近鉄京都線

提供: miniwiki
2018/7/30/ (月) 01:17時点におけるja>210aによる版 (運行形態)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索

京都線(きょうとせん)は、京都府京都市下京区京都駅から奈良県奈良市大和西大寺駅までを結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線

概要

日本を代表する国際的観光都市である京都市奈良市の都市間輸送および沿線の住宅地、関西文化学術研究都市の足を担っている。また京都市営地下鉄烏丸線を介して京都市中心部から奈良方面までや、京都から天理橿原神宮前方面・伊勢方面へ直通運転しており、乗り換えせずに行くことができる。京都市内や東海道・山陽新幹線北陸本線方面から奈良県三重県中部(伊勢志摩地方)への観光の大動脈としても機能する。新田辺駅以南の沿線では関西文化学術研究都市の開発により宅地開発が活発化した。

1991年から西日本旅客鉄道(JR西日本)も、並行する奈良線京都駅 - 奈良駅間で快速列車を運転し対抗しているが、運転本数の多さで近鉄京都線がまだ優勢である。ただ、外国人観光客に関しては、ジャパンレールパスが近鉄では利用できないため、JRを使うケースも多い。新田辺駅 - 新祝園駅間では、JR西日本の片町線(学研都市線)とも並走している。

全線で、スルッとKANSAI対応カードおよびICカードPiTaPaICOCASuicaなどの全国相互利用乗車カードが利用可能である。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):34.6 km
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:26駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:105 km/h

全線、大阪統括部(旧上本町営業局)の管轄である。

沿線風景

京都駅 - 新田辺駅間

起点の京都駅は3階にある東海道新幹線ホームの真下の2階に所在し、2012年3月に4番線が増設され3面3線から4面4線構造に拡張された。1・2番線は主に特急団体臨時列車の発車用で、急行・準急・普通はほとんどが3・4番線からの発車となっている。1・2・3番線は両面ホーム、4番線は片面ホームであり、その階下部分には飲食店や土産物店などが並ぶ近鉄名店街『みやこみち』がある。出発後はすぐに左へとカーブし、東海道新幹線をくぐって南下すると東寺駅に着く。高架橋からは右手に東寺の五重塔を望むことができる。この先竹田駅までは高架線を走行するが、途中の上鳥羽口駅手前に設けられた亘り線には、近鉄線では2箇所でしか使用されていないノーズ可動式分岐器の1つが使用されている。竹田駅は、京都市営地下鉄烏丸線との共同使用駅で、上下線とも島式ホームの外側に近鉄、内側に京都市営地下鉄の列車が発着する。伏見駅を過ぎると、京阪本線の高架下をくぐり、京阪本線との乗換駅、近鉄丹波橋駅へ到着する。かつては京阪本線との直通運転を行っていた時期もあり駅付近にはその名残を垣間見ることができる。

近鉄丹波橋駅を出発して右に左にカーブするとすぐに桃山御陵前駅に到着する。この後も急カーブが連続するために列車はスピードを落として走行する。この付近は地下水が豊富で古くからの日本酒の名産地として知られている。やがて近鉄の名鉄橋である澱川橋梁を渡る。このあたりから列車の速度が上がり、橋梁を通過した列車は盛土部分を走行し、右手には巨椋池を干拓した広大な農地が広がる向島駅を過ぎ宇治市に入って京滋バイパスをくぐって住宅街の中にある小倉駅を過ぎると、やがて高架駅の大久保駅に到着する。その後さらに列車は南へ進み、長大なプレートガーター橋の木津川橋梁を渡ってしばらく進むと京田辺市の中心駅の新田辺駅に到着する。6両編成の普通(地下鉄烏丸線からの直通の普通も含む)や準急は同駅までの運転となっている。

新田辺駅 - 大和西大寺駅間

この区間では普通より急行の方が列車本数が多く、普通も一部をのぞいて4両編成で運転されている。新田辺駅発車後は左にカーブし、しばらく進むと、同志社大学(京田辺キャンパス)の最寄り駅で天井川があった興戸駅が見える。この先、近年高架駅となった三山木駅より先は田園風景も見られるようになり、三山木駅からほどなくして、1993年に新設された近鉄宮津駅西大寺検車区宮津車庫が見えてくる。その先をさらに進むと国立国会図書館関西館などのあるけいはんな学研都市の最寄り駅新祝園駅に到着する。片町線(学研都市線)を渡り、列車はさらに南下するが、京都府内の駅は山田川駅までである。奈良県に入ると、すり鉢状の地形に設けられた平城ニュータウンの最寄り駅、高の原駅に到着し、列車は森の中を突き進む。やがてスピードを大きく落として、急カーブを右に曲がれば平城駅に到着する。その後左にカーブすると、奈良線・橿原線と接続するジャンクション駅である大和西大寺駅に到着する。京都線はここまでであるが、列車の大半は近鉄奈良駅橿原神宮前駅方面へ直通する。

運行形態

京都線では、特急急行準急普通が運転されている。急行と普通の一部は竹田駅から京都市営地下鉄烏丸線に乗り入れ、近鉄奈良駅(急行のみ)・新田辺駅 - 地下鉄国際会館駅間で相互直通運転を行っている。以下に各種別の詳細を示す。

特急

特急は京都駅 - 近鉄奈良駅・橿原神宮前駅間に1時間に4本運転されているほか、京都駅 - 賢島駅間(2018年現在は1日下り3本・上り2本[1] と、「しまかぜ」の1往復週6日運行のみ)にも運転されており、京都線において昼間は10分 - 20分間隔、夕方から夜にかけては15分間隔の運転である。京都線内では全列車が近鉄丹波橋駅大和西大寺駅に停車し、朝9時台までの上り京都行きと15時以降の下り列車は高の原駅にも停車している。

かつては近鉄奈良駅・橿原神宮前駅発着列車の一部列車が京都駅 - 大和西大寺駅間で併結運転を行う列車もあったが、2018年3月17日のダイヤ変更で全列車とも単独運転となっている。また京都駅 - 近鉄奈良駅間にアーバンライナー車両による特急が設定されていたが、2009年3月20日のダイヤ変更により同区間のアーバンライナー車両の定期運用は消滅した。

急行

ファイル:Kyoto City 10 series EMU early type 001.JPG
京都市営地下鉄から来た奈良行き急行。

京都線の一般速達種別で、京都線内では特急停車駅に加えて東寺駅・竹田駅・桃山御陵前駅大久保駅・新田辺駅・新祝園駅に停車する。奈良線や橿原線への直通運転が基本で終日、京都駅 - 近鉄奈良駅・橿原神宮前駅間のほか、朝夕時間帯には京都駅 - 天理駅間および京都発新田辺・近鉄宮津・大和西大寺行き、また平日に上り1本のみ高の原発京都行きが設定されている。近鉄宮津行きの急行は他の定期急行の停車駅に加えて興戸駅三山木駅にも停車し、同志社大学京田辺キャンパスへの通学客の利便性を確保している。昼間時間帯と平日ダイヤの朝には地下鉄烏丸線国際会館駅 - 近鉄奈良駅間直通の急行も1時間に1往復程度運転される。

昼間時間帯は1時間に京都駅 - 近鉄奈良駅間・国際会館駅 - 近鉄奈良駅間の系統がそれぞれ1本、京都駅 - 橿原神宮前駅間の系統が2本の計4本運転される。京都駅発着の急行が20分間隔で運転され、そこに地下鉄烏丸線直通急行が1本挿入される形のダイヤとなっている。地下鉄烏丸線からの直通列車も含めてすべて6両編成で運転されている。また、2003年3月の快速急行の急行への統合以降は、特急と急行の運転間隔が異なるので、地下鉄直通をのぞき大久保駅・新田辺駅・新祝園駅・高の原駅のいずれかで特急待避を行うようになった。2012年3月20日からは(地下鉄直通をのぞけば)特急と急行の運転間隔は同一に戻ったが、同様の状況が続いている。地下鉄烏丸線からの直通列車に関しては竹田駅で近鉄京都駅発着の各駅停車と接続する。

急行の京都駅 - 大和西大寺駅間の標準所要時間は40分前後である。早朝・深夜の特急待避が無い列車は37 - 38分で走破する。また、昼間の新田辺駅以南では普通より急行の本数が多い。

準急

ファイル:KT series3200-Kyoto.jpg
3200系車両で運転される新田辺行き準急。

平日は朝に下り1本・上り2本、夕方に60分間隔で上下3本、土休日は朝に1往復のみ運転のため本数は少ないが、京都駅 - 新田辺駅間で運転されている。京都駅 - 近鉄丹波橋駅間は急行と同一の停車駅で運転され、近鉄丹波橋駅 - 新田辺駅間は各駅に停車する。

3駅しか通過せず、普通も追い抜かない(ただし一時期は夕方の京都駅発の準急が上鳥羽口駅で普通を追い抜いていたことがあったが、現在は準急と普通の京都駅での発車順序を入れ替えたため追い抜きは廃止された)、京都線の輸送力の補完の意味合いが強く、丹波橋駅で接続する京阪本線から京都駅への速達アクセスとしても機能している。ただし夕方の列車は終点まで急行に抜かれないため、急行の混雑緩和に役立っている。編成両数は6両または4両である。夕方下りの4両編成の準急は新田辺駅から各駅停車に種別を変更して大和西大寺行きとして運転される。

また夕ラッシュ時運行の列車(朝にもある)は、京都駅での折り返し場面で急行と準急の運用を入れかえる新田辺車庫の出入庫列車の役割も兼ねている。すなわち、京都行き急行から折り返し新田辺行き準急、京都行き準急から折り返し近鉄奈良・天理・橿原神宮前行き急行となる運用パターンになっている。

なお、1994年までは京都駅 - 大和西大寺駅・近鉄奈良駅間に運転されており、当時は向島駅を通過し小倉駅 - 近鉄奈良駅間は各駅に停車していた(1988年の地下鉄開業までは、竹田駅も通過していた)。1960年代までは京都駅 - 新田辺駅間は急行と同一、新田辺駅以南は各駅停車であった時代もあり、丹波橋駅以南各駅停車(向島駅は当時未開業)と新田辺駅以南各駅停車の設定が変動していた時期もあった。

2000年代後半以降はダイヤ変更のたびに本数が減少する傾向にあり、2010年3月のダイヤ変更では本数が大幅に削減された。特に夕方ラッシュ時には従来30分間隔で運転されていたものが60分間隔とされ、運転本数が半減している。

普通

ファイル:KC series10-Kyoto.jpg
国際会館行きの列車も設定されている。

各駅に停車する。終日、京都駅 - 新田辺駅・大和西大寺駅・天理駅・橿原神宮前駅間の運転に加え、地下鉄烏丸線国際会館駅 - 新田辺駅間(上り1本のみ近鉄宮津発)の直通列車が運転される。新田辺発着の大和西大寺行きおよび橿原線・天理線直通普通や、近鉄宮津発京都行きも運転されている。

昼間時は1時間に京都駅発着が4本、地下鉄線直通が2本の計6本が設定されている。2012年3月20日のダイヤ変更前は大和西大寺行きは時間帯によっては大和西大寺駅から天理行きまたは橿原神宮前行きに変更していた。一旦、大和西大寺行きとして運転していた理由としてダイヤが乱れた時に運休あるいは別編成を大和西大寺駅 - 橿原神宮前駅・天理駅間に充当できるようにするためであるほか、大和西大寺駅から先を急行として種別変更もされる列車があるためでもある。したがって、実際には大和西大寺駅で折り返さずに京都駅 - 橿原神宮前駅・天理駅間を直通で運転していた。

編成両数は地下鉄直通の全列車と、ラッシュ時などの京都駅 - 新田辺駅間の一部の区間運転列車が6両編成で、その他は4両編成である。狛田駅山田川駅および直通する橿原線内の普通のみの停車駅のホーム有効長が4両分までのため、大和西大寺駅発着および橿原線・天理線直通の列車は4両編成で運転している。一部、京都駅 - 新田辺駅間を6両編成で運転し、新田辺駅で連結・切り離し作業あるいは車両の取り替えを行い新田辺駅以南を4両編成で運転する列車もある。新田辺駅 - 近鉄宮津駅間の臨時普通は6両編成、朝ラッシュ時にごくわずかに設定されている定期の普通は4両編成で運転されている。

京都駅 - 竹田駅間は1時間4本であるが、京都市営地下鉄とのダイヤ調整のため15分間隔ではない。なお昼間の新田辺駅 - 大和西大寺駅間は1時間3本のためおおむね20分間隔になる。

なお、1997年地球温暖化防止京都会議中には烏丸線直通の普通列車が高の原駅まで乗り入れていた。ただし当時、6両編成が停車できなかった興戸駅と4両対応の狛田駅・山田川駅は通過していた。

快速急行(廃止)

1998年から京都駅 - 近鉄奈良駅間で日中に1時間あたり2本設定された。竹田駅・近鉄丹波橋駅・大和西大寺駅・新大宮駅(2000年から)に停車し、竹田駅で国際会館駅発着の急行と接続して速達性の向上を図った(当時の日中は1時間あたり京都発着の快速急行と急行が2本ずつ、国際会館発着の急行が2本)が、利用は芳しくなく誤乗も多かったため、2003年春のダイヤ変更で廃止され急行に格下げされた[2]。以降、日中の竹田駅 - 大和西大寺駅間の急行が1時間あたり6本となり、2012年3月19日まで続いた。定期列車が設定される前にも1988年なら・シルクロード博覧会などの際にも臨時に運転されていたことがある(日中1時間に1本の運転。停車駅は近鉄丹波橋駅・大和西大寺駅で、2002年以降の特急と同じであった)。

回送列車

新田辺・宮津・西大寺の各車庫へ出入庫するための回送列車が運行されている。一部は京都市営地下鉄車両の回送列車もある。特に、近鉄奈良・大和西大寺方面の回送列車の一部は、近鉄宮津駅 - 大和西大寺駅間のみであるが、奈良線快速急行の折り返しで8・10両編成で運転されている。

運転本数

線内の各区間の昼間時の1時間毎の運転本数の内訳は以下のようになる。なお、特急4本の内訳は、京都駅 - 近鉄奈良駅間の列車が2本、京都駅 - 橿原神宮前駅間の列車が2本である。

種別
\駅名
京都 竹田 新田辺 大和西大寺
運行本数 特急 4本
急行 3本 4本
普通 4本 6本 3本

2012年3月20日のダイヤ変更で昼間時間帯の各列車の運転本数が削減されたために全体的に20分ヘッドになった(ただし竹田駅以南は地下鉄烏丸線からの直通列車も入るほか、京都駅 - 新田辺駅間の普通列車が毎時1本設定されているので若干変則的である)。

臨時運転

同志社の京田辺キャンパス、同志社女子大学京田辺キャンパス開校日に運転される。朝方は京都発(9:31発)新田辺行き急行1本が近鉄宮津行きに延長され、新田辺から各駅に停まる(ただし天理教月次祭等開催時は天理行き急行となり興戸・三山木・近鉄宮津の3駅を通過する)。夕方は近鉄宮津発新田辺行き各駅停車が5本運転される(15:18、16:24、16:39、16:53、18:24発)。その一部は新田辺から定期運転の京都行き準急や国際会館行き各駅停車へ変更され運転される。

大晦日終夜運転

大晦日から元旦にかけての終夜運転は、京都から伊勢方面・橿原神宮前・近鉄奈良への特急を各系統合わせて30 - 60分間隔で運転しているほか、京都駅 - 新田辺駅・大和西大寺駅間に普通を15 - 30分間隔で運転する形態となっている。時刻については近鉄の公式ホームページでも紹介されている。

車両

近鉄奈良線で使用される自社車両が京都線でも使用されるほか、京都市営地下鉄烏丸線10系の乗り入れ運用もある(主に新田辺駅以北折り返しの普通で運用。昼間時は近鉄奈良駅直通急行運用もあり)。

近鉄京都発着の列車で、地下鉄線対応の3200系3220系を含む6両単独編成は近鉄宮津駅以南発着の普通をのぞき、すべての種別にて運用されている(狛田駅・山田川駅および橿原線内の普通のみの停車駅のホーム有効長が4両分までしかないため)。

また、5800系5820系といったL/Cカーは京都線・橿原線・天理線運用とそれに関連する運用の場合は座席は常時ロングシートの状態で運転される[3]

2012年までは3000系も京都線系統を中心に使用されており、これ以外にも奈良・京都・橿原線系統以外の一般車両が運用された珍しい例として、地下鉄直通運転開始前の一時期、名古屋線から転属したモ1650形(抑速ブレーキ非装備、2700mm幅車体)が8000系・8400系の増結用に使用されたことがあった。

歴史

ファイル:Yodogawa Railway bridge of Kintetsu 002 KYOTO JPN.jpg
澱川橋梁(向島駅 - 桃山御陵前駅間の宇治川に架かる日本最長164.6mの単純トラス橋登録有形文化財
ファイル:Kyoto-Nara Railway Line Map.jpg
京都・奈良間鉄道路線図
→SVG版

京阪電気鉄道大阪電気軌道(通称 大軌。近鉄の前身)の合弁会社である奈良電気鉄道(通称 奈良電)により、私鉄路線がなかった2つの古都を結ぶ目的で開業した。京都駅 - 近鉄丹波橋駅間は国鉄奈良線の旧線跡を利用して建設され、全通時より大軌の奈良線・畝傍線(現在の橿原線)と相互直通運転をしていた。さらに戦後直後から1968年までは、京阪本線との直通運転も行った。

近鉄の路線となったのは、1963年10月1日のことである。なお同線の建設や近鉄統合に関しては、「奈良電気鉄道」の項目も参照。

宇治川以北のルート選定

建設に当たり、宇治川以北のルート選定は難航した。

建設当時は京阪本線沿線も含めて周囲が陸軍の演習地となっており、陸軍から架橋訓練の支障となる橋脚を宇治川に作ることを咎められ無橋脚橋梁を架橋することとなった。また、桃山御陵前駅の前後は、京都市も桃山御陵への参拝道に踏切が生じることを理由に反対したため地下線での建設を計画したが、伏見の酒造組合が地下水の枯渇を理由に地下線での建設計画は頓挫し、残る高架方式での建設となった。桃山御陵前駅 - 向島駅間の宇治川に架かる澱川橋梁が日本最長164.6mの単純トラス橋構造となったのは、このような複雑な事情による。

現在でも陸上自衛隊の演習地が宇治川周辺に存在する。しかし、伏見区内の住宅開発が進んだ事もあって大久保駅前にある陸上自衛隊大久保駐屯地京阪宇治線木幡駅の周辺に移転しており、現在では澱川橋梁の近辺で演習が行われることはない。

この節の出典:草思社全国鉄道事情大研究」京都・滋賀篇 川島令三

奈良電京都駅地下ターミナル計画の挫折

年表

  • 1928年(昭和3年)
    • 11月3日:奈良電気鉄道が桃山御陵前駅 - 西大寺駅(現在の大和西大寺駅)間を開業。
    • 11月15日:京都駅 - 桃山御陵前駅間が開業し全通。
  • 1929年(昭和4年)7月10日木津川の河畔に木津川駅を設置。
  • 1935年(昭和10年)6月29日:鴨川水害で十条駅 - 城南宮前駅間で路盤崩壊のため不通、同月30日運転再開。
  • 1940年(昭和15年)
    • 4月1日:城南宮前駅を竹田駅に改称。
    • 4月5日:上鳥羽口駅開業。
  • 1945年(昭和20年)
    • 5月20日:八条駅・木津川駅休止。
    • 12月21日:奈良電気鉄道の電車が京阪神急行電鉄の丹波橋駅(現在は京阪電気鉄道の駅[4])に乗り入れ、同駅から京阪神急行電鉄京阪線の三条駅まで直通運転開始。伏見駅 - 堀内駅 - 桃山御陵前駅間廃止。
  • 1946年(昭和21年)10月1日:京都駅 - 東寺駅間の八条駅、富野荘駅 - 新田辺駅間の木津川駅廃止。
  • 1947年(昭和22年)4月1日:京阪神急行電鉄(1949年から京阪電気鉄道[4])の電車が丹波橋駅から奈良電に乗り入れ、京都駅まで直通運転開始。
  • 1948年(昭和23年)7月1日:木津川駅再開業。
  • 1954年(昭和29年)7月5日:興戸駅開業。
  • 1963年(昭和38年)
    • 9月:京都駅高架化。
    • 10月1日:近畿日本鉄道が奈良電気鉄道を合併し、京都線となる。
  • 1965年(昭和40年)8月23日:木津川駅休止。
  • 1967年(昭和42年)3月29日:旧堀内駅を復活し、現在位置の近鉄丹波橋駅設置。伏見駅 - 近鉄丹波橋駅 - 桃山御陵前駅間復活。ただし1年間は丹波橋駅・近鉄丹波橋駅の併用となる(近鉄の特急・急行・準急は近鉄丹波橋駅を、普通と京阪直通列車は丹波橋駅を使用、ただし当初の正式駅名は両駅とも丹波橋駅)。
  • 1968年(昭和43年)
    • 10月10日ATS使用開始。
    • 12月20日:伏見駅 - 丹波橋駅(京阪) - 桃山御陵前駅間廃止。また丹波橋駅での京阪との相互直通運転と丹波橋駅・近鉄丹波橋駅の併用も廃止。近鉄使用の丹波橋駅を近畿日本丹波橋駅として分離。なおこの日より奈良線大型車両の京都線での運用を開始する。
  • 1969年(昭和44年)
    • 9月13日:京都駅 - 東寺駅間高架化。
    • 9月21日:架線電圧を600Vから1500Vに昇圧。
  • 1970年(昭和45年)3月1日:近畿日本丹波橋駅を近鉄丹波橋駅に改称。
  • 1972年(昭和47年)11月22日:高の原駅開業。
  • 1974年(昭和49年)7月20日:木津川駅廃止。
  • 1979年(昭和54年)
    • 3月30日:向島駅開業。
    • 7月:特急に限り6両編成運転開始。
  • 1981年(昭和56年):800系820系運用終了。
  • 1982年(昭和57年)3月18日:平日朝の急行を6両編成に増結。同年6月1日に急行の6両編成運転を一旦中止。
  • 1987年(昭和62年)
    • 7月:竹田駅を移転。
    • 10月22日:大久保駅付近高架化完成、同駅に待避線が設けられる。
    • 12月6日:急行の6両編成運転を再開。準急、普通の一部区間での6両運転も開始。
  • 1988年(昭和63年)8月28日京都市営地下鉄烏丸線との相互直通運転を開始(当時は北大路駅まで)。
  • 1990年(平成2年)10月24日:京都市営地下鉄烏丸線の北大路駅 - 北山駅間延伸開業に伴い、直通運転区間も延長。
  • 1993年(平成5年)
    • 3月18日:宮津車庫完成。
    • 9月21日:近鉄宮津駅開業。待避可能駅。この近鉄宮津駅開業および志摩線複線化工事の進捗・同年10月の伊勢神宮式年遷宮の輸送対応と合わせ、主要線区でダイヤ変更を実施。
  • 1994年(平成6年)9月21日:木津川台駅開業。
  • 1995年(平成7年)3月16日:同志社大学京田辺キャンパスへの通学客に対応するため、平日朝方に京都発近鉄宮津ゆき急行を2本新設(1本は京都発新田辺ゆき急行の区間延長。従来の急行停車駅のほか三山木駅にも停車)。
  • 1996年(平成8年)3月15日23000系(伊勢志摩ライナー)を京都発着の特急にも運用開始。新祝園駅で待避線の使用開始。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月18日:同日のダイヤ変更で「土曜・休日ダイヤ」が導入されたのに伴い、土曜・休日朝方にも京都発近鉄宮津ゆき急行を1本設定。また平日朝方に高の原始発の京都ゆき急行を1本新設。
    • 5月22日:京都市営地下鉄烏丸線の北山駅 - 国際会館駅間延伸開業に伴うダイヤ修正を実施(延伸区間は6月3日の正午に開業、それまではいわゆる「予行運転」の形で延伸区間は回送列車として運行)。
  • 1998年(平成10年)
    • 3月17日:土曜・休日昼間、京都駅 - 近鉄奈良駅間に快速急行を新設。
    • 10月3日:東寺駅 - 竹田駅間の下り線高架化[5]
  • 1999年(平成11年)
    • 3月16日:同日より京都駅21:00発以降の下り特急7本が高の原駅にも停車。
    • 11月27日:東寺駅 - 竹田駅間、上下線とも高架化。上鳥羽口駅は通過線が設けられて待避可能駅に。
  • 2000年(平成12年)3月15日:国際会館駅 - 近鉄奈良駅間直通の急行を新設し京都市営地下鉄烏丸線との相互直通運転区間を近鉄奈良駅まで延長。快速急行が平日昼間にも設定され増発、停車駅に新大宮駅を追加。急行の停車駅に新祝園駅を、準急の停車駅に向島駅をそれぞれ追加、京都発近鉄宮津ゆき急行は興戸駅にも停車。
  • 2001年(平成13年)
  • 2002年(平成14年)
    • 3月20日:同日より近鉄丹波橋駅にすべての特急が停車(これまでにも大晦日終夜運転に限って停車していた)。また高の原駅停車の特急を京都駅19:00発以降の下り特急にも拡大(8本が新たに停車)。
    • 5月27・29日:天皇皇后の奈良視察に伴うお召し列車を運転(27日:京都駅から近鉄奈良駅へ、29日:橿原神宮前駅から京都駅へ)。両行程共に21000系(アーバンライナー)の第11編成を4両に短縮の上で充当。
  • 2003年(平成15年)3月6日:京都駅 - 近鉄奈良駅間の快速急行を急行に統合し廃止[2]。京伊特急の一部が大和八木 - 賢島間で阪伊乙特急と併結運転(併結運転列車の京伊特急側の号車番号は「A号車、B号車、…」とする)。
  • 2005年(平成17年)8月6日:三山木駅付近高架化完成。
  • 2007年(平成19年)4月1日:各駅でPiTaPaICOCAの取り扱い開始。
  • 2008年(平成20年)
    • 6月14日:京都駅 - 竹田駅間で車上速度パターン照査式ATS (ATS-SP) 使用開始。
    • 10月30・31日:天皇・皇后の奈良視察に伴うお召し列車を京都駅 - 近鉄奈良駅間に運転(往路は30日、復路は31日)。往復共に21020系(アーバンライナーnext)21021F が充当される[6]
  • 2009年(平成21年)3月1日:Jスルーカードの自動改札機・のりこし精算機での取り扱いを終了[7]
  • 2010年(平成22年)10月7日:天皇・皇后の奈良視察に伴うお召し列車を、京都駅から近鉄奈良駅へ運転。21020系(アーバンライナーnext)21021F を充当。[8][9]
  • 2014年(平成26年)
    • 10月10日:京伊特急にも観光特急50000系(しまかぜ)を運用開始[10]
    • 11月15・17日:天皇・皇后の奈良視察(全国豊かな海づくり大会臨席など)に伴うお召し列車を運転(15日:京都駅から橿原神宮前駅まで、17日:近鉄奈良駅から京都駅まで)[11]
  • 2016年(平成28年)4月2・4日:天皇・皇后の奈良視察(神武天皇式年祭参拝など)に伴うお召し列車を、京都駅 - 橿原神宮前駅間に運転(往路は2日、復路は4日)[12]

駅一覧

凡例
●:停車、|:通過、▼:京都発近鉄宮津行のみ停車、※:奈良競輪開催時臨時停車
特急列車については特急列車記事を参照のこと
#印の駅は列車待避可能駅
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 準急 急行 接続路線 所在地
B01 京都駅 - 0.0 東海旅客鉄道■ 東海道新幹線
西日本旅客鉄道A 東海道本線JR京都線琵琶湖線)・D 奈良線E 山陰本線嵯峨野線
京都市営地下鉄K 烏丸線 (K11)
京都府 京都市
下京区
B02 東寺駅 0.9 0.9   京都市
南区
B03 十条駅 0.6 1.5  
B04 上鳥羽口駅# 1.0 2.5   京都市
伏見区
B05 竹田駅 1.1 3.6 京都市営地下鉄:K 烏丸線 (K15)(大和西大寺方面から国際会館駅まで直通運転)
B06 伏見駅 1.3 4.9  
B07 近鉄丹波橋駅 1.1 6.0 京阪電気鉄道25px 京阪本線丹波橋駅 (KH30)
B08 桃山御陵前駅 0.5 6.5 京阪電気鉄道:25px 京阪本線伏見桃山駅 (KH29)
B09 向島駅# 2.1 8.6  
B10 小倉駅 2.8 11.4   宇治市
B11 伊勢田駅 1.3 12.7  
B12 大久保駅# 0.9 13.6 西日本旅客鉄道:D 奈良線…新田駅
B13 久津川駅 1.0 14.6   城陽市
B14 寺田駅 1.3 15.9  
B15 富野荘駅 1.5 17.4  
B16 新田辺駅# 2.2 19.6 西日本旅客鉄道:H 片町線(学研都市線)…京田辺駅 京田辺市
B17 興戸駅
(同志社前)
1.5 21.1    
B18 三山木駅 1.3 22.4    
B19 近鉄宮津駅# 0.7 23.1    
B20 狛田駅 1.3 24.4     相楽郡
精華町
B21 新祝園駅# 2.3 26.7   西日本旅客鉄道:H 片町線(学研都市線)…祝園駅
B22 木津川台駅 1.5 28.2     木津川市
B23 山田川駅 1.0 29.2     相楽郡
精華町
B24 高の原駅# 1.6 30.8     奈良県
奈良市
B25 平城駅 2.7 33.5    
B26 大和西大寺駅 1.1 34.6   近畿日本鉄道B 橿原線A 奈良線 (A26)
  • ホーム有効長は狛田駅と山田川駅が4両、竹田駅が8両、大和西大寺駅が10両のほかは6両対応。

かつて存在した駅

  • 八条駅(京都駅 - 東寺駅間、1928年11月15日開業、1945年5月20日休止、1946年10月1日廃止) - 東海道本線と並行向きに京都駅を出た列車が、南へ進行方向を変えるあたり、つまり京都駅と東寺駅とのほぼ中間に位置する八条通りの東寺寄りに設けられていた駅。京都駅および東寺駅の駅間距離は極めて短く(八条駅が廃止されて以降もまだ短い部類に入る)、しかもいずれの駅へも徒歩圏内にあり、その関係で不要不急とみなされ廃止された。
  • 丹波橋駅(伏見駅 - 桃山御陵前駅間、1945年開業、1968年12月19日廃止) - 京阪電気鉄道への乗り入れを目的に近隣の堀内駅を一旦廃止した上で開設。近畿日本丹波橋駅(現在の近鉄丹波橋駅)が丹波橋駅5・6番線として暫定開業した1967年より後も継続使用していたが、乗り入れ廃止により近畿日本丹波橋駅に一本化して同駅を正式に開業した際に廃止。
  • 木津川駅(富野荘駅 - 新田辺駅間、1929年7月10日開業、1945年5月20日休止、1946年10月1日廃止、1948年7月1日再開、1965年8月23日休止、1974年7月20日廃止) - 水泳客用に夏季のみ設けられた臨時駅

主要駅の乗降客数

2015年11月10日調査による乗降客数は次の通り[13]

  • 京都 82,414人
  • 東寺 8,742人
  • 竹田 10,806人
  • 近鉄丹波橋 46,795人
  • 桃山御陵前 14,997人
  • 大久保 24,813人
  • 新田辺 25,881人
  • 新祝園 14,984人
  • 高の原 35,623人
  • 大和西大寺 46,530人

脚注

  1. 他に鳥羽行き下り1本、榛原発上り1本、松阪発上り2本。
  2. 2.0 2.1 『RAIL FAN』第50巻第6号、鉄道友の会、2003年6月1日、 17頁。
  3. 奈良線では一部運用や乗務員の判断によって、ロングシートとクロスシートの座席運用が混在する。
  4. 4.0 4.1 当時、京阪電気鉄道は阪神急行電鉄に合併し京阪神急行電鉄となっていた。戦後1949年12月1日に淀川左岸の新京阪線を残して京阪電気鉄道として分離独立した。
  5. 鉄道ピクトリアル』第49巻第3号、電気車研究会1999年3月、 87頁。
  6. 近鉄21020系によるお召列車運転 - 鉄道ファン(交友社)「railf.jp」鉄道ニュース、2008年10月31日
  7. Jスルーカードの利用終了について (PDF) - 近畿日本鉄道ほか 2008年12月2日
  8. 行幸啓について (PDF) - 奈良県ホームページ
  9. 近鉄21020系使用のお召列車が運転される - 鉄道ファン(交友社)「railf.jp」鉄道ニュース、2010年10月8日
  10. 観光特急「しまかぜ」平成26年10月10日(金)、京都発着の定期運行開始! (PDF) - 近畿日本鉄道ニュースリリース、2014年4月24日
  11. 行幸啓について (PDF) - 奈良県ホームページ(2014年11月22日閲覧)。
  12. 行幸啓について (PDF) - 奈良県ホームページ(2016年4月4日閲覧)
  13. 駅別乗降人員 京都線 - 近畿日本鉄道

参考文献

  • 徳田耕一(編著) 『まるごと近鉄ぶらり沿線の旅』 河出書房新社、2005年。ISBN 4309224393。
  • 諸河久・杉谷広規(編著) 『日本の私鉄 近鉄1』 保育社〈カラーブックス〉、1998年。ISBN 458650904X。
  • 諸河久・山辺誠(編著) 『日本の私鉄 近鉄2』 保育社〈カラーブックス〉、1998年。ISBN 4586509058。
  • 近畿日本鉄道(編著)『近鉄時刻表』各号、近畿日本鉄道。
  • 電気車研究会「特集:近畿日本鉄道」、『鉄道ピクトリアル』増刊号、電気車研究会、2003年1月

関連項目

外部リンク

  • 路線図 - K's PLAZA(近鉄公式サイト)