礎石

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礎石(そせき)とは、建造物の土台(礎)となって、などを支える石のこと。転じて、ものごとの土台や基礎のことをさす。 礎石を用いない場合、柱が直接地面と接することから湿気や食害などで腐食や老朽化が早く進む。 近代以前の建物において通常使われるものであったため、地震による倒壊や焼失をした後でも礎石だけは残り、後世、歴史などを知る貴重な資料となる。

定礎

定礎(ていそ)は建物の土台となる礎石を定めることである。本来、住宅などを建てる際には、土台の石が必要であったため、定礎式は工事にとりかかることであったが、現在はビルなどに竣工年月日等を彫り込んだ定礎板を埋め込む式典などに変化しており、ある程度建設が進んでから式が行われることもある。定礎石(定礎板)は南東に置かれる事がほとんどである。

中にはステンレス製などの定礎箱が埋め込まれ、建物の図面・定礎式当日の新聞・出資者名簿などが入れられタイムカプセル化されている事もある[1]。全面改築に伴う取り壊しなどで開封される場合以外、中身を見る事はできない。

礎石建物

礎石建物の歴史は古く、古代城柵遺跡・国府跡・寺院跡、中世寺院跡には広くみられる。現存する世界最古の木造建築である法隆寺金堂にも礎石が用いられている。法隆寺は再建論争があったが、現存する礎石は「若草伽藍」の礎石が使われているという。

礎石建物は畿内の寺院建築から始まって地方の古代官衙・城柵に広がり、中世の寺院、戦国時代などに取り入れられ、近世に入って上級武士の屋敷に広がって、最後に下級武士・商工業者・農家などに普及したものであろう。民家に広く礎石が使われるようになったのは江戸時代以降で、18世紀までは東日本では掘立柱建物が一般的であった。

関連項目

脚注

外部リンク