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← 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

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{{世界遺産概要表 |site_img = ファイル:Oura Cathoilc Church.jpg |site_img_capt =[[大浦天主堂]]（[[国宝]]・[[長崎県]][[長崎市]]南山手町） |site_img_width = 275px |ja_name = 長崎と天草地方の<br />潜伏キリシタン関連遺産 |en_name = {{lang|en|[[:en:Hidden Christian Sites in the Nagasaki Region|Hidden Christian Sites in the Nagasaki Region]]}} |fr_name = {{lang|fr|Sites chrétiens cachés de la région de Nagasaki}} |country = 日本 |area = 5,566.55 [[ヘクタール|ha]]<br />（緩衝地帯 12,252.52 ha） |criterion_c = (3) |criterion_n = |category = 遺跡11<br />記念工作物1 |iucn = |rg_year = 2018年<br />（[[第42回世界遺産委員会]]） |ex_rg_year = |Danger = |remarks = |url_no = 1495 |locmapin = Japan |relief = 1 |lat_degrees = 32 |lat_minutes = 48 |lat_seconds = 08 |lat_direction = N |long_degrees = 128 |long_minutes = 54 |long_seconds = 14 |long_direction = E }} '''長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産'''（ながさきとあまくさちほうのせんぷくキリシタンかんれんいさん）は、[[長崎県]]と[[熊本県]]に残る12件の構成資産から成る[[国際連合教育科学文化機関|UNESCO]]の[[世界遺産]]リスト登録物件である。 [[2007年]][[1月23日]]、[[文化庁]]が「[[富岡製糸場と絹産業遺産群]]」（[[群馬県]][[富岡市]]など。[[2014年]]に世界遺産登録）、「[[富士山]]」（[[山梨県]]、[[静岡県]]。[[2013年]]に「[[富士山-信仰の対象と芸術の源泉]]」として世界遺産登録）、「[[飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群]]」（[[奈良県]][[明日香村]]など）とともに追加申請を決めた物件で、もとは「'''長崎の教会群とキリスト教関連遺産'''」として登録が目指されたが、[[カクレキリシタン|潜伏キリシタン]]に価値の焦点を絞る形で構成資産が再考された結果、現在の名称になった。[[2018年]][[6月30日]]、[[第42回世界遺産委員会]]において登録が決定した<ref>{{Cite news|title=長崎、天草の「潜伏キリシタン」が世界文化遺産に決定 22件目|newspaper=[[産経新聞]]|date=2018年6月30日|url=https://www.sankei.com/life/news/180630/lif1806300038-n1.html|accessdate=2018年6月30日}}</ref><ref>{{Cite news|title=長崎と天草地方の「潜伏キリシタン」世界遺産に|newspaper=[[読売新聞]]|date=2018年6月30日|url=http://www.yomiuri.co.jp/culture/20180630-OYT1T50066.html|accessdate=2018年6月30日}}</ref>。 == 概要 == 長崎におけるキリスト教の伝来と繁栄、激しい弾圧と250年もの潜伏、そして奇跡の復活という、世界に類を見ない布教の歴史を物語る資産として、ユネスコの世界遺産暫定リストに掲載された。長崎県では、正式に世界遺産として登録されるために、関係市町と情報共有を図って、保存管理計画の策定や国内外の同じような資産との比較研究などの一体的な取り組みを進めることとし、2007年[[11月12日]]に「第1回 長崎県世界遺産登録推進会議」を開催した。 2007年[[12月26日]]には「第1回 長崎県世界遺産学術会議」も招集され、35の構成資産候補を選定。OUV（顕著な普遍的価値）の主軸を「東西文化の交流と文化的伝統」と定めた。推進会議・学術会議はその後も開かれ、[[2009年]]の学術会議で構成資産を33さらに29に、[[2011年]]の推進会議では構成資産を14に整理することが承認され<ref>[http://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/news/detail.php?id=99 第3回　長崎県世界遺産登録推進会議について（長崎から世界遺産を「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」）]{{リンク切れ|date=2016年6月}}</ref>、[[2012年]]には構成資産を12に統合、2013年に熊本県[[天草市]]の[[崎津集落|﨑津集落]]が加わり13か所が構成資産となり<ref>[http://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/news/detail.php?id=117 第5回 長崎県世界遺産登録推進会議について（長崎から世界遺産を「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」）]、[http://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/news/file/117file1_20120611143640.pdf 推進会議結果(PDF)]{{リンク切れ|date=2016年6月}}</ref>、2014年に[[平戸島]]の物件を2つに分割し14資産で推薦書が作成された。 2013年8月に開催された文化庁の[[文化審議会]]では「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を同年度中の正式推薦候補としたが<ref>{{pdf|[https://web.archive.org/web/20130927103554/http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/isanbukai/2/02/pdf/gijiyoushi.pdf 文化審議会世界文化遺産・無形文化遺産部会（第2回）議事要旨]}}（2013年9月27日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]）、</ref>、[[内閣官房]]地域活性化統合事務局の有識者会議では「[[明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業|明治日本の産業革命遺産　九州・山口と関連地域]]」が推薦候補とされた。[[日本国政府]]は、最終的に後者を2013年度の推薦物件とすることを決定し、前者の推薦は2014年度以降に持ち越しとなった<ref>{{Cite news |url=http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130918/mca1309180501000-n1.htm |title=「明治の産業革命遺産」推薦　政府、15年登録目指す　長崎教会群は見送り |newspaper=SankeiBiz |publisher=産経デジタル |date=2013-09-17 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130928013258/http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130918/mca1309180501000-n1.htm |archivedate=2013-09-28}}</ref>。 2014年[[7月10日]]に文化審議会の世界文化遺産・無形文化遺産部会は、[[2016年]]の世界文化遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」について、ユネスコに推薦する候補に選んだ<ref>{{Cite news |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG10045_Q4A710C1CR8000/ |title=世界遺産推薦候補に長崎の教会群　文化審議会、16年登録めざす |newspaper=日本経済新聞 電子版 |publisher=日本経済新聞社 |date=2014-07-10 |accessdate=2016-10-04}}</ref>。政府は[[閣議]]了解を経て、[[2015年]]1月に正式な推薦書を[[世界遺産センター]]に提出、同年9月27日から10月6日には諮問機関である[[国際記念物遺跡会議]]（ICOMOS）の現地調査があり、2016年の[[第40回世界遺産委員会]]で審議される予定であったが、2016年2月初旬にICOMOSが推薦内容の不備を（150年の[[禁教令]]時代に特化すべきと）指摘したため、政府は推薦取り下げの上、構成資産の再検討に入ることになった<ref>{{Cite news |url=http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/222712 |title=政府、今夏の登録こだわらず　長崎の教会群、構成見直しも |newspaper=西日本新聞 |publisher=西日本新聞社 |date=2016-02-04 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160205092014/http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/222712 |archivedate=2016-02-05}}</ref>。 長崎県はICOMOSとアドバイザー契約を結び<ref>{{Cite news |url=http://mainichi.jp/articles/20160303/ddl/k42/010/259000c |title=長崎教会群 世界遺産へ　県とイコモス助言契約 |newspaper=毎日新聞 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-03-03 |accessdate=2016-10-04}}</ref>、[[4月26日]]から[[5月3日]]にミッションエキスパートが現地を視察した後に提言を示し<ref>{{Cite news |url=http://www.asahi.com/articles/ASJ33640SJ33TOLB00G.html |title=イコモスと県が助言契約１１５万円　新年度 |newspaper=朝日新聞デジタル |publisher=朝日新聞社 |date=2016-03-04 |accessdate=2016-10-04}}</ref>、新たな推薦書内容を検討する「長崎世界遺産学術委員会」がイコモスの助言に従い、[[大浦天主堂]]以外の禁教明け（[[明治時代]]）以降に建てられた教会について禁教時代にいわゆる[[隠れキリシタン]]が形成した[[集落]][[景観]]などに包括し<ref group=*>ICOMOSの英文起案書には「accompaniment」とあり、文化財保護法での「附（つけたり）」に相当する。</ref>、法的保護根拠を[[重要文化的景観]]とすることを決めた<ref name="rev">{{Cite web |url=https://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/news/detail.php?n=75 |title=「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産見直しについて |work=長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 |publisher=長崎県世界遺産登録推進課 |date=2016-06-06 |accessdate=2016-10-04}}<br />{{Cite news |url=http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160325-OYS1T50048.html |title=７教会「集落」に拡大、世界遺産「禁教期」関連づけ |newspaper=YOMIURI ONLINE |publisher=読売新聞社 |date=2016-03-25 |archiveurl=http://archive.is/xMRZD |archivedate=2016-03-27}}</ref>。諮問機関であるICOMOSが推薦国に協力するという形式は国内では初めてであり、審査する側が求める完成度が高い内容の推薦書が作成されたことで登録の可能性がより高まったとみられた<ref>{{Cite news |url=https://this.kiji.is/358408810915890273|title=「登録」へ高まる期待　イコモス、月内にも勧告|newspaper=|publisher=長崎新聞|date=2018-04-16|accessdate=2018-04-22}}</ref>。こうした事例に関して文化庁は、「アドバイスを行ったイコモスの専門家は推薦書提出後の審査には参加せず、利益相反のような状況にはなっていない」という認識を示した<ref>{{Cite news |url=https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20180505-00391290-fnn-soci|title=「潜伏キリシタン」が世界遺産へ　決め手は“アドバイス” |newspaper=[[FNNニュース]] |publisher=[[Yahoo!ニュース]] |date=2018-05-05 |accessdate=2018-05-05}}</ref>。 次いで同委員会は禁教期との関係性が薄い[[日野江城]]と[[田平天主堂]]を構成資産から外すことを提案し、[[5月29日]]に県と関係自治体が了承した<ref>{{Cite news |url=http://mainichi.jp/articles/20160530/ddp/041/040/006000c |title=長崎の教会群２資産　除外正式決定 |newspaper=毎日新聞 |publisher=毎日新聞社 |date=2016-05-30 |accessdate=2016-10-04}}</ref><ref name="rev"/>。[[7月25日]]に文化審議会は2018年の[[第42回世界遺産委員会]]に向けて、再推薦することを決定<ref>{{Cite news |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2016072500385&g=soc |title=「長崎の教会群」再挑戦へ＝世界遺産18年登録目指す―文化審決定 |newspaper=時事ドットコム |publisher=時事通信社 |date=2016-07-25 |accessdate=2016-10-04}}</ref>。これに伴いテーマを「潜伏キリシタンの文化的伝統」とし、構成資産も集落名義へと変更、教会が主体でなくなり熊本県側から熊本の名称も入れてほしいとの要望があり、ICOMOSも「潜伏キリシタンなどの表現を取り入れた名称に変えるべき」と示唆したことから「長崎の教会群と―」の名称変更も検討され、'''長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産'''が正式名称へとなった<ref>{{Cite web |url=http://www.christiantoday.co.jp/articles/21547/20160727/nagasaki-churches-world-heritage-2018.htm |title=長崎の教会群、「禁教・潜伏期」に焦点当てて内容見直し　再び世界遺産に正式推薦 |work=CHRISTIAN TODAY |publisher=[[クリスチャントゥデイ]] |date=2016-07-27 |accessdate=2016-10-04}}<br />{{Cite news |url=http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/culture/heritage/20160726-OYS1T50000.html |title=「長崎教会群」世界遺産再推薦、１８年登録目指す |newspaper=YOMIURI ONLINE |publisher=読売新聞社 |date=2016-07-26 |accessdate=2016-10-04}}<br />{{Cite news |url=http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/08/18091322048755.shtml |title=教会群名称にキリシタンを |newspaper=長崎新聞 |publisher=長崎新聞社 |date=2016-08-18 |accessdate=2016-10-04}}</ref>。また、重要文化的景観未選定の大野集落などに対し、文化庁は新たな選定保護を示した<ref>{{Cite news |url=http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/07/26085904048562.shtml |title=教会群 世界遺産に再推薦 |newspaper=長崎新聞 |publisher=長崎新聞社 |date=2016-07-26 |accessdate=2016-10-04}}</ref><ref group=*>大野集落は2015年に重要文化的景観「長崎市外海の石積集落景観」の追加申し出を行っている。</ref>。 2017年9月5日から12日にかけて改めてICOMOSによる現地調査が行われ<ref>{{Cite news |url=http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/09/15085912052447.shtml |title=イコモス調査終了　手応え |newspaper=長崎新聞 |publisher=長崎新聞社 |date=2017-09-15 |accessdate=2017-09-21}}</ref>、2018年5月4日に登録勧告が出されたが原城跡周辺の緩衝地帯の設定範囲について見直しを図るべきとの指摘もあった<ref name=bunkacho>[https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2018/05/1525376836.pdf 我が国の推薦資産に係る世界遺産委員会諮問機関による評価結果及び勧告について（第二報）]（文化庁報道発表）</ref>。[[第42回世界遺産委員会]]では、ICOMOSと締約国（日本）との協力についても評価され、登録が決まった（2018年6月30日）<ref>[http://www.city.nagasaki.lg.jp/kanko/840000/842000/p031427_d/fil/sokuho.pdf 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産一覧表への 記載決定について（第二報）]（[[文化庁]]報道発表、2018年6月30日）</ref>。 === 世界遺産委員会での状況 === 2018年6月30日、日本時間の17時30分に始まった世界遺産委員会での登録審査は、ICOMOSから遺産の概要が読み上げられた後、委員国の発言へと移ったが、非キリスト教国も含め「[[ユニーク]]な遺産である」「ヒューマンヒストリーを表現している」の二言が多く聞かれ<ref group=*>[[上智大学]][[教授]]（[[キリスト教の歴史|キリスト教史]]）の具 正謨[[神父]]は、「世界遺産委員会で使われたヒューマンヒストリーは、「潜伏キリシタンという人間が生きてきた証の歴史」という意味だが、これはヒューマンストリーつまり「人間の生(せい)の物語」に置き換えることができる。信仰を守り抜いた昔の日本人の一途さがバチカンでは評価されている。そのヒューマンドラマを観ることで遺産の真の価値が理解できる」とした</ref>、否定的な意見はなく、開始からわずか20分で満場一致で登録が可決された。直前に審査された[[イラン]]の[[ファールス (イラン)|ファールス地方]]の[[サーサーン朝]][[考古学|考古]]景観が登録延期勧告であたものを登録とするために1時間も議論を要したのとは対照的で、今委員会での審査の中で、あるいは近年の日本の推薦物件の審査の中でも迅速な決定であった。最後に議長からコメントを求められた[[中村法道]][[長崎県知事一覧|長崎県知事]]は「登録は世界へ向けた[[平和]]のメッセージであり、遺産保護のため[[地域活性化]]に尽力したい」と英語で述べ、[[山田滝雄]][[政府代表部#日本政府代表部|ユネスコ日本政府代表部]][[大使]]も「今までの日本の世界遺産の中で一番ストーリー性が強い資産である」と述べた<ref name=video>[https://www.youtube.com/watch?v=j042Bwi2ln8 42nd World Heritage Committee 30 June 2018 AM] UNESCO[[ライブ配信]][[録画]]（[[Youtube]]）</ref>。 なお直近に登録された[[富士山-信仰の対象と芸術の源泉]]、[[明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業]]、[[「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群]]などの審査の際に見られた目立った[[ロビー活動]]は行われなかった。 === 登録をうけて === [[文化]][[行政]]を掌握する[[林芳正]][[文部科学大臣]]は「地元関係者は独特の文化的伝統を物語る資産として再推薦し、登録へ粘り強く取り組んでこられた。たゆまぬ努力に心から敬意と祝意を表する。人類共通の宝である貴重な世界遺産の保護に万全を期し、後世に確実に引き継ぐとともに、その価値を積極的に発信していく」、[[蒲島郁夫]][[熊本県知事一覧|熊本県知事]]は「推薦書の取り下げ、資産の見直しという苦渋の決断を経験したが、試練を乗り越えた。待ち望んでいたこの瞬間を迎えることができ、心からうれしく思う」との談話を発表した<ref>{{Cite news |url=https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/180630/lif18063019280026-n1.html |title=潜伏キリシタン世界遺産　「待ち望んだ瞬間迎えた」 |newspaper=[[産経デジタル]] |date=2018-06-30 |accessdate=2018-07-01}}</ref>。さらに[[安倍晋三]][[首相]]も「長崎と天草地方に残る潜伏キリシタンの集落。江戸時代、当時の社会や風土に適応しながら、何世代にもわたり、その固有の文化を引き継いできました。日本独自の信仰のかたちを物語るものであり、まさに世界に類を見ない人類の遺産です。これまで保全に取り組んでこられた関係者の方々に深い敬意を表するとともに、世界の宝を大切に守り、その魅力を世界に向けて発信する、その決意を新たにしたいと思います」とのメッセージを出した<ref>[https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/discourse/20180630message.html 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界遺産登録に当たっての総理メッセージ] [[首相官邸]]2018年6月30日</ref>。 また、[[バチカン]]（[[ローマ教皇庁]]）は、「[[聖霊]]が[[宣教師]]の[[説教]]を通じて灯した[[聖火|火]]は、[[キリスト者共同体|カトリック共同体]]の祈りの生活を隠れて維持した[[平信徒]]の中に息づいてきた」とする[[フランシスコ (ローマ教皇)|フランシスコ]][[教皇]]の談話を発表した<ref>{{Cite news |url=https://www.catholicnewsagency.com/news/once-hidden-the-history-of-japanese-christianity-gains-un-recognition-24399 |title=Once hidden, the history of Japanese Christianity gains UN recognition |newspaper=[[:en:Catholic News Agency|Catholic News Agency]] |date=2018-07-03 |accessdate=2018-07-06}}</ref>。この他、潜伏キリシタンの末裔である[[前田万葉]][[枢機卿]]が「弾圧した者とされた者、それらの子孫お互いに敬意をはらうことで真の平和が訪れる」、 [[カトリック長崎大司教区]]の[[高見三明]][[大司教]]は「250年間、キリスト教は日本で迫害されたが、そのことで多くの日本人がキリスト教に関心を持ち始めており、潜伏キリシタン遺産を訪ねることで[[日本のキリスト教史]]を再発見することになる。歴史を覚えておくのに建物は重要ではない。その背後にある物語、それが普遍的な価値を持つ」 とコメントした<ref>{{Cite news |url=http://www.asianews.it/news-en/Japan%27s-Christian-sites-are-the-heritage-of-humanity-44318.html |title=Japan's Christian sites are the heritage of humanity |newspaper=[[:en:AsiaNews|Asia News]] |date=2018-07-02 |accessdate=2018-07-06}}</ref>。 == 構成資産 == {{座標一覧}} 指定区分のうち「[[重要文化財]]」は、日本の[[文化財保護法]]第27条に基づき日本国[[文部科学大臣]]が指定した重要文化財（「国の重要文化財」）を指す。 === 長崎県 === ; [[長崎市]] [[File:Oura Tenshudo Temple.jpg|thumb|Oura Tenshudo Temple　長崎の手彩色絵葉書（明治）]] * [[大浦天主堂]]：[[国宝]]（{{ウィキ座標|32|45|25.65|N|129|52|6.82|E|type:landmark_region:JP|地図|name=大浦天主堂}}） * [[外海町|外海]]の[[小田平集落|出津集落]]：重要文化財[[出津教会堂]]（{{ウィキ座標|32|50|38.13|N|129|42|03.31|E|region:JP_type:landmark|地図|name=出津教会堂}}）と旧出津救助院を含む、重要文化的景観「長崎市外海の石積集落景観」 * 外海の[[大野集落]]：重要文化財[[大野教会堂]]（{{ウィキ座標|32|51|53.2|N|129|41|9.4|E|region:JP|地図|地図|name=大野教会堂}}）を含む ; [[南島原市]] * [[原城|原城跡]]：[[史跡#国の史跡|国指定史跡]]（{{ウィキ座標|32|37|59.95|N|130|15|23.3|E|scale:10000|地図|name=原城跡}}） ; [[佐世保市]] * [[黒島 (長崎県佐世保市)|黒島]]の集落：重要文化財[[黒島天主堂]]（{{ウィキ座標|33|8|20.9|N|129|32|13.2|E|region:JP-42|地図|name=黒島天主堂}}）を含む、重文景「佐世保市黒島の文化的景観」<ref group=*>黒島の重要文化的景観は潜伏キリシタン入植前から存在する[[牧場|牧地]]由来の[[畑]]と家屋周りの[[アコウ (植物)|アコウ]]の[[防風林]]や石積みによるもの。また、島内に8つある地区（集落）の内、黒島天主堂がある田代地区を含め大半が潜伏キリシタンが切り拓いた景観ではなく、近代化の影響で往時の景観が失われている場所もある。</ref> ; [[平戸市]] * [[平戸島]]の聖地と集落＝[[安満岳]]（{{ウィキ座標|33|20|12|N|129|27|57|E|region:JP-42地図|地図|name=安満岳}}）と[[春日集落]]（{{ウィキ座標|33|20|29|N|129|26|50|E|region:JP-42地図|地図|name=春日集落}}）、重文景「平戸島の文化的景観」 * 平戸島の聖地と集落＝[[中江ノ島]]（{{ウィキ座標|33|22|23|N|129|27|54|E|region:JP-42地図|地図|name=中江ノ島}}）、重文景「平戸島の文化的景観」 ; [[北松浦郡]][[小値賀町]] * [[野崎島]]の集落跡：野首集落跡・舟森集落跡および両集落を結ぶ信仰の道、[[旧野首教会|旧野首教会堂]]（{{ウィキ座標|33|11|14.3|N|129|7|46.8|E|region:JP|地図|name=旧野首教会堂}}）を含む、重文景「[[小値賀島|小値賀諸島]]の文化的景観」 ; [[南松浦郡]][[新上五島町]] * [[頭ヶ島]]の集落：重要文化財[[頭ヶ島天主堂]]（{{ウィキ座標|33|00|44.65|N|129|10|58.28|E|region:JP_type:landmark|地図|name=頭ヶ島天主堂}}）を含む、重文景「新上五島町[[有川町|崎浦の五島石集落]]景観」 ; [[五島市]] * [[久賀島]]の集落：重要文化財[[旧五輪教会堂]]（{{ウィキ座標|32|48|7.9|N|128|54|13.5|E|region:JP-42|地図|name=旧五輪教会堂}}）を含む、重文景「五島市久賀島の文化的景観」<ref group=*>久賀島の重要文化的景観は島に自生する[[椿]]を活かした暮らしの景観によるもので、潜伏キリシタンが切り拓いた景観ではない。また島内に14ある地区（集落）の内、潜伏キリシタンに由来するのは旧五輪教会堂がある五輪（外幸泊）地区など10ヶ所に限られる。</ref> * [[奈留島]]の[[江上集落]]（[[江上天主堂]]とその周辺）：重要文化財江上天主堂（{{ウィキ座標|32|51|18.6|N|128|54|14.7|E|region:JP-42|地図|name=江上天主堂}}） === 熊本県 === ;[[天草市]] * [[天草諸島|天草]]の[[崎津集落|﨑津集落]]（{{ウィキ座標|32|18|44|N|130|1|32.7|E|region:JP|地図|name=﨑津教会}}）、重文景「天草市﨑津・今富の文化的景観」 == ギャラリー == <gallery> File:Sotome Nagasaki Nagasaki pref Japan02s3.jpg|外海の出津集落(小田平) File:Shitsu church 2009AP.jpg|出津教会堂 File:Former Shitsu Aid Center 01.jpg|旧出津救助院 File:Ono Church in Nagasaki.JPG|大野教会堂 File:Remains of Hara castle.jpg|原城跡 File:Kuroshima church.jpg|黒島天主堂 File:春日集落1.JPG|春日集落の棚田 File:安満岳.jpg|安満岳 File:Nakaenoshima-1.JPG|中江ノ島 File:Kashiragashima Church 3.JPG|野首集落跡と旧野首教会堂 File:舟森集落跡5.JPG|舟森集落跡 File:頭ケ島キリシタン墓地.jpg|頭ヶ島集落のキリシタン墓地 File:Kashiragashima Church-2.JPG|頭ヶ島天主堂 ファイル:久賀島.JPG|久賀島集落 File:旧五輪教会.JPG|旧五輪教会堂 File:江上天主堂.JPG|江上天主堂 File:Sakitsu Smakusa6.JPG|﨑津集落 </gallery> == 構成資産の区分 == 上記構成資産のうち、大浦天主堂と原城跡を除いた集落群は、出津・大野・春日・﨑津が17世紀の禁教初期に形成されたのに対し、黒島・野崎島（野首と舟森）・頭ヶ島・久賀島・奈留島の[[離島]]集落が18世紀以降に潜伏キリシタンが移住して構築された時間差があることに留意が必要となる<ref name=yomiuri>読売新聞2018年5月5日</ref>。出津・大野で育まれた石積みの技術が野崎島・頭ヶ島・久賀島に伝わり、より精緻なものへと発展し、石造りの頭ヶ島天主堂や久賀島の[[漁港]]整備にまで応用された変遷を集落景観の差異として捉えなければならない（春日の[[棚田]]における石積みは平戸にあった土着の技術とされる）。 なお、黒島・野崎島・頭ヶ島・久賀島は島全体が世界遺産に登録されているが、奈留島は江上天主堂がある江上集落地区のみの登録となっている。 == 評価 == イコモスは中間報告の評価として、「潜伏キリシタン集落には現在もその思いを受け継ぐ末裔が暮らしており、[[民俗文化財]]としての[[リビングヘリテージ]]の価値があり、集落景観の特徴である石積みが[[地形]]・[[石材]]・[[用途]]の違いによって差異がある点が[[地域多様性#活用実例|地域多様性]]を反映し、それはそのまま[[文化多様性]]を表現している。また、潜伏キリシタンの移住により石積み技術や[[操縦#船舶|操船法]]・[[漁法]]が伝播したことは[[文化循環]]を表現している」とした<ref>{{PDF|[https://whc.unesco.org/archive/2018/whc18-42com-inf8B1-en.pdf 2018 Evaluations of Nominations of Cultural and Mixed Properties]}}UNESCO</ref>。 その上でイコモスは世界遺産委員会の場で推薦書の要点として、「平戸の安満岳や中江ノ島に見られる[[自然の聖地]]化」、「黒島の[[牧場]]を[[農地]]化する[[再開発]]する需要に便乗したしたたかさ」、「[[沖ノ神島神社]]があり[[神道]]の聖地であった野崎島へ乗り込んだ大胆さ」、「[[病人]]の療養地（[[隔離|隔離地]]）だった頭ヶ島へ渡ってまで信仰を守ったひたむきさ」などを読み上げた<ref name=video />。 登録をうけユネスコは、「潜伏キリシタン集落は"形態とデザイン"・"使用と機能"・"伝統技術と管理システム"・"場所と環境"・"精神と感情"によって遺産の価値の信頼性を得ている」と評価した<ref>[https://whc.unesco.org/en/list/1495 Hidden Christian Sites in the Nagasaki Region]UNESCO</ref>。 === 登録基準 === {{世界遺産基準|3}} === 世界の反応 === *{{ITA}}…「日本の共同体と西洋の宣教師の遭遇から衝突という歴史的事実の分析は、無形の側面を強化することで神聖な景観となり、現代の東西の実りある対話のシンボルとなる」<ref>{{Cite news |url=https://www.lagazzettadilucca.it/cultura-e-spettacolo/2018/06/paesaggio-sacro-e-architettura-cristiana-nella-prefettura-di-nagasaki/ |title=Paesaggio sacro e architettura cristiana nella prefettura di Nagasaki |newspaper=La Gazzetta di Lucca |date=2018-06-30 |accessdate=2018-07-01}}</ref> *{{GBR}}…「クリスチャン入植者（開拓者）の初期の活動を反映している」<ref>{{Cite news |url=https://www.bbc.com/news/world-44667197 |title=Unesco announces new heritage sites around the world |newspaper=[[BBC]] |date=2018-07-01 |accessdate=2018-07-01}}</ref> *{{USA}}…「潜伏キリシタンが求めたのは苦痛的なまでの宗教的自由であった。 その迫害された人々を思い出すため、日本国政府と少数派キリスト教徒（註：存続しているカクレキリシタン）による努力がなされた」<ref>{{Cite news |url=https://www.christianpost.com/news/unesco-adds-japans-hidden-christian-sites-to-world-heritage-list-225607/ |title=UNESCO Adds Japan's 'Hidden Christian' Sites to World Heritage List |newspaper=[[:en:The Christian Post|The Christian Post]] |date=2018-07-02 |accessdate=2018-07-06}}</ref>、「潜伏キリシタンの[[偽装棄教]]の工夫が表現されている」<ref>{{Cite web |url=https://www.persecution.org/2018/07/20/focus-persecution-helps-japan-win-unesco-status-christian-sites/ |title=Focus on Persecution Helps Japan Win UNESCO Status for Christian Sites　|publisher=[[:en:International Christian Concern|International Christian Concern]] |date=2018-07-19 |accessdate=2018-07-21}}</ref> *{{PHI}}…「潜伏キリシタンの存在は奇跡で、感動的」<ref>{{Cite news |url=https://news.mb.com.ph/2018/07/01/japan-christian-sites-added-to-unesco-world-heritage-list/ |title=Japan Christian sites added to UNESCO World Heritage list |newspaper=[[:en:Manila Bulletin|Manila Bulletin]] |date=2018-07-01 |accessdate=2018-07-01}}</ref> *{{ROC}}…「（仏教徒と）潜伏キリシタン<ref group=*>[[中国語]]では隠匿基督徒・隠性基督徒・隠蔵基督徒など</ref>の共生社会があったことが評価される」<ref>{{Cite news |url=https://udn.com/news/story/6811/3227340?from=udn-catebreaknews_ch2 |title=日長崎天草12處遺產 正式列入世遺 |newspaper=[[聯合報]] |date=2018-06-30 |accessdate=2018-07-01}}</ref> *{{KOR}}…「日本は[[福音]]不毛の地とされるが、韓国よりも先に殉教の血が流されており<ref group=*>[[朝鮮]]では日本と同時期に[[李氏朝鮮#キリスト教カトリックの伝来と弾圧|李朝によるキリスト教弾圧]]があり、信徒は根絶した</ref>、信仰を守るために命を捧げた殉教者の遺産である」<ref>{{Cite news |url=http://christian.nocutnews.co.kr/news/4993470 |title=일본 나가사키 기독교 유적, 세계문화유산 등재 앞둬 |newspaper=[[基督教放送|CBS]] |date=2018-06-29 |accessdate=2018-07-01}}</ref> *{{EGY}}…「秘密裏に信仰を伝えてきた信徒により育まれた日本的な特有の文化伝統を証言をしている」<ref>{{Cite news |url=http://www.egypttoday.com/Article/1/53120/Japan-Christian-sites-added-to-UNESCO-World-Heritage-list |title=Japan Christian sites added to UNESCO World Heritage list |newspaper=[[:en:Egypt Today|Egypt Today]] |date=2018-07-01 |accessdate=2018-07-01}}</ref> === 批判的見解 === 世界遺産がキリスト教と教会建築に偏重している「Cathedral Syndrome（聖堂症候群）」に便乗しただけのことという辛辣な意見がある<ref>{{Cite news |url=https://kafkadesk.org/2018/06/27/unesco-world-heritage-sites-in-central-europe-the-insiders-and-contenders/ |title=UNESCO World Heritage sites in Central Europe: the insiders and contenders |newspaper=kafkadesk |date=2018-06-27 |accessdate=2018-08-03}}</ref>。 == 特徴 == 国内で被支配層（[[庶民]]・[[市民|一般市民]]）の継続した[[生活]]がある[[居住|居住地]]（[[住宅地]]）が世界遺産になるのは[[白川郷・五箇山の合掌造り集落]]以来となるが、[[合掌造り]]集落は[[家屋]]そのものが登録されているのに対し、潜伏キリシタン集落は[[建築物]]ではなく[[開拓]][[造成]]された[[宅地]]や[[田畑]]の[[立地]][[環境]]（[[文化的環境]]）といった[[村落]]景観が主体となる初の事例で（但しそこに建つ[[家]]は新しいもののため[[:Category:伝統的集落の世界遺産|伝統的集落の世界遺産]]とはみなしにくい）、春日集落の[[棚田]]や石積みの[[畦]]など[[農地]]が含まれることも初となる（[[:Category:農業景観の世界遺産|農業景観の世界遺産]]参照）<ref group=*>緩衝地帯に[[田園]]風景が含まれる事例であれば、[[熊野古道]]（[[伊勢路 (熊野古道)|伊勢路]]の[[丸山千枚田]]）や[[石見銀山]]（[[石州街道銀の道#温泉津沖泊道|銀山街道]]の西田集落）などでもみられる。また、[[平泉]]を世界遺産に推薦する際、[[骨寺村荘園遺跡]]として[[一関本寺の農村景観]]が構成資産候補になっていたことがある。[[農業]]関係の[[土木]][[構造物]]としては、当初[[工業]]用として造られ[[灌漑]][[水路]]に転用された[[明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業]]の[[関吉の疎水溝]]がある。</ref>。これらは[[寺社]]・[[日本の城|城郭]]や[[産業遺産]]といった従来の[[日本の世界遺産]]にはない新たな類型で、[[日本の宗教]]としては[[仏教]]・[[神道]]・[[修験道]]・[[自然崇拝]]に加え、初めてキリスト教（[[カトリック]]）からの登録になった。国内保護法令は重要文化的景観だが、世界遺産としては[[文化的景観]]の適用はうけていない。 なお、世界遺産としては禁教期の潜伏キリシタンの信仰を具現化したものが対象であるため、禁教明け後もカトリックに復帰せず昔ながらの信仰を保持した「カクレキリシタン」に関しては必ずしも重視されておらず、カクレキリシタン関連を追加登録するならば価値を組み替えなければならない<ref>{{Cite news |url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180704-00000011-nagasaki-l42 |title=かくれキリシタン　禁教期のオラショや行事を後世へ　信仰の形態守り続ける |newspaper=長崎新聞 |publisher=Yahoo!ニュース |date=2018-07-04 |accessdate=2018-07-04}}<br />{{Cite news |url=https://this.kiji.is/390671068296397921?c=174761113988793844 |title=漏れた「聖地」 関連遺産群　どう生かす |newspaper=長崎新聞 |date=2018-07-14 |accessdate=2018-07-14}}</ref>。 また、世界遺産は[[不動産]][[有形財]][[構築物]]でなければならないため、[[動産]]としての潜伏キリシタンの聖具や、[[無形文化財]]の口伝承歌「[[オラショ]]」などは補完資料扱いとなる。 大浦天主堂は敷地背後で明治日本の産業革命遺産の構成資産になっている旧グラバー住宅を含む[[グラバー園]]と背中合わせになっており、異なる世界遺産がこれだけ近接していることは日本の世界遺産では珍しい。 == 追加調査要請 == 世界遺産委員会においてICOMOSから、登録された集落の周辺にある[[廃村]]などに残る「信仰の[[遺構]]」（教会堂跡や[[墓地]]など）について包括的な記録を作成するよう求められた。例えば久賀島の集落がある久賀島には1996年（昭和44年）頃に廃村となった潜伏キリシタン集落の細石流集落跡があり、禁教期の生活を偲ばせる物証となっている。こうした埋もれた潜伏キリシタンの痕跡は特に離島に多く残されており、現時点では補完的な目的での指示であるが、将来的には拡張登録への道筋に繋がる可能性もある<ref>読売新聞2018年7月4日</ref>。 久賀島や奈留島は[[有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法|有人国境離島法]]の対象に指定されており、国が土地の買い取りや財政措置を直接行えることから、調査後の保護に確約が得られる可能性もあるが、法的保護根拠の重要文化的景観は[[稼働遺産]]としての生産景観があることが前提のため廃村の指定は難しく、無縁墓地の継承は[[Wikibooks:民法第897条|民法第897条]]での制約があり、公的整備が困難になる場合もある。 == 候補から外れた資産 == [[2001年]]に民間団体の「長崎の教会群を世界遺産にする会」<ref group=*>長崎の教会群を世界遺産にする会は民間団体だが、発起人で代表を務めた林一馬は[[長崎総合科学大学]]の学長で世界遺産学術会議の座長も務め、会役員も学術会議や推進会議のメンバーと重複し、会としては啓蒙普及活動を担ってきた。</ref>が発足し構成資産となりうる候補地49を選定。その後、推進会議・学術会議が再三にわたり構成資産を検討、2015年の推薦に至るまでに候補から除外されたものがある。なお、[[2010年]]には長崎隣接県の関連資産の調査も行い、2011年の候補地絞り込みの際に除外された資産は「世界遺産・歴史文化遺産群」として一体的に保存・継承することが確認された<ref>{{PDFlink|[http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/bunkazai/sekaitokubetsu/15/pdf/shiryo_5.pdf 世界遺産暫定一覧表記載資産 準備状況報告書 2009]}} - 文化庁</ref>。 === 長崎の教会群を世界遺産にする会が選定した候補（2007年） === 長崎の教会群を世界遺産にする会が選んだ候補は[[昭和]]（[[戦前]]）に建てられたものにまで及び、再建されたものや[[鉄筋コンクリート]]製のものも含んでいた。 {{colbegin|4}} *長崎市 **[[浦上天主堂]]<ref group=*>[[平和公園]]の旧浦上天主堂被爆遺構や被爆マリア像を加えようとする別の市民運動もあった。</ref> **[[カトリック中町教会|中町教会]] **[[カトリック神ノ島教会|神ノ島教会]] **清心修道院 **樫山教会 **馬込教会 **黒崎教会 *[[西海市]] **太田尾教会 *平戸市 **[[カトリック山田教会|山田教会]] **山野教会 **[[紐差教会]] **神崎教会 *[[佐世保市]] **浅子教会 **三浦町教会 **平戸教会 *五島市 **楠原教会 **嵯峨島教会 **半泊教会 **貝津教会 **浜脇教会 **水ノ浦教会 *新上五島町 **[[江袋教会]] **旧鯛ノ浦教会 **冷水教会 **福見教会 **土井ノ浦教会 **中ノ浦教会 {{colend}} === 2009 - 2011年時点での候補 === なお、この時点で教会や史跡とは別に集落景観となる重要文化的景観（当時は選定申請中）も単体の候補として扱っていたが、平戸の安満岳・春日集落・中江ノ島と天草の﨑津集落を除き候補地から除外された<ref>[http://www.nagasaki-np.co.jp/press/sekaiisan/kikaku4/05.html 県世界遺産学術会議第３回会合]</ref><ref group=*>当初、重要文化的景観は[[緩衝地帯]]（バッファーゾーン）として適用する計画であった。</ref>。候補とされた天草の「[[大江村 (熊本県天草郡)|大江]]の文化的景観」は2018年時点でまだ重文景の選定に至っていない（大江には文化財未指定だが国内で唯一の潜伏キリシタン隠し部屋が残る旧宅がある<ref>[https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/422358/ 天草に信仰守る「隠れ部屋」　国内で唯一現存か　潜伏キリシタン、屋根裏へ階段] 西日本新聞2018年6月6日</ref>）。また、[[旧羅典神学校]]・[[旧長崎大司教館|旧大司教館]]・旧伝道師学院は一旦「大浦天主堂と関連遺産」（国の史跡「大浦天主堂境内」と[[重要伝統的建造物群保存地区]]「[[南山手]]」）として包括された後に除外され、参考として敷地内併設物扱いとなっている。 {{colbegin|4}} *長崎市 **旧羅典神学校 **旧大司教館 **旧伝道師学院 **[[日本二十六聖人]][[殉教|殉教地]] **[[サント・ドミンゴ教会 (長崎市)|サント・ドミンゴ教会跡]] *平戸市 **[[宝亀教会]] *五島市 **[[堂崎天主堂]] *新上五島町 **[[青砂ヶ浦天主堂]] **大曾教会 *[[南島原市]] **吉利支丹墓碑 *熊本県[[熊本市]] **手取教会 *熊本県天草市 **[[南蛮寺]]跡（正覚寺） *熊本県[[苓北町]] **富岡吉利支丹供養碑 *[[福岡県]][[大刀洗町]] **[[今村天主堂]] *[[佐賀県]][[唐津市]] **呼子教会 **[[馬渡島]]教会 {{colend}} 2018年に向けた再推薦に当たり、長崎県内の以下の2件が候補から外された<ref name="rev"/>。 * [[日野江城]]跡（南島原市、国の史跡・{{ウィキ座標|32|39|36.04|N|130|15|9.97|E|scale:10000|地図|name=日野江城跡}}） * [[田平天主堂]]（平戸市、重要文化財・{{ウィキ座標|33|20|22.8|N|129|34|37.7|E|region:JP-42|地図|name=田平天主堂}}） == テーマの変更について == イコモスによる禁教期に特化すべきとの指摘について、[[作家]]で隠れキリシタンを題材とした『守教』（2017年・[[新潮社]]）を執筆中で長崎の教会群とキリスト教関連遺産についても取材していた[[帚木蓬生]]はインタビューの中で、「（日本での）[[殉教者]]は4000人はおり世界に例のない数だが、迫害の歴史は抹殺されている。この忘却は世界には受け入れられず、世界遺産登録を巡る騒動（注：禁教期特化指示）がそれを物語っている。大量の殉教者を出した当の日本が禁教の歴史にどう向き合うべきか分かっていないから、ユネスコに突き返された」と指摘している<ref>読売新聞2016年5月15日</ref>。 一方で、禁教に至った理由や経緯（[[イスパニア]]や[[ポルトガル]]による[[日本人]]の[[奴隷売買]]や[[植民地|植民地化]][[計画]]）についても啓蒙すべきとの意見があり<ref>[https://www.sankei.com/premium/news/180513/prm1805130009-n1.html 世界遺産もいいけれど…] 産経新聞2018年5月13日</ref>、「禁教期だけの登録では弾圧史が遺産になり世界から誤解を招くのでは」との不安の声もあり<ref>[http://www.sankei.com/column/news/180521/clm1805210006-n1.html 潜伏キリシタン遺産「禁教期だけの登録では誤解を招く」] 産経新聞2018年5月21日</ref>、潜伏キリシタン遺産を訪ねることは単なる[[巡礼]]ではなく[[ダークツーリズム]]になりかねないとの指摘もある<ref>{{PDF|[https://academiapublishing.org/journals/ajes/pdf/2018/Jan/Satoshi%20and%20Ji-Hyun.pdf World heritage and dark tourism: A case study of “hidden Christian sites in the Nagasaki region”, Japan]}}</ref>。 上記「構成資産の区分」の節で触れているように、黒島・野崎島・頭ヶ島・久賀島・奈留島の離島集落は潜伏キリシタンが移住して構築したもので、これら後発集落は先住の[[仏教徒]]らと折り合いをつけながら開拓した「[[共生#社会科学分野への意味の拡張|共生]]」も評価されたことにより、「宗教に寛容な（[[文化的不寛容]]さがない）日本的風土」（[[宗教多元主義]]）としてユネスコが重視する[[多様性]]や[[文化的自由]]を前面に押し出すことになった<ref name=yomiuri /><ref>{{Cite book |和書 |title=潜伏キリシタンは何を信じていたのか |author1=[[宮崎賢太郎]] |publisher=[[KADOKAWA]] |year=2018}}</ref>。 == 世界遺産登録後の動向 == * 第42回世界遺産委員会において、[[地球温暖化]]などに伴う[[異常気象]]が世界遺産に及ぼす影響を協議が行われたが、世界遺産登録から三日後に[[平成30年台風第7号|台風7号]]と続く[[平成30年7月豪雨]]により、旧五輪教会堂と黒島天主堂の[[ステンドグラス]]などが割れたほか、原城跡で[[土砂災害|土砂崩落]]などの被害が確認された<ref>{{Cite news |url=https://news.infoseek.co.jp/article/mainichi_20180706k0000m040113000c/ |title=台風７号：長崎の「潜伏キリシタン」世界文化遺産で被害 |newspaper=[[毎日新聞]] |publisher=[[楽天]][[インフォシーク]][[ニュース]] |date=2018-07-05 |accessdate=2018-07-07}}</ref>。 * 久賀島の旧五輪教会に隣接する五輪教会（1985年築）の祭壇に祭られたキリスト像の茨の冠が壊された<ref>{{Cite news |url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180802-00050135-yom-soci |title=潜伏キリシタン集落の教会、祈りの像壊される |newspaper=読売新聞 |publisher=Yahoo!ニュース |date=2018-08-03 |accessdate=2018-08-03}}</ref>。 == 今後の課題 == === 持続可能性 === 2018年5月のICOMOSによる登録勧告において、離島における構成資産となる集落景観保持に関し[[人口減少]]の懸案が指摘された<ref name=bunkacho />。2012年に開催された「世界遺産条約採択40周年記念－世界遺産と持続可能な開発：地域社会の役割」（京都ビジョン）で世界遺産存続のため[[コミュニティ]]の存在の重要性が確認され<ref>{{Cite web|url=http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/culture/kyoryoku/kyoto_vision_pt.html|title=京都ビジョン|publisher=外務省|accessdate=2018-4-5}}</ref>、世界遺産を維持するためにはコミュニティの[[持続可能性]]が必要であるとされることから、[[消滅可能性都市|消滅可能性自治体]]に名を連ねる長崎の離島にとっては深刻な課題となる。 === アクセシビリティ === 潜伏キリシタン集落に暮らす[[クリスチャン]]が世界遺産に包括された教会へ[[礼拝]]へ出向く際、信徒が年々[[高齢化]]しており急傾斜地形は足枷となり、文化財指定された教会では[[バリアフリー]]化も難しいことから、[[アクセシビリティ#歴史的建造物におけるアクセシビリティ|アクセシビリティ]]が課題となる。 === 景観保全 === 集落景観という視野的に広い範囲が世界遺産となったため、その景観保全も課題となる。出津・黒島・頭ヶ島・久賀島・﨑津の各集落は[[景観法]]の適用をうけていない。[[国道202号]]に接している出津では看板などが目立つが、[[屋外広告物法]]による規制もない。美観を維持するため、[[白川郷]]のように洗濯干しなどにまで注意を払わなければならなくなると、住民生活が不便なものになりかねない（但し﨑津の特徴であるカケでは昔から洗濯干しの場所としての役割もあった）。集落家屋が文化財指定の[[古民家]]ではないこともあり改修改築が自由に行えるため、家並み景観の統一感を持たせることに住民の合意形成が必要となる。その一方で、[[電線類地中化]]などは推進されるべきである<ref>{{PDF|[http://www.jsce.or.jp/committee/lsd/conference/2017/keikan13/pdf/A71C.pdf 無電柱化の推進に向けた 景観的課題と方策に関する考察]}} [[土木学会]]</ref>。 === ヘリテージツーリズム === 世界遺産は[[観光資源]]となるため今後[[訪日外国人旅行者]]を含めた[[観光客]]の増加が見込まれる。訪問者が正しい{{仮リンク|遺産の解釈|en|Heritage interpretation}}をし{{仮リンク|遺産の価値|en|Heritage asset}}を理解することで[[ヘリテージツーリズム]]は成立するが、潜伏キリシタン関連遺産の主体は集落景観となるためその本質が判りにくい。多くの[[報道]]や[[出版物]]において集落景観ではなく教会建物の[[画像]]を掲載しているが、潜伏キリシタンが切り拓いた改変地形に注視しなければ本質は伝えられない。しかも、その集落景観に建つ家屋は古民家ではなく、ほとんどが[[戦後]]に建てられた[[現代建築]]で[[日本の民家#類型|地域的特徴]]も見られない[[住宅]]であるため（潜伏キリシタン家屋が残されていたとしても保存が難しい[[掘っ建て小屋]]になる）、なおさら本質が見えにくい<ref>2017年12月15日九州経済調査協会主催　『世界遺産を活用した地方創生～長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 世界遺産登録応援セミナー』：[[高崎経済大学]]佐滝剛弘「世界遺産を活用した地方創生～残念な観光地にならないために」レジュメ</ref>。[[不動産]][[有形財]][[構築物]]が前提の世界遺産であるが、潜伏キリシタン関連遺産では[[文化的空間]]がもつ{{仮リンク|場所の精神|en|Spirit of place}}の紹介が重要になる<ref>読売新聞2018年5月9日 「景観に歴史 信仰心読む」[[服部英雄]]<br />[http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/297932.html 潜伏キリシタン関連遺産の歴史と文化]服部英雄 「[[視点・論点]]」([[日本放送協会|NHK]])2018年6月5日放送</ref>。 === 観光公害 === ヘリテージツーリズムのような[[遺産の商品化]]に伴う弊害として[[観光公害]]が上げられる。構成資産となる集落の多くが[[外来|外来者用]][[駐車場]]もない狭い範囲内の閑静な住宅街であり、そこへ観光客が大挙押し寄せることで[[騒音]]や[[プライバシー侵害]]などが危惧され、さらに生きた信仰の場としての教会での[[ミサ]]など宗教行事に差し障りが生じることを地域住民は懸念している<ref>{{Cite news |url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180708-00000006-nagasaki-l42 |title=潜伏キリシタン遺産の課題　祈りの場 信仰生活　乱される不安 |newspaper=長崎新聞 |publisher=Yahoo!ニュース |date=2018-07-08 |accessdate=2018-07-13}}</ref>。集落内に駐車場などを整備することは[[文化的自殺行為]]になりかねない。 === ガイダンス施設 === [[世界遺産条約]]では第5条で「文化遺産及び自然遺産の保護・保存及び整備の分野における全国的または地域的な研修センターの設置」という条文があり、世界遺産近くにガイダンス施設・[[ビジターセンター]]を設置することを求めており、長崎県では世界遺産センターの設置を検討し、旧[[長崎県庁]]跡地・[[長崎駅]]付近・大浦天主堂近辺の３ヶ所を提示。特に県庁跡地は禁教前に岬の教会（被昇天の聖母教会堂）が建っていた経緯があるものの、文化ホール建設も取り沙汰されているため先行き不透明な状況下にある<ref>[https://www.pref.nagasaki.jp/singi/dlpdf.php?flg=1&filename=29047.pdf “長崎の教会群”世界遺産センター（仮称）基本構想]([[PDF]])長崎県<br />{{Cite news |url=https://this.kiji.is/390299859359843425?c=174761113988793844 |title=世界遺産センター　場所未定で整備先送り |newspaper=長崎新聞 |date=2018-07-13 |accessdate=2018-07-14}}</ref>。 また、潜伏キリシタン遺産は離島を含む多地域に分散したシリアル・ノミネーションのため一箇所に集約した施設を造ることが難しく、当面は[http://kyoukaigun.jp/center/ 長崎の教会群インフォメーションセンター]とユネスコの[[世界遺産と博物館]]指針に従い各資産毎に情報発信ができる既存施設を活用する。現時点では大浦天主堂敷地内の旧羅典神学校と旧長崎大司教館をキリシタン博物館としたほか、島原に有馬キリシタン遺産記念館が開館、平戸には[[平戸市切支丹資料館]]がある。離島区分では長崎県が構想する世界遺産センターのサテライトとして五島観光歴史資料館を整備する方向になっている<ref>{{PDF|[http://aosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10069/37052/1/UrakamiChiri3_14.pdf 堂崎天主堂の世界遺産候補除外とスケールの政治]}}大平晃久 『浦上地理』第3号（長崎大学学術研究成果リポジトリ）</ref><ref group=*>長崎市では私設の十六番館資料館が閉鎖したことにより[[踏絵]]などの貴重な史料が散逸した経緯がある</ref>。 === ガイド育成 === 潜伏キリシタン集落近くにガイダンス施設が設置されカクレキリシタンの聖具などが展示されたとしても集落の価値には直結せず、集落に立っても新しい家屋が目立ち、教会建築物は世界遺産そのものではない。そのためにも正しい遺産の解釈を伝える[[ガイド]]の存在が重要になる。それも単なる[[観光ボランティアガイド]]ではなく、[[インタープリター (自然)|インタプリター]]や[[語り部]]のような存在が求められ、できれば潜伏キリシタンの末裔であることが望ましい。また、今後海外からのクリスチャン巡礼が増える見込みがあることから、[[語学|語学力]]も求められる<ref>{{Cite news |url=https://this.kiji.is/389950640066200673 |title=ガイド育成「数と質」　両立が不可欠 |newspaper=長崎新聞 |date=2018-07-12 |accessdate=2018-07-19}}</ref>。 === テロ対策 === 日本はアメリカ中心の[[生来の決意作戦|対イスラム過激派掃討作戦]]に関与する有志国連合の一員とみなされ、過激派からは[[テロ]]の対象に名指しされていたものの、中立的な仏教国のイメージが先行し実際のテロは発生してこなかった。しかし、2015年に長崎の教会とキリスト教関連遺産として正式にユネスコへ世界遺産推薦が行われたことにより、キリスト教国の側面が強調され、教会などがテロの標的として浮上したという指摘がある<ref>{{Cite web |url=https://berkleycenter.georgetown.edu/responses/terrorism-the-persecution-against-human-dignity-and-god-e1636d77-d861-4fe7-9df4-f2c59d436575 |title=Terrorism: The Persecution Against Human Dignity and God　　Responding to Viokent Extremism,　Integral　Development, and Catholic Social Thought |work=Mincheol Kim |publisher=[[:en:Berkeley Center for New Media|Berkeley Center for New Media]] |date=2015-03-02 |accessdate=2018-08-03}}</ref>。世界遺産というシンボリックな教会へのテロは喧伝効果がある。離島集落に外国人が訪れれば目立つが、団体客に紛れれば接近は容易になることから、テロへの警戒も必要となる。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist|group="*"}} === 出典 === {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|Hidden Christian Sites in the Nagasaki Region}} {{Wikinews|潜伏キリシタン関連遺産、世界遺産登録}} {{colbegin|2}} * [[日本のキリスト教史]] * [[カトリック長崎大司教区]] * [[キリシタン]] * [[鉄川与助]] * [[ベルナール・プティジャン]] * [[マルク・マリー・ド・ロ]] * [[ジョゼフ・マルマン]] * [[ジャン・フランソワ・マタラ]] * {{仮リンク|キリスト教徒の迫害|en|Persecution of Christians}} * {{仮リンク|迫害と寛容に関するキリスト教思想史|en|History of Christian thought on persecution and tolerance}} {{colend}} == 外部リンク == *[http://kirishitan.jp/ 長崎から世界遺産を「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」（長崎県）] *[http://www.nagasaki-np.co.jp/press/sekaiisan/index.html 世界遺産（長崎新聞）] *[http://www.heritage-nagasaki.jp/ 長崎の教会群を世界遺産にする会]（日本語・英語・スペイン語） *[http://www.city.goto.nagasaki.jp/sekaiisan/ 五島を世界遺産の島に!（五島市役所）] * [http://www.nhk.or.jp/fukuoka/sekaiisan/ 世界遺産への道]「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」シリーズ NHK福岡制作ミニ番組 5分×11本公開中 {{日本の世界遺産}} {{キリスト教 横}} {{日本キリスト教史}} {{Christ-stub}} {{DEFAULTSORT:なかさきとあまくさちほうのせんふくきりしたんかんれんいさん}} [[Category:長崎県の歴史]] [[Category:熊本県の歴史]] [[Category:長崎県にあるキリスト教の教会|*]] [[Category:キリシタン関連の遺跡]] [[Category:日本のキリスト教史]] [[Category:隠れキリシタン]] [[Category:日本の世界遺産]] [[Category:キリスト教建築物の世界遺産]] [[Category:伝統的集落の世界遺産]] [[Category:世界遺産 な行]] [[Category:2018年登録の世界遺産]] [[Category:長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産|*]]

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