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| − | {{Infobox 島
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| − | |島名=硫黄島
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| − | |画像=[[Image:Iwo-to landsat1999.jpg|320px]]<br />衛星写真
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| − | | 緯度度 = 24|緯度分 = 45|緯度秒 = 29|N(北緯)及びS(南緯) = N
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| − | | 経度度 =141|経度分 = 17|経度秒 = 14|E(東経)及びW(西経) = E
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| − | | 地図国コード =JP-13
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| − | |面積=23.73
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| − | |周囲=約22
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| − | |標高=170{{refnest|group="注"|現地測定に伴う標高変更で169mから170mと1m高くなった<ref name="gsi2016">{{Cite web|url=http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MOUNTAIN/koshin_naiyo.pdf|format=PDF|title=日本の主な山岳標高〔更新内容（平成21年度以降）はこちらをご覧下さい。〕|publisher=[[国土地理院]]|date=|accessdate=2016-05-11}}</ref>。|ref="gsi2016"}}
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| − | |最高峰=摺鉢山（パイプ山）
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| − | |海域=[[太平洋]]（[[フィリピン海]]）
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| − | |国={{JPN}}（[[東京都]]）
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| − | |地図2 = Japan&neighbours
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| − | }}
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| − | [[File:Aerial_view_of_Iwo_Jima_in_September_2014.JPG|thumb|right|空撮（2014年）]]
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| − | [[File:Iwojima 07.JPG|thumb|right|硫黄島遠景（2007年）]]
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| − | [[File:Mount Suribachi, Iwo Jima.jpg|thumb|right|摺鉢山（2007年）]]
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| − | [[File:IwoJima-SuribachiGases.jpg|thumb|right|摺鉢山の噴気帯]]
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| − | '''硫黄島'''（いおうとう）は、[[小笠原諸島]]の南端近くに所在する、東西8 [[キロメートル|km]]、南北4 kmの[[島]]である。
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| − | == 概要 ==
| + | '''硫黄島'''（いおうとう） |
| − | [[行政区分]]上は[[東京都]][[小笠原村]]に属し、[[東京都区部]]（東京23区）からは、南方におよそ1,200 kmに位置する。
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| − | 島内の最高峰は、[[摺鉢山 (東京都)|摺鉢山]]（標高170 [[メートル|m]]<ref name="gsi2016" />）であり、硫黄島は周囲の島々と合わせて[[火山列島]]（硫黄列島）と呼ばれる[[列島]]を形成している。[[活火山]]の火山島であり、[[地熱]]が高く、島の至る所で噴気が有り、噴出する[[火山性ガス]]（[[二酸化硫黄]]等）により特有の臭いが立ち込めている。これが硫黄島の名の由来である。
| + | [[東京都]]，[[小笠原諸島]]の南部，[[硫黄列島]]中最大の火山島。[[活火山]]で，[[常時観測火山]]。別称中硫黄島。[[小笠原村]]に属する。海上自衛隊航空基地がある。台地状をなし北東部に元山（115m），南西端には円錐火山の摺鉢山（169m）がある。硫気を噴出し地熱も高い。過去たびたび噴火を起こしており，近年では 2012，2013年に小規模な[[水蒸気爆発]]があった。島の隆起を示す[[海岸段丘]]や[[断層崖]]が発達し，今日でも活発な隆起活動が続いている。無人島であったが，安永8（1779）年ジェームズ・[[クック]]の探検隊が発見，1891年日本領有後移民が居住。漁業，硫黄採集や熱帯農業に従事した。[[太平洋戦争]]の激化に伴い，住民は全員本土に引き揚げ，その後戦史に残る激戦場になった（[[硫黄島の戦い]]）。[[第2次世界大戦]]後アメリカ合衆国の軍政権下にあったが，1968年日本に返還された。面積 23.16km<sup>2</sup>。 |
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| − | また、歴史的呼称として硫黄島（いおう'''じま'''）の別称もある。 ※名称については[[#島の名称|後述]]。
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| − | [[火山噴火予知連絡会]]によって火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある[[火山]]に選定されている<ref>{{Cite web |url = http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/47volcanoes.pdf|format=PDF|title = 火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山|publisher = 気象庁|accessdate = 2016-02-25}}</ref>。
| + | {{テンプレート:20180815sk}} |
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| − | 島は[[太平洋戦争]]（[[大東亜戦争]]/[[第二次世界大戦]]）の激戦地（[[硫黄島の戦い]]）として知られる。
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| − | 戦後から現在は[[海上自衛隊]]と[[航空自衛隊]]の[[基地]]が置かれており、基地関係者以外の[[民間人]]の全島への立ち入りが制限されている。しかし、旧島民らの[[慰霊]]などのための上陸は例外として許される。このため小笠原諸島に属しているが[[小笠原国立公園]]や[[世界遺産]]の登録からも除外されている。
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| − | == 島の名称 ==
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| − | 島名は、島の至るところで見られる[[硫黄]]に由来する。
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| − | 硫黄島の呼称は、[[戦前]]（第二次世界大戦以前）は島民と主に[[大日本帝国陸軍]]の間では「いおう'''とう'''」、[[大日本帝国海軍]]の一部の間と[[明治|明治時代]]作成の[[海図]]では「いおう'''じま'''」としていた。[[アメリカ合衆国]]ではこの海図の表記に従い「Iwo Jima（イオージマ）」とし、終戦後、同島は[[アメリカ軍]]の統治下にあったことから「Iwo Jima」と呼称されていた。[[1968年]]（昭和43年）に同島の施政権が[[日本国]]に返還された際に[[国土地理院]]発行の[[地形図]]上の呼称は「いおうとう」に戻されたが、[[1982年]]（昭和57年）の地形図改訂の際に[[小笠原村]]は同島の呼称を「いおうじま」と[[東京都]]に報告、都ではこれに基づき「いおうじま」と公報したため、地形図においても「いおうじま」と呼称されるようになった。各報道機関でも同島を「いおうじま」と報道したことにより、[[2007年]]（平成19年）までは「いおうじま」と呼ばれることが多かった。
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| − | 硫黄島の呼称を「いおうとう」に統一するようにという要望は、旧島民およびその子孫などの間から古くからあった。この要望に応え、2007年（平成19年）3月に小笠原村議会では、第1回議会定例会の最終日に、同島の呼称を「いおうとう」に統一する「硫黄島の呼称に関する決議案」を提出し採択された。これにより、小笠原村は[[地名]]の修正を国土地理院へ要望した{{Sfn|国土地理院|2007}}。
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| − | 2007年（平成19年）[[6月18日]]、国土地理院および[[海上保安庁]][[海洋情報部]]（[[海図]]の作成を担当{{Sfn|海上保安庁|2011}}）にて構成される「地名等の統一に関する連絡協議会」は「硫黄島」の呼称を「いおうじま」から「いおうとう」に変更する同日協議された結果を発表した{{Sfn|国土地理院|2007}}。また、併せて北硫黄島は「きたいおうとう」に、南硫黄島は「みなみいおうとう」にそれぞれ変更された{{Sfn|国土地理院|2007}}。これにより[[火山列島|火山（硫黄）列島]]の三島とも「島」の公式呼称はこれまでの「じま」から「とう」となった。国土地理院では、平成19年（2007年）9月発行の地形図から、ついで海上保安庁の発行する海図でも'''「いおうとう」が正式な表記'''となっている。
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| − | この変更直前まで国土地理院、海上保安庁の他、[[日本放送協会]] (NHK) でも「いおうじま」としていたが、小笠原村役場と『日本の島ガイドSHIMADAS』（ISBN 978-4931230149）を発行する[[財団法人]][[日本離島センター]]では「いおうとう」としていた。
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| − | [[アメリカ合衆国]]の資料においても、一部はこの変更に追従して「Iwo To（イオートー）」と改められており、[[合同台風警報センター|JTWC]]の台風進路予想図などはその一例である。
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| − | 一方、「Iwo Jima（イオージマ）」は[[第二次世界大戦]]中、太平洋戦線で屈指の[[硫黄島の戦い|激戦地]]としてアメリカ合衆国でも特に有名であることから、この名称に特別な感情を持つ者も[[アメリカ海兵隊]]の関係者を中心に多くおり、退役軍人組織のひとつである「[[:en:Veterans of Foreign Wars|ベテランズ・オブ・フォーリン・ウォーズ]]」はこの変更に不快感を示した。なお、実際に改名反対の声明を出した団体もあるという<ref>{{Cite news|title=「イオウジマを返せ」「歴史書き換えだ」硫黄島の呼称変更でアメリカ激怒|newspaper=産経新聞|date=2007-06-22}}</ref>。なお、その表れとして、その名が[[アメリカ海軍]]の[[ワスプ級強襲揚陸艦]]の7番艦「[[イオー・ジマ (LHD-7)|イオージマ]]」（USS Iwo Jima，LHD-7）に残るほか、かつて就役した[[イオー・ジマ級強襲揚陸艦]]の1番艦（LPH-2）にも使われていた。
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| − | また、[[2006年]]にアメリカ合衆国で制作された、[[アメリカ映画]]『[[硫黄島からの手紙]]』の読みは「いおう'''じま'''からのてがみ ({{en|Letters from Iwo Jima}})」である。
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| − | [[2014年]]（平成26年）[[3月11日]]の「領土・主権をめぐる内外発信に関する総合調整会議」により、島名の英語表記は「島名（読み仮名のローマ字表記）+” Island ”の表記を標準とする。」<ref>{{Cite web |url= http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa41012.html |title= 島名の英語表記の統一について |publisher= [[国土地理院]] |date= 2014-03-11 |accessdate= 2015-11-19}}</ref>ことと決定し、「外国人にわかりやすい地図表現（第44回国土地理院報告会、2015年6月4日）」における例示<ref>{{Cite web |url= http://www.gsi.go.jp/common/000103785.pdf |title= 外国人にわかりやすい地図表現（第44回国土地理院報告会） |publisher= [[国土地理院]] |date= 2015-06-04 |accessdate= 2015-11-19}}</ref>の通り、'''公式な英語表記は「Ioto Island」'''<ref>{{Cite web |url= http://www.gsi.go.jp/common/000102099.pdf |title= MAP OF JAPAN |publisher= [[国土地理院]] |date= 2015-03-31 |accessdate= 2015-11-19}}</ref>となった。
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| − | === ラテン文字表記のゆれ ===
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| − | 前述のとおり、日本語の平仮名による表記は、「いおうとう」であり、[[ラテン文字]]表記では「Ioto」となっている<ref>{{Cite web |url= http://www.gsi.go.jp/common/000102099.pdf |title= MAP OF JAPAN |publisher= [[国土地理院]] |date= 2015-03-31 |accessdate= 2015-11-19}}</ref>。ただし、[[JTWC]]では「Iwo To」と表記している{{リンク切れ|date=2018年7月}}<ref>[https://metoc.ndbc.noaa.gov/JTWC#_48_INSTANCE_0SiamlX2KcM6_=https%3A%2F%2Fmetoc.ndbc.noaa.gov%2FProductFeeds-portlet%2Fimg%2Fjtwc%2Fhtml%2Fcoop.jsp%3F|毎度表示される台風情報を参照]</ref>。
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| − | == 地形と地理 ==
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| − | === 位置 ===
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| − | [[File:Ioto Island Aerial photograph.2016.jpg|thumb|硫黄島の空中写真。（2016年12月15日撮影の35枚より合成作成）。{{国土航空写真}}。]]
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| − | 東京都の小笠原諸島の島で、同諸島の行政府が置かれている[[父島]]からは南南東へ300 km、[[本州]]、[[グアム島]]、[[南鳥島]]、[[沖縄本島]]から、それぞれ1,200 kmから1,300 km程度のほぼ等距離に位置する。硫黄島の北方約75kmには[[北硫黄島]]、南方約58kmには[[南硫黄島]]があり、この3島で[[火山列島]]（硫黄列島）を構成する。3島とも同じ造りの[[海底火山]]の島であり、その海底からの山体の[[体積]]は[[富士山]]を遥かに凌ぐ。
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| − | === 海上の地形 ===
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| − | 硫黄島は、島の主体となる元山火山体と南西部の[[単成火山]]である[[摺鉢山 (東京都)|摺鉢山]]の２つの火山を、海岸砂丘の千鳥ヶ原（滑走路付近）が繋がり、摺鉢山を基点に西岸を千鳥ヶ浜、南岸を二ツ磯浜、釜浜の直線的な海岸で北東側に扇形に広がる地形をしている。島の北岸は[[貿易風]]や[[波蝕]]を受けた崖が発達している。面積は約23.7km<sup>3</sup>で東京都[[北区 (東京都)|北区]]とほぼ同じである。
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| − | 元山は現在は標高約100m前後、面積は約5km<sup>2</sup>ほどのほぼ平坦な台地状になっており、北西側の高まりには大坂山（約111m）、北東側の高まりには東山（約112m）と名がつけられている。東端の釜岩へ繋がる北海岸は大きな「井戸が浜」と呼ばれる砂海岸が広がり、その沖合に監獄岩とよぶ岩礁を望む。島の全周は約22km、長軸の北東-南西の長さが約8.3kmである。摺鉢山と繋がる千鳥ヶ浜南部の地峡は約800mとなっている。
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| − | === 海底火山の形成 ===
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| − | 硫黄島が乗る海底からの比高2,000m以上になる山体は、直径40kmに及び<ref name=kaijohoan1>{{Cite web|url=http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/kaiikiDB/kaiyo22-2.htm |title=海底火山データベース - 硫黄島 |publisher=[[海上保安庁]] |date=2018-04-12 |accessdate=2018-07-02}}</ref>、山頂部に直径約10kmの[[カルデラ]]を形成している。カルデラの大半は海面下にあり、釜岩、監獄岩、東側沖の東岩などの岩礁群はこのカルデラ壁<ref name="jgeography.124.65"/>、元山は中央火口丘、摺鉢山は側火山に相当する。摺鉢山は文字通り「[[すり鉢]]」を伏せたような形状で、標高は170 [[メートル|m]]<ref name="gsi2016" />で'''パイプ山'''の別称がある。
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| − | 島内各所から採集した岩石試料の分析から、カルデラ形成年代は十数万年前以降、約2800年前より以前と推定されている。島北部の北の鼻海岸付近で得られた炭化木片試料の年代測定では、約2800年前に元山溶岩・元山火砕岩を噴出する大きな噴火(総体積1.2km<sup>3</sup>？)が発生したと見られている<ref name="jgeography.124.65"/>。
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| − | === 有史の火山活動 ===
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| − | 有史以来の主な火山活動は[[水蒸気爆発]]である<ref name=kaijohoan1 />。
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| − | 顕著な活動として、1889年(明治22年)または1890年(明治23年)から記録が残されている。水蒸気噴火や海面変色が1922年、1935年、1944年、1957年、1967年、1968年、1969年、1975年、1978年、1980年、1982年、1993年、1994年、1999年、2001年、2004年、2007年、2012年、2013年に記録された。2012年の活動では、ミリオンダラーホール（噴気孔）から最大100ｍ程度の距離まで泥噴出が観測された。2015年8月7日未明にも北の鼻にて水蒸気爆発と見られる噴火活動<ref>{{Cite web |url =http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/CCPVE/shiryo/133/133_12_nied.pdf|format=PDF|title = 小笠原硫黄島にて 2015 年 5 月～8 月に生じた噴火の噴出物|publisher = 気象庁|work=第133回火山噴火予知連絡会資料|accessdate = 2016-05-11}}</ref>が観測されている。
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| − | 島の各地に現在も[[硫黄|硫気]]と[[地熱]]を伴う噴気が見られ、ときおり熱泥を吹き上げて数ｍ程度の孔口を開けることがある<ref name=kishocho1>{{Cite web |format=PDF |url=http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/tokyo/2017y/329_17y.pdf |title=平成 29 年（2017 年）の硫黄島の火山活動 |publisher=[[気象庁]]火山部
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| − | 火山監視警報センター （2017年）|accessdate=2018-0702}}</ref>。また、沖合の北ノ鼻西方（約850ｍ）、南東岸南西部沖二ツ根の東北東（約1,500ｍ、約1,850ｍ）海底の硫気孔が確認されており海水を変色させている<ref name=kaijohoan1 />。 これらの活動の熱源として、1980年に行われた地磁気観測の結果から、地下2kmよりも浅いところに[[キュリー温度]]を超える高温領域（マグマ溜まり？）が有ると推定されている<ref>大島章一ほか [http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.94.502 硫黄島の地磁気異常分布] 地学雑誌 Vol.94 (1985-1986) No.6 P502-515</ref>。また、震央から1000km以上離れた地震により硫黄島周辺で微少地震が活発化する現象が、1983年[[日本海中部地震]]、1984年[[日向灘地震|九州南東沖の地震]]、1993年[[北海道南西沖地震]]に伴うその後の地形観測で報告されている<ref name="jgeography.111.2_277"/>。
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| − | === 現在も続く隆起活動、小笠原諸島最大の島へ ===
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| − | 島の形成は、火山活動に加えて現在も続いている活発な[[隆起]]活動による<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/329_Ioto/329_history.html 硫黄島 有史以降の火山活動] 気象庁</ref>。
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| − | 1911年の測量後の98年間で元山中央部は15m隆起した<ref name="jgeography.124.65">長井雅史、小林哲夫：[http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.124.65 小笠原硫黄島の火山形成史] 地学雑誌 Vol.124 (2015) No.1 p.65-99</ref>。島内の隆起速度は均一ではなく、地点によって[[ゆらぎ]]による変動を伴いながら隆起が続いている<ref name="gsi54740">{{PDFlink|[http://www.gsi.go.jp/common/000054740.pdf 基準点測量で捉えられた硫黄島の地殻変動] 国土地理院時報(2009),119}}</ref>。{{要出典範囲|過去数百年間の平均で、世界的にも珍しい年間約25 [[センチメートル|cm]]もの速度|date=2015年3月}}で、現在も急速な隆起活動が続いているが、隆起量の割りに有感地震活動は少ない<ref name="jgeography.94.464"/>。隆起活動によって、[[海岸段丘]]や[[断層崖]]が島中に形成されている。島西方にある釜岩はかつては一つの独立した島で[[陸繋島]]を形成していたが、1950年代から1960年代の急激な隆起活動により現在は硫黄島と地続きとなっている<ref name="gsi54740"/>。なお、笠原稔、江原幸雄(1985)らの解析による隆起モデルでは、隆起の圧力源を鳥ケ原の下 1-2kmと北東海岸 1km沖の下3-4kmに2つの衝上型を配置すると、1952年から1968年の活動を最も良く解説できる<ref name="jgeography.94.464"/>としている。
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| − | 2014年（平成26年）の国土地理院による調査で、[[父島]]を抜き小笠原諸島で最大の島になっていることが分かった（23.73km{{sup|2}}）。大きな隆起量のため外洋の荒波による浸食速度を上回って面積は拡大を続けている<ref>重村利幸(1996) [http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.105.4_448 硫黄島の面積の長期変動] 地学雑誌 Vol.105 (1996) No.4</ref>。一方で港湾設備は現在も建設することが出来ず、釜岩の南側の砂浜が物資の荷揚げ場として使用されている。
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| − | === 気候 ===
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| − | 緯度上は[[台湾]]（[[中華民国]]）[[新竹市]]とほぼ同一で、[[亜熱帯]][[海洋性気候]]となっている。年平均気温は24℃、最高気温は40℃近い日もある。6月中旬-10月上旬までは30℃を越える日が多く、一年中で一番寒い月とされている2月でも12℃程度。一日の気温差は大くて6-7℃。年間降水量は平均約1,200mm。夏期は[[スコール]]が多く、冬期は夏期に比べ降水量が少ない。6月-11月の半年の降水量は12月-翌年5月の降水量の2倍程度。
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| − | == 島民生活の歴史 ==
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| − | === 第二次世界大戦前 ===
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| − | 島北部には元山部落、東部落、西部落、南部落、北部落、千鳥部落の6つの集落があり、元山部落には硫黄島[[尋常小学校]]と硫黄島[[神社]]が置かれ、島の中心となっていた。また、島には[[父島]]から派遣された[[警察官]]1名が駐在していた。島南部は[[海軍省]]によって[[要塞]]地帯に指定され、一般島民の立ち入りが制限されていた。元山の台地は土丹岩と呼ばれる凝灰岩から出来ており、貴重な現地調達石材であった。
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| − | 当時の島内の[[産業]]は、硫黄採取鉱業、[[サトウキビ]]、[[コカ]]、[[レモングラス]]等の[[栽培]]農業、近海沿岸[[漁業]]等で、これらの産業は「[[硫黄島産業]]株式会社」が取り仕切っており、島民の大半は同社に直接、間接的につながっていた。島内での[[穀物]]生産は困難のため、[[コメ|米]]は[[日本列島]][[本土]]からの移入に頼っていた。医療用[[コカイン]]利用目的としてのコカ栽培は、[[アジア]]ではここと当時は[[日本統治時代の台湾|日本統治下の台湾]]だけであった。
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| − | 当時の島民の証言によれば、「きちんと稼げていた」とのことであり、絶海の[[孤島]]ではあったが、島民の[[経済]]状態は悪くなかったようである。
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| − | 島外との[[交通]]手段は、月1回の郵便船で[[母島]]へ渡り、そこから船で東京へ向かうルートと、2か月に1度の[[日本郵船]]<ref>[[1935年]]（昭和10年）[[1月8日]]に子会社の[[近海郵船]]に移管後、[[1939年]]（昭和14年）[[9月8日]]で近海郵船が日本郵船に併合の為に再移管。</ref>の定期船「芝園丸」で東京へ[[直行]]するルートがあった。
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| − | [[太平洋戦争]]（[[大東亜戦争]]）の重要防衛地として認識され[[日本軍]]が駐留するが島民の疎開は行われず[[アメリカ軍]]による[[1944年]]（昭和19年）[[6月]]の空襲で村落は壊滅、ようやく疎開が実施され廃村となった（詳細は[[#沿革]]を参照）。
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| − | === 第二次世界大戦後 ===
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| − | [[画像:US Navy 070313-N-9228S-003 Landing Craft Air Cushion (LCAC) 63, assigned to dock landing ship USS Harpers Ferry (LSD 49), transits Sailors and Marines to the historic location of the Battle of Iwo Jima.jpg|thumb|right|コンクリート船の残骸と米海軍のLCAC]]
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| − | [[戦後#第二次世界大戦後|戦後]]、米国より施政権返還後の硫黄島は、[[海上自衛隊]]管理の[[硫黄島航空基地]]が設置され、島内全域がその基地の敷地とされているため、原則として基地に勤務する[[自衛隊員]]以外は島に立ち入ることが禁止され、島を[[住所]]や[[居留地]]として生活する者はいない。必要に応じて、[[飛行場]]等の整備・改修工事を行う[[防衛省]]北関東防衛局職員及び[[建設業]]者等の作業員並びに遺骨帰還事業を行う[[厚生労働省]]職員等の立ち入りが許可される。
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| − | 本島は、潮風や硫黄による腐食が激しいため、基地施設等の補修が常時行われており、作業に従事するこの建設業者の[[住宅]]施設が存在する。また、海上自衛隊が火山[[観測]]を行なっており、[[国土地理院]]と[[気象庁]]の職員も、定期的に観測のために来島している<ref name="gsi54740"/>。1970年代後半には[[防災科学技術研究所]]の観測点が設置され、以降地震観測が継続されている<ref name="jgeography.111.2_277">鵜川元雄、藤田英輔、熊谷貞治：[http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.111.2_277 遠地地震により遠隔誘発された硫黄島火山の微小地震活動] 地学雑誌 Vol.111 (2002) No.2 P277-286</ref><ref>[http://vivaweb2.bosai.go.jp/viva/v_datalist_ioto.html 火山活動連続観測網 硫黄島] 防災科学技術研究所</ref>。島には硫黄島食堂という食堂があり、自衛隊員と米兵の食事のために24時間運営されている。防衛弘済会によって運営されるが、年2回の米軍の夜間連続離着陸訓練時期には30名ほどの一般短期アルバイトが募集され、自衛隊基地より空路で上陸する<ref>[https://courrier.jp/columns/45671/ Vol.01 あの立入禁止の孤島に、僕でも行けるんですか？｜異色の訪問記「硫黄島からのメール」]</ref>。
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| − | 火山活動による隆起が非常に激しいため、硫黄島に[[港]]を築港することができず、船積みの[[ボート]]が着けられる程度の小さな[[波止場]]（桟橋）しか存在しない。その関係で大型船舶は少し沖合いに[[係留|停泊]]せざるを得ず、航空機で運べないような重量物は、[[おおすみ型輸送艦 (2代)|おおすみ型輸送艦]]を使い、艦載の[[LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇|LCAC]]で海岸から少し内陸のところにある揚陸施設に揚陸させる。[[ケロシン|航空燃料]]や[[軽油]]などは、沖合いに停泊した民間[[タンカー]]から、揚陸施設へと長大[[ホース]]を伸ばして[[補給]]を行う。硫黄島への[[宅配便]]・[[郵便物]]は通常の硫黄島の住所を記載しても届かない（[[日本郵便]]においても「[[交通困難地]]」とされている<ref name="交通困難地">{{PDFlink|[http://www.post.japanpost.jp/about/yakkan/1-7.pdf 交通困難地・速達取扱地域外一覧]}} - 日本郵便</ref>）。隊員の家族の仕送りや外部から業務用の資材や郵便物などは、自衛隊が指定した基地へ一括搬入することになる。
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| − | 島の西側に見える船の残骸は、島を占領した米軍が[[防波堤]]とするために1945年に擱座させた[[コンクリート船]]が台風で破壊されたものとされている<ref>[http://deputyscorner.jp/j/deputy-j20120419.html U.S. Embassy Tokyo Blog - 硫黄島の記憶――今日の深まる絆]</ref><ref>[http://www.justinmuseum.com/jkjustin2/gibson4.html Beachead Cargo, Iwo Jima, Arvin S. Gibson, Staff Sergeant, U.S. Army, Transportation Corps, Hq. and Hq. Co., AGF, APO 86]</ref>。うち、LCAC揚陸場近くの一隻は小型船の桟橋として利用されていた<ref>[http://falcon65.exblog.jp/i13/ 硫黄島 : ぷらぷらカメラ ひトリ歩き]</ref><ref>[http://hotair.com/archives/2006/08/23/photos-from-iwo-jima/ Photos from Iwo Jima « Hot Air]</ref>。また、現在も島の地下には1万3千柱を超える戦死者の遺骨とともに、無数の[[不発弾]]が残され、この回収も困難な状況である。不発弾爆発の危険性等から、自衛隊員でも立ち入りが禁じられている地域も存在する。
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| − | 大戦中に破壊された大砲や戦車の残骸、飛行場跡、地下壕跡、[[トーチカ]]跡等の戦争の痕跡が現在も数多く残っており、硫黄島の戦いで戦った兵士を慰霊、顕彰する施設・碑、かつて旧島民が暮らしていた[[集落]]や[[墓地]]があったことを偲び、慰霊する施設・碑も数多く設置されている。
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| − | ==== 戦没者の遺骨帰還事業 ====
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| − | {{See also|硫黄島の戦い#遺骨収容・帰還作業}}
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| − | 引き続き硫黄島の戦いによる日本人戦没者の遺骨を収容、本土へ帰還させる課題が残されている。本土へ帰還した遺骨は現時点で約8千柱で、1万3千柱余りの遺骨は未だ硫黄島内地下に埋もれ残されたままである<ref>{{PDFlink|[http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ioutou/dai5/siryou1.pdf 硫黄島からの遺骨帰還プランに基づく平成23年度の取り組み状況]}} 首相官邸</ref>。予算確保の問題と作業員人員確保の問題、埋葬地等の特定作業、既述した通り無数に埋まる不発弾へ対処、噴出する高温・有毒な硫黄ガスへの対処等で、その収容作業は困難を極める作業となっている。
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| − | これまでの収容作業は、主に硫黄島協会や戦没者遺族等の[[特定非営利活動法人|NPO法人]]や[[ボランティア]]等の手で行われていたが、平成22年度（2010年度）国家予算では滑走路部分の遺骨収容のための予算が初めて1億円を超えて計上され、[[2010年]][[8月10日]]には[[菅直人]]首相の指示により、政府による「硫黄島からの遺骨帰還のための特命チーム」が設置された。今後はこれまでの遺族、関係者の証言等に加え、米国での資料調査により情報収集を行い、収容作業におけるNPO法人やボランティアからの協力の拡充、自衛隊との協力体制の拡充をし、自衛隊基地施設下をも含む全島における面的調査を強化することとしている。また、遺族者等の慰霊等のための渡航機会の拡充、インターネット等を活用した遺留品の公開を実施して戦争の悲惨さを広く知らしめるとともに、将来は硫黄島以外の戦域での遺骨帰還作業実施も予定されている。
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| − | なお、硫黄島で戦死した米軍兵の遺体の大半は、硫黄島の戦い後暫くは摺鉢山山麓を中心に墓地を造成し、柩一台一台の上に十字架を立てて手厚く埋葬されたが、現在は<!--2007年6月に捜索が行われた行方不明者1名を除き-->全てが米国本土の[[アーリントン国立墓地]]へと帰還を果たしている。
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| − | ==== 旧島民の帰島問題 ====
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| − | 上述の通り、原則として基地に勤務する自衛隊員及び建設業者等の関係者以外の上陸は禁止されているが、戦没者の[[慰霊]]祭が現地で開催される際等には、旧島民や[[遺族]]、それに戦没者の遺族等の上陸が許可されている。
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| − | 慰霊祭のときは、小笠原諸島父島から[[小笠原海運]]の[[貨客船]]「[[おがさわら丸]]」で島へ向かい、船積みの小型ボートで島に上陸するか、航空自衛隊機を使用して来島することになる。また、遺族からの要望で2007年3月6日の慰霊訪問以降は、民間旅客機による[[チャーター便]]が運航されることになった。2007年の訪問では、[[日本航空|JAL]]が[[マクドネル・ダグラス MD-90|MD-90]]型旅客機を運用してチャーター便運航を実施したが、燃料補給が不可能なことから燃料を往復分積みこんだため、110名前後しか搭乗できなかった。
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| − | 現在、一部の旧島民および遺族は[[日本国政府]]に対して基地敷地の一部返還と帰島を求めているが、政府ならびに[[防衛省]]はこの要望に反応を示していない。このため、未だ島民の帰島は実現していない。[[アメリカ映画]]『[[硫黄島からの手紙]]』の一部シーンは島内で撮影されたが、これは[[アメリカ国防総省]]から[[防衛庁]]（当時）を通して、[[東京都]]の特別許可によって1日限りの物である。
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| − | === 沿革 ===
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| − | * [[1543年]]、{{仮リンク|ベルナルド・デ・ラ・トーレ|en|Bernardo de la Torre}}[[船長]]の[[スペイン]]船サン・ファン・デ・レトラン（<span lang="es" xml:lang="es">''San Juan de Letran''</span>）が発見した。
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| − | * [[1779年]]には[[ジェームズ・クック]]の部下{{仮リンク|ジョン・ゴア|en|John Gore (Royal Navy officer, died 1790)}}の率いる[[レゾリューション (帆船)|レゾリューション]]とディスカヴァリーが附近を航行し、サルファーアイランド<!--SulfureかSulphureか不明-->と命名された。
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| − | * [[1887年]]（[[明治]]20年）、[[横尾東作]]・[[東京都知事一覧|東京府知事]][[高崎五六]]らが[[明治丸]]で探査を行った。
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| − | * [[1889年]]（明治22年）6月、父島の住民田中栄次郎が、父島で建造した帆船南洋丸にて十余名とともに、鮫漁と硫黄採取を目的として入植し、硫黄島の開拓が開始された。記録に残る初めての日本人の入植。
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| − | * [[1891年]]（明治24年）[[9月9日]]、[[勅令]]により日本領土に編入。島名を「硫黄島」とし、東京府[[小笠原支庁|小笠原島庁]]所属とする<ref>明治24年勅令第190号（島嶼所属名称、明治24年9月10日付官報所収、{{ws|[[:s:島嶼所屬名稱ノ件|原文]]}}）</ref>。
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| − | * [[1892年]]（明治25年）、本格的に硫黄採掘事業が開始された。
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| − | * [[1940年]]（[[昭和]]15年）4月、[[町村制|普通町村制]]に移行。当時の人口は1,051人。硫黄島村は[[1952年]]（昭和27年）[[4月28日]]の[[日本国との平和条約|サンフランシスコ講和条約]]発効で[[アメリカ合衆国|米国]]の[[施政権]]下となるまで続いた。
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| − | * [[1943年]]（昭和18年）6月、島内調査を実施。硫黄島村の[[人口]]は192戸1,018人（男533人、女485人）。
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| − | * [[1944年]]（昭和19年）、[[大本営]]は[[マリアナ諸島]]の防備強化と合わせて小笠原諸島の防備強化を開始し、[[大日本帝国陸軍|陸軍]][[部隊]]（「伊支隊」指揮官：[[厚地兼彦]]大佐、4,883名）と[[大日本帝国海軍|海軍]]部隊（「硫黄島警備隊」指揮官：[[和智恒蔵]]中佐、1,362名）が硫黄島に進出した。この段階では島民も在島していたが、陸海軍部隊は上記要塞地帯に指定された島南部に展開したため、少数の島民が部隊に行商に出かけるほかは、部隊と島民の接触は少なかった。
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| − | * 1944年（昭和19年）[[5月22日]]、[[参謀本部]]は、小笠原防備をさらに増強することを目的として[[第109師団 (日本軍)|第109師団]]を創設。[[栗林忠道]]中将を師団長に任命し、栗林中将は[[6月8日]]に硫黄島に着任した。
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| − | * 1944年（昭和19年）[[6月15日]]、[[アメリカ軍]]は[[サイパン島]]上陸とあわせて硫黄島を[[空襲]]。翌日の空襲と合わせて島内の各部落はほぼ焼失した。
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| − | * 1944年（昭和19年）6月下旬、その後も空襲と[[艦砲射撃]]が続いたため、島民に対しては父島経由で内地へ[[疎開]]する命令が内示され、3回（[[7月1日]]、[[7月12日]]、[[7月14日]]）に分けて島民の疎開が行われた。軍に[[軍属]]として[[徴用]]された者（約230名）を除く全島民が硫黄島を離れ、島民が生活を営んだ硫黄島村の歴史は幕を閉じた。
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| − | * [[1945年]]（昭和20年）
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| − | **2月から3月にかけて行われた'''[[硫黄島の戦い]]'''で、[[日本軍]]が2万129人が[[戦死]]し、米軍は2万8686人の戦死傷者（戦死6,821名・戦傷2万1865名）を出す大激戦が繰り広げられた。
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| − | **そして[[3月17日]]、硫黄島は米軍に占領された。摺鉢山に[[アメリカ合衆国海兵隊]]によって[[アメリカ合衆国の国旗|星条旗]]を掲げる際に撮った写真は、米[[バージニア州]][[アーリントン国立墓地]]（米国の戦没者専用墓地）にある「[[合衆国海兵隊記念碑]]」のモデルにもなっている。
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| − | {{Main|硫黄島の戦い}}
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| − | * [[1946年]]（昭和21年）[[連合国軍最高司令官総司令部]]（GHQ/SCAP）による[[SCAPIN|SCAPIN-677]]により、[[伊豆諸島]]および[[小笠原諸島]]に対する[[日本]]の施政権が停止される<ref>[http://www.hoppou.go.jp/gakushu/data/document/doc19460129/ 連合軍最高司令部訓令（SCAPIN）第677号 独立行政法人 北方領土問題対策協会]</ref>。
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| − | * [[1952年]]（昭和27年）[[4月28日]] [[日本国との平和条約]]（サンフランシスコ講和条約）発効に伴い、硫黄島が正式に[[アメリカ施政権下の小笠原諸島|アメリカの施政権下]]となり、硫黄島村役場が廃止される。
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| − | * [[1960年代]]まで[[アメリカ空軍]]基地として[[核兵器]]保管などに用いられた。
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| − | * [[1968年]]（昭和43年）[[6月26日]]、小笠原諸島と共に'''日本に返還'''されたが<ref>1968年（昭和43年）6月12日条約第8号「[[南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定]]」</ref>、硫黄島村ではなく、[[小笠原村]]<ref>1968年（昭和43年）6月1日法律第83号「[[小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律]]」</ref>字硫黄島という扱いとなる。
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| − | * 1976年（昭和51年）、常時地震観測開始<ref name="jgeography.94.464">笠原稔、江原幸雄：[http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.94.464 硫黄島における臨時地震観測と常時微動 (付隆起モデル)] 地学雑誌 Vol.94 (1985-1986) No.6 P464-473</ref>。
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| − | * [[1985年]]（昭和60年）[[2月19日]]、硫黄島の米軍上陸40年目に当たる日に、「'''名誉の再会'''」と呼ばれる行事が行われた。参加したのは硫黄島戦に参加した日米両軍の兵士、場所は米軍が上陸した二ッ根浜である。会場中央には両面に文が刻まれた[[石碑]]が建てられ、和文が刻まれた山側には日本人参加者が、英文が刻まれた海岸側には米国人参加者が整列した。除幕と献花が行われたあと、参加者たちは碑に向かって歩み寄り、握手・抱擁を交わし合った。その後、[[1995年]]（平成7年）3月には50周年記念、[[2000年]]（平成12年）3月には55周年の日米合同慰霊祭がこの碑の前で行われている。
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| − | * [[1994年]]（[[平成]]6年）[[2月12日]]、[[明仁|今上天皇]]・[[皇后美智子]]が慰霊のため来島、行幸啓。
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| − | * [[2005年]]（平成17年）[[6月19日]]、[[小泉純一郎]][[内閣総理大臣]]が、現職首相として初めて来島。
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| − | * [[2009年7月22日の日食|2009年（平成19年）7月22日の日食]]では、[[鹿児島県]]の[[トカラ列島]][[悪石島]]や[[奄美群島]][[奄美大島]]など天候悪化により観測が出来なかったが、硫黄島では天候良好で超高速インターネット人工衛星[[きずな (人工衛星)|きずな]]を通じた映像生中継を実施された。なお、船により硫黄島周辺に滞在しての日食ツアーも開催された。
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| − | * [[2013年]]（平成25年）[[4月14日]]、[[安倍晋三]]内閣総理大臣が[[日本国政府]]主催の[[戦没者追悼式]]に出席するために訪島した<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130414-OYT1T00469.htm 首相が硫黄島と父島訪問…遺骨収容加速の考え] 読売新聞 2013年4月14日</ref><ref>[http://www.asahi.com/politics/update/0414/TKY201304140086.html 安倍首相、硫黄島を訪問 遺骨回収「着実に進める」] 朝日新聞 2013年4月14日</ref>。
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| − | * [[2015年]]（平成27年）[[3月21日]]、日米合同慰霊追悼式。「硫黄島協会」と「米国退役軍人」らの団体の共催。出席者日米計約550人。[[第4次安倍内閣]]の[[塩崎恭久|塩崎]][[厚生労働大臣]]と[[中谷元|中谷]][[防衛大臣]]が[[閣僚]]として初参列<ref>[[読売新聞]]2015年3月22日夕刊13S版39面</ref>。
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| − | * [[2015年]]（平成27年）[[3月21日|8月14日]]、[[讀賣テレビ放送]]『[[情報ライブ ミヤネ屋]]』にて硫黄島から全編生放送実施。[[宮根誠司]]、[[森本敏]]元防衛大臣、[[藤村幸司]]が出演。
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| − | == 硫黄島航空基地 ==
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| − | {{Main|硫黄島航空基地}}
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| − | '''硫黄島航空基地'''（いおうとうこうくうきち）は、[[海上自衛隊]]が管理する[[軍用飛行場]]で、海上自衛隊は航空管制及び基地の施設管理等のために、[[硫黄島航空基地]]隊（[[航空集団]][[第4航空群]]）を、救難及び[[小笠原諸島]]等の急患輸送のために、73航空隊硫黄島分遣隊（航空集団[[第21航空群]]）を置いている。
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| − | [[航空自衛隊]]は、訓練機の飛行統制や後方支援のため、硫黄島基地隊（中部航空方面隊）を置いており、実験機や戦闘機の訓練基地として使用している。航空自衛隊における名称は、'''硫黄島分屯基地'''（いおうとうぶんとんきち）。[[入間基地]]の分屯基地という扱いとされている。
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| − | [[陸上自衛隊]]は、[[太平洋戦争]]時に硫黄島に残された[[不発弾]]を処理するため、第104不発弾処理隊より交代で人員2名を派遣している。危険性の少ないものは島内の保管場所で一時保管した後まとめて爆破処理し、危険なものは随時処理している。
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| − | 基地にある[[滑走路]]は2650×60の1本のみだが、2650×30の平行誘導路が、トラブルによる主滑走路閉鎖時に離着陸の可能な緊急滑走路として整備されている。
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| − | 自衛隊員等が常駐していることから硫黄島は有人島となっているが、所在する海上自衛隊員は[[神奈川県]][[綾瀬市]]、航空自衛隊員は[[埼玉県]][[狭山市]]にそれぞれ[[住民登録]]しており、硫黄島のある東京都小笠原村ではない。
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| − | 周囲に有人島が存在しないため、[[硫黄島通信所]]にて[[アメリカ海軍]]の[[空母]][[艦載機]]による[[陸上空母離着陸訓練]] ({{en|FCLP; Field Carrier Landing Practice}}) および夜間離着陸訓練 ({{en|NLP; Night Landing Practice}})（[[タッチアンドゴー]]）が行われているほか、航空自衛隊の各種実験飛行や戦闘機の移動訓練といった、[[日本列島]]では実施が困難な用途にも使用できる、
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| − | | |
| − | 貴重な拠点であるほか、国内で唯一、陸・海・空の3自衛隊の統合的作戦演習が可能な場所でもある。なお、[[防衛大学校]]および[[防衛医科大学校]]の学生等が本島を[[見学]]する場合は、航空自衛隊の[[C-1 (輸送機)|C-1]]または[[C-130 (航空機)|C-130]]に搭乗する。
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| − | 硫黄島は、[[東京都]]と[[グアム|グアム島]]を結ぶ民間[[航空路]]下に存在することから、民間機を含む[[ダイバート|緊急避難用]]としても用いられており、自衛隊専用[[飛行場]]にもかかわらず[[国際航空運送協会]]の[[空港コード|3レターコード]]が設定されている。
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| − | 実際に、2003年3月30日には[[グアム国際空港|グアム]]発[[仙台空港|仙台]]行きの[[コンチネンタル航空]]931便（[[ボーイング737]]）がエンジン片方停止により、2014年11月9日には[[関西国際空港]]発[[グアム国際空港|グアム]]行きの[[デルタ航空]]294便（[[ボーイング757#757-200|ボーイング757-200]]）が左エンジンの不具合によりそれぞれ緊急着陸している。2016年3月4日には、[[仁川国際空港|ソウル/仁川]]発、[[サイパン国際空港|サイパン]]行きの[[チェジュ航空]]3402便（[[ボーイング737|ボーイング737-800]]）が右エンジンの不具合により緊急着陸した<ref>[http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2016/03/07/0200000000AJP20160307004500882.HTML エンジン不調のチェジュ航空機 硫黄島に足止め４日目] - 聯合ニュース 2016年3月7日</ref>。
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| − | [[硫黄島の戦い]]における戦没者慰霊訪問の為、チャーター機が[[東京国際空港|羽田空港]]から、若しくはグアム国際空港から航行することがある。
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| − | また、小笠原諸島から列島本土への[[航空救急|患者緊急]]搬送時には、当該基地で海上自衛隊の[[UH-60J (航空機)|UH-60J]][[ヘリコプター]]から海上自衛隊・航空自衛隊または海上保安庁の輸送機へと乗り換え搬送を実施する場合がある。
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| − | 現在小笠原村からの緊急患者輸送は[[US-2]]の運用の都合上困難のため、全て硫黄島経由のヘリと海自ないし空自輸送機により行われている。
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| − | == 通信 ==
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| − | [[南鳥島]]と共に[[日本郵便|日本郵便株式会社]]より「[[交通困難地]]」<ref>{{PDFlink|[http://www.post.japanpost.jp/about/yakkan/1-7.pdf 交通困難地・速達取扱地域外一覧]}} 郵便事業株式会社</ref>の指定を受けており、硫黄島の住所を記載しても[[郵便物]]は届かない。これは各社[[宅配便]]も同様である。
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| − | 物資や郵便物は海上自衛隊の場合は[[厚木航空基地]]<ref name="海上自衛隊">[http://www.asagumo-news.com/techou-pc2014/address/umi.html 海上自衛隊 部隊等所在地一覧] 2014自衛隊手帳（[[朝雲新聞社]]）</ref>
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| − | 気付、航空自衛隊の場合は[[入間基地]]<ref name="航空自衛隊">[http://www.asagumo-news.com/techou-pc2014/address//sora.html 航空自衛隊 部隊等所在地一覧] 同上</ref>気付として送付し、そこからは自衛隊内部での搬入扱いとなる。
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| − | [[固定電話]]については、自衛隊基地の外線1回線が公開されている<ref name="海上自衛隊" /><ref name="航空自衛隊" />。これによると、硫黄島の[[市外局番]]は04998、[[市内局番]]は4、加入者番号は1xxxである。まず、市外局番04998は小笠原[[単位料金区域|MA]]の局番であり、MAのエリア内と重なる小笠原村内であれば市内通話扱いとなる。ただし、[[収容局]]は隣接する父島でも母島でもなく、東京本土にある「'''新立川'''」である<ref>{{Cite web |url= http://www.ntt-east.co.jp/info-st/info_dsl/area.html |title= 収容局毎のカバーエリア |さpublisher= NTT東日本 |accessdate= 2013-10-27}}</ref>。ここには航空自衛隊[[東立川駐屯地|立川分屯基地]]や[[陸上自衛隊]][[立川駐屯地]]がある。次に、市内局番4が硫黄島に割り当てられた番号であり、ここからが村内の父島 (2) や母島 (3) とは別となる。
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| − | [[電気通信事業者]]が提供する[[移動体通信]]（主に電話）は、以前は島内に[[日本における携帯電話|携帯電話]]の[[基地局]]が存在せず周辺からの電波も届かないためサービスエリア外となっていたため、[[衛星電話]]のみが使用できた。
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| − | [[2013年]]（平成25年）[[8月]]に[[防衛省]]による「携帯電話基地局の調査および設置工事に関する業者募集」が行われた<ref>{{Cite web |url= http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y6/nyuusatsu/K-25-0009-0001.pdf |title= 海上自衛隊硫黄島航空基地における携帯電話サービスのための携帯電話基地局の設置事前調査及び設置工事に関する業者の募集について |publisher= 防衛省 |accessdate= 2015-5-6}}</ref>際には、[[ソフトバンク|ソフトバンクモバイル]](現・ソフトバンク)が応札している<ref>{{Cite web |url= http://bylines.news.yahoo.co.jp/dragoner/20150506-00045444/ |title= 激戦地で絶海の孤島、硫黄島で携帯が使えるように |publisher= 防衛省 |accessdate= 2015-5-6}}</ref>。
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| − | 現在の[[携帯電話]]の[[電波]]対応状況は下記の通り。（2017年8月現在）
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| − | * [[NTTドコモ|docomo]]･･･航空基地周辺、摺鉢山周辺（LTE対応(800MHz)）
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| − | * [[au (携帯電話)|au]]･･･航空基地周辺、摺鉢山周辺（4G LTE対応、VoLTE非対応機種は音声通話不可）
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| − | * [[SoftBank (携帯電話)|SoftBank]]･･･ほぼ全体（4G LTE対応）
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| − | * 2017年秋より全キャリアの使用が可能になった
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| − | [[アマチュア局]]は、かつては海上自衛隊の社団局「JD1YAM」があった。これ以外には来島者による個人局が運用することがある。
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| − | == 舞台となった主な作品 ==
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| − | 前述のとおり激戦地となったことから、小説や映画など多くの作品で採りあげられている。<!--むやみな重複列挙を防ぐため映画については原作も併記。-->
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| − | * 『[[硫黄島の砂]]』 - 1949年に公開されたアメリカ映画。[[硫黄島の星条旗]]を主なテーマとしている。
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| − | * 『[[硫黄島 (映画)|硫黄島]]』 - 1959年に公開された日本の映画。原作は[[菊村到]]の同名小説。
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| − | * 硫黄島プロジェクト（硫黄島の戦いを日米双方の視点から描く。）
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| − | ** 『[[父親たちの星条旗]]』 - 2006年に公開されたアメリカ映画。アメリカ側の視点で制作。原作は[[:en:James_Bradley_(author)|ジェイムズ・ブラッドリー]]と[[:en:Ron_Powers|ロン・パワーズ]]によるノンフィクション『硫黄島の星条旗』。
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| − | ** 『[[硫黄島からの手紙]]』 - 2006年に公開されたアメリカ映画。日本側の視点で制作。栗林忠道中将の手紙をまとめた『「玉砕総指揮官」の絵手紙』（栗林忠道 著、吉田津由子 編）などを基にしている。
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| − | == 注釈 ==
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| − | {{脚注ヘルプ}}
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| − | {{Reflist|group="注"}}
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| − | == 脚注 ==
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| − | {{Reflist|2}}
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| − | | |
| − | == 参考文献 ==
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| − | *{{Cite journal|和書|author=[[石原俊 (社会学者)|石原俊]]|title=そこに社会があった――硫黄島の地上戦と＜島民＞たち|url=http://soc.meijigakuin.ac.jp/gakka/wp-content/uploads/2011/04/MSR15%E6%8E%B2%E8%BC%89%E5%8E%9F%E7%A8%BF.pdf|format=PDF|journal=Mobile Society Review 未来心理|issue=15|publisher=NTTドコモ・モバイル社会研究所|year=2009}}
| |
| − | *{{Cite book|和書|author=[[石原俊 (社会学者)|石原俊]]|title=＜群島＞の歴史社会学――小笠原諸島・硫黄島、日本・アメリカ、そして太平洋世界|publisher=[[弘文堂]]|series=現代社会学ライブラリー 12|year=2013|isbn=9784335501333}}
| |
| − | *{{Cite web |year=2007 |date=2007-06-18 |url=http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2007-0618.html |title=硫黄島の呼称を「いおうじま」から「いおうとう」へ変更 |publisher=[[国土地理院]] |accessdate=2012-06-16|ref=harv}}
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| − | *{{Cite web |year=2007 |date=2007-01-12 |url=http://www.jma.go.jp/jma/press/0701/12a/yochiren070112.pdf |title=人工衛星データを用いた硫黄島の地殻変動の調査結果について |format=PDF |publisher=[[気象庁]] |author=防災科学技術研究所、国土地理院、宇宙航空研究開発機構、気象庁 |accessdate=2012-06-16 |ref=harv}} - [http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2007-0618.html 気象庁の報道発表(2007-01-12)ページ]
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| − | == 関連項目 ==
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| − | {{Commons|Iwo Jima}}
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| − | * [[北硫黄島]]
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| − | * [[南硫黄島]]
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| − | * [[小笠原諸島]]
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| − | * [[火山列島]]
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| − | * [[新硫黄島]]
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| − | * [[硫黄島通信所]]（[[在日米軍]]施設）
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| − | * [[硫黄島ロランC主局]]
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| − | * [[2009年7月22日の日食]]
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| − | * [[硫黄島の戦い]]
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| − | ** [[硫黄島の星条旗]]
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| − | * [[いおう (掃海艇)]] - [[海上自衛隊]]の艦艇。退役済み。
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| − | * [[イオー・ジマ]] - [[アメリカ海軍]]の艦艇。硫黄島の戦いに因む。
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| − | * [[スリバチ級給兵艦]] - 同上。同型艦の1番艦が「スリバチ」の名を持つ。全艦が退役済み。
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| − | * [[硫黄島]] - その他の同名の島。（[[WP:D|曖昧さ回避]]）
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| − | == 外部リンク ==
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| − | * [http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/329_Ioto/329_index.html 硫黄島] - 気象庁
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| − | * {{PDF|[http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/souran/main/74_Ioto.pdf 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版 硫黄島]}} - 気象庁
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| − | * [http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/kaiikiDB/kaiyo22-2.htm 海域火山データベース 硫黄島] - 海上保安庁海洋情報部
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| − | * [http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=284120 Ioto: Global Volcanism Program] - Smithsonian Institution {{en icon}}
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| − | * [http://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/ioutou_index/ 硫黄島] - 小笠原村
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| − | {{伊豆・小笠原諸島の島々}}
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| − | {{日本の活火山}}
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| − | {{Normdaten}}
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| | {{DEFAULTSORT:いおうとう}} | | {{DEFAULTSORT:いおうとう}} |
| | [[Category:硫黄島 (東京都)|*]] | | [[Category:硫黄島 (東京都)|*]] |