第5世代移動通信システム

提供: miniwiki
2018/10/7/ (日) 09:52時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索

テンプレート:携帯電話の新製品 第5世代移動通信システム(だい5せだいいどうつうしんシステム)とは、現在規格化が進行中の次世代無線通信システムである。英語: 5th Generation, 「5G(ゴジー、もしくはファイブジー)と略記される。

概論

2017年頃の仕様の策定完了を目指して作業が進行中である。3GPPのRelease15から盛り込まれる[1]。10Gbps以上の通信速度、エンドツーエンドで1ミリ秒の低遅延、99.999%の信頼性を目標とする[2]

導入は、6GHz以下の周波数帯を使って、LTE/LTE-Advancedと互換性を維持しつつ、6GHzを超えた帯域を使って、新しい無線通信方式を導入、基地局に計算資源を備えることにより、端末に近い場所で処理する事で、センターのサーバーへ伝送するデータ量を低減して、遅延を減らす「モバイルエッジコンピューティング」の導入などが想定される[2]

5Gでは、急増し続ける通信トラフィックへの対応が課題となっており、無線周波数帯の確保が重要視される。通信トラフィックは、過去5年間で10倍になっており、2020年には、現在の1,000倍になることが予想される[3]。端末の台数は、ウェアラブル端末M2M (Machine to Machine) やIoTの普及により、今後データ通信量の急増が予想される。

また、通信スピードが高速化される代わりに、より高い周波数帯を用いる予定であるため、マイクロ波の採用により、電波の直進性が極超短波より高まることから、携帯電話基地局の影では電波が届きにくくなり、多数の携帯電話小型基地局(マイクロセル)を数十メートル単位で設置する必要があり、携帯電話端末の消費電力が増える事が予想される。

通信速度の高速化は、シャノン=ハートレーの定理により、高消費電力も招きうるものであるため、モバイル環境での電池容量の確保も、技術的な課題となっている。もっとも、モバイル環境における、安定した電池確保の問題は、第3世代移動通信システムから続く、永続的な問題でもある。

技術

5Gネットワークは、光/セルラー/衛星ソリューションを包括する必要があるのでインフラと周波数帯を効率よく使うためには、SDN(Software Defined Networking)、SON(Software Optimization Networks)、NFV(Network Functions Virtualization)、MEC(Mobile Edge Computing)、FC(Fog Computing)、非直交多元接続 (NOMA:Non-Orthogonal Multiple Access) やMassive MIMOHetNetの導入が検討される[4][5]

状況

日本国内では、2014年(平成26年)9月に、企業74社や専門家14人で構成される「第5世代モバイル推進フォーラム (5GMF The Fifth Generation Mobile Communications Promotion Forum)」が設立され、5Gの技術開発や標準化に取り組んでいる[3]

総務省では、2016年10月に「新世代モバイル通信システムの技術的条件」を情報通信審議会に諮問しており[6]、新世代モバイル通信システム委員会[7]にて審議が行われている。2017年夏にも一部答申が行われ、これを受けて制度整備が行われる予定である。

NTTドコモは、2010年より5Gに関するコンセプト検討を開始しており、2013年にはシミュレーターを展示[8]、通信ベンダー各社と共同で実験を行っており[9][10]、2015年には屋外実験4.5Gbpsの通信に[11]、2016年には20Gbpsを超える通信に成功している[12]。2017年5月より、東京臨海副都心地区および東京スカイツリータウン周辺等に「5Gトライアルサイト」を構築する予定である[13]。同社は2020年のサービス提供開始をめざしている。

欧州では、METIS (Mobile and wireless communications Enablers for the Twenty-twenty (2020) Information Society) の主導で5GNOW、iJOIN、MIWEBA、CREW、EVARILOSなどの技術開発や標準化を進め、2015年に欧州委員会によって設立された5GPP (5G Public-Private Partnership Association) に合流した[3]

2017年12月に、Phase1のシステムアーキテクチャが、TS23.501, TS23.502, TS23.503 として提供された。

標準化を行っている主な団体

第三世代携帯電話の時代から継続してモバイル通信の標準化を行っており、5Gにおいても各国・地域に存在する下記の主要標準化団体の取りまとめ的な役割を果たしている。
  • 5GPP
2013年にヨーロッパに点在していた複数研究が合併してできた団体。
  • 5G Forum
2013年に韓国で設立された官民団体。
  • 5GMF
2014年に電波産業会で設立された日本の団体。
  • IMT-2020 5GPG
2015年に工業情報部で設立された中国の団体。
  • 5G Americas
2016年に4G Americasが名称変更して設立したアメリカにおける研究団体。

人体への影響

初期の実験結果によれば、脳腫瘍の危険性を増加させるとされている。"National Toxicology Program の実験によるとアメリカ政府基準の被曝で脳と心臓の腫瘍が増加し、二倍・四倍の場合著しい増加が見られた。" [14]

脚注・出典

  1. 3GPP system standards heading into the 5G era
  2. 2.0 2.1 5G(第5世代移動通信システム) | 5G用語辞典 | 日経テクノロジーonline
  3. 3.0 3.1 3.2 5G 第5世代移動通信システム 最新情報 東京オリンピック 世界に先駆けて実現へ | 国際メディアサービスシステム研究所
  4. 第5世代モバイル通信システム(5G)の円滑な標準化と導入に向けた課題 | 技術動向 | 株式会社モバイルテクノ
  5. 5Gに向けた取り組み、欧州ではまだ足並みがそろわず, http://eetimes.jp/ee/articles/1503/11/news118.html 
  6. 新世代モバイル通信システムの技術的条件 | 報道資料 | 総務省
  7. 新世代モバイル通信システム委員会 | 総務省
  8. 「CEATEC AWARD 2013」において「次世代移動通信(5G)」が総務大臣賞を受賞 | 報道発表資料 | NTTドコモ
  9. 世界主要ベンダーと5G実験で協力 | 報道発表資料 | NTTドコモ
  10. 世界主要ベンダーとの5G実験を拡大 | 報道発表資料 | NTTドコモ
  11. 5Gの屋外実験で4.5Gbpsの超高速通信に成功 | 報道発表資料 | NTTドコモ
  12. 世界初、屋外環境で通信容量20Gbpsを超える5Gマルチユーザ通信実験に成功 | 報道発表資料 | NTTドコモ
  13. 5Gを活用したサービス創出に向けてパートナー企業との連携を促進 | 報道発表資料 | NTTドコモ
  14. Is 5G technology dangerous? Early data shows a slight increase of tumors in male rats exposed to cellphone radiation

関連項目

外部リンク