聞きなし

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聞きなし聞き做し(ききなし)は、動物の鳴き声、主にのさえずりを人間の言葉に、時には意味のある言語の言葉やフレーズに当てはめて憶えやすくしたもの。

意味のある言葉を当てはめる場合もあるが、広義には人間の言葉の発音に置き換えたものを指す。人以外の動物の発音器官は人間の言語のような母音や子音の区別できる音を発しない。しかしこれを人間が聞き取るときに、ある程度無意識に人間の出せるような音に置き換えて解釈するのが普通である。また、その表現は言語ごとにある程度決まり、また慣習的に一定の型にはまる。たとえばイヌの吠え声は日本では「ワン」と聞き取る。また、この声はイヌを代表するものとして扱われ、幼児語は往々に鳴き声をたどる(わんわん)。

つまり、言語が異なればその聞きなしも異なったものとなる。たとえばイヌの声は英語では「Bow wow」である。また、歴史的にも変化し、犬の鳴き声は平安時代は「びょうびょう」と表現されていた。

概要

「聞きなし」という用語を初めて用いたのは、鳥類研究家の川口孫治郎の著書『飛騨の鳥』(1921年)と『続 飛騨の鳥』(1922年)とされている。昔話や民間に伝わる聞きなしを文献として初めて記録したのが同書である。同じ動物でも地域によって異なる聞きなしが伝承されている。

名前になった例

ツクツクホウシは、その鳴き声からそのまま名づけられた。なお、「法師(字音仮名遣い:ほふし)」は後世の付会なので、平安時代から仮名遣いは「つくつくほうし」であり、「つくつくぼうし」は「つくつく」と「ほうし」の合成語と誤解した結果の連濁現象である。

サンコウチョウはそのさえずりが「、ほいほいほい」と聞こえることから、3つの光の鳥(三光鳥)というのがその名のいわれである。

ややこしいのはブッポウソウで、コノハズクの鳴き声が仏法僧、つまり仏教における三宝に聞こえることから注目され、その正体がこの鳥だと誤解されたためにこの名を持っている。

由来に関する伝承

意味のある聞きなしから、その動物がなぜそう鳴くようになったかという由来が語られる例もある。

たとえばヒバリのさえずりを「リートル・リートル・ヒーチブ・ヒーチブ(利取る・日一分)」と聞いて、太陽から借金を取り立てようとしているのだ、とか、ツバメの鳴き声を「ハーシーブイシーブイ(歯渋い)」と聞いて、巣作りのために藁と泥をくわえたのでそう鳴いている、と解釈した例などがある。

関連項目

外部リンク

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