神魂神社

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神魂神社(かもすじんじゃ)は、島根県松江市大庭町にある神社である。旧社格県社で、意宇六社の一社。本殿は現存する日本最古の大社造り国宝

祭神

現在は伊弉冊大神(イザナミ)を主祭神とし、伊弉諾大神(イザナギ)を配祀するとしているが、これは中世末期ごろからのもので、それ以前の祭神は不明である。時代が下って寛文年間ごろの新嘗会祝詞には、熊野大神大己貴命などの神名が見えるが、現在では記録上わかる範囲内で、より古いほうの説に従っている。

歴史

社伝によれば、天穂日命がこの地に天降って創建したものと伝えられるが、『延喜式神名帳』、国史や『出雲国風土記』に当社は記載されておらず、文献における初見は承元2年(1208年)の鎌倉将軍下文であり、実際の創建は平安時代中期以降とみられている。

当社は出雲国府に近い古代出雲の中心地であり、社伝では、天穂日命の子孫が出雲国造として25代まで当社に奉仕したという。出雲国造家は現在は出雲大社の宮司家であるが、国造家の代替わりのときの「神火相続式」「古伝新嘗祭」は、明治初年までは当社に参向して行われていた。

神紋

二重亀甲に「有」の文字。

建造物

  • 社殿
  • 杵築社
  • 伊勢社
  • 熊野社
  • お釜
  • 武勇社
  • 蛭子社
  • 荒神社
  • 外山社
  • 貴布祢稲荷両神社
  • 秋葉社

文化財

ファイル:Kamosu jinja keidaisha2.jpg
貴布祢稲荷両神社(右)

本殿は現存する最古の大社造建造物であり、昭和27年3月に国宝に指定された。昭和23年の修理の際に、柱から正平元年(1346年)の墨書が見つかったが、現在の社殿は天正11年(1583年)の再建と考えられている。室町時代の造営になる神魂神社本殿は、出雲大社より大社造りの古制をよく保存している[1]。出雲大社と同様に入口は正面に向かって右に片寄ってあるが、神座は出雲大社とは反対に、殿内の中心に建つ心御柱(しんのみはしら)の左奥に横向きに置かれている[2]

貴布祢稲荷両神社の社殿も天正11年の建立で、重要文化財に指定されている。社殿は珍しい二間社流造である。

国指定

国宝

建造物
  • 神魂神社本殿 附:内殿1基、心御柱古材1箇 - 天正11年(1583年

重要文化財

建造物
  • 神魂神社末社貴布祢稲荷両神社本殿 - 天正11年(1583年

県指定

工芸品

主な行事

神火相続 4月18日 祈念祭 10月18日 例祭 11月11日 神在祭 12月13日 新嘗祭、お釜神事

交通

  • JR松江駅から市バスかんべの里(神魂神社)行きで25分。終点下車。

 本数が少ないのでダイヤ要確認。

  • JR松江駅から一畑バス八雲行きで18分、風土記の丘入口下車徒歩10分
  • JR松江駅からタクシーで15分
  • 本神社を起点とする島根県道248号神魂神社線国道432号まで伸びている。

脚注

  1. 『日本建築史』足立康、地人書館, 1940
  2. 『神社の由来がわかる小事典』三橋健、PHP研究所, 2007

関連項目


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