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| | | 子 = '''[[細川忠興|忠興（三斎）]]'''、[[細川興元|興元]]、[[細川伊也|伊也]]、[[細川幸隆|幸隆]]、千、[[細川孝之|孝之]]、加賀、栗 | | | 子 = '''[[細川忠興|忠興（三斎）]]'''、[[細川興元|興元]]、[[細川伊也|伊也]]、[[細川幸隆|幸隆]]、千、[[細川孝之|孝之]]、加賀、栗 |
| | }} | | }} |
| − | '''細川 幽斎'''(ほそかわ ゆうさい)/ '''細川 藤孝'''(ほそかわ ふじたか)は、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]から[[江戸時代]]初期にかけての[[武将]]、[[大名]]。[[歌人]]。幽斎は雅号。法名を玄旨という。 | + | '''細川 幽斎'''(ほそかわ ゆうさい)/ '''細川 藤孝'''(ほそかわ ふじたか) |
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| − | 初め[[室町幕府]]13代[[征夷大将軍|将軍]]・[[足利義輝]]に仕え、その死後は15代将軍・[[足利義昭]]の擁立に尽力するが、後に[[織田信長]]に従い、'''長岡 藤孝'''（ながおか ふじたか）を名乗って[[丹後国|丹後]][[宮津市|宮津]]11万石の大名となった。[[本能寺の変]]の後、主君・信長の死に殉じて剃髪し、家督を[[細川忠興|忠興]]に譲るが、その後も[[豊臣秀吉]]、[[徳川家康]]に仕えて重用され、近世大名[[細川氏|肥後細川家]]の礎となった。また、[[二条流]]の歌道伝承者・[[三条西実枝]]から[[古今伝授]]を受け、近世歌学を大成させた当代一流の文化人でもあった。
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| − | == 生涯 ==
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| − | === 幕臣時代 ===
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| − | 天文3年（1534年）4月22日、[[三淵晴員]]（和泉上守護家[[細川元有]]の子で、三淵氏の養子となっていた）の次男として[[京都市|京都]][[東山区|東山]]に生まれる。幼名を'''萬吉'''（まんきち）といった。天文9年（1540年）、7歳で伯父である和泉半国守護・[[細川元常]]（三淵晴員の兄）の養子となったとされる。しかし、これについては異説もある（[[#系譜]]）。天文15年（[[1546年]]）、将軍・足利義藤（後の[[足利義輝]]）の[[偏諱]]を受け、'''藤孝'''を名乗る。天文21年（[[1552年]]）、[[従五位|従五位下]]・[[兵部省|兵部大輔]]に叙任される。
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| − | 幕臣として将軍・義輝に仕えたが、[[永禄]]8年（[[1565年]]）の[[永禄の変]]で義輝が[[三好三人衆]]に討たれ、義輝の弟・一乗院覚慶（後に還俗して[[足利義昭]]）も[[興福寺]]に幽閉されると、兄・[[三淵藤英]]を始め[[一色藤長]]、[[和田惟政]]、[[仁木義政]]、[[米田求政]]らと協力してこれを救出し、[[近江国]]の[[六角義賢]]、[[若狭国]]の[[武田義統]]、[[越前国]]の[[朝倉義景]]らを頼って義昭の将軍任官に奔走した。当時は貧窮して[[灯籠]]の油にさえ事欠くほどで、仕方なく社殿から油を頂戴することもあるほどだったという。
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| − | その後、[[明智光秀]]を通じて[[尾張国]]の[[織田信長]]に助力を求めることとなる。永禄11年（[[1568年]]）9月、信長が義昭を奉じて入京し、藤孝もこれに従った。藤孝は[[山城国|山城]][[勝竜寺城]]（青竜寺城）を三好三人衆の[[岩成友通]]から奪還し、以後[[大和国]]や[[摂津国]]を転戦した。
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| − | === 信長家臣時代 ===
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| − | 義昭と信長の対立が表面化すると、[[元亀]]4年（[[1573年]]）3月、軍勢を率いて上洛した信長を出迎えて恭順の姿勢を示した。義昭が信長に逆心を抱くふしがあることを密かに藤孝から信長に伝えられていたことが信長の手紙からわかっている。義昭が追放された後の7月に[[桂川 (淀川水系)|桂川]]の西、山城国長岡（西岡）一帯（現[[長岡京市]]、[[向日市]]付近）の知行を許され、名字を改めて'''長岡 藤孝'''と名乗った。
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| − | 8月には[[池田勝正]]、三淵藤英と共に岩成友通を山城淀城の戦い（[[淀古城#第二次淀古城の戦い|第二次淀古城の戦い]]）で滅ぼすという功績を挙げ、以後は信長の武将として畿内各地を転戦。[[高屋城の戦い]]、[[越前一向一揆]]征伐、[[石山合戦]]、[[紀州征伐#信長の紀州攻め|紀州征伐]]のほか、山陰方面軍総大将の明智光秀の与力としても活躍した（[[黒井城の戦い]]）。[[天正]]5年（[[1577年]]）、信長に反旗を翻した[[松永久秀]]の籠る大和[[信貴山城]]を光秀と共に落とした（[[信貴山城の戦い]]）。
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| − | 天正6年（[[1578年]]）、信長の薦めによって嫡男・[[細川忠興|忠興]]と光秀の娘・[[細川ガラシャ|玉]]（ガラシャ）の婚儀がなる。光秀の与力として天正8年（[[1580年]]）には長岡家単独で[[丹後国]]に進攻するが、同国守護[[一色氏]]に反撃され失敗。後に光秀の加勢によってようやく丹後南部を平定し、信長から丹後南半国（加佐郡・与謝郡）の領有を認められて[[宮津城]]を居城とした（北半国である中郡・竹野郡・熊野郡は旧丹後守護家である[[一色義定|一色満信]]の領有が信長から認められた）。[[甲州征伐]]には一色満信とともに出陣。
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| − | 信長は正月12日付の藤孝宛ての黒印状で、知多半島で取れた鯨肉を朝廷に献上したうえで、家臣である藤孝に裾分けする旨を述べており、鯨は多くの人に分ける習慣があったことが指摘されている<ref>[[盛本昌広]]『贈答と宴会の中世』（吉川弘文館、2008年）179-180頁</ref>｡
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| − | === 本能寺の変以後 ===
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| − | 天正10年（[[1582年]]）に[[本能寺の変]]が起こると、藤孝は上役であり、親戚でもあった光秀の再三の要請を断り、剃髪して[[雅号]]を'''幽斎玄旨'''（ゆうさいげんし）とし、田辺城に隠居、忠興に家督を譲った。同じく光秀と関係の深い[[筒井順慶]]も参戦を断り、窮地に陥った光秀は[[山崎の戦い]]で敗死した。『老人雑話』には「明智(光秀)、始め(は)細川幽斎の臣なり」とあり、両者の上下関係は歴然としていることから、幽斎には光秀の支配下に入ることを潔しとしない風があったとされる<ref>[[宮本義己]]「細川幽斎・忠興と本能寺の変」（米原正義編『細川幽斎・忠興のすべて』新人物往来社、2000年、95頁）</ref>｡
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| − | その後も光秀を討った羽柴秀吉（[[豊臣秀吉]]）に重用され、天正14年（[[1586年]]）に在京料として山城西ヶ岡に3,000石を与えられた。天正13年（[[1585年]]）の[[紀州征伐]]、天正15年（[[1587年]]）の[[九州平定]]にも武将として参加した。また、[[梅北一揆]]の際には上使として[[薩摩国]]に赴き、[[島津氏|島津家]][[蔵入地]]の改革を行っている（薩摩御仕置）。この功により、[[文禄]]4年（[[1595年]]）には[[大隅国]]に3,000石を加増された（後に越前国府中に移封）。
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| − | 幽斎は[[千利休]]や[[木食応其]]らと共に秀吉側近の文化人として寵遇された。忠興（三斎）も茶道に造詣が深く、利休の高弟の一人となる。一方、[[徳川家康]]とも親交があり、慶長3年（[[1598年]]）に秀吉が死去すると家康に接近した。
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| − | [[画像:Maizuru Castle.jpg|thumb|250px|幽斎が籠った丹後田辺城（舞鶴城）]]
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| − | [[慶長]]5年（[[1600年]]）6月、忠興が家康の[[会津征伐]]に丹後から細川家の軍勢を引きつれて参加したため、幽斎は三男の[[細川幸隆]]と共に500に満たない手勢で丹後[[田辺城 (丹後国)|田辺城]]を守る。7月、[[石田三成]]らが家康討伐の兵を挙げ、[[大阪|大坂]]にあった忠興の夫人ガラシャは包囲された屋敷に火を放って自害した。田辺城は[[小野木重勝]]・[[前田茂勝]]らが率いる1万5,000人の大軍に包囲されたが、幽斎が指揮する籠城勢の抵抗は激しく、攻囲軍の中には幽斎の歌道の弟子も多く戦闘意欲に乏しかったこともあり、長期戦となった（[[田辺城の戦い]]）。
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| − | 幽斎の弟子の一人だった[[八条宮智仁親王]]は7月と8月の2度にわたって講和を働きかけたが、幽斎はこれを謝絶して籠城戦を継続。使者を通じて『古今集証明状』を八条宮に贈り、『源氏抄』と『二十一代和歌集』を朝廷に献上した。ついに八条宮が兄・[[後陽成天皇]]に奏請したことにより[[三条西実条]]・[[中院通勝]]・[[烏丸光広]]が[[勅使]]として田辺城に下され、[[関ヶ原の戦い]]の2日前の9月13日、勅命による講和が結ばれた。幽斎は2ヶ月に及ぶ籠城戦を終えて9月18日に城を明け渡し、敵将である前田茂勝の[[亀山城 (丹波国)|丹波亀山城]]に入った。
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| − | | |
| − | 忠興は関ヶ原の戦いにおいて前線で石田三成の軍と戦い、戦後[[豊前国|豊前]][[小倉藩]]39万9,000石の大封を得た。この後、長岡氏は細川氏に復し、以後長岡姓は細川別姓として一門・重臣に授けられた。その後の幽斎は京都吉田で悠々自適な晩年を送ったといわれている。慶長15年（[[1610年]]）8月20日、京都三条車屋町の自邸で死去。[[享年]]77。
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| − | == 死後 ==
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| − | 幽斎の所領6,000石やそのほかの資産は死後に整理され、次男の[[細川興元|興元]]の[[下野国|下野]][[茂木藩]]1万石立藩の足しとして、あるいは慶長9年（[[1604年]]）に忠興から廃嫡された幽斎の孫の長岡休無（[[細川忠隆]]）への細川家からの京都隠居料（3,000石）として、受け継がれた。
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| − | == 墓所 ==
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| − | [[京都市]]左京区南禅寺福地町の瑞竜山太平興国[[南禅寺]]の塔頭寺院である[[天授庵]]に墓がある。その他に、孫で忠興の子・[[細川忠利|忠利]]以降、子孫が[[肥後国|肥後]][[熊本藩]]54万石の藩主となったことから、熊本の[[立田山 (熊本県)|立田山]]の麓に建立された細川家菩提寺の[[泰勝寺跡|泰勝寺]]（現・立田自然公園）にも廟所が造営された。
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| − | また、幽斎の菩提所として忠興により[[大徳寺]]山内に建立された塔頭が[[高桐院]]である。
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| − | == 人物 ==
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| − | * [[剣術]]等の武芸百般、[[和歌]]・[[茶道]]・[[連歌]]・[[蹴鞠]]等の文芸を修め、さらには[[囲碁]]・[[料理]]・[[猿楽]]などにも造詣が深く<ref>『戴恩記』ほか。</ref>、当代随一の教養人でもあった。剣術は[[塚原卜伝]]に学び、[[波々伯部貞弘]]・[[日置流#雪荷派|吉田雪荷]]から[[弓術]]の[[印可]]を、[[弓馬故実]]（[[武田流]]）を[[武田信豊 (若狭武田氏)|武田信豊]]から相伝されるなど武芸にも高い素質を示した。膂力も強く、京都の路上で突進してきた牛の角をつかみ投げ倒したという逸話もある。また、息子・忠興と共に遊泳術にも優れたという。
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| − | * [[三条西実枝]]に[[古今伝授]]を受け、その子・[[三条西公国]]とさらにその子・[[三条西実条]]に返し伝授するまでの間、[[二条派]]正統を一時期継承した。当時唯一の古今伝授の伝承者であり、関ヶ原の戦いの際、後陽成天皇が勅命により幽斎を助けたのも古今伝授が途絶える事を恐れたためだといわれる。
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| − | * 門人には後陽成天皇の弟宮・[[八条宮智仁親王]]、公家の[[中院通勝]]、[[烏丸光広]]などがおり、また[[松永貞徳]]、[[木下勝俊|木下長嘯子]]らも幽斎の指導を受けた。[[島津義久]]は幽斎から直接古今伝授を受けようとした一人であり、幽斎が足利義昭に仕えていた頃から交流があった。
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| − | * 八条宮が幽斎から古今伝授を受けた「古今伝授の間」は、幽斎の孫で熊本藩主となった細川忠利が造営した[[水前寺成趣園]]（熊本市）に[[大正時代]]に移築され、平成22年（2010年）には熊本で幽斎没後四百年祭が開催された。また翌平成23年（2011年）には水前寺成趣園内に銅像が建てられている<ref>[http://www.habiro-art.com/blog/?p=684 細川藤孝公銅像除幕式(熊本・水前寺公園)] - 銅像製作者・[[田畑功]]のブログ、2011.3.7</ref>。
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| − | * 足利義昭が後に幕府を追われ、死去した後葬儀を執り行う者もいなかったため、見かねた幽斎が葬儀を主催した。
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| − | == 系譜 ==
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| − | 『[[寛政重修諸家譜]]』によれば、幽斎の父は[[三淵晴員]]（[[和泉国|和泉]][[半国守護]][[細川元常]]の弟）{{sfn|土田将雄|1982|pp=2-3}}、母は[[智慶院]]（儒学者・国学者の[[清原宣賢]]の娘）である。同書の小記や享保年間に成立した『細川全記』などは、智慶院が将軍・[[足利義晴]]の子をみごもったまま晴員に嫁いで幽斎を生んだと記しており{{sfn|土田将雄|1982|pp=10-11}}、事実ならば足利義輝、義昭の庶兄にあたる。
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| − | 『寛政重修諸家譜』は7歳で伯父の細川元常の養子になったとする{{sfn|土田将雄|1982|pp=2-3}}。『[[寛永諸家系図伝]]』は祖父の[[細川元有]]の養子となったとする{{sfn|土田将雄|1982|pp=2-3}}が、元有は[[明応]]9年（[[1500年]]）に戦死しており年代が合わない。
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| − | また、元常の実子とされる[[細川晴貞]]を養父と見る説もある<ref>岡田謙一「細川澄元（晴元）派の和泉守護細川元常父子について」（小山靖憲編『戦国期畿内の政治社会構造』和泉書院、2006年）</ref>。この細川晴貞は[[天文 (元号)|天文]]19年（[[1550年]]）までは存在が記録されているため、（晴貞が元常の実子ならば）その生存中に元常がはたして幽斎を養子に迎えたかという疑問が生じるためである。
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| − | 『寛永諸家系図伝』編纂の際に[[細川忠興]]が提出した文書には、「幽斎ハ、細川伊豆トヤラン、細川刑部少輔トヤランニヤシナハレ、御供衆ニ罷成候」とある。『細川系図』は細川元常を刑部少輔と記す{{sfn|土田将雄|1982|pp=9}}が、将軍義晴の近臣（御供衆）で三淵晴員と同僚であった[[細川晴広]]が刑部少輔を称し、その父の[[細川高久]]が伊豆守を称している事実から、彼らが養父・養祖父だった可能性も指摘されている<ref>[[山田康弘 (歴史学者)|山田康弘]]「細川幽斎の養父について」（『日本歴史』730号、2009年）</ref>。
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| − | [[佐々木氏]]一族の[[大原氏]]の出身で8代将軍・[[足利義政]]の命により[[淡路国|淡路]]守護細川氏の養子となり、細川の名字を得て近臣に加えられた[[細川政誠]]が伊豆守高久の父である。この指摘によるならば、幽斎が養子となって継いだ細川家は、父の実家である和泉守護家とは系統の異なる淡路守護家の支流ということになる。
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| − | なお、幽斎の実父である三淵晴員についても細川元常の弟とする説を疑問視して、播磨国に下向していた幕臣の三淵孫三郎（現在の系譜には記載されていないが、当時の文書から天文年間の三淵氏当主であった可能性が高い）の弟であったとする説<ref>設楽薫「将軍足利義晴の嗣立と大館常興の登場」（初出:『日本歴史』631号､2000年））/所収:木下昌規 編『シリーズ・室町幕府の研究 第三巻 足利義晴』（戒光祥出版、2017年）ISBN 978-4-86403-162-2 P162-164（2017年））</ref>もある。この指摘によるならば、晴員およびその子である幽斎が和泉守護家出身であることを否定することになる（ただし、三淵氏と和泉守護家と縁戚関係にあった可能性までは排除していない）。
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| − | ;父母
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| − | * 実父：[[三淵晴員]]
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| − | * 実母：[[清原宣賢]]の娘
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| − | * 養父：[[細川元常]]（？）
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| − | ;兄弟・姉妹
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| − | * 宮川尼（[[武田信高 (若狭武田氏)]]{{Refnest|group="注釈"|[[寛政重修諸家譜]]には武田宮内少輔'''信重'''室とあるが、『福井県史』では若狭[[武田氏]]の[[武田元光]]の子で、[[武田信豊 (若狭武田氏)|武田信豊]]の弟の武田'''信高'''（宮川殿、宮内少輔）室としている<ref>[http://www.archives.pref.fukui.jp/fukui/07/kenshi/T2/T2-6-01-04-02-05.htm 『福井県史』－武田氏の文芸 小浜文芸の一支柱]</ref>。また、木下聡は武田元光の弟である宮川殿の実名を「信高」とするのは後世に作成された信憑性の低い系譜によるもので、武田元光の子・宮川殿＝'''信重'''が正しいとしている<ref>木下聡「若狭武田氏の研究史とその系譜・動向」木下 編『シリーズ・中世西国武士の研究 第四巻 若狭武田氏』（戎光祥出版、2016年） ISBN 978-4-86403-192-9</ref>。}}室）<!-- [[雄長老]](永雄長老、英甫永雄 ・永雄英甫 [[1535年]]～[[1602年]]) の母。 -該当項目が記述されるまでコメントアウトして下さい。 -->
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| − | * [[三淵藤英]]
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| − | * 女子（[[佐々木越中守]]{{Refnest|group="注釈"|詳細は不明だが、越中守は[[高島氏]]代々の当主の名乗りである。高島氏は高島七頭（湖西地方の佐々木氏系領主七氏）の惣領家。ただし高島（嶋）は[[奉公衆]]などを勤めた庶流家が称し、室町幕府[[外様衆]]の嫡流家は[[佐々木越中守]]を代々名乗っていることから、この嫡流を佐々木越中氏・越中氏ともいう<ref>西島太郎『戦国期室町幕府と在地領主』八木書店、2006年</ref>。[[近江国]][[清水山城 (近江国)|清水山城]]主。}}室）
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| − | * [[三淵玉甫|玉甫]]紹琮（[[高桐院]]開山）
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| − | * 梅印[[三淵元仲|元仲]]
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| − | * [[長岡好重]]
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| − | * 女子（[[土御門久脩]]室）
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| − | ; 妻
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| − | * 正室：[[沼田光兼]]の娘・[[沼田麝香|麝香(光壽院)]]
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| − | ; 子女
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| − | * [[細川忠興]]
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| − | * [[細川興元]]
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| − | * 伊也（[[一色義定|一色義有]]のち[[吉田兼治]]室）
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| − | * [[細川幸隆]]
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| − | * 千（[[長岡孝以]]のち[[小笠原長良]]室）
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| − | * [[細川孝之]]
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| − | * 加賀（[[木下延俊]]室）
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| − | * 栗（[[長岡好重]]室）
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| − | * [[細川仁伊|仁伊]]（夭逝）
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| − | == 主な著作 ==
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| − | * [[古今若衆序]]
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| − | * [[衆妙集]]
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| − | * [[詠歌大概抄]]
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| − | * [[古今和歌集聞書]]
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| − | * [[百人一首抄]]
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| − | * [[伊勢物語闕疑抄]]
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| − | * [[九州道の記]]
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| − | * [[東国陣道の記]]
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| − | == 脚注 ==
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| − | === 注釈 ===
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| − | {{脚注ヘルプ}}
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| − | {{reflist|group="注釈"}}
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| − | === 出典 ===
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| − | {{Reflist|2}}
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| − | == 参考文献 ==
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| − | *[[米原正義]] 編 『細川幽斎・忠興のすべて』（[[新人物往来社]]､2000年）
| |
| − | *[[細川護貞]] 『細川幽齋』（求龍堂 のち[[中公文庫]]）
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| − | *[[佐藤雅美]] 『幽斎玄旨』（[[文藝春秋]]）
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| − | *[[春名徹]]『細川三代 幽斎・三斎・忠利』（[[藤原書店]]）
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| − | *[[森正人 (国文学者)|森正人]]・[[鈴木元]]編『細川幽斎 戦塵の中の学芸』（[[笠間書院]]）
| |
| − | *[[土田将雄]]「[http://ci.nii.ac.jp/naid/110001049596 細川幽斎の出自について]」上智大学国文学論集 15, 1-24, 1982-01-16
| |
| − | *[[盛本昌広]]『贈答と宴会の中世』（吉川弘文館､2008年)
| |
| − | * {{Citation |和書|last=|first=|editor=大日本人名辞書刊行会|year =1926|volume=下|title =大日本人名辞書|publisher =大日本人名辞書刊行会|url={{NDLDC|1879535/465}} 国立国会図書館デジタルコレクション|chapter=細川藤孝|pages=2371-2372}}
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| − | | |
| − | == 関連項目 ==
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| − | {{commonscat|Hosokawa Yusai}}
| |
| − | * [[古今伝授の太刀]]
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| − | * [[観音寺城の戦い]]
| |
| − | * [[有岡城の戦い]]
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| − | * [[片岡城]]
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| − | | |
| − | | |
| − | {{先代次代|[[細川氏#近世|細川氏（丹後細川家）]]|1573年 - 1582年|―|[[細川忠興]]}}
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| − | {{細川氏}}
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| − | {{Normdaten}}
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| | + | 室町時代末期～安土桃山時代の武将，歌人。初め三淵氏，のち長岡氏を称した。通称，万吉，与一郎。諱，藤孝。別号，玄旨。室町幕府 12代将軍足利義晴の庶出4男ともいう。将軍義輝の命で細川元常の養子となり，義輝没後は，義昭を奉じ，さらに織田信長，豊臣秀吉，徳川家康に仕えた。和歌は三条西実枝に学び，[[古今伝授]]を伝え二条派歌学を継承。関ヶ原の戦いの直前田辺城に籠城した際，古今伝授の廃絶を憂慮した[[後陽成天皇]]の勅令で包囲が解かれたのは有名。その門下に[[烏丸光広]]，[[中院通勝]]，[[松永貞徳]]らの俊才が輩出。主著『詠歌大概抄』 (1586) ，紀行『九州道の記』 (87) ，『東国陣道の記』 (90) ，家集『衆妙集』 (1671) 。 |
| | + | |
| | + | {{テンプレート:20180815sk}} |
| | {{デフォルトソート:ほそかわ ゆうさい}} | | {{デフォルトソート:ほそかわ ゆうさい}} |
| | [[Category:戦国武将]] | | [[Category:戦国武将]] |