmark|display=inline,title}}
 
|suspects =
 
|reported death(s) = 7人
 
|reported injuries = 39人
 
}}
 
'''関越自動車道高速バス居眠り運転事故'''(かんえつじどうしゃどう こうそくバスいねむりうんてんじこ)とは、[[2012年]]([[平成]]24年)[[4月29日]]に[[群馬県]][[藤岡市]]岡之郷の[[関越自動車道]]上り線[[藤岡ジャンクション]]付近で都市間[[ツアーバス]]が[[防音壁]]に衝突した[[交通事故]]。[[乗客]]7人が死亡、乗客乗員39人が重軽傷を負った。
 
 
 
この事故を契機に高速ツアーバスは廃止され、[[高速バス|新高速乗合バス]]に集約されることになった。
 
 
 
== 事故概要 ==
 
{{multiple image
 
| direction = vertical
 
| footer    = 防音壁に激突した様子を再現したモデル
 
| width    = 250
 
| image1    = Kan-etsu Exp bus crash just before.png
 
| alt1      = 激突直前の状態
 
| image2    = Kan-etsu Exp bus crash.png
 
| alt2      = 激突直後の状態
 
}}
 
<!--[[File:Tentetsu-bus 674 P-MS729S.jpg|thumb|300px|事故車両と同形の車両(てんてつバス)]]-->
 
事故に遭った[[ツアーバス]]は、[[大阪府]][[豊中市]]の[[旅行代理店|旅行会社]]「株式会社[[ハーヴェストホールディングス]]」が主催する都市間ツアーバス<ref>ハーヴェストホールディングスは「[[高速バス]]」と称している。</ref>「ハーヴェストライナー」で、[[千葉県]][[印西市]]の[[観光バス|貸切バス]]会社「有限会社陸援隊」<ref>同社の貸切バスのブランド名は同社の旧社名でもある「針生エキスプレス」(Hariu Express)。</ref> が運行していた。このツアーバスの金沢・富山 - [[関東地方|関東]]間の片道「旅行代金」は3,000円台で、同区間の高速路線バスの[[運賃]]の半分以下と格安であった<ref>東京 - 金沢間、東京 - 高岡間の高速路線バスの運賃は7,000円台である([http://www.kakuyasubus.jp/kanto_hokuriku/index.html JRバス]、[http://www.hokutetsu.co.jp/bus/highway/01shibuya.html 西東京バス・北陸鉄道]、[http://www.ncbbus.co.jp/hbus/time51.htm 日本中央バス]、[http://www.kaetsunou.co.jp/kou/kousoku.html 西武バス・加越能鉄道]、ただし格安便である「青春ドリーム金沢号」は5,000円)。</ref>。車種は[[三菱ふそう・エアロエース|三菱ふそう・エアロクイーンMV]](P-MS729S)だった。
 
 
 
当該便は2012年(平成24年)[[4月28日]]22時過ぎに[[金沢駅]]前を出発し、途中、[[富山県]][[高岡市]]で乗客を乗せた。この時点でバスには[[新宿駅]]あるいは[[東京駅]]までの38人、[[東京ディズニーランド]]までの7人、計45人の乗客と運転手1人のあわせて46人が乗っていた<ref name="wsj">{{Cite web|url= http://jp.wsj.com/Japan/node_434924|title=大型バスが壁に激突、7人死亡=関越自動車道、39人けが-窓ガラス割り救出・群馬 |publisher=[[ウォールストリートジャーナル]] |date=2012-04-29 |accessdate=2012-05-01 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120502095553/http://jp.wsj.com/Japan/node_434924 |archivedate=2012-05-02 }}</ref>。そして翌4月29日4時40分頃、群馬県藤岡市岡之郷の関越自動車道上り線藤岡ジャンクション付近で防音壁に衝突。バスは大破して、7人が死亡、2人が重体、12人が重傷、25人が軽傷を負うなど、乗員乗客46人全員が死傷する事故となった<ref name="wsj"/>。
 
 
 
本件事故現場は片側3車線の緩やかな左カーブで、バスは道路左側の[[ガードレール]]に接触し、そのまま高さ約3[[メートル|m]]、厚さ12[[センチメートル|cm]]の金属製の防音壁<ref name="wall">{{Cite web|url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120501-OYT1T00680.htm?from=navlp |title=防音壁とガードレール、「隙間」に高速バス突入 |publisher=[[読売新聞]] |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120502012313/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120501-OYT1T00680.htm?from=navlp |archivedate=2012-05-02 }}</ref> 端面に車体正面から衝突した。全長12メートルのバスに防音壁が、あたかも突き刺さったかのような形で約10.5メートルめりこんだ<ref>"防音壁10メートルめりこむ" 2012年(平成24年)5月1日付 朝日新聞朝刊(大阪本社13版)27面</ref>。防音壁と直前区間にあるガードレールには10cmの隙間があり、このことが被害が拡大化した可能性があると指摘されている<ref>{{Cite web|date=2011-05-02|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050200520000-n1.htm|title=衝突軽減へ遮蔽物も 防音壁など危険箇所に対策|publisher=[[産経新聞]]|accessdate=2012-05-22|archiveurl=http://web.archive.org/web/20120501211724/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050200520000-n1.htm|archivedate=2012-05-01}}</ref>。犠牲者の7人は全て進行方向に向かって左側の席に座っていた乗客で、うち6人は前から5列目までの乗客であり、軽傷者のほとんどは右側の乗客だった<ref>{{Cite web|url=http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E2E3E2E29F8DE2E3E2E7E0E2E3E09191E2E2E2E2 |title=死亡7人すべて左側、座席で明暗 関越道バス事故 |publisher=[[日本経済新聞]] |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 }}</ref>。犠牲者の死因は大半が圧死で[[リクライニングシート]]を傾けて寝ていたと見られている<ref name="wall"/>。現場にブレーキ痕やスリップ痕は見つかっておらず、運転手は[[群馬県警察|群馬県警]]に「[[居眠り運転|居眠りしていた]]」と説明した。バスの[[速度計]]は92[[キロメートル毎時|km/h]]を示した状態で止まっており、90 – 100&nbsp;km/h程度で衝突したと推定される。
 
 
 
事故発生後、4時51分に[[高崎市等広域消防局]]が事故発生を覚知した。これにより午前5時に、関越自動車道上りの高崎ICから本庄児玉ICの間と、北関東自動車­道西行きの前橋南ICから高崎JCTの間が通行止めとなった。現場に到着した高崎市等消防局の[[高度救助隊]]や[[救急隊]]により救助活動・救急活動を実施し[[多野藤岡広域市町村圏振興整備組合消防本部]]の救助隊・救急隊も出場したほか[[前橋市消防本部]]、[[渋川広域消防本部]]、[[利根沼田広域消防本部]]、[[伊勢崎市消防本部]]の救急部隊にも増強要請が入る。5時10分に災害派遣医療チーム「群馬[[災害派遣医療チーム|DMAT]]」や[[災害拠点病院]]である[[前橋赤十字病院]]に第一報が入った。群馬県医務課と消防の間に[[ホットライン]]がなかったことから死傷者が多数出ていることが確認されたのが5時40分、初動救護班が到達した7時15分には[[トリアージ]]が終わり、重傷者はすでに搬送された後であった<ref>{{Cite web|url=http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012050190093847.html |title=現場到着は2時間半後 関越バス事故 群馬DMAT |publisher=[[東京新聞]] |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 }}{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>。この通行止めが解除されたのは正午頃である。
 
{{-}}
 
 
 
=== 死者 ===
 
[[日本の高速道路]]の単独車両による事故としての死者7人は、日本国内では前例がないほど多数であった<ref>{{Cite web|url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120430-OYT1T00074.htm |title=前例なき「7人死亡」…高速道大型バス単独事故 |publisher=読売新聞 |date=2012-04-30 |accessdate=2012-04-30 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120502001752/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120430-OYT1T00074.htm? |archivedate=2012-05-02 }}</ref>。
 
 
 
{| class="wikitable"
 
|+ [[石川県]]在住
 
! 在住市町村 !! 性別 !! 年齢
 
|-
 
| [[金沢市]] || 男性 || 50歳
 
|-
 
| 金沢市 || 女性|| 29歳
 
|-
 
| [[白山市]] || 女性 || 17歳
 
|-
 
| [[能登町]]|| 女性 || 44歳
 
|}
 
{| class="wikitable"
 
|+ [[富山県]]在住
 
! 在住市町村 !! 性別 !! 年齢
 
|-
 
| [[高岡市]] || 女性 || 49歳
 
|-
 
| 高岡市 || 女性 || 23歳
 
|-
 
| 高岡市 || 女性 || 19歳
 
|}
 
 
 
=== 運転手 ===
 
運転手の男性(事故当時43歳)は、[[1993年]](平成5年)に来日した[[中国残留日本人|中国残留孤児]]の子弟で<ref>{{Cite web
 
|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050201040001-n1.htm|title=震災後 ツアー業務本格参入|publisher=産経新聞 |date=2012-05-02 |accessdate=2012-05-05 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120501211505/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050201040001-n1.htm |archivedate=2012-05-01}}</ref>、翌年に[[日本国籍]]を取得したが、日本語が不自由であり、簡単な会話しか理解できないため、逮捕後も通訳を必要としたほどだった<ref>[http://web.archive.org/web/20120503162325/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120503/dst12050310280005-n1.htm 日本語が不自由…運転手はなぜ大型2種免許を取れたのか] 産経新聞 2012年5月2日閲覧(2012年5月3日時点でのアーカイブ)</ref>。
 
 
 
[[第二種運転免許|大型二種免許]]は、2009年(平成21年)7月に取得<ref>"安全態勢を本格捜査 関越道事故 過労運転疑いも" 2012年(平成24年)5月2日付 朝日新聞 夕刊(大阪本社3版)9面</ref>、バス運転手としての経歴は約2年であった<ref name="資料2">"安全義務違反 10件超す" 2012年(平成24年)5月3日付 朝日新聞 朝刊(大阪本社13版)35面</ref>。陸援隊には人手不足の時に単発で短期雇用され<ref name="資料8" /><ref>"運転手、無許可営業疑い 中国人向け手配 運行会社名義借り" 2012年(平成24年)5月5日付 日本経済新聞朝刊(12版)30面</ref>、主に中国人を相手にした<ref>{{Cite news|url=http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/accident/559632/ |title=高速バス衝突 中国出身の容疑者 難しい日本語、分からず |newspaper=産経新聞 |date=2012-05-02 |accessdate=2012-05-07 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120503032538/http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/accident/559632/ |archivedate=2012-05-03 }}</ref> 短距離便の乗務がメインで、金沢便の乗務は初めてであった<ref name="資料2" />。
 
 
 
4月28日8時に、石川県[[白山市]]のホテルにチェックイン。16時半頃にホテルをチェックアウトし、22時10分に金沢駅を出発した。出発後、頻繁に[[急ブレーキ]]をかけたり、[[カーナビゲーション]]の画面をよく見ていた<ref name="資料1" /><ref name="break">{{Cite web|url=http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819695E2E3E2E3E78DE2E3E2E7E0E2E3E09191E2E2E2E2;bm=96958A9C93819695E2E3E2E29F8DE2E3E2E7E0E2E3E09191E2E2E2E2 |title=「頻繁に急ブレーキ」乗客が証言 関越道バス事故 |publisher=日本経済新聞 |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 }}</ref>。また、事故直前の休憩中、ハンドルにうつぶせで休んでいたという乗客の証言もある<ref>{{Cite web|url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120430-OYT1T00535.htm?from=popin |title=事故直前の休憩中、バス運転手うつぶせで休む |publisher=読売新聞 |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120507040431/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120430-OYT1T00535.htm?from=popin |archivedate=2012-05-07 }}</ref>。関越自動車道経由の運行ルートについては、「走りやすいから関越道を通った」としている<ref name="資料2" /><ref>"走行ルート「記憶なし」関越道バス事故 運転手が供述" 2012年(平成24年)5月2日付 朝日新聞 朝刊(大阪本社13版)26面</ref><ref name="資料3">"運行指示書 作成せず バス運行会社 法令違反2桁に" 2012年(平成24年)5月3日付 日本経済新聞 朝刊(大阪本社13版)38面</ref>。
 
 
 
ハーヴェストホールディングスの運行指示書には[[上越ジャンクション]]から[[上信越自動車道]]を通るルート([[更埴ジャンクション]]経由)が記載されていたが<ref>混雑状況などに応じて最終的なルートの判断は運転手に任せられているが、当日は特に渋滞などは発生していなかったとされている。</ref>、約35キロ遠回りの関越自動車道のルート([[長岡ジャンクション]]経由)を通行したことが分かっている<ref name="資料1">{{Cite web|url=http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E1E2E2E0E18DE1E2E2E6E0E2E3E09191E3E2E2E2?n_cid=BPRDS001 |title=関越道事故のバス、指示書と違うルート走行「運転手、休憩中に突っ伏していた」乗客証言も |publisher=日本経済新聞 |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 }}</ref>。
 
 
 
群馬県警察本部は、入院中の運転手の負傷回復を待ち、運転手に対して[[業務上過失致死傷罪#自動車運転過失致死傷罪|自動車運転過失致死傷]]容疑で[[5月1日]]に逮捕状を執行、退院後に逮捕した<ref>{{Cite web|url=http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY201205010329.html |title=関越道バス事故、運転手逮捕 自動車運転過失致死傷容疑 |publisher=[[朝日新聞]] |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120502130149/http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY201205010329.html |archivedate=2012-05-03 }}</ref>。22日に起訴された<ref name="sankei20120522">[http://web.archive.org/web/20120522165208/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120522/dst12052214590011-n1.htm (実名省略)容疑者を起訴 前橋地検] 産経新聞 2012年5月22日(2012年5月22日時点でのアーカイブ)</ref>。
 
 
 
また、この運転手は、自身が所有するバス4台の営業用[[日本のナンバープレート|ナンバープレート]]を陸援隊名義で取得し、独自の屋号で無許可営業し、中国人観光客向けバスツアーを主催してバスを運行していたことが発覚した<ref name="sankei20120522"/><ref name="chugoku120522">[http://web.archive.org/web/20120526125613/http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201205220210.html 関越事故「陸援隊」社長近く逮捕 名義貸し容疑] 中国新聞 2012年5月22日(2012年5月26日時点でのアーカイブ)</ref>。このため運転手は[[道路運送法]]違反(無許可営業、いわゆる「白バス」)で5月28日に再逮捕され<ref name="mainichi20120528">[http://web.archive.org/web/20120531005743/http://mainichi.jp/select/news/20120528k0000e040163000c.html? 関越道バス事故:陸援隊社長を逮捕 名義貸しの疑い] 毎日新聞 2012年5月28日(2012年5月31日時点でのアーカイブ)</ref>、7月18日付けで国土交通省関東運輸局から道路運送法第81条第1項による自家用自動車の使用禁止処分が下された<ref>[http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000121.html (実名省略)に対する行政処分の実施について] 国土交通省 2012年7月18日</ref>。
 
 
 
[[2014年]][[3月25日]]に[[前橋地方裁判所|前橋地裁]]は運転手に対し、自動車運転過失致死、道路運送法違反、電磁的公正証書原本不実記録供用の罪で懲役9年6ヶ月及び罰金200万円の有罪判決を言い渡した<ref>{{Cite web|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014032500511 |title=バス運転手に懲役9年6月=7人死亡の関越事故-前橋地裁 |publisher=[[時事通信]] |date=2014-03-25 |accessdate=2014-03-25 }}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=84112 |title=下級裁裁判例 平成24(わ)237 |author=裁判所 |date=2014-03-25 |accessdate=2018-07-12 }}</ref>。
 
 
 
=== バスの運行会社 ===
 
バスを運行した陸援隊は、事業用バスを19台保有し、外国人観光客を中心に観光バス業務を営業していた<ref name="資料7">{{Cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050201040001-n1.htm |title=【高速バス衝突】震災後 ツアー業務本格参入|newspaper=産経新聞 |date=2012-05-02 |accessdate=2012-05-07 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120501211505/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050201040001-n1.htm |archivedate=2012-05-02 }}</ref>。しかし、[[2011年]](平成23年)3月に発生した[[東北地方太平洋沖地震]]([[東日本大震災]])と[[福島第一原子力発電所事故]]以降、外国人観光客が激減したため、夜行のツアーバス事業へ本格参入した<ref name="資料7" />。登記簿の記載によれば、同社は資本金1500万円で、1997年4月3日に有限会社針生エキスプレスとして設立され、2000年2月9日付で現商号に変更している。今回の事故では、ハーヴェストホールディングスと陸援隊の間に2業者が介在し、赤字にもなりかねない往復15万円で受注していた<ref name="資料8">{{Cite news|url=http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY201205030597.html |title=事故バスツアー、2業者仲介し安値受注 往復15万円 |newspaper=朝日新聞 |date=2012-05-04 |accessdate=2012-05-06 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120504004848/http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY201205030597.html |archivedate=2012-05-04 }}</ref><ref name="資料9">[http://www.nikkei.com/article/DGKDASDG04015_U2A500C1CR8000/ 運行会社、30超法令違反か 関越道バス事故 車両点検など不備] 日本経済新聞 2012年5月5日閲覧{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>。社長は、事故を起こした運転手について、「休みを与えており、過労運転ではなかった」との認識を示した<ref>[http://web.archive.org/web/20120509024252/http://mainichi.jp/select/news/20120506k0000e040143000c.html 関越道バス事故:陸援隊社長「名義貸し」認める 謝罪会見] 毎日新聞 2012年5月6日閲覧(2012年5月9日時点でのアーカイブ)</ref>。
 
 
 
事故を起こしたバスは、[[ゴールデンウィーク]]中の増発便であり、その影響で通常は発注していない陸援隊により運行されたものだった。
 
 
 
また、先述のように陸援隊は事故を起こした運転手に名義を貸し、無許可営業をさせていたことが発覚したため<ref name="chugoku120522"/>、同社の男性社長(当時55歳)も運転手とともに5月28日に道路運送法違反(名義貸し)により逮捕された<ref name="mainichi20120528"/>(同年6月22日に保釈<ref name="mainichi120624">{{Cite news|url=http://mainichi.jp/area/gunma/news/20120624ddlk10040069000c.html |title=関越道のバス衝突:陸援隊社長が保釈/群馬|newspaper=[[毎日新聞]] |date=2012-06-24 |accessdate=2012-06-25 }}{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>)。
 
同年[[12月10日]]、道路運送法違反に問われた裁判の判決が前橋地裁であった。社長への求刑は懲役4年、罰金200万円に対して懲役2年、執行猶予5年、罰金160万円。会社への求刑は罰金200万円に対し罰金160万円であった<ref>{{Cite web |date=2012-12-10|url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121210-OYT1T00475.htm?from=ylist|title=運転手に名義貸し、社長に有罪…関越道バス事故|publisher=読売新聞|accessdate=2012-12-10}}{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>。
 
 
 
事故から1ヵ月後の5月27日に金沢市内のホテルで被害者説明会を行った。説明会中はハーヴェストホールディングスの社長達が土下座するほど、被害者の家族や一部の乗客から「謝って済むか!」「土下座ぐらいできるだろ!」などの激しい怒号が飛び交った。終了後も被害者からは「まったく納得できない。許せない。」など、憤った<ref>{{Cite web|url=http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/05/28/kiji/K20120528003343820.html |title=高速バス事故被害者説明会で怒号、土下座も |publisher=[[スポニチアネックス]] |date=2012-05-28 |accessdate=2014-03-25 }}</ref>。
 
 
 
事故後に国土交通省[[関東運輸局]]が陸援隊に対して実施した特別監査では、法令で禁じられている運転手の[[日雇い]]、出発前の運転手の健康チェック等の「点呼」を行っていなかったこと、[[シートベルト]]の整備不良、運行指示書を作成せずにバスを運行したことなど28項目の法令違反が発覚し<ref>[http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/05/03/kiji/K20120503003169420.html 関越道事故バス会社 法令違反多数…運行指示書作成せず] [[スポーツニッポン]] 2012年5月3日、2015年4月8日閲覧。</ref>、違反点数は242点に達した。事業許可取り消しとなる基準点の81点を3倍上回ったため、陸援隊は6月22日に貸切バス事業許可を取り消され<ref name="sankei120624">{{Cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120622/dst12062217300026-n1.htm |title=陸援隊の事業許可取り消し 7人死亡事故で国交省 |newspaper=[[MSN産経ニュース]] |date=2012-06-22 |accessdate=2012-06-25 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120622181559/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120622/dst12062217300026-n1.htm |archivedate=2012-06-22 }}</ref>、その後陸援隊は法的倒産手続きこそされていないものの事実上倒産した。尚、関連会社であった株式会社千葉北エンタープライズは事故後県内に本社を移転し存続している。
 
 
 
== ツアーバスを取り巻く状況 ==
 
都市間ツアーバスの利用者は、[[2005年]](平成17年)には約21万人だったが、国の[[規制緩和]]により新規参入事業者が増え、[[2010年]](平成22年)には約600万人が利用している。その反面、過当競争となり、「立場の強い旅行会社がコスト削減を強要し、安全対策がおろそかになっている」との指摘が、バス関係者から上がっていた<ref>{{Cite web|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120430/dst12043000420002-n2.htm |title=格安で人気のツアーバス、過当競争で安全対策置き去り |publisher=MSN産経ニュース |date=2012-04-30 |accessdate=2012-08-02 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120429195136/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120430/dst12043000420002-n2.htm |archivedate=2012-04-29 }}</ref>。[[総務省]]でも、2010年に国土交通省に指導を徹底するよう勧告がなされていた<ref>{{Cite web|url=http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20120501az |title=社説:関越道バス事故 再発防止へ徹底検証を |publisher=[[秋田魁新報|秋田魁新報社]] |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 }}{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>。
 
 
 
== 対応 ==
 
=== 国土交通省の対応 ===
 
==== 運行の見直し ====
 
事故後に国土交通省[[関東運輸局]]が陸援隊に立入検査を実施した結果、
 
* 無認可での車庫の新設、廃止
 
* 営業区域外での旅客の運送
 
* 一般貸切旅客自動車運送事業の名義貸し
 
* 休憩所・仮眠所の変更無届
 
* 不適切な乗務記録
 
* 運行指示書の無作成・記載不備
 
* 日雇労働者を運転者にした
 
* 乗務員台帳の記載不備
 
* 運転者の過労防止措置の不十分
 
など、合わせて36件の法令違反が見つかった<ref>{{cite press release|title=(有)陸援隊への立入検査において発見された法令違反が疑われる事項について|url=http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000084.html|author=国土交通省自動車局|date=2012-5-8|accessdate=2012-7-21}}</ref>。
 
 
 
更に、国土交通省が計画当初の乗務距離を算定した結果、乗務距離が運転手1人当たりの上限である670kmを超過していたことが判明した<ref>{{cite press release|utl=http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000085.html|title=4月29日に発生した高速ツアーバス事故に係る、当初計画による乗務距離の算定について|author=国土交通省|date=2012-5-9|accessdate=2012-7-21}}</ref>。
 
 
 
尚、運転手1人当たりの乗務距離の改正を目的に'''高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会'''を5月28日に設置し、専門家による検討を行った結果、実車距離を400km(特別の安全措置を行った場合は500km)に制限する事になった<ref>{{cite press release|title=「高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会」における過労運転防止に係る緊急対策について|url=http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000095.html|author=国土交通省自動車局|date=2012-6-27|accessdate=2012-7-21}}</ref>。
 
 
 
また、'''バス事業のあり方検討会'''<ref>{{Cite report|url=http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000040.html|title=バス事業のあり方検討会|author=国土交通省自動車局 |date=2012-04-03 |accessdate=2012-05-17}}</ref> の結果を踏まえ、高速ツアーバスを運営する旅行業者にバス事業の[[認可]]を取得させ、'''新たな高速乗合バス'''への一本化を図る事になった<ref>{{Cite press release |url=http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000083.html|title=高速ツアーバスに関する資料について|author=国土交通省自動車局|date=2012-05-08|accessdate=2012-07-11 }}</ref>。
 
 
 
さらに、国土交通省は5月15日以降「関越自動車道における高速ツアーバスの事故を踏まえた公共交通の安全対策強化に係る検討チーム」を設置<ref>{{cite press release|url=http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo10_hh_000027.html|title=「関越自動車道における高速ツアーバスの事故を踏まえた公共交通の安全対策強化に係る検討チーム」の設置について|author=国土交通省|date=2012-5-14|accessdate=2012-7-21}}</ref>。
 
 
 
16日には大臣からバス事業者及び旅行業者に、高速ツアーバス等の安全対策強化に関する要請を行った<ref>{{cite web|format=PDF|url=http://www.mlit.go.jp/common/000211292.pdf|title=高速ツアーバス等の安全対策強化に関する要請書|author=国土交通大臣|date=2012-5-16|accessdate=2012-7-21}}</ref> 。
 
 
 
国土交通省は防音壁とガードレールの間の隙間について、そのような隙間ができないように求める通知を[[1998年]](平成10年)に出していたが、[[1980年代]]に整備された同区間は対象外であった<ref>{{Cite news|url=http://mainichi.jp/select/news/20120502k0000m040074000c.html |title=関越道バス事故:壁と防護柵、隙間10センチ 被害拡大か |newspaper=毎日新聞 |date=2012-05-01 |accessdate=2012-05-01 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120503181145/http://mainichi.jp/select/news/20120502k0000m040074000c.html? |archivedate=2012-05-03 }}</ref>。事故後の調査で、事故被害が増大化したとされる防音壁の隙間が全国で5100カ所あることが明らかになった。それらの隙間に対してガードレールの延長などで隙間を埋める方向で検討している<ref>{{cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120515/dst12051513470013-n1.htm|title=【高速バス衝突】防音壁隙間、全国に5100カ所も 国交省、対策へ|newspaper=産経新聞|date=2012-5-15|accessdate=2012-7-21|archiveurl=http://web.archive.org/web/20120515054753/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120515/dst12051513470013-n1.htm |archivedate=2012-05-15 }}</ref>。
 
 
 
事故後に国土交通省は都市間ツアーバスを運行する事業者に対して緊急重点監査を実施し、6月29日に高速ツアーバスの運行事業者(バスを運行する事業者)のリストを作成した<ref>{{cite web|url=http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000010.html|title=高速ツアーバス運行事業者リストの作成・公表及び同リストの活用|author=国土交通省自動車局|date=2012-6-29|accessdate=2012-7-21}}</ref>。
 
また、6月29日に'''輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン'''を制定し公表した<ref>{{cite web|format=PDF|title=輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン|url=http://www.anta.or.jp/law/pdf/kasikiribus-sentei-guideline_h240629_137.pdf|author=国土交通省自動車局|publisher=全国旅行業協会|date=2012-6-29|accessdate=2012-7-10}}</ref>。
 
 
 
2013年8月に、旅行業法で行われていた「高速ツアーバス」は「高速乗合バス」に収れんされた<ref>[http://clicccar.com/2013/07/22/225989/ 8月1日新制度導入で「格安」高速ツアーバスが消滅する !] clicccar 2013年7月22日</ref><ref>[http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/163514.html くらし☆解説 「どう変わる? 高速バス」] NHK 2013年7月31日</ref>。
 
 
 
==== 車両の見直し ====
 
[[ファイル:JR Tokai Bus FUSO Aero Ace QRG-MS96VP 744-12955.jpg|thumb|220px|車体前面中央下部の黒丸が車間センサーで、車間と速度に応じて自動ブレーキをかける。<br/>([[ジェイアール東海バス]])]]
 
事故を受けて、2012年7月に椅子の背面を衝撃吸収出来る構造にすることを義務化され<ref>[http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00234450.html 国交省、大型バスに衝突被害防ぐ「自動ブレーキ」装着義務化へ] FNNニュース 2012年10月30日{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>、これを受けて、[[日野・セレガ]](2代目)と[[日野・メルファ]]は2012年5月10日に、[[いすゞ・ガーラ]](2代目)、[[いすゞ・ガーラミオ]](2代目)、[[三菱ふそう・エアロエース|三菱ふそう・エアロクィーン/エアロエース]](3代目)、[[三菱ふそう・エアロスターMM#エアロエース ショートタイプMM|三菱ふそう・エアロエース ショートタイプMM]]は同年7月2日にそれぞれマイナーチェンジで対応した。さらに「[[車線逸脱防止支援システム|車線逸脱警報装置]]」など採用を検討した結果、2012年10月30日に国土交通省は「[[衝突被害軽減ブレーキ|自動ブレーキ]]」の義務化を提案し<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121029-OYT1T01666.htm?from=ylist 高速道走る大型バス、自動ブレーキ義務化方針] 読売新聞 2012年10月30日{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref><ref>[http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201210300181.html バスの自動ブレーキ義務化 関越道事故受け国交省] 中国新聞 2012年10月30日{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>、2013年1月27日に法改正され、新型車は2014年11月1日から、継続生産車は2017年9月1日から義務化される。義務化するのは、新車でかつ高速道路を走る車両に限定し、路線バスなどは対象外<ref>[http://response.jp/article/2013/01/26/189680.html バスの自動ブレーキ装着義務付け…新型車は来年11月から] レスポンス 2013年1月26日</ref>。現在発売されている大型観光・高速バス車両は法改正以前に対応済みとなっており、日野・セレガ(2代目、ハイデッカショート含む)は2010年7月13日に、いすゞ・ガーラ(2代目、HD-9含む)は同年8月5日に、三菱ふそう・エアロクィーン/エアロエース(3代目、12m車のみ)は法改正直前の2013年1月15日にそれぞれマイナーチェンジで対応している。なお、2010年8月に生産が終了した[[日産ディーゼル・スペースアロー|日産ディーゼル・スペースアロー/スペースウィング]]は改修で対応する。
 
 
 
=== 観光庁の対応 ===
 
{{Main2|ハーヴェスト側への対応|ハーヴェストホールディングス#関越自動車道事故における観光庁の対応}}
 
6月29日に以下の通達を相次いで発出した。
 
* '''旅行業法施行要領'''及び'''企画旅行に関する広告の表示基準等について'''を改正し、公表した<ref>{{cite report|format=PDF|title=「旅行業法施行要領」及び「企画旅行に関する広告の表示基準等について」の一部改正について|url=http://www.anta.or.jp/law/pdf/sekoyoryo-hyojikijyun_h240629_135.pdf|author=観光庁|publisher=全国旅行業協会|date=2012-6-29|accessdate=2012-7-10}}</ref>。
 
* '''高速バス表示ガイドライン'''を制定し公表した<ref>{{cite web|format=PDF|title=高速バス表示ガイドライン|url=http://www.anta.or.jp/law/pdf/tourbus_hyoji-guideline_h240629.pdf|author=国土交通省自動車局,観光庁|publisher=全国旅行業協会|date=2012-6-29|accessdate=2012-7-10}}</ref>。
 
* '''高速ツアーバス等を企画・実施する旅行業者が旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者と締結した契約の内容に係る重要な事項について'''を制定し公表した<ref>{{cite web|format=PDF|title=•高速ツアーバス等を企画・実施する旅行業者が旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者と締結した契約の内容に係る重要な事項について|url=http://www.anta.or.jp/law/pdf/tourbus_keiyaku_jyuyo_h240629_132.pdf|author=観光庁|publisher=全国旅行業協会|date=2012-6-29|accessdate=2012-7-10}}</ref>。
 
 
 
高速ツアーバスを企画・実施している事を観光庁が把握した旅行会社59社に集中的立入検査を実施した。検査の結果、28社の法令違反を指摘した<ref>{{cite press release|title=「高速ツアーバス」の安全対策の強化|url=http://www.mlit.go.jp/kankocho/topics06_000037.html|author=観光庁|date=2012-7-18|accessdate=2012-7-21}}</ref>。
 
* 登録事項変更届、取引額の届出未提出(8社)
 
* 旅行業約款、旅行業務取扱料金表等の掲示不備(10社)
 
* 取引条件説明書面等の未交付、記載不足等(21社)
 
* 貸切バスの営業区域外の運送(2社)
 
これらについては行政指導が実施された。以後必要に応じて行政処分が実施される。
 
 
 
=== 群馬県の対応 ===
 
本事故発生を受けての群馬県庁側から救命医療チーム(群馬DMAT)への通報及び出動要請が2時間遅れとなったことに際し、[[大澤正明]]群馬県知事が「事故対応は一刻を争うもので、簡素に連携する態勢が取られないと意味が無い」として、大規模事故における連携体制の整備を今後の検討課題とすることを表明している<ref>[http://web.archive.org/web/20120503004437/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050216090020-n1.htm 救命チーム出動にタイムラグ 群馬知事] 産経新聞 2012年5月2日閲覧(2012年5月3日時点でのアーカイブ)</ref>。
 
 
 
その後、群馬県側が緊急時の連絡体制などについて調査を行ったところ、群馬県救急医療情報共有システムから発信され、危機管理室に迅速に伝わっているべき情報が全く通じていなかったことも判明、また、救急医療情報共有システムそのものに県の危機管理室と消防保安課の責任職員の登録すらされていなかったことも発覚した。その為、群馬県では、関越道バス事故対応に関して、後日検証を行う方針を明らかにしている<ref>[http://web.archive.org/web/20120505022847/http://sankei.jp.msn.com/region/news/120505/gnm12050502020003-n1.htm 関越道バス激突 県危機管理室システム未登録 緊急情報伝わらず 群馬] 産経新聞(群馬版) 2012年5月5日閲覧(2012年5月5日時点でのアーカイブ)</ref>。
 
 
 
=== バス業界の対応 ===
 
高速バスを運行している39社が参加する「高速ツアーバス連絡協議会」は、今回の事故を受け5月16日に自主的な安全規制をまとめた。具体的な内容として、運行距離が夜間450km以上の場合、予備の運転手を手配する(2人乗務)、ツアー販売時に走行距離や乗務人数の情報の提供。車両を自社所有する「高速乗り合いバス」への早期移行が盛り込まれた<ref>{{cite press release|title=「高速ツアーバス安全確保指針」策定について|url=http://www.etba.jp/2012/05/16/%e3%80%8c%e9%ab%98%e9%80%9f%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%90%e3%82%b9%e5%ae%89%e5%85%a8%e7%a2%ba%e4%bf%9d%e6%8c%87%e9%87%9d%e3%80%8d%e7%ad%96%e5%ae%9a%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/|publisher=|高速ツアーバス連絡協議会|date=2012-5-16|accessdate=2012-7-11}}</ref><ref>{{cite web|title=高速ツアーバス安全確保指針|url=http://www.etba.jp/safe|publisher=高速ツアーバス連絡協議会|date=2012-7-4|accessdate=2012-7-11}}</ref><ref>[http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819594E3E4E2E78A8DE3E4E2E7E0E2E3E09793E0E2E2E2 高速ツアーバス、夜間450キロ以上は2人乗務に 業界団体が自主対策] 日本経済新聞 2012年5月16日</ref>。
 
 
 
バス営業を行う2,217社が加盟する「公益社団法人[[日本バス協会]]」は、5月17日に理事会において安全輸送緊急決議を全会一致で決議した。同決議では'''事故の背景となった高速ツアーバスの仕組みの廃止及び貸切バス事業の抜本的な適正化に向けて更なる努力を重ねる必要'''を前提としつつ、経営トップから現場まで一丸となった運輸安全マネジメント、運転者への指導監督・健康管理、確実な整備・点検の励行等が盛りこまれている<ref>{{cite report|format=PDF|title=安全輸送緊急決議について|url=http://www.bus.or.jp/news/pdf/120516kinkyuketugi.pdf|publisher=公益社団法人日本バス協会|date=2012-5-17|accessdate=2012-7-11}}</ref>。
 
 
 
=== 旅行協会の対応 ===
 
観光庁からの要請により一般社団法人日本旅行業協会及び社団法人全国旅行業協会は、
 
# 高速ツアーバスに関わる安全指針<ref>{{cite web|format=PDF|title=高速ツアーバスに関わる安全指針|url=http://www.jata-net.or.jp/membership/info-japan/pdf/ksktrbs01.pdf|author=一般社団法人日本旅行業協会,社団法人全国旅行業協会|date=2012-6-6|accessdate=2012-7-10}}</ref>
 
# 高速ツアーバスの広告について<ref>{{cite web|format=PDF|title=高速ツアーバスの広告について|url=http://www.anta.or.jp/law/pdf/tourbus_kokoku_aj-rule_h240606.pdf|author=一般社団法人日本旅行業協会,社団法人全国旅行業協会|date=2012-6-6|accessdate=2012-7-10}}</ref>
 
を6月6日に定めた。概略は、ツアーバスを企画する旅行会社は、
 
* 運行を依頼する貸切バス事業者の法令遵守及び安全確保の状況について事前に書面で把握
 
* 「貸切バス事業者安全性評価認定制度」等で安全確保への取り組み状況が優良な貸切バス事業者の利用を促進
 
* 貸切バス事業者の安全確保状況に問題がある場合にはその是正を求め、是正されない場合は契約を行なわないこととする。
 
* 広告及び旅行契約書に記載すべき内容
 
などの順守である。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
:出典元の記事には実名が使われているのもあるため、それらの記事に関しては実名部を『(実名省略)』に置き換えている。
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* "バス衝突7人死亡 ツアー客ら39人負傷" [[2012年]](平成24年)[[4月30日]]付 [[朝日新聞]]朝刊(大阪本社13版)1面
 
* "バス競いすぎた格安" 2012年(平成24年)4月30日付 朝日新聞朝刊(大阪本社13版)2面
 
* "「いつか起きると」別の運転手「交代の人必要」" 2012年(平成24年)4月30日付 朝日新聞朝刊(大阪本社13版)26面
 
* "潰れた車内「助けて」未明の衝撃 連休悪夢" 2012年(平成24年)4月30日付 朝日新聞朝刊(大阪本社13版)27面
 
* "バス衝突7人死亡 関越道、運転手「居眠り」" 2012年(平成24年)4月30日付 [[日本経済新聞]]朝刊(大阪本社12版)1面
 
* "バス大破、真っ二つ 「助けて」うめき声" 2012年(平成24年)4月30日付 日本経済新聞朝刊(大阪本社13版)35面
 
* "指示外の遠回り なぜ" 2012年(平成24年)[[5月1日]]付 朝日新聞朝刊(大阪本社13版)26面
 
* "防音壁10メートルめりこむ" 2012年(平成24年)5月1日付 朝日新聞朝刊(大阪本社13版)27面
 
* "ツアーバス基準見直し 国交省方針 200社を重点調査" 2012年(平成24年)[[5月2日]]付 朝日新聞 朝刊(大阪本社13版)1面
 
* "走行ルート「記憶なし」関越道バス事故 運転手が供述" 2012年(平成24年)5月2日付 朝日新聞 朝刊(大阪本社13版)26面
 
* "安全態勢を本格捜査 関越道事故 過労運転疑いも" 2012年(平成24年)5月2日付 朝日新聞 夕刊(大阪本社3版)9面
 
* "安全義務違反 10件超す" 2012年(平成24年)[[5月3日]]付 朝日新聞 朝刊(大阪本社13版)35面
 
* "運行指示書 作成せず バス運行会社 法令違反2桁に" 2012年(平成24年)5月3日付 日本経済新聞 朝刊(大阪本社13版)38面
 
* "運行会社30超法令違反か" 2012年(平成24年)[[5月4日]]付 日本経済新聞 朝刊12版 30面
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://web.archive.org/web/20130120065625/http://www.harvest-tour.com/annai20120429.html 2012年4月29日関越道にて発生した事故について] - この事故のツアーバスを主催したハーヴェストホールディングスの事故に関する説明。(2013年1月20日時点の [http://www.harvest-tour.com/annai20120429.html オリジナル]{{リンク切れ|date=2015年1月}}のアーカイブ)
 
 
 
{{日本の高速道路}}
 
 
 
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[[Category:日本のバス事故]]
 
[[Category:2012年の日本における災害]]
 
[[Category:群馬県の交通史]]
 
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[[Category:藤岡市の歴史]]
 
[[Category:東日本高速道路]]
 

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