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(内容を「 '''焼酎'''(しょうちゅう) 日本の代表的な蒸留酒。アルコール分は 20~45%で,酒税法 (昭和 28年法律6号) 上,甲,乙の2種類に…」で置換)
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'''焼酎'''(しょうちゅう)とは[[酒類]]のうち[[蒸留酒]]の一種。[[酒税法]]に原料、製法等の定義があり、[[アルコール]]度数は連続式蒸留しょうちゅうで36度未満、単式蒸留しょうちゅう(本格焼酎)で45度以下と定められている。日本国内では[[酒税法]]によって種別基準が定められており、'''連続式蒸留しょうちゅう'''<!--法令用語はひらがな-->(旧'''甲類''')と'''単式蒸留しょうちゅう'''<!--法令用語はひらがな-->(旧'''乙類''')に分けられている([[2006年]]5月1日酒税法改正による)<ref name="syuzei">酒税法第3条9項および10項。</ref>。大衆酒として広く飲用されてきた歴史がある<ref>{{Cite book|和書|editor=斎藤隆|title=酒類・清涼飲料業界|publisher=教育社|date=1990年|edition=第14刷(1996年)|id=ISBN 4-315-51100-5|pages=36ページ}}<!--ノート『「冒頭」部分』参照--></ref>。米焼酎、麦焼酎、芋焼酎、黒糖焼酎、落花生焼酎、そば焼酎、栗焼酎、泡盛など様々な種類がある。
 
  
日本で16世紀から製造され、1559年の大工が残した落書きが最古の文献とされている。17世紀後半より『[[童蒙酒造記]]』といった文献に残され、各地で製造された。[[南九州]](宮崎・鹿児島・熊本南部)を中心に醸造が盛んである<ref name="fukumitsu">「{{Cite book|和書|author=福満武雄|title=焼酎|year=1976|publisher=葦書房|pages=30ページ}}」によれば、1973年の本格焼酎生産量は鹿児島・球磨・宮崎で79%を占める。</ref>。また、[[長崎県]]の[[壱岐島|壱岐]]、東京都の[[伊豆諸島]]、沖縄県など、島嶼でも焼酎が醸造されている<ref>{{Cite web|url=http://www.ikikko.jp/|title=壱岐焼酎協業組合|language=日本語|accessdate=2008-06-26}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.shimazake.com/|title=東京七島酒造組合|language=日本語|accessdate=2008-06-26}}</ref>。2003年には本格焼酎ブームが起き、原料のサツマイモが不足したり一部銘柄の価格も高騰した。2006年には鎮静化したとされるが、2008年には再び最高の売り上げを見せた。
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'''焼酎'''(しょうちゅう)
 
 
焼酎への[[酒税]]は政策的に安くされていた<ref>{{Cite web|author=国立国会図書館|authorlink=国立国会図書館||date=1953年(昭和28年)2月17日|url=http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/015/0284/01502170284018c.html|title=第015回国会 大蔵委員会 第18号|work=参議院会議録|language=日本語|accessdate=2008-07-01}}</ref><ref group="注釈">[[ウイスキー]]やスピリッツなどの蒸留酒の酒税が焼酎より高く設定されていた当時の税体系は[[非関税障壁]]であるとする[[洋酒]]生産国による[[関税および貿易に関する一般協定|GATT]]への提訴において日本が[[敗訴]](1987年)したため、日本は[[消費税]]導入(1989年4月)と同時に酒税改訂を行った。しかし措置が不十分であるとする洋酒生産国による[[世界貿易機関|WTO]]へ同様の提訴により再度日本が敗訴(1996年)したため、日本は段階的(1997年-2000年)に焼酎の酒税を引き上げた(参考文献:{{Cite book|author=WANDS|title=月刊 WANDS 1996年12月号|url=http://www.wine.or.jp/wands/1996/12/index.html|accessdate=2008-07-08|publisher=ウォンズ パブリシング リミテッド|language=日本語|chapter=日本政府の対応に怒りあらわ 欧米の蒸留蒲生産着代表団が来日、酒税法改訂を強く迫る|chapterurl=http://www.wine.or.jp/wands/1996/12/mnews1.html}}、{{Cite web|author=Shibatani Tomohiro|url=http://www.shochu.jp/howto/define.htm|title=本格焼酎の定義|work=本格焼酎の楽しみ|language=日本語|accessdate=2008-07-08}})。</ref>。
 
 
 
「酎」が2010年まで[[常用漢字]]に含まれていなかったため、法令、その他政府文書では「しょうちゅう」あるいは「しようちゆう」と平仮名表記になっている。
 
 
 
== 定義 ==
 
[[酒税法]]では「[[アルコール]]含有物を蒸留した酒類」のうち、以下の条件を満たす酒類を焼酎としている<ref name="syuzei"/>。
 
* 発芽した穀類を使用していない。([[ウィスキー]]との区別)
 
* [[シラカンバ|白樺]]の炭などで[[濾過]]していない。([[ウォッカ]]との区別)
 
* 蒸留時に別途定められている物品以外を添加しない。
 
* アルコール度数が連続式で36度未満、単式で45度以下である。
 
 
 
== 歴史 ==
 
[[File:shochu-rakugaki.jpg|frame|郡山八幡神社の焼酎落書き<ref name="washimo"/><ref name="fushigi"/>]]
 
焼酎の起源は正確には分かっていないが、比較的有力な説は、シャム(現在の[[タイ王国]])から[[琉球]]経由でもたらされた、とするものである。陳侃の『使琉球録』([[1534年]])に「南蛮(南番)酒」のことが記されており、この南蛮酒は暹羅(タイ)から琉球へもたらされたものであり、醸法は中国の露酒であると記されている<ref>{{cite web
 
| url = http://manwe.lib.u-ryukyu.ac.jp/cgi-bin/disp-img.cgi?file=iha0160&page=36
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20111124014241/http://manwe.lib.u-ryukyu.ac.jp/cgi-bin/disp-img.cgi?file=iha0160&page=36
 
| title = 陳侃使録
 
| page = 36
 
| publisher = 琉球大学附属図書館
 
| accessdate = 2009-6-26
 
| archivedate = 2011-11-24
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>。露酒とは中国の蒸留酒のことである<ref>http://www.weblio.jp/content/%E9%9C%B2%E9%85%92</ref>。
 
 
 
シャムの蒸留酒は更に[[中東]]に起源を持ち、[[アラビア語]]で「[[アラック|アラク]]」(عرق)と呼ばれた。焼酎は古くは「'''あらき酒'''」、もしくは[[蒸留器]]を指す「'''ランビキ'''(蘭引、英語で[[アランビック]] alembic、アラビア語でアル・インビーク(الإنبيق))」と呼ばれた。中国・韓国語では「[[白酒 (中国酒)|燒酒]]」と表記される。
 
 
 
日本国内では文献記録で確認できる限り、少なくとも[[16世紀]]頃から焼酎が造られていたと見られている。例えば[[1546年]]に[[薩摩国]]に上陸した[[ポルトガル]]の商人ジョルジェ・アルバレス([[フランシスコ・ザビエル]]に[[ヤジロウ]]を紹介し訪日を促した人物)は、当時の日本人が米から作る蒸留酒(原文ではorraqua;オラーカ=アラビア語のアラクに由来するポルトガル語)を常飲していたことを記録に残している<ref>{{Cite book|和書
 
|author=[[岸野久]]
 
|year=1989
 
|title=西欧人の日本発見 -ザビエル来日前日本情報の研究-
 
|pages=65,74
 
|publisher=吉川弘文館
 
|isbn=4-642-02630-4
 
}}</ref>。
 
 
 
また、[[鹿児島県]][[伊佐市]]の[[郡山八幡神社 (伊佐市)|郡山八幡神社]]には、[[永禄]]2年([[1559年]])に補修が行われた際に大工が残した「けちな座主で、一度も焼酎をふるまってくれなかった」という内容の落書きが[[1954年]]の解体修理で発見されており、焼酎の飲用と「焼酎」の呼称について日本国内に残存する最も古い文献となっている<ref name="washimo">{{Cite web|author=ワシモ|year=2004|month=01|url=http://www.washimo-web.jp/Trip/Hachiman/hachiman.htm|title=『焼酎の落書き』のある神社 - 鹿児島県大口市|work=旅行記|language=日本語|accessdate=2007-01-21}}</ref><ref name="fushigi">{{Cite web
 
| author = 豊田謙二
 
| url = http://www.kyuhaku.jp/roji/roji_to-01.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20111124021622/http://www.kyuhaku.jp/roji/roji_to-01.html
 
| title = 世界の銘酒「焼酎」、その五つの不思議
 
| work = 焼酎と食のアンサンブル~九州・沖縄~ 第一回
 
| publisher = [[九州国立博物館]]
 
| language = 日本語
 
| accessdate = 2008-04-10
 
| archivedate = 2011-11-24
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>。
 
 
 
17世紀後半以降、『[[童蒙酒造記]]』『[[万金産業袋]]』などいくつもの文書に焼酎の製造法が記されている。それらから当時の焼酎は基本的に酒粕か変敗酒(品質劣化した清酒)を原料に、全国各地で作られていたことが分かる。また、粕取焼酎作りと[[稲作]]には密接な関係があり、酒粕は良い[[肥料]]となるが、そのままではアルコール濃度が高く使えないため、農民たちは酒粕を蒸留しアルコールを抽出した後に残った粕を肥料にした<ref name="HigasiNishi">玉村豊男 編『焼酎東回り西回り』紀伊國屋書店、1999年、ISBN 4877380671、p.236-241</ref>。
 
 
 
一方、鹿児島など日本酒作りに向かない地域では、各家庭で米や雑穀などを水で仕込んだ醪(もろみ)を発酵させ蒸留した醪取焼酎が作られた。18世紀以降、[[サツマイモ]]の栽培が盛んになるとサツマイモと[[麹]]で醪を作った。醪取焼酎は雑菌の繁殖によって醪が腐敗するなどの難点があったが、20世紀まで技術的に改善されることはなかった<ref name="HigasiNishi"/>。
 
 
 
その初期から明治時代中期に至るまでの焼酎は、製造に[[単式蒸留器]]を用いており<ref name="fushigi"/>、現代の法体系でいうところの「焼酎乙類」に限られていたが、[[明治28年]]頃にイギリスから連続式蒸留機が輸入され、高純度アルコールが安価に大量生産できるようになった<ref name="what">{{Cite web
 
| author = 日本蒸留酒酒造組合・甲類焼酎
 
| url = http://www.shochu.or.jp/whats/histry2.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20050309073723/http://www.shochu.or.jp/whats/histry2.html
 
| title = 「甲類焼酎の歴史」
 
| work = What's甲類焼酎
 
| language = 日本語
 
| accessdate = 2008-04-10
 
| archivedate = 2005-03-09
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>。
 
 
 
明治43年に、連続式蒸留器で作られた製品を任意アルコール度数に和水したものを焼酎とすることが認められ<ref name="HigasiNishi"/>、この製法のものが「新式焼酎」として広まり<ref name="what"/>、対して在来の焼酎は「旧式焼酎」と呼ばれるようになる<ref name="imo">{{cite web
 
| title = 講演「本格焼酎とは」
 
| format = PDF
 
| url = http://www.jrt.gr.jp/news/news056.pdf
 
| work = ニュースレター№56
 
| publisher = [http://www.jrt.gr.jp/ 日本いも類研究会]
 
| language = 日本語
 
| date = 2006-06-16
 
| accessdate = 2008-04-10
 
}}</ref>。
 
 
 
大正時代初期、新式焼酎の流行と清酒の腐造によって全国各地で醪取焼酎が作られるようになったため、南九州の焼酎メーカーは市場を圧迫されていた。それに対抗するため[[泡盛]]作りで使われていた[[クエン酸]]生産能が高く雑菌の繁殖を抑制する[[黒麹]](''Aspergillus luchuensis''や''A. niger'' var. ''awamori'')<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/95/9/95_9_635/_article/-char/ja/ 伊藤清、焼酎用麹菌の分子生物学的解析] 日本醸造協会誌 Vol.95 (2000) No.9 P635-640, {{DOI|10.6013/jbrewsocjapan1988.95.635}}</ref>を本格導入し、二度仕込み法によって質と収量の向上を図った。こうした技術革新が戦後の焼酎市場拡大の基礎となった<ref name="HigasiNishi"/>。
 
 
 
酒税法で「新式焼酎」にあたる「'''焼酎甲類'''」と、在来焼酎にあたる「'''焼酎乙類'''」の区分が制定され、後にそれぞれ「連続式蒸留しょうちゅう」「単式蒸留しょうちゅう」と名称変更された<ref name="syuzei"/>。
 
 
 
== 甲類と乙類 ==
 
=== 連続式蒸留焼酎(焼酎甲類) ===
 
一般に[[廃糖蜜]]や[[酒粕]]などを原料とした発酵液をもとに、[[連続式蒸留器]]で蒸留して高純度[[エタノール]]を生成し、これに加水したものである<ref name="syuzei"/>。
 
 
 
日本の税法上はアルコール度数'''36%'''未満<ref name="syuzei"/>。製法上、何度も蒸留を行うため、[[アルコール (食品)|アルコール]]純度が高くなり、原料本来の風味が失われるため、味覚の個性は薄い<ref name="imo"/><ref name="nichiginkagoshima"/>。また、甲類の範囲にてブレンド、熟成、蒸留回数、蒸留機、加水種類、原料、等で変化をつけることによって、ある程度の特徴的な風味を持つものも存在する<ref group="注釈">例として、[http://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/index.html 宝焼酎「純」(ブレンド、熟成、蒸留方法・回数、等)]、[http://www.sapporobeer.jp/shochu/triangle/triangle/index.html サッポロ「トライアングル」(原料、ブレンド、等)]、[http://www.asahibeer.co.jp/products/shochu/newtype/sazan/ アサヒ「SAZAN(サザン)」][http://www.asahibeer.co.jp/avp/dev_18/2.html (蒸溜機、等)]、[http://www.grand-bleu.jp/grand/index.html 合同酒精「グランブルー」(加水種類、等)] などがある。</ref>。
 
 
 
低コストでの大量生産に適するため、大手企業によって量産され、それらの販売シェアが高い状況となっている<ref>{{Cite web|author=[http://www.fgn.jp/mpac/index.html Mpac]|coauthors=[https://www.fuji-keizai.co.jp/report/index.html?keyword=110607806 「2007年 食品マーケティング便覧 No.2」(富士経済 2006年10月刊)]|date=2006|url=http://www.fgn.jp/mpac/sample/__datas__/102060008201.html|title=焼酎甲類|work=富士グローバルネットワーク|language=日本語|accessdate=2008-12-07}}</ref>。手を加えて飲まれることもあり、[[チューハイ]]などのベースや、[[リキュール]]の材料、或いはカクテル作りの際に用いられたり、[[ジン (蒸留酒)|ジン]]・[[ウォッカ]]などの代用品として使用されることもある。[[梅酒]]などの果実酒づくりに用いられる「[[ホワイトリカー]]」もこの甲類焼酎である。
 
 
 
税法上では「連続式蒸留焼酎」表記の代わりに「ホワイトリカー(1)」と表記することも認められる<ref name="syuzei"/>。
 
 
 
=== 単式蒸留焼酎(焼酎乙類) ===
 
[[米]]、[[ムギ|麦]]などを原料とし、単式蒸留器で蒸留して造る焼酎である<ref name="syuzei"/>。
 
 
 
日本の税法上はアルコール度数'''45%'''以下<ref name="syuzei"/>。基本的に1回のみの蒸留のため、原料本来の風味や[[うま味|旨み]]成分が生きていることが特徴である<ref name="imo"/><ref name="nichiginkagoshima"/><ref name="fu-mi">{{Cite web|author=[[日本酒造組合中央会]]|url=http://www.japansake.or.jp/honkaku/about/all/index.html|title=風味について|work=本格焼酎と泡盛って何?|language=日本語|accessdate=2008-04-10}}</ref><ref name="meisyu">{{Cite web
 
| url = http://222.146.7.29/modules/xfsection/article.php?articleid=93#02
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20070808183847/http://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=93
 
| title = 単式蒸留(たんしきじょうりゅう)
 
| work = ◆本格焼酎・泡盛◆ 基礎知識:造りのポイント
 
| publisher = [http://www.meimonshu.jp/ 日本名門酒会]
 
| language = 日本語
 
| accessdate = 2018-6-5
 
| archivedate = 2007-8-8
 
}}</ref>。[[南九州]]地方が特産地として有名<ref name="fukumitsu"/>。
 
 
 
製造法の流れは以下の通りである<ref name="process">{{Cite web|author=Shibatani Tomohiro|url=http://www.shochu.jp/howto/process.htm|title=本格焼酎の製造工程|work=本格焼酎の楽しみ|language=日本語|accessdate=2008-02-19}}</ref>。
 
# 元の原材料(多くの場合は米ないしは麦)へ麹菌を生やし、[[麹]]をつくる。
 
# タンクや甕(かめ)に麹と水、酵母を加えて一次仕込みを行い、5日間ほど発酵させて[[もろみ]]を造る(一次もろみ)。
 
# 一次もろみの中へ主原料(掛原料)と水を加え2次仕込みを行い、8 - 10日間発酵させる(二次もろみ)。このとき投入した主原料が焼酎の冠表示ができる。主原料に[[サツマイモ]]を使うと「芋焼酎」となる。
 
# アルコールが生成された2次もろみを蒸留する。
 
 
 
近年、蒸留時に蒸留機内の気圧を低下させる'''減圧蒸留'''と呼ばれる手法が導入された。これに対して、蒸留機内を減圧しない伝統的な蒸留を'''常圧蒸留'''と呼ぶ。減圧蒸留では蒸留機内のエタノールの沸点温度が低下し、低温での蒸留が行われるため、[[フーゼル油]]などの成分をあまり含まず雑味の少ない蒸留液を得る。一方、常圧蒸留ではフーゼル油などを含む、クセの強い豊かな風味の蒸留液を得る<ref>[http://www.nakano-group.co.jp/shochu_sprits/joryu_shosai.htm 中野BC株式会社 蒸留詳細] 2010年2月14日閲覧</ref>。
 
 
 
産地の南九州では、お湯割りで飲まれることが多い<ref name="imo"/><ref name="neage">{{Cite web
 
|author=永吉 孝|url=http://www.syochu-tok.com/neagetok-minamikyusyu.html|title=値上げ後の鹿児島県市場、ロック・水割りが若者で増加/お湯割推進し混和対策|work=<特集>値上げで市場はどう変わる|language=日本語|accessdate=2008-06-26}}</ref>。お湯割りは、酒杯に先に湯を入れ、後から焼酎を静かに加えて作る。こうすると対流が発生し、自然に混ざった状態となる<ref name="imo"/>。先に焼酎と水を合わせておき、一日もしくは数日おいて馴染ませたものを黒ぢょか等の酒器にて燗をして飲むこともある<ref name="imo"/><ref>{{Cite web
 
| author = 日経BP セカンドステージ
 
| url = http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/kaiteki/kodawari_071221_2.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20080124160934/http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/kaiteki/kodawari_071221_2.html
 
| title = 芋焼酎の名脇役「黒ぢょか」
 
| work = 大人のこだわり
 
| language = 日本語
 
| accessdate = 2008-04-11
 
| archivedate = 2008-01-24
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>。
 
 
 
[[酒税法|旧酒税法]]が制定された[[1940年]]以来、単式蒸留焼酎(乙種)は[[酒税]]の保全や過当競争防止等の理由にて[[ムギ|麦]]・[[米]]・[[サツマイモ|さつまいも]]・[[ソバ|そば]]の主要4品種については新規製造[[免許]]を認めない方針によって<ref>{{Cite web
 
| url = http://www.kyushu01.com/01/0602/0602-122.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20071117133200/http://www.kyushu01.com/01/0602/0602-122.html
 
| title = 焼酎特集/これからが正念場 メーカー間の生き残りをかけた戦いがスタート(122ページ)
 
| work = 月刊 財界九州 2006年2月号
 
| publisher = 財界九州社
 
| language = 日本語
 
| accessdate = 2008-07-03
 
| archivedate = 2007-11-17
 
| deadlinkdate = 2018年6月5日
 
}}</ref><!-- 2018年6月4日 コメントアウト
 
 
 
※リンク切れですが、アーカイブ ( https://web.archive.org/web/20111124020102/http://www3.boj.or.jp/kagoshima/data/note/n0802.pdf ) を見ると、
 
日本銀行鹿児島支店による「焼酎ブームのその先にあるものは!?  : ~ 今回の焼酎ブームの特徴 ~ 」ですので、URL転記ミスと思われます。
 
 
 
<ref>{{cite web|author=首相官邸|authorlink=総理大臣官邸|title=地域の特産物を利用した乙類焼酎の免許の付与に関しさつまいもを認可の対象とする緩和。|format=[[Image:Icons-mini-file_acrobat.gif]]{{PDFlink}}|url=http://www3.boj.or.jp/kagoshima/data/note/n0802.pdf|language=日本語|work=財務省(特区)|accessdate=2008-07-01}}</ref>
 
 
 
-->、製造の新規参入ができない状態が長らく続いていたが、[[聖域なき構造改革|構造改革]]の一環として[[国税庁]]が2005年に[[規制緩和]]の見解を示し、一部地域・条件付きながら2006年以降に新規免許が認められる事となった<ref name="jyokai051121">{{Cite web
 
| author = 醸界タイムス
 
| date = 2005-11-21
 
| url = http://www.jyokai.com/archives/2005/11/post_470.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20080211235119/http://www.jyokai.com/archives/2005/11/post_470.html
 
| title = 焼酎乙類製造免許緩和へ 65年ぶりに解禁 原料は地域特産の米、麦などで
 
| work = 醸界タイムスWEB版
 
| language = 日本語
 
| accessdate = 2008-07-01
 
| archivedate = 2008-02-11
 
| deadlinkdate = 2018年6月5日
 
}}</ref>。
 
 
 
税法上では「単式蒸留焼酎」表記の代わりに「焼酎乙類」「ホワイトリカー(2)」と表記することも認められている。また、後述するように、焼酎甲類に対して劣るという誤解を避けるために[[本格焼酎]]という呼称も用いられる<ref name="syuzei"/>。
 
 
 
近年では、原料に[[コーンスターチ]]などを用いた低価格の乙類焼酎<ref group="注釈">[[宮崎県]]の[[都城酒造]]『[[がぶがぶ君]]』など。</ref>、(果実酒用の)乙類の「ホワイトリカー」<ref group="注釈">宮崎県の都城酒造『ホワイトリカー(2)』(商品名と税法上の表記が同じ)など。</ref>も登場している。
 
 
 
==== 未納税移出 ====
 
単式蒸留焼酎の世界では'''未納税移出'''<ref name="dic07ma">{{Cite web|author=Shibatani Tomohiro|url=http://www.shochu.jp/dic/07ma.htm|title=本格焼酎用語集|work=本格焼酎の楽しみ|language=日本語|accessdate=2008-02-19}}</ref>、いわゆる「桶買い」「桶売り」という制度がよく使われている。これは同一の酒類製造免許をもつ事業者同士で生産した酒類をやり取りする場合には酒税がかからないという制度を利用したもので、清酒の世界でもよく行われている。単式蒸留焼酎業界では大分県の大手麦焼酎メーカーが鹿児島や宮崎の芋焼酎メーカーの閑散期に麦焼酎の生産を委託することが多い。
 
 
 
この制度があるため、単式蒸留焼酎製造メーカーの統計を見ると生産量と出荷量と実際にそのメーカーのブランドで販売された量が異なっていることがある。このことから国税庁の資料では出荷量や生産量ではなく、あくまで税金がかかる出荷をした場合の数量、すなわち課税移出数量で統計を管理している。マスメディアなどで「出荷量」という場合には未納税移出数量を含んだ「実出荷量」と未納税移出数量を除いた「課税移出数量」を混同して報道しているケースがあるので注意が必要である。
 
 
 
=== 混和焼酎 ===
 
甲類と乙類を混和したものである。甲類と乙類のどちらが多いかで呼び名が異なる。乙類を50%以上95%未満混和したものを「乙甲混和焼酎」、乙類を5%以上50%未満混和したものを「甲乙混和焼酎」と呼ぶ<ref name="syuzei"/>。
 
 
 
以前は本格焼酎と紛らわしい表示がされたり、混和率などの情報が表示されなかった商品もあったが、業界内で混和焼酎の表示に関する自主基準を設けて、2005年(平成17年)1月1日から実施している<ref name="konwa">{{Cite web|author=[[日本酒造組合中央会]]|url=http://www.japansake.or.jp/honkaku/about/all/index.html|title=混和焼酎について|work=本格焼酎と泡盛って何?|language=日本語|accessdate=2008-04-08}}</ref><ref name="jisyo">{{Cite web|author=亀井肇|url=http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2005000120|title=混和焼酎(こんわしょうちゅう)|work=[[Yahoo!辞書]]|language=日本語|date=2005-03-01|accessdate=2008-04-08}}</ref>。
 
 
 
==== 乙甲混和焼酎 ====
 
{{出典の明記|section=1|date=2008年2月}}乙類100%では匂いが強いなどの理由で飲みにくいと敬遠されることがあるため、これらを和らげるために用いられる。飲みやすさへの志向が強い。三種類以上の酒を混和することもある。
 
 
 
==== 甲乙混和焼酎 ====
 
{{出典の明記|section=1|date=2008年2月}}安価な甲類の利点を活かしながら、乙類の風味を加えることで安価で風味のある製品を作ることができる。価格への志向が強い大手メーカーから多くの銘柄が出荷され、1800ml、900ml、200mlなどのパックが店頭に並んでいる。
 
 
 
=== その他の焼酎 ===
 
上記の焼酎のほか、近年は日本各地で様々な原料を利用した焼酎が造られている<ref name="gotouchi">{{Cite web|author=[[アサヒビール]]|coauthors=橋口孝司|url=http://www.asahibeer.co.jp/enjoy/shochu/column/yomo_008.html|title=第八夜 南から北へ… 日本全国に広がるご当地焼酎の魅力 其の二|work=焼酎よもやま話|language=日本語|accessdate=2008-06-26}}</ref><ref>{{Cite web|author=のなかなおみ|coauthors=[[エキサイト|エキサイトニュース]]|url=http://www.excite.co.jp/News/bit/00091154675626.html|title=魅惑の味わい「健康系焼酎」|language=日本語|date=2006-08-06|accessdate=2008-07-03}}</ref>。
 
 
 
* 一般的な主原料(糖蜜、麦などの穀類)以外を主原料に用いた甲類焼酎。
 
* 乙類焼酎で主原料に独自の原料を用いたもの<ref name="gotouchi"/>。そば焼酎はこの中でも抜きん出て成功した例と言える<ref name="gotouchi"/>。
 
* 一般的な既存の甲類・乙類焼酎または混和焼酎に、独自原料の果汁・エキス類を混和した、リキュールの一種とも言うべきもの([[柑橘類|柑橘]]、[[シソ]]、[[茶]]、[[コンブ|昆布]]、[[トマト]]、[[ゴマ]]、[[牛乳]]などの焼酎)<ref name="gotouchi"/>。
 
 
 
== 乙類の種類 ==
 
焼酎乙類は一次発酵・二次発酵を経て作られた[[もろみ]]を蒸留して製造されるものが主流を占めており、[[#粕取り焼酎|粕取り焼酎]]は1000[[キロリットル|kl]]に満たない<ref name="jyokai080219">{{Cite web
 
| author = 醸界タイムス
 
| authorlink = 醸界タイムス
 
| url = http://www.jyokai.com/archives/2008/02/1953kl1777.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20080723174925/http://www.jyokai.com/archives/2008/02/1953kl1777.html
 
| title = 19年年間単式蒸留焼酎出荷状況 53万klで前年比1.7%増加 いも焼酎が7.7%伸長
 
| work = 醸界タイムスWEB版
 
| language = 日本語
 
| date = 2008-02-19
 
| accessdate = 2008-02-21
 
| archivedate = 2008-07-23
 
| deadlinkdate = 2018年6月5日
 
}}</ref>。以下のような種類がある。
 
 
 
=== 米焼酎 ===
 
[[日本酒]]同様、米を原料とする。味はやや濃厚。
 
 
 
主要生産地は[[熊本県]]南部の[[人吉盆地]](人吉・球磨地方)で、28の蔵元がひしめく。人吉盆地で生産される米焼酎は特に「'''球磨焼酎'''」とよばれ、[[世界貿易機関]]の[[知的所有権の貿易関連の側面に関する協定|TRIPS協定]]に基づく産地表示の保護指定を受けている。また、2006年には[[地域団体商標]]として登録されている。香りや味わいは[[日本酒]]に近くフルーティで、[[減圧蒸留]]の普及もあって初心者にも受け入れやすい焼酎である<ref name="variety">{{Cite web|author=Shibatani Tomohiro|url=http://www.shochu.jp/howto/variety.htm|title=本格焼酎の種類|work=本格焼酎の楽しみ|language=日本語|accessdate=2007-08-07}}</ref>。
 
 
 
この他、日本酒の名産地([[秋田県]]、[[新潟県]]等)でも米焼酎が生産されている。
 
 
 
=== 麦焼酎 ===
 
[[ムギ]]、多くは[[オオムギ]]を主原料とする。一般に米焼酎より癖が少なく、飲みやすいと言われる。
 
 
 
もともと[[長崎県]][[壱岐]]で生産され始めたのが最初である。「'''[[壱岐焼酎]]'''」は世界貿易機関のTRIPS協定に基づく産地表示の保護指定を受けている。壱岐焼酎は米麹に麦を掛け合わせている<ref name="variety"/>。
 
 
 
麦焼酎は1960年代まで焼酎の中ではメジャーな存在ではなかったが、[[東京農業大学]]の[[柳田藤治]]によって[[イオン交換|イオン交換濾過法]]を麦焼酎へ応用する手法が開発され、[[宮崎県]]の[[柳田酒造]]によって実際の使用方法が確立すると多くの麦焼酎メーカーがイオン交換濾過法を導入することとなった<ref name="dic01a">{{Cite web|author=Shibatani Tomohiro|url=http://www.shochu.jp/dic/01a.htm|title=本格焼酎用語集|work=本格焼酎の楽しみ|language=日本語|accessdate=2007-08-07}}</ref>。
 
 
 
その後、1960年代後半から[[大分県]]で生産されている麦麹に麦を掛け合わせる麦焼酎が日本各地で注目を浴び、現在では大分県も麦焼酎の一大産地となっている。なお、「'''[[大分麦焼酎]]'''」は地域団体商標として登録されている<ref name="brandri070130">{{Cite web
 
| author = ブランド総合研究所
 
| url = http://brandri.co.jp/news/org_news/12chiikibrand_SP/2007_01_30tiikibrand_kekka.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20090114035743/http://brandri.co.jp/news/org_news/12chiikibrand_SP/2007_01_30tiikibrand_kekka.html
 
| title = 「九谷焼」など10件が地域団体商標に登録、累計128件に
 
| work = 地域ブランドNEWS
 
| language = 日本語
 
| accessdate = 2008-02-19
 
| archivedate = 2009-01-14
 
| deadlinkdate = 2018年6月5日
 
}}</ref>。
 
 
 
=== 芋焼酎 ===
 
[[ファイル:Shochu2.jpg|thumb|様々な芋焼酎]]
 
味はかなり濃厚で、しばしば独特の臭みがあるため、好き嫌いが分かれると言われる。しかし、近年では、鮮度の良い芋を厳選し、臭みの元となる傷んだ部分やヘタなどを切り落としてから焼酎にする<ref>{{Cite web
 
| author = 白金酒造株式会社
 
| authorlink = 白金酒造
 
| url = http://www.shirakane.jp/migakiimo.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20140717122720/http://www.shirakane.jp/migakiimo.html
 
| title = 磨き芋
 
| accessdate = 2014-11-24
 
| archivedate = 2014-07-17
 
| deadlinkdate = 2018年6月5日
 
}}</ref>などの努力がなされた結果、従来のような臭みは少なくなっている。
 
 
 
江戸時代から南九州で広く栽培されているサツマイモを原料とした焼酎。[[宮崎県]]や[[宮崎県|鹿児島県]]で広く飲まれている。使用される麹はほとんどが米麹。サツマイモ100%焼酎は製造されたことがなかったが、1997年に国分酒造協業組合(現・[[国分酒造]])が日本で初めてとなるサツマイモ100%焼酎を発売したことで、芋麹も一般化、現在では多くのメーカーがサツマイモ100%焼酎を発売している<ref name="variety" />。
 
 
 
主産地は宮崎県と鹿児島県。他の産地として、薩摩出身の流人である[[丹宗庄右衛門]]が製法を持ち込んだ[[八丈島]]<ref name="japansake">{{Cite web|author=[[日本酒造組合中央会]]|url=http://www.japansake.or.jp/honkaku/meguri/vol_04.html|title=ひょっこり八丈島・東京の島酒|work=コラム「本格焼酎&泡盛・産地巡り」|language=日本語|accessdate=2008-02-19}}</ref>などが挙げられる。鹿児島で生産される「'''薩摩焼酎'''」は、世界貿易機関のTRIPS協定に基づく産地表示の保護指定を受けている。
 
 
 
現在では、[[焼き芋]]を原料とした「焼き芋焼酎」も作られるようになった。焼き芋に由来する甘い香りが特徴で、[[鳴門金時]]で知られる[[徳島県]]、宮崎県、鹿児島県などで製造されている。
 
{{-}}
 
 
 
=== 黒糖焼酎 ===
 
[[ファイル:Bottled amami kokuto shochu.jpg|280px|thumb|市販の各種奄美黒糖焼酎]]
 
{{main|奄美黒糖焼酎}}
 
口当たりは比較的柔らかく、癖が少ない。糖分は含まれないため、原料から想像されるほどの[[甘味]]はないが、[[アルコール]]や黒糖由来の微量成分による甘味や甘い香りが感じられる銘柄もある。
 
 
 
主流は、白麹菌を使った米麹を甕で一次熟成し、黒糖液を加えて二次熟成した後、常圧蒸留したものである。もともとアルコール度数30度のものが主流であったが、現在は25度のものが最もよく流通し、次いで30度のものとなっている。
 
 
 
[[鹿児島県]]の[[奄美群島]]では江戸時代から[[第二次世界大戦]]以前まで、[[泡盛]]や黒糖酒([[黒砂糖]]原料の蒸留酒)が製造されていた。しかし戦中から戦後のアメリカ占領時代にかけ、米不足で泡盛の原料に事欠く一方、黒砂糖は日本本土に移出できず余剰だったことから黒糖酒が多く作られるようになった。
 
 
 
[[1953年]]、奄美群島の日本返還に伴い日本の税法を適用するにあたり、黒糖酒は酒税法上「焼酎」として扱われず税率が高いことから、「焼酎」扱いを望む島民の要望もあり、取り扱いに関して議論がなされた。当時の大蔵省は振興策の一環として、[[麹#米麹|米こうじ]]使用を条件に、[[熊本国税局]]大島税務署の管轄区域(奄美群島)に限って黒糖原料の焼酎製造を特認した<ref name="variety"/>。
 
 
 
以後、黒糖焼酎は奄美群島でしか製造できない特産品となり、[[地域団体商標]]の「[[奄美黒糖焼酎]]」となって現在に至っている。現在、奄美群島では泡盛は製造されていない反面、黒糖焼酎は[[奄美大島]]、[[喜界島]]、[[徳之島]]、[[沖永良部島]]、[[与論島]]という広範囲で製造されている。
 
 
 
通達により、奄美群島以外で製造された物は、同様の製法、度数で作ってもスピリッツの扱いとなっている<ref group="注釈">[[愛知県]]の[[清洲桜醸造]]『[[清洲桜醸造#焼酎|黒糖太郎]]』などがあった。</ref>。[[小笠原諸島]]においては、日本領土になった[[明治|明治時代]]初期から[[サトウキビ]]栽培によって製糖業が盛んとなり、その過程で生じた副産物を発酵・蒸留した製法で、焼酎に類似する「糖酎」「泡酒」「蜜酒」と呼ばれた酒が[[戦前]]に醸造されていた<ref name="ogasawara">{{Cite web|
 
url=http://shimazake.com/kuramoto/ogasawara.php|title=小笠原ラム・リキュール株式会社|work=東京七島酒造組合|language=日本語|accessdate=2008-06-26}}</ref><ref name="rum">{{Cite web|url=http://www.oga-rum.com/|title=ようこそ小笠原の地酒・ラム酒のWEB SITEへ!|work=小笠原ラム・リキュール株式会社|language=日本語|accessdate=2008-06-26}}</ref>。[[戦中|戦時中]]の島民疎開により途絶えていたが、1989年(平成元年)になって[[地域おこし|村おこし]]の一環として[[小笠原村]]の[[役場]]・[[農業協同組合|農協]]・[[商工会]]によってこれを扱う企業が設立され、その製法を模した[[ラム酒]]が製造されている<ref name="ogasawara"/><ref name="rum"/>。税法上は[[ラム酒]](スピリッツ、もしくは[[リキュール]]類)の扱いとなっている。
 
 
 
=== そば焼酎 ===
 
味わいは麦焼酎より更に軽く、癖が少ない。
 
 
 
[[ソバ]]を主原料とする焼酎。発祥は新しく、1973年、[[宮崎県]][[西臼杵郡]][[五ヶ瀬町]]の五ヶ瀬酒造(のちの[[雲海酒造]])が、五ヶ瀬地方山間部の特産品であるソバを原料に取り上げ新たに開発した<ref name="hasi_hjmj_p50">橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.50 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7</ref>。したがって、宮崎県北部において発祥した焼酎だと言える。その後、1976年に同酒造会社が本格的に宮崎県外へも販路を広げてゆき<ref name="hasi_hjmj_p50">橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.50 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7</ref>、これにより、そば焼酎はより広く知られるようになった。結果、ソバの栽培が盛んな[[長野県]]や[[北海道]]でもそば焼酎の醸造が行われるようになり<ref name="hasi_hjmj_p50">橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.50 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7</ref>、以後各地の焼酎メーカーで米や麦との混和タイプも含めて広く造られるようになった。そば屋においてそばをゆでた[[そば湯]]で割ったそば焼酎を提供している事例も多く見られる。ただし、[[食物アレルギー|そばアレルギー]]を持つ人はアレルギー症状が出る可能性があるので注意を要する<ref name="variety"/>。
 
 
 
このそば焼酎に使用されるソバの品種は、主に[[ダッタンソバ]]である<ref name="hasi_hjmj_p51">橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.51 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7</ref>。しかし、ソバだけを主原料として製造を行うのは比較的難しいため、しばしば[[コメ]]など他の焼酎の原料と混ぜた上で仕込みが行われ、製造が開始される<ref name="hasi_hjmj_p51"/>。したがって、そば焼酎とは言っても、例えば、主原料としてソバと[[コメ]]とが併用されている場合もあるのである<ref>橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.194、195 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7</ref>。
 
それに対して、[[麹|米麹]]こそ使用しているものの、それ以外は全量をソバだけで製造しているそば焼酎も存在する<ref>橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.195 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7</ref>。なお、焼酎は全般にコメに[[麹菌]]を繁殖させた米麹が多く使用されており、これはそば焼酎においても例外ではない。しかし、[[ムギ]]に麹菌を繁殖させた[[麹|麦麹]]を使用したそば焼酎も見られる<ref>橋口 孝司 『本格焼酎銘酒事典』 p.112 新星出版 2004年10月15日発行 ISBN 4-405-09113-7</ref>。
 
 
 
現在では、[[宝酒造]]が独自の技術により完全なソバ麹を作ることに成功し、ソバ100%の「十割(とわり)」を発売している<ref>[http://www.takarashuzo.co.jp/kodawarigura/towari/index.htm そば焼酎 十割]、宝酒造</ref>。
 
 
 
このように、一口にそば焼酎と言っても様々なタイプがあるわけだが、この点も他の焼酎と同様である。
 
 
 
=== 栗焼酎 ===
 
栗の香りとまろやかでほのかな甘みがあるのど越しが特徴。
 
 
 
[[クリ]]の実を主原料とする焼酎。1976年、[[宮崎県]][[延岡市]]の佐藤焼酎製造場が地元産である栗を原料に用い栗焼酎を発売。その後、[[兵庫県]]や[[京都府]]では[[丹波栗]]を、また[[愛媛県]]など各地の栗特産地を中心に作られるようになった。
 
 
 
=== 泡盛 ===
 
[[沖縄県]]特産の蒸留酒である'''泡盛'''は米を原料としており、その製法は一般的な焼酎と差異があるものの、税法上は焼酎乙類の範疇に入れられている<ref name="syuzei"/>。
 
 
 
法制上、泡盛自体は日本全国で製造することができるが、「'''琉球泡盛'''」という表示は[[世界貿易機関]]のTRIPS協定に基づいて沖縄県産の物のみに認められている。
 
{{main|泡盛}}
 
 
 
=== ジャガイモ焼酎 ===
 
サツマイモで作る芋焼酎と比べ癖が少なく飲みやすいものから、独特の青臭い香りの強いものまである。
 
 
 
[[1979年]]4月に、北海道[[斜里郡]][[清里町]]の清里町焼酎醸造事業所が、日本で最初のジャガイモ焼酎を製造販売した。以後、北海道の多くの焼酎メーカーがジャガイモ焼酎に参入し、近年、北海道ではジャガイモ焼酎の生産が広く行われるようになっている。また、長崎県でも特産品としてジャガイモ焼酎を製造している酒蔵がある。
 
 
 
=== 粕取り焼酎とカストリ ===
 
==== 粕取り焼酎 ====
 
もろみ取り焼酎とは別の製法で、清酒かす(日本酒の酒粕)を蒸留して造られる「'''粕取り焼酎'''」と呼ばれる焼酎がある。粕取り焼酎は九州北部を中心に発達し、全国の清酒蔵で製造されている。江戸時代の本草書『[[本朝食鑑]]』に、「焼酒は新酒の粕を蒸籠で蒸留して取る」とあるように、清酒が醸造される地域で焼酎といえば粕取り焼酎のことであった。新しくできた酒粕をそのまま蒸留する方法と、[[籾殻]](もみがら)を混ぜて通気性を確保してから蒸留する方法があり、前者は吟醸粕取焼酎、後者を正調粕取焼酎と呼んで区別している<ref name="kasutori">{{Cite web|author=けんじ|url=http://beefheart.sakura.ne.jp/tankentai/tanteidan/gairon.html|title=Dr.けんじの粕取焼酎概論|work=九州焼酎探検隊|language=日本語|accessdate=2007-08-07}}</ref>。貯蔵した酒粕を蒸留し早苗饗(さなぶり)という田植え後のお祭りで飲んだことから、別名「早苗饗焼酎」とも呼ばれる。蒸留した後の粕は田の肥料として使われていた。
 
 
 
[[太平洋戦争]]後、[[#カストリ|カストリ]]と混同されたこと、独特の香りが時代の嗜好に合わなかったことなどから需要が低迷し粕取り焼酎の製造から撤退する蔵が相次いだ。また、かつては福岡県内を中心に粕取り焼酎専業の蔵も多くあったが、現在では米焼酎の製造を行うなど、専業蔵は消滅している。しかし、昨今の焼酎ブームにより、日本酒製造メーカーが粕取り焼酎に再び進出するケースが増えている<ref name="kasutori"/>。
 
 
 
梅酒をつける際にベースとなるアルコールや[[みりん]]の主原料としても使われた他、日本酒の仕上げ工程において中途で発酵を止め、防腐や辛口に仕上げる目的で用いられる[[柱焼酎]]として使われる場合も多かった。また、外傷の消毒薬としても用いられた<ref name="variety"/>。
 
 
 
==== カストリ ====
 
[[Image:Kasutori-Sake.JPG|thumb|200px|密造酒としてのカストリ酒を飲む人々(1947年撮影)。ラベルなしの酒瓶にはアルコール度数を記した札が付くが、中身とその材料・製法は不明。]]
 
 
 
'''カストリ酒'''、'''カストリ'''とは、第二次大戦後の混乱期において出回った粗悪な密造焼酎に対する俗称である<ref name="tonoike53">{{Cite book|和書|editor=外池良三|title=世界の酒日本の酒ものしり辞典|publisher=東京堂出版|date=2005-08-15|edition=初版|id=ISBN 4-490-10671-8|pages=53ページ}}</ref>。
 
 
 
第二次世界大戦直後から食糧不足が深刻化し、酒造会社の多くも再建が進んでいなかったため酒類を製造する余裕などなかったが、庶民は気晴らしのため安価な酒を求めており、この需要に応える形で自然発生した。主に[[サツマイモ]]や[[麦]]を原料にしていたが、素人があり合わせの道具と不確かな知識で製造しており、焼酎とは呼べない粗悪な[[密造酒]]であった<ref name="izkaya">居酒屋の戦後史 橋本健二 ISBN 978-4396114503</ref>。
 
 
 
[[闇市]]では、ラベルの無い不揃いの酒瓶に詰められた出所不明のアルコール飲料が取引され、屋台ではアルコール度数が低い物ならば庶民でも手が届くような価格で提供されていた。しかしサツマイモなどが使われていれば上等、アルコール度数が表記されていれば良心的な方で、中には原料や出所がまったく不明という得体の知れない物が多く出回っていた。
 
 
 
甚だしい例では、酒類に転用されないように[[エタノール]]に失明や中毒死の危険がある[[メタノール]]を加えた[[エタノール#工業用アルコール|変性アルコール]]を使った酒もあった。変性アルコールは燃料・工業用であるため、公示価格が適用されず非課税で相対的に安価であり、沸点の違いを利用して販売前に加熱・蒸留してエタノールを分離しするというアイディアだった。しかしメタノール-エタノール混合溶液は[[共沸]]混合物であるため単純に加熱してメタノールを取り除くことは不可能である。これらの工業用アルコールを水で薄めた酒は『メチール酒』や『バクダン』などと呼ばれたが、庶民は安価な酒を求めていたため中毒事故が多発した<ref name="tonoike53" />。
 
 
 
これらの粗悪なアルコール飲料は、次第に『カストリ』と総称されるようになった<ref name="tonoike53" />ため、一般にも「カストリ=粗悪な蒸留酒」というイメージが定着した<ref name="tonoike53" />。その影響で、決して粗悪でない本来の粕取り焼酎まで、誤解によってイメージダウンした時期がある<ref name="tonoike53" />。
 
 
 
1953年の論考によれば、1947年9月末時点の日本国内における密造酒生産量は50万2,000klと推定され、同時期の正規製造場移出数量34万3,000klを大幅に上回っていた。密造酒の中で主流を占めていたのは焼酎であり、都市近郊で大規模な密造集落が形成されるにまで至った。密造検挙件数は1945年の8,510件から、1946年は11,686件、1947年には16,968件と年々増え続けており、当時の密造酒の氾濫ぶりがうかがわれる<ref name="uchizono">{{cite web
 
| author = 内薗惟幾
 
| title = 税務職員の殉難小史-酒類密造等の沿革と併せて-
 
| format = PDF
 
| url = https://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/12/107/ronsou.pdf
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20170807022233/https://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/12/107/ronsou.pdf
 
| work = 税大論叢12号(1978年11月)p279-332
 
| language = 日本語
 
| date = 1978-11-30
 
| accessdate = 2018-01-26
 
| archivedate = 2017-08-07
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>。
 
 
 
宮崎県の焼酎産業は、太平洋戦争終戦後、密造集落1カ所の存在で大きな影響を受けた特異な例である。宮崎市内の大島地区は戦時中に工業生産従事のため移住した沖縄・奄美諸島出身者が戦後も残留、生活の糧を得るため大規模な密造集落を形成し、一時は住民900戸中650戸が密造とその資材供給に従事していた。
 
 
 
大島製の密造焼酎(いわゆるカストリ一般よりも良質であったという)に押され、宮崎税務署管内で酒造業者の半分が休廃業に追い込まれたほどで、これに対し大規模な取締が1947-52年の間に15回も実施されている<ref name="uchizono"/>。宮崎県においては、21世紀初頭に至るまで一般的な25度焼酎よりも度数が低い20度焼酎が広く普及しているが、これも[[国税庁]]が戦後の密造焼酎横行対策として、正規業者に税率を抑えた20度焼酎の製造を認めた結果であった<ref>{{cite web
 
| author = 時吉修・中村周作
 
| title= 宮崎県域における飲酒嗜好にみる地域性
 
| format = PDF
 
| url = http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/asp/research/geo/journal/pdf.geo-journal/16-2004-tokiyoshi.pdf
 
| work = 立命館地理学 第16号(2004年11月)p55-69
 
| language = 日本語
 
| date = 2004-11
 
| accessdate = 2018-01-26
 
}}</ref>。
 
 
 
派生した戦後混乱期を象徴する表現として、同時期、粗悪紙を用い扇情的な記事を満載して安直に売られた[[雑誌]]を指す「[[カストリ雑誌]]」という言葉も生まれた。
 
 
 
[[黒澤明]]監督の映画「[[醉いどれ天使]]」など戦後の闇市を舞台とした文芸・映画作品等では、当時の世相を象徴するアイコンとしてカストリ酒が登場する。
 
{{-}}
 
 
 
== 本格焼酎 ==
 
=== 「本格焼酎」とは ===
 
[[file:Japanese_Joka.JPG|thumb|[[千代香]](じょか)。千代香の熱燗は芳醇な味わいが楽しめる]]
 
 
 
戦後[[1949年]]の酒税法で「甲類・乙類」の分類呼称が定められたが、通常甲乙の称は等級や順位でも使われる表現であるため、ややもすれば「乙類」が「甲類」に劣ると誤解されかねなかった。これを危惧した[[江夏順吉]](当時の[[霧島酒造]](本社所在地:[[宮崎県]][[都城市]])社長)が[[1957年]]に九州旧式焼酎協議会において「本格焼酎」という呼称を提唱、<!--1962年に大蔵省令が改正され、焼酎乙類に「本格焼酎」という呼称の併記が認められ<ref name="honkaku">{{Cite web|author=[[宮崎県]]|url=http://www.kanko-miyazaki.jp/unit/kura_16/index.html|title=匠の蔵 焼酎博士 永山久春さん|work=宮崎県観光情報サイト「旬ナビ」|language=日本語|accessdate=2007-09-03}}</ref>、-->[[1971年]](昭和46年)[[12月10日]]に「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則」(昭和28年大蔵省令第11号)が一部改正され「本格しようちゆう」と呼称・表記することが可能となった<ref name="imo"/><ref>{{Cite web
 
| author = 沖縄県酒造組合連合会
 
| url = http://www.okinawa-awamori.or.jp/qa/06_a03.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20070403100808/http://www.okinawa-awamori.or.jp/qa/06_a03.html
 
| title = Q55 泡盛と焼酎との違いはどこにあるのですか?
 
| language = 日本語
 
| work = 泡盛Q&A
 
| accessdate = 2008-04-10
 
| archivedate = 2007-04-03
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>。(2008年12月現在、法令の条文上では「本格しようちゆう」のみが使用されており漢字の「本格焼酎」の登場例はないが、以下業界での慣用に倣って本節では後者を用いる。)
 
 
 
しかし、「本格焼酎」の呼称を用いる基準が必ずしも明確でなかったことから議論が生じ、その結果2002年11月1日に前述の省令の一部改正により基準が強化され、以下に掲げるアルコール含有物を蒸留したものでなければ本格焼酎と名乗ることはできなくなった。なお、単に「焼酎乙類」「単式蒸留焼酎」と表示するのであれば材料は制約されない<ref name="define">{{Cite web|author=Shibatani Tomohiro|url=http://www.shochu.jp/howto/define.htm|title=本格焼酎の定義|work=本格焼酎の楽しみ|language=日本語|accessdate=2008-02-19}}</ref>。
 
* '''穀類'''又は'''いも類'''、'''これらのこうじ'''及び水を原料として発酵させたもの
 
* '''穀類のこうじ'''及び水を原料として発酵させたもの
 
* '''清酒かす'''及び水を原料として発酵させたもの、'''清酒かす'''、'''米'''、'''米こうじ'''及び水を原料として発酵させたもの又は'''清酒かす'''
 
* '''砂糖'''(政令に掲げるものに限る)、'''米こうじ'''及び水を原料として発酵させたもの('''黒糖焼酎''')。
 
* '''穀類'''又は'''いも類'''、'''これらのこうじ'''、水及び'''国税庁長官の指定する物品'''を原料として発酵させたもの(その原料中国税庁長官の指定する物品の重量の合計が穀類及びいも類及びこれらのこうじの重量を超えないものに限る)
 
 
 
=== 本格焼酎ブーム ===
 
日本では、[[2003年]]頃から焼酎乙類を対象とする「本格焼酎ブーム」が起き、同年には焼酎類全体の出荷量が[[日本酒]]の出荷量を約50年ぶりに上回り<ref name="47news">{{cite web
 
| author = 共同通信
 
| authorlink = 共同通信社
 
| title = 焼酎の出荷量、日本酒抜く
 
| url = http://www.47news.jp/CN/200403/CN2004031001002415.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20081003003643/http://www.47news.jp/CN/200403/CN2004031001002415.html
 
| work = [[47NEWS]]
 
| date = 2004-03-10
 
| accessdate = 2008-02-07
 
| archivedate = 2008-10-03
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref><ref name="TDB"/>、[[2004年]]には売上高もピークを迎えた<ref name="TDB">{{cite web
 
| author = 帝国データバンク
 
| authorlink = 帝国データバンク
 
| title = 2006年焼酎メーカー売上高ランキング
 
| url = http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p070904.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20130727190211/http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p070904.html
 
| date = 2007-09-27
 
| accessdate = 2008-02-07
 
| archivedate = 2013-07-27
 
| deadlinkdate = 2018年6月5日
 
}}</ref>。ブームに伴って、本格焼酎を専門に扱う[[焼酎バー]]も登場している。
 
 
 
ブームの影響によって、材料や製法にこだわった焼酎も盛んに市場へと送り出された<ref name="47news"/>。[[鹿児島県|鹿児島]]で本格焼酎は1.8Lあたり1500円前後の商品が消費の中心であるが<ref name="neage"/>、より美味しい焼酎を望むニーズと、作り手のこだわりによって高価格で本格志向である味の焼酎<ref group="注釈">一例として、[http://www.nanako-net.com/ 濵田酒造「なゝこ(ななこ)」] などがある。</ref>も登場した。
 
 
 
しかし、少なからぬ弊害も生じた。ブームのピーク時には芋焼酎の原料となるサツマイモが市場に不足する深刻な問題が起きたほか<ref name="TDB"/>、一部銘柄ではプレミアがつき、一本数万円などという値段が付けられるようになり<ref>{{Cite book|和書|author=日本酒類研究会|editor=日本酒類研究会|date=2005-01-25|title=知識ゼロからの芋焼酎入門|edition=第1刷|publisher=幻冬舎|id=ISBN 4-344-90064-2|pages=116ページ|chapter=第四章 一度は飲んでみたい プレミアム焼酎・限定焼酎}}</ref>、[[森伊蔵]]については偽物が出回る事件にまで発展した<ref name="nisemori">{{cite web
 
| author = 共同通信
 
| authorlink = 共同通信社
 
| title = 偽森伊蔵で懲役3年求刑「購入者の屈辱甚だしい」
 
| url = http://www.47news.jp/CN/200409/CN2004092101002463.html
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20081003003648/http://www.47news.jp/CN/200409/CN2004092101002463.html
 
| work = [[47NEWS]]
 
| date = 2004-09-21
 
| accessdate = 2008-04-10
 
| archivedate = 2008-10-03
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>。
 
 
 
本格焼酎需要急上昇に伴い、各地で焼酎の生産設備拡充や休止酒造場の再開、新規参入などが図られた。しかし[[2006年]]初頭からブームは沈静化、例えば[[帝国データバンク]]福岡支店は2006年の売上が2年連続で下落したことから焼酎ブームは去ったと分析し、ブームの反動・縮小による焼酎業界への悪影響を懸念しており<ref name="TDB"/>、[[日本銀行]]鹿児島支店が2008年2月に公表した、今回の焼酎ブームについてまとめたリポート<ref name="nichiginkagoshima">{{cite web
 
| author = 日本銀行鹿児島支店
 
| authorlink = 日本銀行
 
| title = 焼酎ブームのその先にあるものは!?~今回の焼酎ブームの特徴~
 
| format = PDF
 
| url = http://www3.boj.or.jp/kagoshima/data/note/n0802.pdf
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20111124020102/http://www3.boj.or.jp/kagoshima/data/note/n0802.pdf
 
| language = 日本語
 
| work = かごしまノート
 
| date = 2008-02-05
 
| accessdate = 2008-04-10
 
| archivedate = 2011-11-24
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>では「今回のブームは終焉した」と指摘、「銘柄選別の時代に入った」と結論付けた<ref name="minami">{{cite web|author=南日本新聞
 
|authorlink=南日本新聞|title=焼酎ブーム「終焉」、銘柄選別の時代へ/日銀リポート|url=http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=9457|date=2008-03-01|accessdate = 2008-04-10}}</ref><ref name="kumamotonichinichi">{{cite web|author=熊本日日新聞
 
|authorlink=熊本日日新聞|title=射程「焼酎ブーム終焉」|url=http://kumanichi.com/iken/index.cfm?id=20080323#2898|date=2008-03-23|accessdate = 2008-04-10}}</ref>。このような状況であったが一方で麦などから芋などへの素材に対する嗜好の広がりが起こったことにより、帝国データバンク福岡支店によると、焼酎メーカー上位50社の2008年1 - 12月の売上高合計は前年比3.8%増の3471億9500万円で、ピークの2004年を上回り、「過去最高」を記録するなどブームの底堅さも見せている<ref >{{cite web|author=j-cast|authorlink=j-castニュース|title=焼酎売上高が「過去最高」 ブーム支える「芋」と「お得感」|url=http://www.j-cast.com/2009/10/03050681.html|date=2009-10-03|accessdate = 2009-10-3}}</ref>。
 
 
 
== 日本国内での消費量 ==
 
[[2016年]](平成28年)度の日本国内の焼酎消費量は次のとおりである。比較として同年度の清酒消費量も記載する<ref>{{cite web
 
| url = http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/tokei/kazeikankei2016/pdf/28-02.pdf
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20180127153745/http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/tokei/kazeikankei2016/pdf/28-02.pdf
 
| publisher = 国税庁
 
| title = 第2表 酒税課税実績の前年対比等表(国税局(国産)分)
 
| accessdate = 2018-01-27
 
| archivedate = 2018-01-27
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref><ref>{{cite web
 
| url = http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/tokei/kazeikankei2016/pdf/28-04.pdf
 
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20180127004548/http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/tokei/kazeikankei2016/pdf/28-04.pdf
 
| publisher = 国税庁
 
| title = 第4表 酒税課税実績の前年対比等表(税関(輸入)分)
 
| accessdate = 2018-01-27
 
| archivedate = 2018-01-27
 
| deadlinkdate = 2018年6月4日
 
}}</ref>。
 
 
 
{| class="wikitable" style="margin-left:auto;margin-right:auto"
 
|-
 
! style="width:8em" | 分類!! 国産 ([[キロリットル|kl]])!! 輸入 (kl)!! 計 (kl)
 
|-
 
| '''連続式蒸留焼酎''' || align=right | 341,583 || align=right | 44,033|| align=right | 385,616
 
|-
 
| '''単式蒸留焼酎 ''' || align=right | 479,124 || align=right | 409 || align=right | 479,533
 
|-
 
| '''計''' || align=right | 820,707 || align=right | 44,442 || align=right | 865,149
 
|-
 
|([[日本酒|清酒]])|| align=right | (538,025) || align=right | (46) || align=right | (538,071)
 
|}
 
 
 
== 焼酎メーカー売上高ランキング ==
 
[[帝国データバンク]]の統計調査によると、2016年(平成28年)の焼酎売上高上位50社の売上高合計額は2,859億6,400万円、上位50社の売上高合計額のピークは2008年(平成20年)の3,090億1,300万円であった<ref group="注釈">出典の帝国データバンクの統計では、2008年からオエノンホールディングスの焼酎売り上げ比率が50%を下回ったため、ランキングから外した上で統計を遡って同社の焼酎部門の売上高を減じ、代わりに51位の社の売上高を算入して計算している。仮にオエノンホールディングスの焼酎部門の売上を含めれば、2008年の上位50社のピーク時の売上高合計額は3,471億円となる。</ref>。首位の霧島酒造は2004年(平成16年)の調査開始以来14年連続で増収で、2004年時点では8位であったが、「黒霧島」の爆発的ヒットで2012年(平成24年)に初めて首位になった。上位50社の所在地別売上高では、[[宮崎県]]が896億4,300万円、[[鹿児島県]]が802億3,600万円、[[大分県]]が683億9,600万円であった<ref name=teikoku16>[https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/s170803_80.pdf 特別企画:2016年焼酎メーカー売上高ランキング] 帝国データバンク 2017年8月30日</ref>。
 
 
 
なお本項では売上高上位20社までを記す。ただし焼酎部門の売上高比率が50%以下の企業は統計から除外されている。このため[[宝ホールディングス]](焼酎部門売上高:593億7,600万円、構成比26.3%)や[[オエノンホールディングス]](焼酎部門売上高:394億2,700万円、構成比49.8%)はランキングから除外されている<ref name=teikoku16/>。
 
 
 
{| class="wikitable" style="margin-left:auto;margin-right:auto"
 
|-
 
! style="width:4em" | 順位!! 社名!! 所在地!! 主要銘柄!! 売上高<br>(百万円)
 
|-
 
| align=center | 1 || [[霧島酒造]]|| 宮崎県|| 黒霧島、白霧島|| align=right | 65,072
 
|-
 
| align=center | 2 || [[三和酒類]]|| 大分県 || いいちこ|| align=right | 47,738
 
|-
 
| align=center | 3 || [[雲海酒造]]|| 宮崎県|| 雲海、いいとも|| align=right | 16,420
 
|-
 
| align=center | 4 || [[二階堂酒造]]|| 大分県 || 大分むぎ焼酎二階堂、吉四六|| align=right | 16,000
 
|-
 
| align=center | 5 || [[薩摩酒造]]|| 鹿児島県 || さつま白波、黒白波|| align=right | 14,500
 
|-
 
| align=center | 6 || [[濱田酒造]]|| 鹿児島県 || 海童、薩摩富士|| align=right | 13,736
 
|-
 
| align=center | 7 || [[若松酒造]]|| 鹿児島県 || 薩摩一、わか松|| align=right | 7,412
 
|-
 
| align=center | 8 || [[高橋酒造]]|| [[熊本県]] || 白岳、白岳しろ|| align=right | 7,320
 
|-
 
| align=center | 9 || [[本坊酒造]]|| 鹿児島県 || 桜島、石の蔵から|| align=right | 7,221
 
|-
 
| align=center | 10 || 美峰酒造|| [[群馬県]] || 司、上州むぎ焼酎|| align=right | 5,806
 
|-
 
| align=center | 11 || [[大口酒造]]|| 鹿児島県 || 伊佐錦、黒伊佐錦|| align=right | 5,343
 
|-
 
| align=center | 12 || [[神楽酒造]]|| 宮崎県|| ひむかのくろうま、天照|| align=right | 4,310
 
|-
 
| align=center | 13 || [[宮崎本店]]|| [[三重県]] || キンミヤ焼酎|| align=right | 4,265
 
|-
 
| align=center | 14 || [[小正醸造]]|| 鹿児島県 || さつま小鶴|| align=right | 4,149
 
|-
 
| align=center | 15 || [[鷹正宗]]|| [[福岡県]] || ばっかい、ごりょんさん|| align=right | 4,072
 
|-
 
| align=center | 16 || 長島研醸|| 鹿児島県 || さつま島美人|| align=right | 3,662
 
|-
 
| align=center | 17 || [[札幌酒精工業]]|| [[北海道]] || サッポロソフト、喜多里|| align=right | 2,867
 
|-
 
| align=center | 18 || 都城酒造|| 宮崎県|| あなたにひとめぼれ|| align=right | 2,741
 
|-
 
| align=center | 19 || [[老松酒造]]|| 大分県 || 閻魔、田五作|| align=right | 2,690
 
|-
 
| align=center | 20 || [[田苑酒造]]|| 鹿児島県 || 田苑|| align=right | 2,625
 
|}
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
=== 注釈 ===
 
<references group="注釈"/>
 
=== 出典 ===
 
{{reflist|2}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* [http://www.shochu.jp/ 本格焼酎の楽しみ]<!--定義節、本格焼酎節を中心に全般-->
 
* [http://beefheart.sakura.ne.jp/tankentai/tankentai.html 九州焼酎探検隊]<!--粕取り焼酎節-->
 
* [http://www.kanko-miyazaki.jp/kura/ みやざき旬ナビ 匠の蔵]<!--みやざき観光コンベンション協会のページ、本格焼酎について節-->
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Shōchū}}
 
* [[焼酎メーカー一覧]]
 
* [[焼酎の銘柄一覧]]
 
* [[焼酎バー]]
 
* [[柱焼酎]]
 
* [[アクアビット]]
 
* [[アラック]]
 
* [[白酒 (中国酒)|焼酒(白酒)]] - 中国
 
* [[ソジュ|焼酒(ソジュ)]] - 韓国・北朝鮮
 
* [[グラッパ]] - イタリア式粕取り[[ブランデー]]
 
* [[河内源一郎]]
 
* [[高田焼 (美濃)|高田焼(たかたやき)]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.honkakushochu-awamori.jp/ 本格焼酎と泡盛(日本酒造組合中央会)]
 
* [http://www.shochu.or.jp/index.html 焼酎SQUARE(日本蒸留酒酒造組合)]
 
  
 +
日本の代表的な蒸留酒。アルコール分は 20~45%で,酒税法 (昭和 28年法律6号) 上,甲,乙の2種類に分類されている。甲類はさつまいも,じゃがいも,とうもろこし,廃糖蜜などを原料に近代的な設備をもった大工場で生産されるもので,連続式蒸留機で精留されたアルコールを水で薄めて製品としたもの。大正時代以降に発展し,現在では市場に出回っている焼酎の大半が甲類である。乙類は日本在来の製法によるもので,代表的なものは,密封貯蔵してのち発酵させた清酒粕にもみ殻を混ぜたものを蒸籠 (せいろう) に広げ,水蒸気を通して酒粕のアルコール分を蒸留して造る粕取焼酎と,清酒を醸造するときのように醪 (もろみ) を発酵させ,それを蒸留して造る醪焼酎であるが,ほかにも麦焼酎 (壱岐) ,芋焼酎 (鹿児島,宮崎) ,[[泡盛]] (沖縄) など地方によって特殊なものがある。乙類の焼酎にはそれぞれ独特な香りと風味があって,愛好者も多い。
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[[Category:焼酎|*]]
 
[[Category:焼酎|*]]
 
[[Category:九州地方の食文化]]
 
[[Category:九州地方の食文化]]
 
[[Category:日本の酒]]
 
[[Category:日本の酒]]

2018/10/19/ (金) 00:02時点における最新版

焼酎(しょうちゅう)

日本の代表的な蒸留酒。アルコール分は 20~45%で,酒税法 (昭和 28年法律6号) 上,甲,乙の2種類に分類されている。甲類はさつまいも,じゃがいも,とうもろこし,廃糖蜜などを原料に近代的な設備をもった大工場で生産されるもので,連続式蒸留機で精留されたアルコールを水で薄めて製品としたもの。大正時代以降に発展し,現在では市場に出回っている焼酎の大半が甲類である。乙類は日本在来の製法によるもので,代表的なものは,密封貯蔵してのち発酵させた清酒粕にもみ殻を混ぜたものを蒸籠 (せいろう) に広げ,水蒸気を通して酒粕のアルコール分を蒸留して造る粕取焼酎と,清酒を醸造するときのように醪 (もろみ) を発酵させ,それを蒸留して造る醪焼酎であるが,ほかにも麦焼酎 (壱岐) ,芋焼酎 (鹿児島,宮崎) ,泡盛 (沖縄) など地方によって特殊なものがある。乙類の焼酎にはそれぞれ独特な香りと風味があって,愛好者も多い。




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