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{{課税}}
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'''租税'''(そぜい、{{lang-en-short|tax}}
'''租税'''(そぜい、{{lang-en-short|tax}})とは、[[国]]や[[地方公共団体]]([[政府]]等)が、[[公共財]]や[[公共サービス]]の経費として、法令の定めに基づいて国民や住民に負担を求める[[金銭]]である。現代社会においてほとんどの国が物納や労働ではなく「[[お金]]([[おかね]]、その国で使用されている[[通貨]])」による納税方法を採用しており、日本では'''税金'''(ぜいきん)と呼ばれている。
 
  
'''税制'''(ぜいせい)
+
国または地方公共団体が収入を得る目的をもって,一般統治権に基づいて,法定要件に該当するすべての国民 (個人および法人) から反対給付を約束することなく強制的に徴収する金銭。収入以外の目的をもって課徴される罰金や行政上の過怠金,報償としての性質を有する行政上の使用料や手数料および公企業収入としての公共料金などは租税と区別される。
 
 
歳出([[財政]])の根幹、また政治経済([[経世済民]])そのものである。商売や契約・取引等の行為及び所得や有形無形の財産などに対して税を賦課することを'''課税'''(かぜい)、課税された税を納めることを'''納税'''(のうぜい)、徴収することを'''徴税'''(ちょうぜい)、それらについての事務を'''税務'''(ぜいむ)という。政府の財政状況において租税徴収額を減額することを'''減税'''、逆に増額することを'''増税'''(ぞうぜい)という。
 
 
 
{{main2|日本の租税については、[[日本の租税]]の項を}}
 
 
 
== 租税の本質・目的 ==
 
政府が「お金」の価値を保証することと租税の制度を存続させることとは表裏一体で、日本においては、明治時代の紙幣・債権経済への移行期に[[地租改正]]を行い[[通貨]]による納税制度を取り入れている。政府が「お金」の価値を保証することは、近世社会以降において治安と並んで国家的機能の重要な働きの1つで、国内的なあらゆる取引における一定の価値および安全性を保証するものである。なお、何よりもまず念頭におかなければならないのは、「税制改革」が法改正であるという事実であり<ref>[https://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/40kinen/09/mokuji.htm 税制改革の背景PDF(国税庁HP、中里実(東京大学大学院教授))P274]</ref>、日本では、昭和63(1988)年、[[竹下登]]内閣の元、賛否両論を抱えたまま消費税を3%とする「税制改革法」が採決・施行され、同法に基づき平成元(1989)年に[[消費税法]]が施行された。
 
 
 
{{see also|グレシャムの法則}}
 
 
 
== 租税の機能・効果 ==
 
政府は、[[国家]]の基盤的機能を維持するため、個人から[[生殺与奪の権利]]を取り上げ、[[社会的ジレンマ]]や[[外部性]]([[フリーライダー]])を回避する施策を検討しなければならない。租税には、次の4つの機能・効果があるとされている。
 
 
 
#公共サービスの費用調達機能 - 「[[市場の失敗]]」という言葉に象徴される[[市場経済]]のもとでは提供困難なサービス(軍事、国防、裁判、警察、公共事業など)の提供のための費用を調達するための機能<ref>『「税と社会貢献」入門 税の役割とあり方を考える』p6-7 伏見俊行・馬欣欣共著 ぎょうせい 平成26年6月1日第1刷</ref>。
 
#[[所得]]の再分配機能 - 自由(私的財産権の保護)と平等(生存権の保障)は、究極的には矛盾する考え方であるが、今日の多くの国では、いわゆる[[福祉国家]]の理念のもと、国家が一定程度私的財産に干渉することもやむを得ないことと考えられている。このような考え方に基づいて持てる者から持たざる者に[[富の再分配|富を再分配]]する機能<ref>『「税と社会貢献」入門 税の役割とあり方を考える』p7 伏見俊行・馬欣欣共著 ぎょうせい 平成26年6月1日第1刷</ref>。
 
#[[経済]]への阻害効果 - [[投資]]意欲の妨害、[[生産]]活動・[[労働]]意欲の阻害、[[消費]]意欲の低下など、経済が本来あるべき姿を歪め、経済全体に悪影響を与える効果。[[ジョン・メイナード・ケインズ]]も述べるように、政府が忘れてはならない事として、重い徴税はビジネスなど経済活動を完全に止めてしまうのであり、極端に高い税率ではなく中等の税率こそが政府にとっての最大の税収になる<ref>J.M. Keynes, A tract on monetary reform, Macmillan Co LTD, 1924 </ref>。特に、国富が著しく喪失して景気が悪化している状況での増税による緊縮財政は極めて有害な政策である<ref>[http://www.aei.org/article/economics/financial-services/japans-lost-decade-outlook/ Japan's lost decade] Economics AEI 2008年3月1日</ref>。
 
#[[景気]]の調整機能 - [[自由主義経済]]体制における特殊な調整機能。[[景気循環|景気の循環]]は不可避のものとされるが、景気の加熱期には増税を行うことにより余剰資金を減らし投資の抑制を図る。逆に後退期には減税を行うことにより余剰資金を増やし投資の活性化を行う。これにより、ある程度景気を調節することが可能であるとされる。現代の租税制度は[[累進課税]]を採用している租税が国等の主要な財源を占めているため、所得の変動に応じた税率の変動により、景気が自動的に調整されるという効果を有する。この効果は「自動景気調整機能([[ビルト・イン・スタビライザー]])」と称される<ref>『「税と社会貢献」入門 税の役割とあり方を考える』p8 伏見俊行・馬欣欣共著 ぎょうせい 平成26年6月1日第1刷</ref>。
 
 
 
== 租税の基本原則 ==
 
租税制度に関する一般的な基本原則として、[[アダム・スミス]]の4原則や[[アドルフ・ワーグナー (経済学者)|ワグナー]]の4大原則・9原則、[[リチャード・マスグレイブ|マスグレイブ]]の7条件などの租税原則が知られており、それらの理念は「公平・中立・簡素」の3点に集約できる<ref name="zeicho2">税制調査会『わが国税制の現状と課題 -21世紀に向けた国民の参加と選択-』2000年([http://www.cao.go.jp/zeicho/tosin/zeichof/z003.html#2 1-2- 2. 税制の基本原則])。</ref>。それらは[[トレードオフ]]の関係に立つ場合もあり同時に満たされるものではなく、公正で偏りのない税体系を実現することは必ずしも容易ではない。種々の税目を適切に組み合わせて制度設計を行う必要がある<ref name="zeicho">税制調査会『[http://www.cao.go.jp/zeicho/tosin/zeichof/zeicho.html わが国税制の現状と課題 -21世紀に向けた国民の参加と選択-]』2000年([http://www.cao.go.jp/zeicho/tosin/zeichof/z003.html 1-2-1. 租税の種類と税体系])。</ref>。
 
 
 
{| class="wikitable" style="margin:1em 5%; font-size:95%"
 
|+ 租税原則<ref>税制調査会『わが国税制の現状と課題 -21世紀に向けた国民の参加と選択-』2000年([http://www.cao.go.jp/zeicho/tosin/zeichof/z003.html#2 1-2- 2. 税制の基本原則])より引</ref>
 
! style="min-width:8em" | アダム・スミスの<br>4原則
 
|
 
;公平の原則
 
:税負担は各人の能力に比例すべきこと。言い換えれば、国家の保護の下に享受する利益に比例すべきこと。
 
;明確の原則
 
:租税は、恣意的であってはならないこと。支払時期・方法・金額が明白で、平易なものであること。
 
;便宜の原則
 
:租税は、納税者が支払うのに最も便宜なる時期と方法によって徴収されるべきこと。
 
;最小徴税費の原則
 
:国庫に帰する純収入額と人民の給付する額との差をなるべく少なくすること。
 
|-
 
!ワグナーの<br>4大原則・9原則
 
|
 
'''財政政策上の原則'''
 
:;課税の十分性
 
::財政需要を満たすのに十分な租税収入があげられること。
 
:;課税の弾力性
 
::財政需要の変化に応じて租税収入を弾力的に操作できること。
 
'''国民経済上の原則'''
 
:;正しい税源の選択
 
::国民経済の発展を阻害しないよう正しく税源の選択をすべきこと。
 
:;正しい税種の選択
 
::租税の種類の選択に際しては、納税者への影響や転嫁を見極め、国民経済の発展を阻害しないで、租税負担が公平に配分されるよう努力すべきこと。
 
'''公正の原則'''
 
:;課税の普遍性
 
::負担は普遍的に配分されるべきこと。特権階級の免税は廃止すべきこと。
 
:;課税の公平性
 
::負担は公平に配分されるべきこと。すなわち、各人の負担能力に応じて課税されるべきこと。負担能力は所得増加の割合以上に高まるため、累進課税をすべきこと。なお、所得の種類等に応じ担税力の相違などからむしろ異なった取扱いをすべきであること。
 
'''租税行政上の原則'''
 
:;課税の明確性
 
::課税は明確であるべきこと。恣意的課税であってはならないこと。
 
:;課税の便宜性
 
::納税手続は便利であるべきこと。
 
:;最小徴税費への努力
 
::徴税費が最小となるよう努力すべきこと。
 
|-
 
! マスグレイブの<br>7条件
 
|
 
;十分性
 
:歳入(税収)は十分であるべきこと。
 
;公平
 
:租税負担の配分は公平であるべきこと。
 
;負担者
 
:租税は、課税対象が問題であるだけでなく、最終負担者(転嫁先)も問題である。
 
;中立(効率性)
 
:租税は、効率的な市場における経済上の決定に対する干渉を最小にするよう選択されるべきこと。そのような干渉は「超過負担」を課すことになるが、超過負担は最小限にとどめなければならない。
 
;経済の安定と成長
 
:租税構造は経済安定と成長のための財政政策を容易に実行できるものであるべきこと。
 
;明確性
 
:租税制度は公正かつ恣意的でない執行を可能にし、かつ納税者にとって理解しやすいものであるべきこと。
 
;費用最小
 
:税務当局及び納税者の双方にとっての費用を他の目的と両立し得る限り、できるだけ小さくすべきこと。
 
|}
 
 
 
=== 租税法律主義 ===
 
[[租税法律主義]]とは、租税は、民間の富を強制的に国家へ移転させるものなので、租税の賦課・徴収を行うには必ず法律の根拠を要する、とする原則。この原則が初めて出現したのは、13世紀イギリスの[[マグナ・カルタ]]である。
 
 
 
[[近代]]以前は、[[君主]]や支配者が恣意的な租税運用を行うことが多かったが、近代に入ると市民階級が成長し、課税するには課税される側の同意が必要だという思想が一般的となり始めていた。あわせて、[[公権力]]の行使は[[法律]]の根拠に基づくべしとする[[法治主義]]も広がっていた。そこで、課税に関することは、国民=課税される側の代表からなる議会が制定した法律の根拠に基づくべしとする基本原則、すなわち[[租税法律主義]]が生まれた。現代では、ほとんどの[[民主国家]]で[[租税法律主義]]が憲法原理とされてる。
 
 
 
=== 租税が課される根拠 ===
 
租税が課される根拠として、大きくは次の2つの考え方がある。
 
#'''利益説''' - [[ジョン・ロック|ロック]]、[[ジャン=ジャック・ルソー|ルソー]]、アダム・スミスが唱えた。[[社会契約|国家契約説]]の視点から、租税は個人が受ける公共サービスに応じて支払う公共サービスの対価であるとする考え方。後述する応益税の理論的根拠といえる。
 
#'''能力説''' - [[ジョン・スチュアート・ミル]]、ワグナーが唱えた。租税は国家公共の利益を維持するための義務であり、人々は各人の能力に応じて租税を負担し、それによってその義務を果たすとする。「'''義務説'''」とも称される。後述する応能税の理論的根拠といえる。
 
 
 
== 租税の種類 ==
 
租税制度は仕組みの異なるさまざまな税目から成り立っている<ref name="zeicho" />。それぞれの税目には長所と短所があり、観点の違いによって様々な分類方法がある<ref name="zeicho" />。
 
 
 
=== 所得課税・消費課税・資産課税等 ===
 
{{Pie chart
 
| thumb = right
 
| caption = OECD各国平均の<br>税収構造(2012年)<ref>{{Cite report|publisher=OECD |title=Consumption Tax Trends 2014 |date=2014 |doi=10.1787/ctt-2014-en |page=41}}</ref>
 
 
 
| label1 = [[所得税|個人所得税]]
 
| value1 = 25
 
| label2 = [[法人税|法人所得税]]
 
| value2 = 9
 
| label3 = [[社会保険]]
 
| value3 = 26
 
| label4 = 給与税
 
| value4 = 1
 
| label5 = 資産税
 
| value5 = 5
 
| label6 = 一般消費税
 
| value6 = 20
 
| label7 = 個別消費税
 
| value7 = 11
 
| label8 = その他の消費税
 
| value8 = 3
 
}}
 
税負担の尺度となる課税ベースに着目した分類として、[[所得税|所得課税]]、[[消費税|消費課税]]、資産課税等がある<ref name="zeicho" />。OECD諸国における各国平均の課税割合を右に記す。
 
 
 
; 所得課税
 
: 個人の所得に対して課税される個人所得課税([[所得税]]など)と、法人の所得に対して課税される法人所得課税([[法人税]]など)がある<ref name="zeicho" />。累進課税による特性として、経済自動安定化機能([[ビルト・イン・スタビライザー]])をもたらすとされる<ref name="zeicho" />。
 
: 所得控除、[[医療費控除]]をはじめ、年金貯蓄や住宅投資などに対する優遇措置など、納税者の負担軽減のための様々な制度を導入しやすいことが利点でもある反面、それらの制度が既得権化すると公平性を損なうだけでなく、課税ベースの縮小によって税収調達機能の低下、非効率化といった問題を生じる<ref>森信茂樹「[http://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list6/r102/r102_02.pdf グローバル経済下での租税政策 ─消費課税の新展開─]」{{リンク切れ|date=2017年10月}}『フィナンシャル・レビュー』[http://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list6/fr102.htm 2011年1号(通巻102号)]、財務省財務総合政策研究所、p.11。</ref>。また、納税者個々の収入を把握し的確に課税し徴収する必要があるため正確な徴税が行いにくく、この制度を有効に活用するには税務当局の能力の向上が必須となる。このため3つの課税ベースのうちでもっとも開発が遅れ、所得課税が租税全体において大きな役割を果たすのは国家の徴税能力の向上した近代以降のことである。また同じ理由で、納税・徴税者双方に大きな事務的な負担がかかる課税である<ref>『「税と社会貢献」入門 税の役割とあり方を考える』p12 伏見俊行・馬欣欣共著 ぎょうせい 平成26年6月1日第1刷</ref>。このことから、所得課税は先進国の税収において大きな割合を占めることが多いが、発展途上国においてはそれほどの重要性を持たないことが多い。
 
; 消費課税
 
: 財・サービスの消費に対して課税される<ref name="zeicho" />。[[消費税]]のほか、[[関税]]や[[酒税]]などが含まれる。控除などによる特別措置の余地が少なく、業種ごとの課税ベース把握の不公平も生じないため、水平的公平、世代間の公平に優れており、広い課税ベースによる安定した歳入が見込める<ref>森信2011、p.13。</ref>。また所得税に比べて課税対象の把握が納税・徴税者双方にとってわかりやすく、税務当局の能力がそこまで必要ではないことから、特に[[発展途上国]]においては消費課税が税収の大半を占めていることが多い<ref>『「税と社会貢献」入門 税の役割とあり方を考える』p13 伏見俊行・馬欣欣共著 ぎょうせい 平成26年6月1日第1刷</ref>。反面、所得全体に占める税負担の割合が低所得者ほど大きくなるため、逆進的な性質を伴う<ref>[[佐藤主光]]「[http://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list6/r102/r102_05.pdf 所得税・給付つき税額控除の経済学 ─「多元的負の所得税」の構築─]」『フィナンシャル・レビュー』[http://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list6/fr102.htm 2011年1号(通巻102号)]、財務省財務総合政策研究所、p.74。{{リンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。
 
; 資産課税等
 
: 資産の取得・保有・移転等に対して課税される<ref name="zeicho" />。[[固定資産税]]や[[相続税]]、[[贈与税]]などが属する。他者からも明確に把握できる土地や資産を課税対象とすることから徴税が行いやすく、近代以前においては最も中心的な課税であった。また資産を有する富裕層に対しての課税という性格が強いため、所得課税と同じく所得格差の是正の機能を有するとされる。一方であくまでも有資産者に対する税であるため、課税対象が少なく税収の柱にはしにくい面がある<ref>『「税と社会貢献」入門 税の役割とあり方を考える』p13 伏見俊行・馬欣欣共著 ぎょうせい 平成26年6月1日第1刷</ref>。
 
近年では就労の促進や所得再分配機能の強化等を目的として、所得課税などに対する[[給付付き税額控除]]の導入も進んでいる<ref>鎌倉治子「[http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/2010/index.html 諸外国の給付付き税額控除の概要(調査と情報 -Issue Brief- 678号)]」国立国会図書館、2010年、表紙, pp.1-2。</ref>。給付付き税額控除は制度の複雑化や過誤支給、不正受給などの課題を伴う反面、課税最低限以下の層を含む低所得世帯への所得移転を税制の枠内で実現でき、労働供給を阻害しにくい制度設計も可能であることから<ref>給付付き税額控除と並んで近年注目される[[ベーシックインカム]]については、[[就労可能]]な個人の労働意欲(就労インセンティブ)を損ないかねないという見方がある一方、それが労働市場に与える影響に関して現在様々な見解がある。ボランティアなど社会的活動への報酬として位置づけるという意見、稼得所得による給付額の逓減が無いことにより労働供給へのマイナス効果は小さいという意見、税制全体として給付の財源を賄うため累進課税の負担が増えると間接的に労働供給の阻害要因になるという意見など。(佐藤、p.93)</ref>、格差是正や消費税などの逆進性対策に適するとされる<ref>鎌倉、pp.1-11。佐藤、pp.73, 74。[[森信茂樹]]「[http://www.japantax.jp/iken/file/100401_2.pdf 給付付き税額控除の具体的設計]」『税経通信』922号、税務経理協会、2010、pp.38-40。</ref><ref>森信2010では、給付付き税額控除をその政策目的によって勤労税額控除、児童税額控除、消費税逆進性対策税額控除の3種に分類している。ただし、森信「[http://www.japantax.jp/iken/file/080613.pdf 給付付き税額控除の4類型と日本型児童税額控除の提案]」(『国際税制研究』[https://www.nouzeikyokai.or.jp/yomimono/kenkyu/20.html 第20号]、納税協会、2008年、pp.24-34)では、現金給付の代わりに社会保険料の控除を行うオランダ型の社会保険料負担軽減税額控除も1類型に加えて4分類としている(白石浩介「[http://www.jbaudit.go.jp/effort/study/mag/pdf/j42d02.pdf 給付つき税額控除による所得保障]」『会計検査研究第』[http://www.jbaudit.go.jp/effort/study/mag/index41-50.html 42号]、会計検査院、2010年、p.1)。</ref>。勤労所得や就労時間の条件を加味して就労促進策の役割を担う勤労税額控除は、アメリカ、イギリス、フランス、オランダ、スウェーデン、カナダ、ニュージーランド、韓国など10か国以上が導入している<ref>鎌倉、pp.2, 3。</ref>。子育て支援を目的とする児童税額控除はアメリカ、イギリスなどが採用しているほか、ドイツやカナダなども同趣旨の給付制度を設けている<ref>鎌倉、pp.2-6, 9。</ref><ref>ドイツとカナダの児童手当は税額控除を伴わない給付のみの制度であるが、ドイツの児童手当は所得税法で規定されており児童控除との選択制、カナダでは税務当局である歳入庁が執行している(鎌倉、pp.6, 9)。</ref>。消費税の逆進性緩和を目的とする消費税逆進性対策税額控除はカナダやシンガポールなどが導入している<ref>鎌倉、pp.2, 8。</ref>。
 
 
 
=== 国税と地方税 ===
 
[[File:OECD Tax revenue.svg|thumb|right|400px|OECD各国税収のタイプ別GDP比(%)。<br>赤は国家間、青は連邦・中央政府、紫は州、橙は地方、緑は[[社会保険|社会保障拠出]]<ref name="OECDrevenue">{{Cite report|publisher=OECD |title=Revenue Statistics |doi=10.1787/19963726}}</ref>。]]
 
租税は課税権者に応じて[[国税]]と[[地方税]]に区分できる<ref name="zeicho" />。子ども手当のような生存保障の支出は、国が全額財源を負担するのが論理的には一貫するが、対人社会サービスなど現物給付については、地方自治体が供給主体となる<ref>日本財政転換の指針pp192スウェーデン型地方税制との違い(井手英策)岩波新書 ISBN 978-4-00-431403-5</ref>。国税では富裕層への課税や矯正的正義(応能原則)が重視されるが、所得の多寡を問わないユニバーサリズムの視点からすれば、地方税に関してはむしろすべての参加者が負担する配分的正義(応益原則、水平的公平性)が基準となる<ref>日本財政転換の指針pp193スウェーデン型地方税制との違い(井手英策)岩波新書 ISBN 978-4-00-431403-5</ref>。
 
 
 
国税の課税権者は国、地方税の課税権者は各地方自治体となるが、地方税に関する税率などの決定は必ずしも各自治体の自由裁量ではなく、税率の上下限など、国によって様々な形での制約が設けられている<ref name=" fukawzawa,pp.48-49">深澤映司「[http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3488876_po_073503.pdf?contentNo=1 地方税の標準税率と地方自治体の課税自主権]」『レファレンス』[http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/2012/index.html 735号]、2012年、pp.48-49。</ref>。チェコ、デンマー ク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ポルトガル、スペインといった国々では地方税の税目に対して上限と下限両方の制限が存在し、オーストラリア、ベルギー、フランス、ハンガリー、オランダ、ポーランド、スイス、イギリス、アメリカなどは上限のみが存在する<ref name=" fukawzawa,pp.48-49" />。イタリアの州生産活動税のように、国が定めた標準税率を基準に税率の上下限幅が決められているケースもある<ref name=" fukawzawa,pp.48-49" />。日本では法人課税を中心に税率の上限([[制限税率]])が設けられているが、直接的に下限を定めた規制は存在せす、法的拘束力の無い[[標準税率]]を[[地方債]]の起債許可や政府間財政移転制度([[地方交付税交付金]])の交付額算定と連動させることで、それを下回る税率の選択を抑制する制度設計となっている<ref>深澤、pp.42-44, 48。</ref><ref>1986年の参議院地方行政委員会において[[自治省]](当時)は、過度な減税による将来世代への負債転嫁や他地域住民への税負担の転嫁(国費による自治体財政への補填費用)を抑制するために各自治体が標準的な税収を確保することが必要との見解を示している(深澤、p.51)。</ref>。上位政府による起債制限と政府間財政移転の双方を背景として地方税率が下方硬直的になっている例は、日本以外の主要国には見当たらず、日本の標準税率制度は国際的にみてもかなりユニークな制度であるといえる<ref>深澤、p.50</ref>。
 
 
 
=== 普通税と目的税 ===
 
租税は、特にその使途を特定しないで徴収される普通税と、一定の政策目的を達成するために使途を特定して徴収される目的税とに区分できる<ref name="zeicho" />。[[目的税]]は公的サービスの受益と負担とが密接に対応している場合は合理性を伴った仕組みとなる反面、財政の硬直化を招く傾向があり、継続的に妥当性を吟味していく必要がある<ref name="zeicho" />。
 
 
 
=== 直接税と間接税 ===
 
納税者と納税義務者が一致することを予定した租税を直接税といい、商品やサービスの価格を通じて税が納税義務者から消費者に転嫁されることを予定した租税を間接税という<ref name="zeicho" />。日本の税目では[[所得税]]や[[法人税]]などが直接税であり、[[消費税]]や[[たばこ税]]などが間接税である<ref>石川県租税教育推進協議会ホームページ『[http://www.sosuikyou.jp/study/data/index.html 税の種類とあらまし]』2014年3月29日閲覧。</ref>。直接税は[[オフショア市場]]の活用により税収が減っている。
 
 
 
=== 従量税と従価税 ===
 
数量あたりで税率を定めた税を従量税、価額単位で課される税を従価税という<ref name="zeicho" />。
 
 
 
=== 応益課税と応能課税 ===
 
納税者の担税力、すなわち租税の負担能力に応じて賦課する立場の考え方を応能課税、公共サービスの受益に応じて課税すべきとする考え方を応益課税という<ref name="zeicho2" />。租税は公益サービスのための財源であることから、少なからず応益課税の要素が内在するが、個別の受益と負担との関係が必ずしも明確でなく、応益負担だけでは成り立たない<ref name="zeicho2" />。地方税は地域住民による負担分任という性格上、応益課税の要素がより重視される<ref name="zeicho2" />。
 
 
 
{{see also|受益者負担の原則}}
 
 
 
== 徴収方式 ==
 
税の徴収方式としては、申告課税と賦課課税の二つの方式が主な方式となっている。賦課課税方式は各政府が納付義務を持つものに税額を計算して賦課するものであり、申告課税は逆に納付義務を持つものが自ら税額を計算して政府に申告するものである<ref>http://www.zeirishikai-urawa.com/contents/startup/cat/2012/10/28-2346.html 関東信越税理士会埼玉県浦和支部 「知って納得!はじめての税金 身の回りの税金 申告納税方式と賦課課税方式」2017年2月6日閲覧</ref>。賦課課税方式は近代までは中心的な徴収方式であったものの、20世紀後半に入ると申告課税が主流の納付方式となった。このほか、いくつかの国家においては納税者への給与等の支払いの際にその雇用者があらかじめ税額相当を天引きしておく、いわゆる源泉徴収が行われている<ref>http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/058.htm 財務省HP 「主要国の給与に係る源泉徴収制度の概要」 2017年2月6日閲覧</ref>。また、文書に対し[[収入印紙]]を貼り付けて納付する印紙納付もある。
 
 
 
== 租税の歴史 ==
 
租税の歴史は国家の歴史と密接に関連する。極端な増税は、農民など税の負担者を疲弊させ反乱を招き国家の滅亡につながることもあった。歴史的には、労働、[[兵役]]やその地方の特産物等による納税が行われた時代があった。例えば[[万里の長城]]など歴史的な建造物の多くは、強制的な労働力の徴発より作られたものと考えられている。
 
 
 
租税制度は主に次のような変遷を遂げた<ref>山本守之『租税法の基礎理論』改訂版125 - 131ページ</ref>。
 
 
 
=== 古代 ===
 
原始には、神に奉じた物を[[再配分|再分配]]する、という形を取っていたとされている。[[社会的分業]]によって私的耕作や家内工業の発展とともに集団の中で支配者と被支配者が生じ、支配者は被支配者から財産の一部を得るようになった。これには、被支配者が支配者に差し出す犠牲的貢納と支配者が被支配者から徴収する命令的賦課があった。古代の税としては、[[物納]]と[[賦役]]が主に用いられた。物納は農村においては[[穀物]]を主とする収穫が主であり、それに古代においては貴重品であった[[布]]や、その地方の特産品を特別に納付させることも行われた。賦役は税として被支配者に課せられる労役のことであり、土木工事などの[[公共事業]]や、領主支配地における耕作など様々な形態を取った。
 
 
 
[[古代エジプト]]の[[パピルス]]文書に当時の農民に対する厳しい搾取と免税特権をもつ神官・書記に関する記述がある。
 
 
 
古代[[インド]]の[[マウリヤ朝]]では、農民に対し収穫高の四分の一程度を賦課し、[[強制労働]]も行われていた。
 
 
 
[[ローマ帝国]]の税制の基本は簡潔であり、属州民にのみ課される収入の10%に当たる[[属州]]税(10分の1税)、ローマ市民と属州民双方に課される商品の売買ごとに掛けられる2%の売上税(50分の1税)、ローマ市民にのみ課される遺産相続税や解放奴隷税などであった。3世紀の[[アントニヌス勅令]]以降は国庫収入が減少し、軍団編成費用などを賄うための臨時課税が行われることもあった。[[マルクス・ユニウス・ブルートゥス]]は[[属州総督|属州の長官]]に赴任したとき、住民に10年分の税の前払いを要求した。
 
 
 
=== 日本 ===
 
{{main|日本の租税#日本における租税の歴史}}
 
 
 
=== 中国 ===
 
古代中国の[[漢]]の主要財源は、算賦(人頭税及び財産税)、田租、徭役(労働の提供)であった。
 
 
 
[[北魏]]において[[均田制]]が成立したのち、これに基づいて[[北周]]が[[租庸調]]の税制をはじめ、[[唐]]でもこの税法を当初は引き継いだ。しかし[[玄宗]]期に入ると土地の集積が進み均田制が崩壊し、土地の存在が前提であった租庸調制も同時に崩壊したため、[[780年]]には[[徳宗 (唐)|徳宗]]の宰相[[楊炎]]によって[[両税法]]が導入された。これは税の簡素化と実情に合わせた変更によって税収を回復させる試みであり、以後[[明]]にいたるまで歴代王朝はこの税法を維持し続けた。しかし明代に入ると再び税制の実情とのかい離が起こり、税制は複雑化したため、16世紀末の[[万暦帝]]期において、宰相[[張居正]]が税を丁税([[人頭税]])と地税にまとめて銀で一括納入させる[[一条鞭法]]を導入した。[[清]]代に入ると、丁銀を地銀に繰り込んで一本化した[[地丁銀制]]が導入された。
 
 
 
=== イスラム ===
 
[[イスラーム]]を[[国教]]とするいくつかの王朝では、[[ズィンミー]](異教徒。[[キリスト教徒]]・[[ユダヤ教徒]]など)に対して[[ジズヤ]]([[人頭税]])の徴収が行われた。この方式は[[7世紀]]の[[ウマイヤ朝]]を起源としている。[[正統カリフ]]時代には税制はいまだ未整備であったが、ウマイヤ朝期に入る[[アラブ人]]以外のイスラム教徒([[マワーリー]])および異教徒からジズヤと[[ハラージュ]](土地税)の双方を徴収することとなった。しかしこの方式はマワーリーからの大きな反発を招き、[[アッバース革命]]を招くこととなった。こうして成立したアッバース朝はマワーリーからジズヤの納入義務を撤廃し、またアラブ人のイスラム教徒であってもハラージュの納入を義務付けた。こうして成立したジズヤ(異教徒への人頭税)とハラージュ(全国民対象の土地税)の二本立ての税制は、イスラーム諸王朝の基本税制となって広まっていった。
 
 
 
=== ヨーロッパ ===
 
中世ヨーロッパでは[[封建制]]が採られ、土地を支配する[[封建領主]]は土地を耕作する農民から貢納を得て生活していた。貢納のほか、領主直営地における賦役農耕も重要な税のひとつであった。その代り、領主は統治者として領民を外敵から守る役割を果たしていた。領主の主収入は地代であったが、私的収入と公的収入が同一となっており、しばしば戦費調達のために臨時収入が課された。その後、領主は戦争や武器の改良、[[傭兵]]の台頭によって財政難に陥り、相続税・死亡税の新設や地代を上げる。しかし、それでも賄いきれなくなった領主は特権収入に頼るようになる。
 
 
 
ここで言う特権とは、[[鋳貨]]・[[製塩]]・[[狩猟]]・探鉱(後に[[郵便]]・[[売店]])を指し、領主はこの特権を売渡すことで収入を得た。特権収入の発生は[[実物経済]]から[[貨幣経済]]への移行の一つの表れとみられている。
 
 
 
貨幣経済が発達すると新しい階級として[[商人]]階級が生まれる。土地は売買の対象となり、領主と農民の関係は主従関係から貨幣関係へと変質した。貴族は土地の所有と地代収入を失ったため、商人たちに市場税・入市税・営業免許税・関税・運送税・鉱山特権税などを課す。これらは租税と手数料、両方の側面を持っていた。
 
 
 
[[1624年]]には[[オランダ]]において[[収入印紙]]が初めて導入され、17世紀中にはヨーロッパの多くの国家に広まった。
 
 
 
=== 租税時代 ===
 
[[ファイル:Troisordres.jpg|thumb|right|150px|[[聖職者]]と[[貴族]]を背負う[[第三身分]]]]
 
封建末期の貴族たちは商人たちから借金を重ねていたため、遂に徴税権を商人たちに売渡す。この商人たちは租税の代徴を行う徴税請負人として人々から税を徴収したが、増益分は自らの懐に入るため、過剰な租税の取り立てが行われた。特に18世紀の[[フランス]]の[[アンシャン・レジーム]]の下では、3つの身分のうち、[[第一身分]]([[聖職者]])・[[第二身分]]([[貴族]])は免税の特権を持っていた。このため人々の租税に対する不満が高まっていく。
 
 
 
[[1789年]]の[[フランス革命]]とこれに続く[[市民革命]]によってヨーロッパの封建制は崩壊し、[[立憲君主制]]が始まった。国家の収入は経常収支としての租税が大半を占めるようになる。また、君主の私的収入と国庫収入が切り離され、租税収入が歳入の中心を占める公共財政が確立し、現代まで続いている'''租税時代'''が始まる。またこの時代になると近代化とともに賦役はほとんどの地域において廃止され、労働に対し国家が賃金を払って公共工事などを行うようになっていった。
 
 
 
立憲制とともに[[租税法律主義]]も普及し、イギリスの「[[権利の請願]]」「[[権利の章典]]」などによって確立していく。さらに[[フレンチ・インディアン戦争]]による財政難からイギリス議会が英領アメリカ植民地に[[砂糖法]]や[[印紙法]]、茶税などの[[タウンゼンド諸法]]によって次々と課税を試みようとしたことはアメリカ植民地を激昂させ<ref>「アリステア・クックのアメリカ史(上)」p142-144 アリステア・クック著 [[鈴木健次]]・櫻井元雄訳 NHKブックス 1994年12月25日第1刷発行</ref>、租税法律主義に由来する「[[代表なくして課税なし]]」という有名なスローガンのもとで[[アメリカ独立戦争]]を引き起こすきっかけとなった<ref>『イギリス帝国の歴史――アジアから考える』p60 秋田茂(中公新書, 2012年)</ref>。
 
 
 
[[1799年]]、イギリスでは[[ナポレオン戦争]]の戦費を調達するために所得に対して課税が行われた。これ以降、[[産業革命]]による[[資本主義]]の発達を背景に[[所得税]]を中心とした所得課税が世界に普及していく。ただし初期の所得課税は高額所得者に対するもので、税収総額としてはわずかなものであった<ref>「租税の基礎研究」p43 石川祐三著 時潮社 2010年3月25日第1版第1刷</ref>。
 
 
 
[[20世紀]]には、[[社会主義]]の台頭や[[社会権]]の定着によって、所得税・相続税の累進税率が強化された。しかし、1980年代に入ると企業意欲・労働意欲を高めるために税率のフラット化が行われた。また20世紀も中盤にいたるまで消費課税はある特定の商品のみにかけられるものであったが、[[1954年]]に一般的な消費すべてにかけられる付加価値税がフランスにおいて導入され、以降世界各国において導入されるようになっていった<ref>「租税の基礎研究」p95 石川祐三著 時潮社 2010年3月25日第1版第1刷</ref>。
 
 
 
== 租税に対する諸見解 ==
 
=== 支持もしくは肯定 ===
 
{{main |社会契約}}
 
大部分の[[政治哲学]]によると、彼らが必要でありそして[[社会]]に益するであるところの活動を集めるものとして税は正当化される。加えて、[[累進課税]]は社会での[[経済的不平等]]を減少させるのに用いることができる。この見解によれば、現代の[[国民国家]]において課税は[[人口]]の多数と[[社会変動]]に益する。<ref>{{citation |url =https://web.archive.org/web/20040701064132/http://www.unescap.org/esid/psis/publications/theme2002/chap5.asp |title =Population and Social Integration Section (PSIS) |work =United Nations Social and Economic Commission for Asia and Pacific }}</ref>[[オリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア]]による違った文章の意訳の、この見解のひとつの通俗の表現は、「租税は文明の価格である」である。<ref>{{cite book |author =Eugene C. Gerhart |title =Quote it Completely!: World Reference Guide to More Than 5,500 Memorable Quotations from Law and Literature |url =https://books.google.com/books?id=kjwVASsTUm0C&pg=PA1045 |year =1998 |publisher =W. S. Hein |isbn =978-1-57588-400-4 |page =1045 }}</ref>
 
 
 
=== 反対もしくは否定 ===
 
{{main article |en:Tax noncompliance |徴税と窃盗}}
 
[[クラウドファンディング]]のような[[自由意志|自発的]]であるよりもむしろ、税の支払いは義務的で法体系による執行であるので、幾らかの政治哲学は[[権力]]と[[弾圧]]を意味するのを通して租税を課税する政府を非難する、[[徴税と窃盗|窃盗としての徴税]]、強要、(もしくは{{仮リンク|奴隷制度|en|slavery}}、もしくは[[財産権]]の侵害として)、もしくは[[暴政]]として見る。<ref>課税における古典的な[[自由主義]]の正しい見方の概観については{{citation |url =http://www.irefeurope.org/en/content/tax-and-justice |title =www.irefeurope.org}}を見よ。</ref>
 
 
 
=== 社会主義者の見解 ===
 
[[カール・マルクス]]は[[共産主義]]の到来の後に課税は不必要になることを推量し、そして「{{仮リンク|国家死滅|en|withering away of the state}}」を期待する。[[中華人民共和国|中国]]におけること<ref>現代中国の税制については[[中華人民共和国#経済#税制という投資環境]]を参考にせよ。</ref>のような[[社会主義経済]]では、大部分の政府の歳入は企業の所有権からの運用だったので、課税は重要でない役割を果たした。そして或る人々によってそれは金銭による課税は必要でなかったことを議論された。<ref>{{cite book |last =Li |first =Jinyan |title =Taxation in the People's Republic of China |publisher =Praeger |location =New York |year =1991 |isbn =0-275-93688-0 }}</ref>
 
 
 
=== 租税選択 ===
 
<!-- {{undue weight |section |dae =November 2012 }} -->
 
{{main article |en:Tax choice}}
 
'''租税選択'''は納税者が、彼らの各々の租税を割り当てる方法をもって、よりコントロールするであろうことの理論である。もし納税者らが彼らの租税を受け取る政府の仕組みを選択できるならば、[[機会費用]]の決定は彼らの{{仮リンク|分散知識|en|dispersed knowledge|label =部分的な知識}}を寄せ集める。<ref>{{cite journal |title =Tax morale and conditional cooperation |url =http://www.bsfrey.ch/articles/453_07.pdf |doi =10.1016/j.jce.2006.10.006 |accessdate =3 January 2013 |colume =35 |journal =Journal of Comparative Economies |pages =136-59 |year =2007 |last1 =Frey |first1 =Bruno S. |last2 =Torgler |first2 =Benno |deadurl =yes |archiveurl =https://web.archive.org/web/20130120090643/http://www.bsfrey.ch/articles/453_07.pdf |archivedate =20 January 2013 |df =dmy-all }}</ref>例えば、彼の租税を[[公立学校]]においてより割り当てる納税者は[[公費負担医療]]においてより少なく割り当てるかもしれない。
 
 
 
=== ジオイストの見解 ===
 
{{main article |ジョージズム |en:Geolibertarianism |地価税 }}
 
''[[ジョージズム |ジオイスト]]''(英:Geoist、ジョージスト並びに{{仮リンク|ジオリバタリアン|en|geolibertarian}})は、道義性と同じく経済的効果の両方の理由で、課税は基本的に[[地代]]{{refnest |地代は永久不変ではなく[[市場メカニズム]]によって動くものであることに注意。<ref group =jidai>ただし、歴史的な論争が今も残る。詳しくは[[地代論争]]を見よ。</ref>{{Reflist |group =jidai}} }}、特にその'''[[地価税]]'''を徴集すべきであることを宣言する。(経済学者たちが同意する<ref>{{cite book |authorlink =アダム・スミス |author =Adam Smith |title =The Wealth of Nations [[s:The Wealth of Nations/Book V/Chapter2 |Book V.Chapter2]] |chapter =2, part 2, Article I: Taxes upon the Rent of Houses }}</ref><ref name ="McCluskey and Franzsen">{{cite book |last =McCluskey |first =William J. |last2 =Franzsen |first2 =Riël C. D. |title =Land Value Taxation: An Applied Analysis |page =4 |publisher =Ashgate Publishing, Ltd. |year =2005 |url =https://books.google.com/books?id=jkogP2U4k0AC&pg=PA73 |isbn =0-7546-1490-5}}</ref><ref>{{cite web |url =http://www.cooperativeindividualism.org/friedman-milton_interview-1978.html |title =Archived copy |accessdate =2015-03-29 |deadurl =yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20150329223758/http://www.cooperativeindividualism.org/friedman-milton_interview-1978.html |archivedate =29 March 2015 |df = }}</ref>)課税に対して地代を用いることの有効性は、このような課税は渡るつまり[[脱税]]することができずかつ[[死重損失]]を生じないこと、並びにこのことが{{仮リンク|土地 (経済)|en|land (economies)|label =土地}}において[[投機]]するような動機を除くこと、の事実に従う。<ref name ="McCluskey and Franzsen"/>それの道義性は、[[私的所有権]]は''[[労働の成果]]''(英:products of labour)に対して正当化されるが土地と{{仮リンク|天然資源|en|natural resources}}についてはそうでない、ところのジオイストの前提に基づく。<ref name =pnp>{{cite book |last =Geoge |first =Henry |title =Progress and Poverty: An Inquiry ito the Cause of Industrial Depressions and of Increase of Want with Increase of Wealth |year =1879 }}</ref>
 
 
 
== 理論 ==
 
{{main|租税理論}}
 
=== ラッファー曲線 ===
 
{{main|ラッファー曲線}}
 
ラッファー曲線の一つの可能な結果は、一定の値を超えた税率の増大は税収のさらなる増収にたいして反生産的になるであろう、ことである。任意の与えられた経済にたいする仮説的なラッファー曲線はただ見積もることだけができる。そしてこのような見積もりはしばしば論争になる。{{仮リンク|The New Palgrave Dictionary of Economics|en|The New Palgrave Dictionary of Economics}}は、税収最大化の税率の評価すなわち見積もりは、70%の近辺の中間の領域をもって、広く様々であることを報告する。<ref>{{cite book |title =Laffer curve |first =Don |last =Fullerton |work =The New Palgrave Dictionary of Economics |edition =2| publisher =Palglave Macmillan |year =2008 |quote =The mid-range for this elasticity is around 0.4, with a revenue peak around 70 per cent. |url =http://www.dictionaryofeconomics.com/article?id=pde2008_L000015 |accessdate =5 July 2011}}</ref>
 
=== 最適な課税 ===
 
{{main |最適課税}}
 
多くの政府は、歪のない租税によるかまたは或る二重の配当金を与えるものである諸租税を通して、割り当てられるもののところのものを超えたものである歳入を行う。'''[[最適課税|最適課税理論]]'''は[[経済学]]の分野であって、それは最小の''死重費用''(英:dead-weight cost)を持つかまたは[[福祉|厚生]]の意味において最大の[[効用]](英:outcome)を持つように課税をいかに構築するかを考える。<ref name ="Human Capital Tax">{{cite journal |last1 =Simkovic |first1 =Michael |title =The knowledge Tax |journal =University of Chicago Law Review |ssrn =2551567 }}</ref>
 
=== 税率 ===
 
{{main|税率}}
 
租税はしばしばおおかた''税率''と呼ばれる、或る割合として課せられる。税率についての議論でのひとつの重要な区別は''限界税率''(英:marginal tax rate、もしくはmarginal rate)と''実効税率''(英:effective tax rate)の間の区別である。実効税率は支払われた租税の総計で割ったその支払われた租税の合計である。これに対し限界税率は収入を得た次の円<ref>原文は''ドル''。</ref>によって支払われたその税率である。
 
 
 
== 関連用語 ==
 
*租税負担率
 
*:[[国民所得]]に対する国税、地方税を合わせた総額の割合。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
<!--五十音順-->
 
* [[確定申告]]
 
* [[公共経済学]]
 
* [[公共サービス]]
 
* [[財政]]
 
* [[納税の義務]]
 
* [[租税法]] - [[租税法律主義]] - [[租税公平主義]]
 
* [[富の再分配]]
 
* [[日本の租税]] - [[年貢]]
 
** [[財務省 (日本)|財務省]] - [[国税庁]] - [[国税局]] - [[税務署]]
 
** [[日本の財政]]
 
* [[税理士]]
 
* [[フラット・タックス]]
 
* [[タックス・ヘイヴン]]
 
* [[徴税と窃盗]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/gakushu/ 税の学習コーナー(租税教育)]
 
* [http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/gakushu/kyoshitsu/01.htm 租税教室案内(東京国税局)]
 
* [http://www.oecd.org/tax/ Tax] - OECD
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
[[Category:租税|*]]
 
[[Category:租税|*]]

2019/5/1/ (水) 23:34時点における最新版

租税(そぜい、: tax

国または地方公共団体が収入を得る目的をもって,一般統治権に基づいて,法定要件に該当するすべての国民 (個人および法人) から反対給付を約束することなく強制的に徴収する金銭。収入以外の目的をもって課徴される罰金や行政上の過怠金,報償としての性質を有する行政上の使用料や手数料および公企業収入としての公共料金などは租税と区別される。



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