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| − | '''親藩'''しんぱんは、[[江戸時代]]の[[藩]]の分類の一つで、[[徳川家康]]の男系男子の子孫が始祖となっている藩を指す。特に、[[徳川氏|徳川姓]]を名乗った[[徳川御三家|御三家]]・[[御三卿]]の当主は家康の男系男子・子孫に限られ、[[徳川将軍家|将軍家]]の血筋が絶えた場合などに、将軍を出す役割を担った。その他の家は[[松平氏|松平姓]]を名乗った。 | + | '''親藩''' |
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| − | 下記以外に、家康の女系男子・子孫である[[奥平松平家]]、家康の異父弟・子孫である[[久松松平家]]（[[伊予国|伊予]][[伊予松山藩|松山藩]]主と、[[伊勢国|伊勢]][[桑名藩]]主の系統）、[[徳川家光]]・[[徳川綱吉]]の正室の実家[[鷹司家]]の出身である[[鷹司松平家]]も親藩に準じて扱われることもある。なお、狭義の親藩には御三家・御三卿は含まれない。
| + | 江戸時代，徳川宗家 (そうけ) の子弟で[[大名]]となった藩をいう。尾張，紀伊，水戸の3家 ([[御三家]] ) と越前，会津の2松平家の5家を親藩とした。5家の藩主の子孫で分家したものを[[家門]]，特に3家の分れたものを連枝とした。親藩は譜代とともに幕政上重きをなし，特に3家は将軍家に継嗣のないとき襲職できる家柄であり，また水戸藩主は江戸に常勤して幕府と最も近い関係にあった。 |
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| − | == 御三家 ==
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| − | {{Main|徳川御三家}}
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| − | 以下の御三家は、家康の男系男子・子孫であり、親藩の中でもさらに別格の扱いだった。
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| − | * [[徳川義直]]を祖とする[[尾張徳川家]]
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| − | * [[徳川頼宣]]を祖とする[[紀州徳川家]]
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| − | * [[徳川頼房]]を祖とする[[水戸徳川家]]
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| − | もし[[徳川将軍家]]に男系男子（将軍継嗣）がなければ、この三家が将軍を出すように決められていた。また、徳川姓を名乗ること（他の一門は松平姓）や、[[三つ葉葵]]の家紋の使用などが許されていた。ただし、当初は水戸は入っておらず、将軍家・尾張家・紀州家をもって御三家と称した。8代将軍[[徳川吉宗]]と14代将軍[[徳川家茂]]は紀州藩主から、15代将軍[[徳川慶喜]]は水戸徳川家の血統であるが一橋家当主から将軍に就任した。
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| − | == 御三卿 ==
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| − | {{Main|御三卿}}
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| − | 吉宗の時代以降にさらに御三卿が設けられた。御三卿は「将軍の家族」として扱われた。
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| − | * [[徳川宗武]]を祖とする[[田安徳川家]]（[[徳川吉宗]]の代に創設）
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| − | * [[徳川宗尹]]を祖とする[[一橋徳川家]]（徳川吉宗の代に創設）
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| − | * [[徳川重好]]を祖とする[[清水徳川家]]（[[徳川家重]]の代に創設）
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| − | 15代将軍は一橋家当主から将軍に就任した。将軍の後継を補う他に、御三家のうち尾張藩主と紀州藩主の養子となって当主を継承した者も複数出ている。将軍家や御三家の後継補完のため、御三卿当主はたびたび空位の時期が存在した。
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| − | == 一門 ==
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| − | 江戸初期には将軍家の次子以降から親藩が立てられたが、宗家継承や後嗣断絶のため一時的なものにとどまった。
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| − | * [[駿河徳川家]]（[[徳川秀忠]]の三男[[徳川忠長]]、[[駿府藩]]）
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| − | * [[甲府徳川家]]（[[徳川家光]]の三男[[徳川綱重|綱重]] - [[徳川家宣|綱豊]]、[[甲府藩]]）
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| − | * [[館林徳川家]]（徳川家光の四男[[徳川綱吉|綱吉]]、[[館林藩]]）
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| − | 御三家・御三卿に次ぐ一門としては、
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| − | * [[徳川家康]]の次男（[[徳川秀忠|秀忠]]の兄）・[[結城秀康]]を祖とする[[越前松平家]]
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| − | * [[徳川秀忠]]の四男（家光の異母弟）[[保科正之]]を祖とする[[会津松平家]]
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| − | * [[徳川綱重]]の次男[[松平清武]]を祖とする[[越智松平家]]
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| − | などがあった。これら一門大名は家格・官位などでは優遇されたが、（将軍の親戚というだけであって譜代大名ではないので）幕政に参加することは許されなかった。ただし、保科正之は[[徳川家綱]]の補佐役として[[大政参与]]に就任して幕政に携わったが、これは病没前の徳川家光による特例措置である。他に例外として越智松平家の[[松平武元]]は[[徳川家重]]の時代に[[老中]]となっている。
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| − | 幕末に至ると、一門大名の幕政参加がみられるようになる。[[安政の改革]]では[[徳川斉昭]]（水戸徳川家）が海防参与に任じられた。これは、[[アヘン戦争]]敗北を受けた[[清]]の香港割譲・開国など幕府の危急存亡の秋という特殊事情が反映されたものである（[[安政の改革]]を参照）。また[[文久の改革]]では、[[島津久光]]らの介入により、[[松平春嶽|松平慶永]]（越前松平家）が[[政事総裁職]]に、[[徳川慶喜|一橋慶喜]]（一橋徳川家）が[[将軍後見職]]に、[[松平容保]]（会津松平家）が[[京都守護職]]にそれぞれ任命されている。また、松平慶永が政事総裁職を辞任した後には、同じく越前松平家の[[松平直克]]（[[川越藩]]主）が後任に任命されている。
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| − | == 親藩大名の領地一覧 ==
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| − | * [[尾張徳川家]]（[[尾張藩]]）
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| − | * [[紀州徳川家]]（[[和歌山藩]]）
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| − | * [[水戸徳川家]]（[[水戸藩]]）
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| − | * [[越前松平家]]（[[福井藩]]|[[松江藩]]|[[津山藩]]|[[明石藩]]|[[前橋藩]] → [[川越藩]] → 前橋藩）
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| − | * [[会津松平家]]（[[会津若松藩]]）
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| − | * [[越智松平家]]（[[館林藩]] → [[棚倉藩]] → 館林藩 → [[浜田藩]]）
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| − | 下記の家が含まれる場合もある。
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| − | * [[奥平松平家]]（[[忍藩]]）
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| − | * [[久松氏|久松松平家]]（[[伊予松山藩]]|[[桑名藩]]）※久松松平家でも他の藩は[[譜代大名]]として数えられる。
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| − | * [[鷹司松平家]]（[[吉井藩]]）
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| − | == 関連項目 ==
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| − | * [[御家門]]
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| − | * [[御連枝]]
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| − | * [[譜代大名]] - [[外様大名]]
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