「鉄塔」の版間の差分

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{{otheruses|鉄製の塔|中国開封市にある仏塔|:en:Iron Pagoda}}
 
[[ファイル:Pylon in Hachioji,Tokyo Tx-re.png|thumb|鉄塔(高圧送電線用)]]
 
[[ファイル:Dokomo-keitai-bs1.jpg|thumb|鉄塔(携帯電話の基地局)]]
 
[[ファイル:中央サイクリングロード 富山市寺町付近2.jpg|thumb|[[富山県]]の[[呉羽丘陵]]にあるテレビ・ラジオ送信塔群]]
 
'''鉄塔'''(てっとう)とは[[鉄]]製の骨組み構造から構成される細長い建造物である。特に送電鉄塔は[[基礎]]が各脚に設けられ[[トラス]]構造が特徴であり、基礎が一体型の「鉄柱」とは区別される場合もある<ref name="gaku-sodenden" /><ref>[http://www015.upp.so-net.ne.jp/overhead-TML/specialline.htm 特殊な・めずらしい形の送電線](架空送電線 (がくうそうでんせん) の話)</ref>(本項では「鉄柱」に分類されるものについても記す)。
 
  
一体型[[送電線]]や[[アンテナ]]の支持([[携帯電話]]などの[[基地局]]、[[放送局]]の[[送信所]]など)、[[気象]]の観測、[[灯台]]、[[消防]]の[[望楼]]などに用いられる。[[放送]]用の大型の鉄塔はデザインにも配慮して作られ、[[観光地]]となっている所も多い。
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'''鉄塔'''(てっとう)
  
[[エレベーター|エレベータ]]の設置に用いる四角柱型の鉄塔や[[アマチュア無線]]のアンテナなど、家庭に設置する目的の製品も存在する。
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鉄骨,鉄柱を素材とした塔。無線通信用鉄塔,索道用塔,照明塔などがあり,その形状および規模は用途に応じて多種多様で,四角形または三角形の断面の[[トラス]]構造が一般に用いられる。鉄塔が造られはじめたのは,鉄が大量生産されるようになってからで,歴史は新しく,柔軟性,軽量にできるなど,鉄のすぐれた特色を生かすことができるが,鉄塔は一般に屋外にあって雨露にさらされているので塗装や亜鉛メッキを施す必要がある。付帯設備としては昇降階段,ステップボルト,踊り場,避雷装置などをつけ,地表面から 60m以上の高さの鉄塔は通常,航空障害灯および昼間障害標識を設置しなければならない (航空法 51) 。歴史的なものとして,1889年パリ万国博覧会のシンボルタワーとして建造された[[エッフェル塔]]がある。
  
== 構造 ==
 
[[形鋼#山形鋼|等辺山形鋼]](断面がV字型またはL字型の鋼材)または[[鋼管]]を[[ボルト (部品)|ボルト]]などで接合した構造である。材料の使用量が同じであれば、鋼管の方が高い強度が得られるとされる。また、関西電力でのみ採用されている、内部にコンクリートを充填した鋼管で組まれた鉄塔(MC鉄塔)も存在する。山形鋼・鋼管共に、基本的には[[溶融亜鉛めっき]]などの防錆加工がされている。
 
 
送電用鉄塔の場合、各路線の塔番については発電所側1基目をNo.1とし、順々に番号が振られていく。基本的に発電所側を若番、逆側を老番と呼ぶ。4本ある脚については、真上から若番側を下、老番側を上とした四角形で見た場合、右下から時計回りにA脚、B脚、C脚、D脚となる。基本的にはA脚が昇塔脚となり、昇塔用ステップ(全脚に設置されていることもある)やセーフティーレール、セーフティーワイヤーが設置されている。
 
 
地面に「基礎」と呼ばれる強固な鋼材、[[コンクリート]]などを埋め込みその上部に鉄製の構造物を固定する。大型のものは地上に露出している部分も[[鉄筋コンクリート]]などで補強することがある。また鉄の腐食を防ぐため、地上から必要な高さまでをコンクリートなどで包むこと(根巻きコンクリート)がされる場合がある。
 
 
送電線の支持に用いる場合、最上部に[[架空地線]]と呼ばれる電線を設ける。これは[[避雷針]]のように架空地線に[[落雷]]を誘導して送電線への直撃を防止するのが主な役割だが[[電磁誘導]]障害、[[電波障害]]を軽減する場合もある。設置については、下部の電力線アームの横開き距離によってとんがり帽子型の天辺に1本か、地線アーム(逆三角形型の最上部アーム)での2本設置かが決まる。最近では電線の中心に通信用[[光ファイバー]]を収納した光ファイバ複合架空地線(Optical ground wire, OPGW)を採用するものもある。尚、地線アームを除いた電力線アームについては、基本的には必ず3の倍数の本数となる。これは発電所からの送電が3相交流(1アーム1相)であるためである。
 
 
[[航空法]]の規定により、[[昼間障害標識]]の役割を果たす紅白塗装や、赤色またはストロボ状灯火の[[航空障害灯]]などが付けられていることがある。ただし、塗装については航空法の制定以前に建設されたものはこの限りではない。
 
 
== 種類 ==
 
[[ファイル:Joetsu Karyoku powerline tower construction.jpg|thumb|建設中の送電鉄塔]]
 
[[ファイル:Electricity pylon.jpg|thumb|四角鉄塔]]
 
[[ファイル:Three Phase Electric Power Transmission.jpg|thumb|烏帽子型鉄塔]]
 
[[ファイル:Tube pylons duo.jpg|thumb|環境調和型鉄塔(美化鉄柱)]]
 
送電線の設置を目的とした鉄塔には次のような種類に分類できる。
 
 
=== 設置形態による分類 ===
 
; 標準鉄塔
 
: 平坦で障害物の無い通常の場所に設置する鉄塔。
 
; 特殊鉄塔
 
: 特殊な場所に設置する鉄塔。長径間鉄塔、海峡越鉄塔または川越鉄塔、撚架鉄塔、分岐鉄塔、引回鉄塔などがある。
 
; 懸垂鉄塔
 
: [[送電線]]を[[がいし]]を通して垂直に吊り下げる形の鉄塔。
 
; 耐張鉄塔
 
: 送電線ががいしを通して鉄塔の左右から引っ張られる形で接続されている鉄塔。
 
; 直線鉄塔
 
: 隣接する鉄塔が直線状に並んでいるもの。
 
; 角度鉄塔
 
: 送電線がその場所で折れ曲がって配置されているもの。
 
; 引留鉄塔
 
: [[変電所]]などで送電線の一方は懸垂、他方は引込み線となっているもの。
 
; 保安鉄塔
 
: 安全を確保するために特別に設けられる鉄塔。
 
 
=== 形状による分類 ===
 
; 四角鉄塔
 
: 骨組みの外形が四角錐の形状となっているもの。最も広く使われている。
 
; 矩形鉄塔
 
: 骨組みの外形が上から見ると[[長方形]](矩形)になっているもの。引っ張られる方向によって強度が違う。耐張鉄塔に多く見られる。
 
; 烏帽子型鉄塔
 
: 骨組みの上部が下部よりも広がっている形の鉄塔。超高圧送電線、積雪の多い場所などに用いられる。
 
; 門型鉄塔(ガントリー鉄塔)
 
: 骨組みが門型(四角形)に構成され、中空の構造を持つもの。[[道路]]、[[鉄道]]、水路上などに送電線を設置する際に用いられる。
 
; 環境調和型鉄塔(美化鉄柱)
 
: 周囲の[[景観]]に配慮して建設された鉄塔。[[鋼管]]柱鉄塔と呼称されるものを含んで様々な[[鋼材]]が使用されており、美化鉄柱とも呼ばれる<ref name="gaku-sodenden">[http://www015.upp.so-net.ne.jp/overhead-TML/shurui.html 架空送電線の分類と規模](架空送電線 (がくうそうでんせん) の話)</ref><ref>[http://transmltkbr.sakura.ne.jp/soudenn291.html 初の美化鉄塔](送電鉄塔見聞録)</ref>。
 
 
=== 支持形式による分類 ===
 
; 自立式鉄塔
 
: 鉄塔の本体のみで自立する方式。
 
; 支線式鉄塔
 
: [[支線 (建築)|支線]](ステー)により保持する方式。支線を広く張るために自立式と比べて広大な用地を必要とするが、自立式よりも少ない材料で建設できる。
 
; ルーフタワー
 
: 建物の屋上などに設置する方式。
 
; パンザマスト
 
: 数本の鉄製の円筒をつなぎ合わせて柱にしたものである。解体すると全長を短くできる。山間部などで[[電柱]]が搬入できない場所や、設置と撤収を繰り返す必要のある場所に用いられる。
 
; クランクアップタワー
 
: 筒型に組んだ骨組みを数本入れ子に重ね合わせ、ワイヤー等を組み合わせた機構により伸縮を可能にしたもの。調整時や強風時には全長を短く(頂部を低く)することができる。
 
 
== 鉄塔をテーマとした作品 ==
 
=== 書籍 ===
 
* 『[[鉄塔 武蔵野線]]』([[銀林みのる]]著、[[新潮社]]、[[1994年]])
 
* 『鉄塔のひと』([[椎名誠]]著、『鉄塔のひと・その他の短篇』収録、新潮社、1994年)
 
*『君と夏が、鉄塔の上』(賽助著、[[ディスカヴァー・トゥエンティワン]]、2016年)
 
 
=== 映画 ===
 
* 『[[鉄塔 武蔵野線]]』([[バップ]]、[[1997年]])
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Steel towers}}
 
* [[塔の一覧]]
 
* [[塔]]
 
* [[電柱]]
 
* [[超高層ビルの一覧]]
 
* [[高層建築物]]
 
* [[ハイパービルディング]]
 
* [[キヤ97系]]
 
  
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[[Category:塔]]
 
[[Category:塔]]
 
[[Category:電力インフラ]]
 
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鉄塔(てっとう)

鉄骨,鉄柱を素材とした塔。無線通信用鉄塔,索道用塔,照明塔などがあり,その形状および規模は用途に応じて多種多様で,四角形または三角形の断面のトラス構造が一般に用いられる。鉄塔が造られはじめたのは,鉄が大量生産されるようになってからで,歴史は新しく,柔軟性,軽量にできるなど,鉄のすぐれた特色を生かすことができるが,鉄塔は一般に屋外にあって雨露にさらされているので塗装や亜鉛メッキを施す必要がある。付帯設備としては昇降階段,ステップボルト,踊り場,避雷装置などをつけ,地表面から 60m以上の高さの鉄塔は通常,航空障害灯および昼間障害標識を設置しなければならない (航空法 51) 。歴史的なものとして,1889年パリ万国博覧会のシンボルタワーとして建造されたエッフェル塔がある。




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