農場

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農場(のうじょう、: farm)または農園(のうえん)は農業の基本単位である。農場は穀物野菜などの農産物、および家畜などの畜産物といった食料の生産のために使われる土地(農地)でもある。また、農地に付属する家屋や管理棟、畜舎などの建物や、敷地内のなどをまとめて農場ということもある。

農場または農園は一個人、または一家族(農家)が経営・所有する場合もあれば、農村や組合などの共同体企業国家が経営・所有する場合もある。また大きさもごく小さな農地と家屋のみのこともあれば、数千ヘクタールに達する巨大農場もある。

種類

農場にはさまざまな種類がある。例えば畜産業を営む農場のうち、柵で囲った中で家畜を放し飼いにして育てる場所は牧場(ぼくじょう、まきば)という。特に、草原など放牧地牧畜を行う放牧場は英語でランチ(ranch)、スペイン語でエスタンシア(estancia)と呼ばれる。一方、畜舎に家畜を入れたままにして飼料を与える場所は畜産場ともいう。馬の生産を主に行う牧場は(うまや、stable)という。牛乳など乳製品の生産(酪農)を主に行う農場を酪農場(dairy farm)という。

野菜を栽培し、穀物はほとんど生産しない農場は菜園(truck farm)という。(truck とは物々交換を意味するが、古語では野菜のことを呼んだ)果物を生産する農場は果樹園(orchard)と呼び、特にぶどうワインレーズンなどを育てる果樹園を葡萄園(ヴィンヤード、vineyard)という。

九州の熊本、山都町や阿蘇地方では、主に自家用野菜を生産する小規模な畑を「しゃえん」と呼んでいる。これは菜園がなまったものと考えられる。

地域による農場の形態

イングランドでは貴族など、同じ所有者のもとにある複数の農場群は「農場(farm)」ではなく「地所(estate)」と呼ぶべきだとの意見もあり、農場と地所の区別ははっきりしない。なお、「farm」の語源はアングロ・サクソン人の言葉の「feorm」から来ている。feorm とは食料の貯蔵・供給と関係のある言葉で、さらにもともとは生産財や貨幣の等価物をのための負担とするような課税の形態のことであった。時代を経て、こうした課税は土地賃貸税へと変わっていった。

ソビエト連邦などの社会主義国では農地の集団化が図られ、集団農場が作られたこともあった。ソ連ではコルホーズ(集団農場)、ソフホーズ(国営農場)といったものがあり、コルホーズでは農具や作物は共有物であった。

商品作物を生産するため、多数の農業労働者を雇い運営する農場をプランテーションという。特にかつての植民地や現在の発展途上国などで行われ、労働力を安価にするため奴隷労働に頼っていたこともあった。

日本では農場は個人経営の小規模なが中心である。明治以降、北海道など各地に西洋式の作物栽培と牧畜業を組み合わせた農場が数多く作られたが、特に岩手県に作られた小岩井農場が有名である。

農場の歴史

農場の成立は町や都市の成立につながる第一歩である。森林での採取や狩猟を行っていた時代から農業を始める時代になると、生産物の徴収・分配、市場での販売、道路の整備などが後に続く。

農園の規模は小さなものから始まったが、輸送手段の発達・市場経済の発達などにより次第に農場の規模が大きくなり、一方で小規模な自作農から他人の農地を耕す小作農となる者も現れた。植民地などではプランテーションなど極端に大きな農場も出現した。

農場をめぐる権利は多くの革命、解放戦争、植民地後(ポストコロニアル)経済などで焦点となってきた。

農場で使われる車両・機械

関連項目