関西空港線

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関西空港線(かんさいくうこうせん)は、大阪府泉佐野市日根野駅から同府泉南郡田尻町関西空港駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線幹線)である。

概要

大阪湾の泉州沖に浮かぶ関西国際空港への空港連絡鉄道である。日根野駅で阪和線から分岐し、大阪方面から同線を経由して空港アクセス列車が乗り入れている。全長3,750 mの関西国際空港連絡橋を渡るりんくうタウン駅 - 関西空港駅間は、ホーム部など両駅構内の一部を除き南海電気鉄道(南海)空港線と線路を共用している。JR西日本のアーバンネットワークの路線に含まれており、ラインカラーは同社のコーポレートカラーである)が設定されている。路線記号は S [1]

路線名称が南海が「空港線」、JRが「関西空港線」と異なるのは、JRについてはほかにも空港が近くにある路線があるので「空港」を限定する必要があるため、と開港前に報道されていた。

南海が管轄しているりんくうタウン駅をのぞき、全区間をJR西日本の近畿統括本部が管轄している。また、全線が旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「大阪近郊区間」およびIC乗車カードICOCA」の近畿圏エリアに含まれている[2]

路線データ

沿線概況

停車場・施設・接続路線
STR+l KDSTeq
吹田総合車両所日根野支所
STRq BHFq STRq STRq
0.0 JR-S45 日根野駅 R 阪和線
植田池
穂波池
ABZq2
KRZo STRq STRq
南海Nankai mainline symbol.svg 南海本線
STRc1 ABZ4+fl KRZo STR+r
←南海:Nankai airport line symbol.svg 空港線
XBHF-M
4.2 JR-S46 りんくうタウン駅
KRWl KRWr
WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm
関西国際空港連絡橋 3,750 m
WDOCKSm WDOCKSm
空港島
WDOCKSm WDOCKSm
11.1 JR-S47 関西空港駅
左:JR
右:南海
WDOCKSm FLUG WDOCKSm
関西国際空港
WDOCKSm WDOCKSm
WDOCKSm WDOCKSm
関西国際空港ポートターミナル
WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm
大阪湾

起点の日根野駅を出て線内唯一の踏切である日根野南一踏切を過ぎると、左側に吹田総合車両所日根野支所を見ながら高架線に入り、右側に大きくカーブをしながら[8]阪和線の上り線と府道大阪和泉泉南線を乗り越え、灌漑用のため池2か所を渡ると、地平上を通る国道481号および高架上を通る関西空港自動車道が左後方から近づいてきて並走を始める。この右カーブの途中(ため池を渡る高架橋上)には、架線の吊架方式がシンプルカテナリー式から高速走行に適したコンパウンドカテナリー式に切り替わるセクションがある。しばらくは眼下に田園地帯と住宅地の錯雑が見られるが、この付近はかつて戦時中の明野陸軍飛行学校佐野分教所(のちの大日本帝国陸軍佐野飛行場)や、戦前に熊野街道沿いに広大な社地を有していた移転前の蟻通神社のあった場所であり、飛行場廃止後に開発された周辺の田園地帯は非常に整然と区画されている。やがて国道26号を越えるとさらに高度を上げ、高架の南海本線を高々架で乗り越えると、左前方にはりんくうプレジャータウンSEACLEの大観覧車の全景が、右前方にはりんくうゲートタワービルの全景が見え始める。この周辺では田園風景は姿を消して住宅密集地となる。高架のまま徐々に高度を下げながら、右側から近づいてくる南海空港線の上下線に挟まれて並走を始めたところで島式2面4線のりんくうタウン駅に到着する。

南海との共同使用駅であるりんくうタウン駅は内側2線をJRが、外側2線を南海が使用しているが、同駅を出ると両社の線路が合流し、大阪湾を渡る2層構造で、在来線の鉄道橋としては最長の関西国際空港連絡橋の下層を轟音を立てながら渡る。関西国際空港島に入ると高度を下げ、大きく左にカーブしながら島内アクセス道路の間にある掘割部分を進み、南海の線路が左側へ分岐して終点の関西空港駅に着く。

運行形態

早朝・深夜の一部の列車をのぞき、日根野駅から阪和線天王寺大阪環状線京橋方面へ直通運転が行われている。

特急列車

ファイル:Kansai A.P Ltd.Exp Rinku town.png
特急「はるか」(りんくうタウン駅)

特急列車は「はるか」が運転されており、1994年9月4日から運転を開始した。2016年3月26日現在、1日30往復、日中1時間あたり上下各2本が運転されている。

運転開始当初は、京都駅新大阪駅 - 関西空港駅間(京都駅 - 新大阪駅間の一部は臨時列車)で運転されていたが、1995年に草津駅発着列車が、2003年から米原駅発着列車も設定された。

快速・普通列車

ファイル:JRW series223 Kansai-Airport.jpg
線内折り返し列車は「普通」ではなく「シャトル」と称している。

関西空港線が開業した1994年6月15日から関西国際空港が開港する同年9月3日までは、暫定的に天王寺駅 - 関西空港駅間を結ぶ阪和線直通の快速と、日根野駅 - 関西空港駅間の線内で各駅停車の普通が上下各33本運転されていた[9]

関西国際空港が開港した同年9月4日以降は快速・普通に代わって、関空快速大阪環状線(多くは京橋駅発着)または大和路線関西本線JR難波駅 - 関西空港駅間で、各駅停車の「シャトル」が日根野駅 - 関西空港駅間の線内で朝と深夜のみ運転されている。なお大阪環状線・大和路線・阪和線から関西空港駅に乗り入れる各駅停車はない。

2008年3月15日のダイヤ改正により、関空快速のJR難波駅発着が廃止されて日中は全列車が大阪環状線へ直通するようになり、平日ダイヤの朝ラッシュ時には直通快速も運転を開始した。

このほか、1995年4月20日から1999年5月9日までは定期列車の関空特快「ウイング」が、1995年12月から1999年1月までは臨時列車として姫路駅 - 関西空港駅間で特別快速「ウエスト関空」も運転されていた。

利用状況

2016年度の1日あたりの平均利用者数は30,961人である[10]。年間の利用者数は1996年度の約943万人をピークに減少し、重症急性呼吸器症候群 (SARS) の発症が確認された2003年度で一度は下げ止まったものの、その後日本において新型インフルエンザの発生が確認された2009年度が最も少ない約649万人となった。その後は格安航空会社の就航や訪日外国人旅行客の増加により関西国際空港の利用者とともに増加し、2016年度は過去最多となる約1130万人であった[11]

南海空港線と比較した場合の2016年度のシェアは約51.2%で、関西国際空港のアクセスとしてはJRが約40.0%、南海が約38.2%、リムジンバスが約20.6%、旅客船が約1.2%となっており、JRの利用者数は開業当初の1994年度をのぞいて一番多い。

関西空港線の年間輸送人員(単位:万人)[11]
年度 1994年度 1995年度 1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
輸送人員 529 921 943 919 859 870 889 841 783 671 710 717 722 724 717 649 657 673 760 809 898 1059 1130

テンプレート:Graph:Chart

使用車両

全列車が吹田総合車両所日根野支所に所属する電車で運転されており、関空快速・直通快速・シャトルは223系0・2500番台、225系5000・5100番台が、特急「はるか」は281系が使用されている。

運賃制度

全線で加算運賃が設定されており、全乗車区間の営業キロ程に応じて算出した運賃額に関西空港線の乗車区間に応じて以下の金額を加算する(2014年4月1日改定時点)。

  • 日根野駅 - りんくうタウン駅:150円
  • りんくうタウン駅 - 関西空港駅:170円
  • 日根野駅 - 関西空港駅:220円

南海と線路を共用しているりんくうタウン駅 - 関西空港駅間の運賃は、JR・南海どちらを利用しても同額の370円であり、りんくうタウン駅から関西空港駅への普通乗車券であれば南海の乗車券でもJRに乗車することもできる。

なお、電車特定区間ではないため、電車特定区間と通しで乗車する場合でも幹線運賃が適用される。

歴史

  • 1987年昭和62年)12月2日:空港連絡線の第二種鉄道事業免許を取得[8]
  • 1994年平成6年)
    • 1月20日:関西国際空港連絡鉄道レール締結式が行われる[12]
    • 3月17日:試運転開始[12]
    • 3月31日:空港連絡線のうち、日根野駅 - りんくうタウン駅間の旧関空会社からJRへの譲渡認可[8]
    • 4月1日:空港連絡線のうち、日根野駅 - りんくうタウン駅間の第一種鉄道事業免許を取得[8]
    • 6月15日:関西国際空港開港に先立ち、関西空港線として日根野駅 - 関西空港駅間が開業[8]
    • 9月4日:関西国際空港が開港。特急「はるか」、関空快速が運転開始[8]
  • 1995年(平成7年)
  • 1999年(平成11年)5月10日:関空特快「ウイング」が廃止[8]。和歌山駅発着の紀州路快速が設定され、日根野駅で関空快速との併結・分割が開始[8]
  • 2003年(平成15年)10月1日:コンコースの喫煙コーナーが廃止[14]
  • 2008年(平成20年)3月15日:ダイヤ改正により、JR難波駅発着の関空快速が廃止[8]。平日朝ラッシュ時に直通快速が運転開始。
  • 2010年(平成22年)12月1日:組織改正により、大阪支社の管轄から近畿統括本部の管轄に変更[15]
  • 2013年(平成25年)3月16日:全線でB特急料金適用開始。これに伴い、特急「はるか」の日根野駅 - 関西空港駅間の特急料金を値下げ。
  • 2018年(平成30年)3月17日:各駅に駅ナンバリングが導入され、使用を開始する。

駅一覧


ナンバー[17]
駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 所在地
JR-S45 日根野駅 - 0.0 西日本旅客鉄道R 阪和線 泉佐野市
JR-S46 りんくうタウン駅 4.2 4.2 南海電気鉄道NK 空港線(NK31)
JR-S47 関西空港駅 6.9 11.1   泉南郡田尻町

日根野駅と関西空港駅はJR西日本の直営駅である。りんくうタウン駅は南海電気鉄道の管轄駅であるが、ジェイアール西日本交通サービス業務委託されたみどりの窓口も設置されている。

脚注

  1. 近畿エリア・広島エリアに「路線記号」を導入します - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2014年8月6日
  2. ご利用可能エリア 近畿圏エリア|ICOCA:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
  3. 3.0 3.1 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「sone 15」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  4. 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6。
  5. 鉄道事業ダイジェスト:JR西日本 - 西日本旅客鉄道
  6. JR東日本が導入しているATS-Pの機能を簡素化したものではなく、南海独自のもの
  7. CRS報告書 2014 (PDF) P.34 - 南海電気鉄道
  8. 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 8.6 8.7 8.8 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「sone 27」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  9. 「関西空港線の暫定ダイヤが確定/JR西日本」- 読売新聞 1994年5月19日
  10. 関西国際空港アクセス交通の輸送状況 (PDF) - 近畿運輸局
  11. 11.0 11.1 データで見るJR西日本 - 西日本旅客鉄道
  12. 12.0 12.1 『JR気動車客車編成表 '94年版』ジェー・アール・アール、1994年。ISBN 4-88283-115-5。
  13. 13.0 13.1 『JR気動車客車編成表 '96年版』ジェー・アール・アール、1996年。ISBN 4-88283-117-1。
  14. 駅コンコースを終日全面禁煙にしますインターネットアーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年8月29日
  15. 組織改正などについて - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年11月16日
  16. 近畿エリアの12路線 のべ300駅に「駅ナンバー」を導入します! - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2016年7月20日
  17. 「駅ナンバー」一覧表 (PDF) - 西日本旅客鉄道、2016年7月20日

参考文献

  • 曽根悟(監修) 『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』42号 阪和線・和歌山線・桜井線・湖西線・関西空港線、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010-05-16。

関連項目