「物々交換」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2009年9月}}
 
{{独自研究|date=2017年5月}}
 
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'''物々交換'''(ぶつぶつこうかん、{{lang-en-short|barter}})とは、物品と物品を直接に交換すること。「物」とあるが、無形の[[サービス]]についても使う。
 
  
== 概説 ==
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'''物々交換'''(ぶつぶつこうかん、{{lang-en-short|barter}})
[[File:Barter-Chickens_for_Subscription.jpg|thumb|right|200px|何羽分かの鶏肉を新聞の年間購読と交換しようとする男性]]
 
[[貨幣]]などの媒介物を経ず、物やサービスを直接的に交換することである。交換の基本形態である。
 
  
例えば、村や街の市場(いちば)で、芋を大量に持っている人が、服を大量に持っている人に、芋と服を交換することを持ちかけ、交換する割合やその量といった内容について合意できたら、物々交換が行われる。
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物またはサービスを直接交換することであり,ある一定の契約による交換を含む。贈物交換がほとんど同一集団で行われるのに対して,物々交換は異集団間にまたがって行われる。贈物交換と物々交換は,[[トロブリアンド諸島民]]にみられたように共存することが多い。財宝を交換する[[クラ]]と,日用品や食料の交換であるギムワリとは区別された。日本では農村と漁村の間で多く行われ,このためナダマワリあるいはイタダキなどと呼ばれる漁村の女性が海産物を携えて農村を訪れた。また油と菜種,酒と米のように製品と原料を交換する例も知られている ([[いただき]] ) 。このような物々交換が,日を定め場所を決めて組織的に行われるようになって,さまざまな[[市]]が生れたと思われる。
  
また市場以外でも、何らかの物品を大量に持っている人が家々、街々を巡りつつ物々交換を行うという方法がある。例えば芋を大量に持っている農家の人が、その芋の山を[[馬車]]や[[車]]の[[荷台]]に積み、街まで行き、人々に「芋いらんか~」などと声をかけ、欲しいと言った人に何を交換物として出せるか尋ね、提示された品物に応じて、それにふさわしいと農家側が考える芋の量を提示して物々交換を行う、という方法がある。家や街を巡るうちに、荷台にあった芋の山が、次第に様々な日用品や道具や衣類などに変わってゆくことになり、芋の山が必要な品々に変わった時点で自分の家へと帰る。
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日本では[[第二次世界大戦]]([[太平洋戦争]])中に、しばしば物々交換が行われた。日本では食料が不足し、政府は食料品を配給制にしたが次第に配給される食料の量は減り、ついにはとてもではないが配給では人が生きてゆけないほどの量にまで減らしてしまった。そこで街に住む人々はしかたなく、自分が持っている物、例えば[[着物]](特に、日常には用いない高級な着物や「嫁入り道具」として持ってきた着物)、[[装飾品]]、[[食器]]、[[骨董品]]、腕時計 等々等々、何でも交換してもらえそうな物を持って、汽車に乗り農村まで行き、農家めぐりを行い、自分が持ってきた物を農家の人の前に提示し、それを農家の側が評価して、米や野菜と交換したり、農家の側が交換を拒否したり、ということが行われた。日本全体では食料が不足していて、街ではすっかり不足してしまっていたが、農家にはまだ十分な米や野菜があったのである。その結果、農家の蔵には、高級な着物や骨とう品が山のように集まってくることになった<ref>そのあたりの状況は、NHKの連続テレビ小説「[[ごちそうさん (2013年のテレビドラマ)|ごちそうさん]]」「[[とと姉ちゃん]]」などで描かれている。</ref>。切迫した状況下、取引が全く成立しないと飢えてしまうような状況下にあるのはあくまで街の住人の側であり、農家の側からみれば、物々交換が成立しなくてもさほど困るような状況にはなく、街の人が次々に「助けて下さい」と懇願するように訪れるからその彼らの事情も考慮して(ある意味「情けで」)応じているわけで、基本的に、取引の場で主導権・決定権を握っているのは農家の側であった。
 
 
 
19世紀や20世紀初頭くらいまでは、様々な品目について頻繁に行われていた。
 
[[アンデス山脈|アンデス高地]]で開かれる市場(いちば)では、ほんの数十年くらい前まで普通に物々交換が主流で行われていた(最近は貨幣のほうが優勢になった)<ref>NHK BSプレミアム「天涯の地に少年は育つ アンデス 神の糸を刈る日」</ref>。
 
 
 
近年の先進国(やいわゆる「[[中進国]]」)では、貨幣への信頼が無くなったり、超[[インフレーション]]が起こったり、貨幣の発行が途絶えたりして、貨幣経済が麻痺した状況下で行われる。近年では、[[ソ連崩壊]]直後の[[ロシア]]での物々交換経済が顕著であった。正常に貨幣経済が機能していても、片方に支払い能力が乏しいとき、バーターとして、[[商品]]で支払われることがある。<!--たとえば、[[広告]]を掲載する代わりに商品を送る、などである。-->[[給料]]の[[現物支給]]なども、物々交換の一種である。
 
 
 
[[File:Troc_aux_plantes_à_Taisnières_sur_Hon_(59570).jpg|thumb|right|200px|現代の先進国で行われている、植物と植物の物々交換。こうした場が定期的に設けられる。]]
 
現代の先進国でも、植物について、定期的に物々交換の場が設けられることがある。ひとりひとりの栽培者の視点で見ると、特定の品種ばかりが大量に増える傾向があり、特定の品種が余ったような状態になっている。そういう人々がひとつの場所に集まり、互いに持っていない品種と物々交換すると、それぞれが持つ品種の数を増やすことができ、様々な植物を楽しむことができるようになり、互いにメリットがある。
 
 
 
物々交換は、貨幣の数値としては現れないので、単純な数字では把握しづらい。物品やサービスの種類ごとに分類すれば、局地的に統計をとったり、推計をすることは一応はできるが、いずれにせよ総量を把握することについてはなかなか難しい面がある。
 
 
 
また、物々交換に対し、税金をかけることは困難である。
 
 
 
== バーター貿易 ==
 
バーター貿易(バーターぼうえき)とは、物々交換による[[貿易]]のこと。求償貿易(きゅうしょう ぼうえき)ともいう。全貿易額を等価交換するものから、一定期間をすぎた後に交換によって生じた貿易差額を現金で清算勘定するものまで、さまざまな形態がある。主に[[外貨]]が不足している[[開発途上国|発展途上国]]との貿易で使われ、旧[[共産圏]]内では特にこれが多用された。
 
 
 
[[企業]]間のキャッシュレス取引は「バーター取引(barter transaction)」と呼ばれるが、[[:w:International Reciprocal Trade Association|IRTA]]などの国際的組織によるバーター取引は、[[法定通貨]]の代わりに[[ブローカー]]が発行する[[代替通貨]]を介した貿易であり、本来の意味での物々交換とは乖離がある<ref> トーマス・グレコ『地域通貨ルネサンス』大沼安史訳 本の泉社 2001 ISBN 4880233420 pp.137-140.</ref>。
 
 
 
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* [[清算勘定]]
 
* [[求償貿易]]-->
 
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== 芸能界でのバーター ==
 
[[芸能界]]では、[[芸能事務所]]が、売り出し中の[[芸能人]]の出演を条件に人気の芸能人を出演させることを[[業界用語]]でバーターという。しばしば、上記のバーターが語源だと誤解されるが、正しい語源は「束(たば)」の逆読みである。--><!--これは「[[バーター]]」項の記述内容
 
-->
 
 
 
== 脚注 ==
 
<references />
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[契約]]
 
* [[互酬]]
 
* [[沈黙交易]]
 
* [[等価交換]]
 
* [[バーター]]
 
* [[非市場経済]]
 
* [[貿易史]]
 
* [[わらしべ長者]]
 
* [[モノポリー]]
 
  
 
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2019/4/27/ (土) 11:43時点における最新版

物々交換(ぶつぶつこうかん、: barter

物またはサービスを直接交換することであり,ある一定の契約による交換を含む。贈物交換がほとんど同一集団で行われるのに対して,物々交換は異集団間にまたがって行われる。贈物交換と物々交換は,トロブリアンド諸島民にみられたように共存することが多い。財宝を交換するクラと,日用品や食料の交換であるギムワリとは区別された。日本では農村と漁村の間で多く行われ,このためナダマワリあるいはイタダキなどと呼ばれる漁村の女性が海産物を携えて農村を訪れた。また油と菜種,酒と米のように製品と原料を交換する例も知られている (いただき ) 。このような物々交換が,日を定め場所を決めて組織的に行われるようになって,さまざまなが生れたと思われる。



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