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'''硝酸'''(しょうさん、nitric acid)は[[窒素]]の[[オキソ酸]]で、化学式 HNO<sub>3</sub> で表される。代表的な強酸の1つで、様々な金属と反応して塩を形成する。有機化合物の[[ニトロ化]]に用いられる。硝酸は[[消防法]]第2条第7項及び別表第一第6類3号により[[危険物第6類]]に指定され、硝酸を 10 % 以上含有する溶液は[[医薬用外劇物]]にも指定されている。
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'''硝酸'''(しょうさん、nitric acid)
  
'''濃硝酸'''に[[二酸化窒素]]、[[四酸化二窒素]]を溶かしたものは[[発煙硝酸]]、[[赤煙硝酸]]と呼ばれ、さらに強力な酸化力を持つ。その強力な酸化力を利用してロケットの[[酸化剤]]や[[推進剤]]として用いられる。
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化学式 HNO<sub>3</sub> 。無色の液体で,発煙性が激しい。融点-41.3℃,沸点 86℃。普通に硝酸というときは,その水溶液をさす。硝酸水溶液としては 98%硝酸 (比重 1.50以上) ,62%硝酸 (1.38以上) ,50%硝酸 (1.31以上) がある。水溶液は強酸で,酸化力が強い。皮膚,口,気管などをおかし,危険である。硝酸エステル,ニトロ化合物,肥料の原料などになる。また液体ロケット燃料の酸化剤である。
  
== 概要 ==
 
[[File:Nitric acid 70 percent.jpg|thumb|right|150px|試薬瓶に入った70%硝酸]]
 
[[File:Fuming nitric acid 40ml.jpg|thumb|right|150px|二酸化窒素の影響で黄色くなった硝酸]]
 
[[五酸化二窒素]](無水硝酸、N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>)を水に溶かすと得られる、一価の強酸性の液体で、[[金属]]と反応して硝酸塩(水に可溶)を作る。任意の割合で水に溶け、通常「硝酸」という場合には水溶液を指す。
 
:<ce>N2O5 + H2O -> 2HNO3</ce>
 
 
濃度の低い硝酸を'''希硝酸'''という{{#tag:ref|濃度は特に定義されているわけではないが、実験室で用いる希硝酸は通常 6 mol/dm<sup>3</sup> (32 %, ''d'' = 1.19 g &middot; cm<sup>-3</sup>)、あるいはそれ以下のものであることが多い。|group=注}}。市販の濃硝酸は 60 %(''d'' = 1.360 g cm<sup>-3</sup>, 13.0 [[濃度#物質量/体積(モル濃度)|mol dm<sup>-3</sup>]])あるいは 70 % (''d'' = 1.406 g cm<sup>-3</sup>, 15.6 mol [[デシメートル|dm]]<sup>−3</sup>) の水溶液が普通である。69.8 % の水溶液は[[共沸]]混合物となり 123 ℃で[[沸騰]]する。
 
 
濃硝酸と濃硫酸の混合物である[[混酸]]を用いた[[ニトロ化合物]]の合成などから爆薬が作られ、他にも染料、[[肥料]]などの製造に用いる。
 
 
== 化学的性質 ==
 
[[酸化剤|強酸化剤]]で、[[木炭]]の粉末とともに熱すれば木炭は[[酸化]]されて[[二酸化炭素]]となる。
 
:<ce>C + 4HNO3 -> CO2 + 4NO2 + 2H2O</ce>
 
 
[[二酸化窒素]]や[[四酸化二窒素]]を吸収させて[[発煙硝酸]]や[[赤煙硝酸]]とし、[[ロケットエンジンの推進剤]]の[[酸化剤]]として用いられる。有機系の燃料と混合するだけで点火する。
 
 
硝酸に触れると[[キサントプロテイン反応]]によって皮膚が黄変する。
 
 
光に弱く、長時間光を浴び続けると分解し黄色を帯びる。
 
: <ce>4 HNO3 ->[\mathit{h}\nu] {4NO2} + {2H2O} + O2</ce>
 
 
そのため褐色瓶中で保管する。
 
 
=== 金属に対する反応 ===
 
[[塩酸|希塩酸]]とは異なり、酸化作用により希硝酸であっても水素より[[イオン化傾向]]の小さい金属を溶かすことが可能である。[[白金]]、[[金]]を溶かすことはできないが、濃硝酸と[[塩酸|濃塩酸]]を混ぜて[[王水]]を作ることにより、これらの金属も溶かすことが可能になる。また、[[アルミニウム]]、[[クロム]]および[[鉄]]などは濃硝酸中で表面に酸化皮膜を形成し[[不動態]]が形成されるため反応が進行しない。
 
 
極めて薄い硝酸水溶液の場合、[[マグネシウム]]は初期において[[水素]]ガスを発生する<ref name=Cotton> FA コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年,原書:F. ALBERT COTTON and GEOFFREY WILKINSON, Cotton and Wilkinson  ADVANCED INORGANIC CHEMISTRY  A COMPREHENSIVE TEXT  Fourth Edition, INTERSCIENCE, 1980.</ref>。
 
: <ce>{Mg} + 2HNO3 -> {Mg(NO3)2} + H2</ce>
 
 
しかし、希硝酸中であっても[[亜鉛]]などの比較的イオン化傾向の大きな金属は硝酸イオンを[[アンモニウムイオン]]まで還元する<ref>D.F.SHRIVER, P.W.ATKINS,  INORGANIC CHEMISTRY  Third Edition, 1999.</ref>。
 
: <ce>4Zn + 10HNO3 -> 4Zn(NO3)2 + NH4NO3 + 3H2O</ce>
 
 
また希硝酸はよりイオン化傾向の小さな金属の場合は主に[[一酸化窒素]]を発生する。
 
: <ce>{3Cu} + 8HNO3 -> {3Cu(NO3)2} + {2NO} + 4H2O</ce>
 
 
濃硝酸では[[二酸化窒素]]の発生が主反応となり、発熱により反応は次第に激しくなる。
 
: <ce>{Cu} + 4HNO3 -> {Cu(NO3)2} + {2NO2} + 2H2O</ce>
 
 
=== ニトロ化反応 ===
 
硝酸は[[硫酸]]中では[[塩基]]として挙動しプロトン化を受け、脱水により[[ニトロイルイオン]] (nitroyl / NO<sub>2</sub><sup>+</sup>) を生成する。濃硝酸と濃硫酸を混合した[[混酸]]中では以下のような[[化学平衡]]が成立している。
 
: <ce>{HNO3} + H2SO4 <=> {H2NO3^+} + HSO4^-</ce>
 
 
: <ce>H2NO3^+ <=> {NO2^+} + H2O</ce>
 
 
このニトロイルイオンが[[芳香族化合物]]などに対し[[求電子置換反応]]を起こし[[ニトロ化]]が進行する。
 
[[ファイル:Benzene-nitration-mechanism.png|center|400px|芳香族ニトロ化反応]]
 
 
=== 純硝酸の性質 ===
 
純粋な遊離酸も 0 ℃で[[硝酸カリウム]]と純硫酸を反応させ、[[真空]][[蒸留]]により単離することが可能である。
 
: <ce>{KNO3} + H2SO4 -> {HNO3} + KHSO4</ce>
 
 
しかし不安定であり[[光反応]]などにより分解し、二酸化窒素などを発生させる<ref name=Cotton />。
 
 
純硝酸は遊離酸として知られているものの中ではもっとも強く自己解離し、さらに生成する[[リオニウムイオン]]は脱水されニトロイルイオンとなり、その[[平衡定数]]は 25 ℃ で以下のようである
 
:<ce>2 HNO_3 <=>  H2NO3^+ + NO3^-</ce>
 
 
:<ce>H2NO3^+ <=> NO2^+ + H2O</ce>
 
 
:<ce>K = [NO2^+][NO3^-][H2O]\ =\ 7 \times 10^{-2}  mol^{3} ~ dm^{-3}</ce>
 
 
高い[[電気伝導度]]を示し、25 ℃ における比電気伝導度は 3.72 &times; 10<sup>−2</sup> &Omega;<sup>−1</sup> cm<sup>−1</sup> であり、純硫酸よりさらに高い<ref name=Cotton />。
 
 
また、純硝酸のハメットの[[酸度関数]]は ''H'' <sub>0</sub> = − 6.3 であり純硫酸などに比べるとかなり酸性度は低い<ref name=Charlot>シャロー 『溶液内の化学反応と平衡』 藤永太一郎、佐藤昌憲訳、丸善、1975年</ref>。
 
 
=== 硝酸の水和 ===
 
硝酸の第一[[水和]][[エンタルピー]]変化および溶解エンタルピー変化は以下の通りであり、[[過塩素酸]]および硫酸などより発熱量は少ない<ref name=Parker>D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982)</ref>。
 
: <ce>{HNO3(l)} + H2O(l) <=> HNO3 \cdot H2O(l)\ , </ce><math>\Delta H^\circ = -13.53 \rm{\ kJ \cdot mol^{-1}}</math>
 
 
: <ce>{HNO3(l)} <=> {H^+(aq)} + NO3^-(aq) ,</ce> <math>\Delta H^\circ = -33.26 \rm{\ kJ \cdot mol^{-1}}</math>
 
 
=== 水溶液中の電離平衡 ===
 
硝酸は水溶液中では強酸として挙動し、0.1 mol/dm<sup>3</sup> 程度の水溶液ではほぼ完全に解離し塩酸および過塩素酸などと[[電離度]]に大きな差は認められないが、濃厚溶液ではこれらの酸との電離度に差が認められ、2 - 4 mol/dm<sup>3</sup> 溶液については[[糖]]転化の[[触媒]]作用についてこれらより弱いことが示され、非解離の硝酸分子が存在することが示されている<ref name=youekikagaku>山崎一雄他 『無機溶液化学』 南江堂、1968年</ref><ref name=kagakudaijiten>化学大辞典編集委員会 『化学大辞典』 共立出版、1993年</ref>。
 
 
濃厚溶液中における非解離の硝酸分子の濃度と[[デバイ-ヒュッケルの式|デバイ-ヒュッケル]]の拡張理論などから硝酸の[[酸解離定数]]は ''K'' = 21 ({{pKa}} = −1.32) と求められ、またメタノール中 ({{pKa}} = 3.2) の値より水中では {{pKa}} = −1.8 とする推定値もある<ref name=binran>『改訂4版化学便覧基礎編Ⅱ』 日本化学会編、丸善、1993年</ref>。
 
 
また、水溶液中の解離に関する[[熱力学]]的な数値も報告されており、そのギブスの[[自由エネルギー]]変化によれば{{pKa}} = −1.44である<ref name=tanaka>田中元治 『基礎化学選書8 酸と塩基』 裳華房、1971年</ref>。
 
 
{| class="wikitable" style="text-align: center; white-space:nowrap;"
 
|-
 
!! style="white-space:nowrap"| <math>\mathit{\Delta} H^\circ</math>
 
!! style="white-space:nowrap"| <math>\mathit{\Delta} G^\circ</math>
 
!! style="white-space:nowrap"| <math>\mathit{\Delta} S^\circ</math>
 
|-
 
| style="white-space:nowrap; background-color:#ffffff"| −13.81 kJ mol<sup>−1</sup>
 
| style="white-space:nowrap; background-color:#ffffff"| −8.24 kJ mol<sup>−1</sup>
 
| style="white-space:nowrap; background-color:#ffffff"| −18.4 J mol<sup>−1</sup> K<sup>−1</sup>
 
|-
 
|}
 
 
== 歴史 ==
 
[[8世紀]]の[[アラビア]]の科学者[[ジャービル・イブン=ハイヤーン]]によって[[緑礬]] FeSO<sub>4</sub>・7H<sub>2</sub>O または[[ミョウバン|明礬]] KAl(SO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>・12H<sub>2</sub>O と[[硝石]] KNO<sub>3</sub> とを混ぜて[[蒸留]]によって合成されることが発見された。[[17世紀]]にはいって[[ヨハン・ルドルフ・グラウバー]]がこれを改良し、[[硫酸]]と硝石との混合物を蒸留し、純粋な硝酸を作っている。銅・銀などをも溶かし金属に対する作用は硫酸よりも強いということから、強い水という意味の[[ラテン語]]をとり ''aqua fortis'' と呼ばれた。イギリスでは硝石の精という意味の spirit of nitre ともいわれていた。硝酸という言葉は1789年に[[アントワーヌ・ラヴォアジエ]]によって[[フランス語]]で acide nitrique と命名されて以来用いられるようになった。
 
 
== 工業的製法 ==
 
2016年度日本国内生産量は 363,308 [[トン|t]]、消費量は 213,080 t である(98%換算)<ref>[http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/08_seidou.html#menu5 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編]</ref>
 
。[[ヴィルヘルム・オストヴァルト]]考案の'''オストワルト法'''(アンモニア酸化法とも<ref name=chem/>)による生産が一般的である。
 
 
=== オストワルト法 ===
 
アンモニアを[[白金]]触媒の存在下で 900 ℃ 程度に加熱すると[[一酸化窒素]]が得られる。この反応においては触媒とアンモニアの接触時間が重要であり、接触時間が長いとアンモニアと一酸化窒素とが反応して窒素が生成されてしまう<ref name=chem/>。触媒にはこのほかに CuO-MnO<sub>2</sub> 系や、Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub>-Bi<sub>2</sub>O<sub>3</sub> 系などの金属酸化物触媒も、かつては用いられたことがあったが、触媒活性で劣っていたり、反応中に触媒が微粉化してしまうため、現在では、白金に 10 % ほどの[[ロジウム]]を加えた金網状の触媒が用いられている。白金-ロジウム触媒を用いた際には反応温度 800 {{℃}}、接触時間 0.001 秒の反応条件で一酸化窒素への転化が起こり、その収率は 95 &ndash; 98 % である<ref name=chem>{{Cite book|和書|author=米田幸夫|editor=化学大辞典編集委員会(編)|title=化学大辞典|volume=1|pages=531-532頁|edition=縮刷版第26版|publisher=共立|year=1981|month=10}}</ref>。そのほかに粘土によっても酸化に成功した事例もあるが、収率は半分以下である。
 
: <ce>4NH3 + 5O2 -> 4NO\ + 6H2O</ce>
 
 
[[一酸化窒素]]は自発的に空気中の[[酸素]]と反応し[[二酸化窒素]]となる。空気酸化によるこの工程での収率はおよそ 50 % であり、純粋な酸素を用いて酸化させることでその収率は 62 % まで向上する<ref name=chem/>。
 
:<ce>2NO\ + O2 -> 2NO2</ce>
 
 
[[二酸化窒素]]を[[水]](温水)と反応させると硝酸と[[一酸化窒素]]が発生する([[一酸化窒素]]は最初のサイクルに戻る)(冷水との反応は「[[二酸化窒素]]」を参照)。常圧で反応させた場合は硝酸の濃度が低いため、ポーリング式硝酸濃縮法と呼ばれる方法を用いて硝酸濃度を 98 %になるまで濃縮が行われる。また、10 [[標準気圧|気圧]] (10<sup>6</sup> [[パスカル (単位)|Pa]]) ほどの圧力を加えて反応させる高圧法を用いれば、濃縮の必要なく直接 98 %の硝酸が得られる<ref name=chem/>。
 
:<ce>3NO2\ + H2O -> 2HNO3\ + NO</ce>
 
 
全体として、
 
:<ce>NH3\ + 2O2 -> HNO3\ + H2O</ce>
 
 
[[窒素酸化物]]は[[大気]]中でもこのような反応を起こし、[[酸性雨]]の原因の一つとなる。ただし僅かなレベルであれば[[植物]]の栄養源となる。
 
 
== 硝酸イオン ==
 
<div style="float:right">[[ファイル:Nitrat-Ion2.svg|130px]]</div><div style="float:right">[[ファイル:Nitrate-3D-vdW.png|100px]]</div>
 
'''硝酸イオン'''(しょうさんイオン、NO<sub>3</sub><sup>−</sup>, nitrate)は硝酸およびその化合物の電離、分解によって主に生じる1価の[[陰イオン]]、窒素化合物であり、硝酸塩中にも存在し、平面[[正三角形]]型構造で N−O 結合距離は硝酸三水和物中において 124.7 &ndash; 126.5 [[ピコメートル|pm]] である<ref name=binran />。
 
 
硝酸は強い[[酸化剤]]であり、多くの金属と反応するため多種の[[塩 (化学)|塩]]を生成する。また一般に、金属の硝酸塩は水に溶解しやすい。
 
 
希薄水溶液中における[[標準酸化還元電位]]は以下の通りである。
 
:<ce>{NO3^-(aq)} + {2H^+(aq)} + 2 \mathit{e}^-\ =\ {NO2^-(aq)} + H2O(l),</ce> <math> E^\circ = 0.832 ~ \mathrm{V}</math>
 
 
: <ce>{NO3^-(aq)} + {10H^+(aq)} + 8 \mathit{e}^-\ =\ {NH4^+(aq)} + 3H2O(l),</ce> <math>E^\circ = 0.883 ~ \mathrm{V}</math>
 
 
硝酸イオンは白金電極を用いた水溶液の[[電解]]により[[陰極]]で[[アンモニア]]まで還元される。
 
 
=== 硝酸塩 ===
 
{{右
 
|{{Vertical images list
 
|幅=150px
 
|1=Fe III nitrate.jpg
 
|2=[[硝酸鉄(III)]]・9水和物
 
|3=Cobalt(II)-nitrate-hexahydrate-sample.jpg
 
|4=[[硝酸コバルト(II)]]・6水和物
 
|5=Copper(II)-nitrate-trihydrate-sample.jpg
 
|6=硝酸銅(II)・3水和物
 
}}
 
}}
 
{{Main|硝酸塩}}
 
 
[[消防法]]により'''硝酸塩類'''は[[危険物#第1類|危険物 第1類 酸化性固体]]に分類される。硝酸イオンは本来[[無色]][[透明]]であるが、[[遷移金属]]イオンを含むものは有色であることが多い。
 
 
主に[[火薬]]、肥料、[[食品添加物]]([[発色剤]])などに用いられる。
 
 
*[[硝酸カリウム]] (KNO<sub>3</sub>)
 
*[[硝酸ナトリウム]] (NaNO<sub>3</sub>)
 
*[[硝酸アンモニウム]] (NH<sub>4</sub>NO<sub>3</sub>)
 
*[[硝酸ウラニル]] (UO<sub>2</sub>(NO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>)
 
*[[硝酸カルシウム]] (Ca(NO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>)
 
*[[硝酸銀]] (AgNO<sub>3</sub>)
 
*[[硝酸鉄(II)]] (Fe(NO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>)
 
*[[硝酸鉄(III)]] (Fe(NO<sub>3</sub>)<sub>3</sub>)
 
*[[硝酸銅(II)]] (Cu(NO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>)
 
*[[硝酸鉛(II)]] (Pb(NO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>)
 
*[[硝酸バリウム]] (Ba(NO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>)
 
 
=== 硝酸塩鉱物 ===
 
水溶性であるため[[雨量]]の多い日本国内での産出は確認されていないが、[[南米]][[チリ]]が主な原産国である。
 
* [[硝石]], Niter(KNO<sub>3</sub>)
 
* [[チリ硝石]], Nitratine(NaNO<sub>3</sub>)
 
 
== 生態系における硝酸 ==
 
硝酸は[[好気性生物|好気性菌]]によって[[生物]]の[[死体|屍骸]]等から[[アンモニア]]、[[亜硝酸]]を経て[[硝化作用|生成]]される。さらに[[嫌気性生物|嫌気性菌]]によって[[窒素]]等に[[脱窒|分解]]され[[空気]]中等に放出されていく。なお、[[アクアリウム]]の生態系において嫌気性菌の[[発生]]は困難であり、[[水槽]]中に硝酸が分解されないまま溜まっていくので、高[[濃度]]となる以前の適度な水換えが必要となる。ただし一般的に、アクアリストにとって硝酸はアンモニアや亜硝酸との比較において[[毒]]性の低い[[物質]]と[[認識]]されている。
 
 
== 硝酸にまつわるエピソード ==
 
*[[高野長英]]は[[蛮社の獄]]により投獄されたが火事により脱獄、そのときに硝酸で顔を焼き人相を分からなくした。
 
*[[高杉晋作]]率いる[[奇兵隊]]は硝酸を得る際、尿が土にしみこみそれらが硝酸になることを知っていたため、家の床下を掘ったという。
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Nitric acid}}
 
{{Commonscat|Nitrates|硝酸塩}}
 
*[[ダイナマイト]]
 
*[[空中窒素固定]]
 
*[[工業中毒]]
 
*[[酸性雨]]
 
*[[硝酸菌]]
 
*[[硝酸態窒素]]
 
 
== 脚注 ==
 
=== 注釈 ===
 
{{Reflist|group=注}}
 
 
=== 出典 ===
 
{{Reflist}}
 
 
=== 参考文献 ===
 
<div class="references-small">
 
* [http://openlibrary.org/books/OL7196779M/Manganese_in_the_catalytic_oxidation_of_ammonia_... Manganese in the catalytic oxidation of ammonia]
 
</div>
 
  
 
{{水素の化合物}}
 
{{水素の化合物}}
 
{{窒素の化合物}}
 
{{窒素の化合物}}
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{DEFAULTSORT:しようさん}}
 
{{DEFAULTSORT:しようさん}}
 
[[Category:無機窒素化合物]]
 
[[Category:無機窒素化合物]]

2018/10/10/ (水) 23:24時点における最新版


硝酸(しょうさん、nitric acid)

化学式 HNO3 。無色の液体で,発煙性が激しい。融点-41.3℃,沸点 86℃。普通に硝酸というときは,その水溶液をさす。硝酸水溶液としては 98%硝酸 (比重 1.50以上) ,62%硝酸 (1.38以上) ,50%硝酸 (1.31以上) がある。水溶液は強酸で,酸化力が強い。皮膚,口,気管などをおかし,危険である。硝酸エステル,ニトロ化合物,肥料の原料などになる。また液体ロケット燃料の酸化剤である。





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