温泉卵

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温泉卵(おんせんたまご)は、卵黄部分は半熟、卵白部分は半凝固状態に茹でた鶏卵。一部では温度卵(おんどたまご)とも呼ばれる。また、温泉の湯や蒸気を利用して、鶏卵を茹でたり蒸したりしたゆで卵は、その状態(半熟であるか否か)にかかわらず温泉卵と呼ばれる。生卵は握ると割れないが温泉卵は割れる。

概要

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温泉の蒸気で温泉卵を作るところ(霧島温泉郷丸尾温泉

卵黄よりも卵白が柔らかい状態なのが特徴である。これは卵黄の凝固温度(約70℃)が卵白の凝固温度(約80℃)より低い性質を利用して作られるもので、65 - 68℃程度の湯に30分程度浸けておくことで、この状態になる。反対に卵黄を柔らかく保ったまま卵白を固めたものを「半熟卵」と呼ぶことがあるが[1]、両者はしばしば混同される。

湧出する温泉の湯温がこの範囲に近い場合、これに浸けておくだけで出来ることから、温泉地の旅館などで食卓に提供されることが多く、「温泉卵」の名で呼ばれるようになったと思われる。

ファイル:Nozawaonsen onsentamago.jpg
温泉に浸けているところ(長野県野沢温泉

あらかじめ殻を割って器にとり、出汁醤油をあわせた出汁醤油をかけて供されることが多い。また、麺類、丼物などのトッピングとしても利用される。生卵やゆで卵、卵焼きに比べ消化吸収に優れている[2]

専用の「温泉卵製造機」が市販されているが、保温性のある発泡スチロール容器などを利用して作ることもできる(#家庭での作り方参照)。また、保温状態の炊飯ジャーを利用し水を使わずに作ることも可能である。また、電子レンジを使用した温泉卵調理器も存在しているが、再加熱するなど所定外の使用法を行って不具合が発生する事例が報告されている[3]

業務用の温泉卵メーカー(温泉卵クッカー)は電気式で本体に網カゴが収められており一度に数十個を調理することができる。

類似する卵料理として、卵の殻を割って茹でるポーチドエッグがあり、その状態から温泉卵とポーチドエッグは混同されることがある[4]

卵の食中毒の原因となるサルモネラは70℃以上では生存できず、62 - 65℃で30分以内に死滅する[5]ので、温泉卵によって食中毒になる危険性は低い。

外食業界でも場の食中毒のリスクから加熱処理した卵を用いることが多い。中でもキユーピーが開発した白身は半熟かつ黄身には火が通った「キユーピットのたまご」という商品は、卵特有の生臭さを抑えたまろやかな風味が人気を集めヒット商品となっており、吉野家をはじめとした外食チェーンが夏場も持ち帰りできる「半熟卵」として採用している[6][7]

温泉地の温泉卵

鶏卵を温泉の湯でゆでたり蒸気で蒸したりしたものは、その状態にかかわらず(半熟状ではなくても)温泉卵と呼ばれる。多くの温泉地で、店頭などで温泉の蒸気や湯で調理する様子を実演しながら販売する温泉卵が名物となっている。強食塩泉の場合は,卵自体に塩味が染みこんでいることも多い。

ラジウム玉子

福島県福島市飯坂温泉の温泉卵は、この温泉で日本で初めてラジウムの存在が確認されたことに因み、ラジウム玉子(ラヂウム玉子)と呼ばれる。山形県米沢市小野川温泉でも、温泉にラジウムを含むことから、ラジウム玉子と呼ばれている。温泉街には、2つのラジウム玉子製造湯舟があり、ラジウム玉子つくり体験もできる。小野川温泉では、約80度の源泉を満たした湯船でラジウム玉子を作る。いずれも、土産物として人気がある。

荒湯の温泉卵

湯村温泉の源泉「荒湯」は非常に高温の温泉(98℃)で湯沸し不要。10分程度で温泉卵が出来上がる。訪れた人の多くが生卵を荒湯につける。

雲仙地獄たまご

雲仙温泉では地獄谷からでる蒸気で蒸し器を使う少し硫黄のにおいがするゆで卵である。付属の塩は普通の塩ではなく、温泉でできた塩を使っている。ラムネと一緒に食べる人が多い。お糸地獄付近で販売している。

別府の温泉たまご

別府八湯のうち地獄釜が利用出来る鉄輪温泉明礬温泉や、別府地獄めぐりの各地獄では、たまごを温泉で蒸したり茹でたりした温泉たまごが名物となっている。温泉の蒸気熱を利用した地獄釜で蒸す地獄蒸したまごの他、海地獄では、98度のコバルトブルーの温泉に、竹籠に入れたたまごを直接浸してゆでた、地獄ゆでたまごが名物となっている。

家庭での作り方

保温性のある発泡スチロール容器(カップラーメンの容器など)に卵を入れ、熱湯を加える。熱湯は卵が隠れるまで入れる。ふたをして30 - 40分程度、そのまま放置しておく。なお、冷蔵庫から取り出した卵に急に熱湯をかけると割れてしまうので、熱湯を入れる前にぬるま湯などである程度卵を温めておくとよい。また、20 - 25分間は70 - 75度に湯の温度を保てば温泉卵はできるため、あまり容器にこだわる必要はないが、沸騰や温度の降下に至らないように工夫する必要はある。

ペーパードリップ式のコーヒーメーカーを使って作る方法もある[8]。サーバーに生卵を入れ、フィルターペーパーとコーヒー豆をセットせずに通常のドリップを行うという、シンプルなものである。この方法でも、冷え切っている卵を使うとひびが入るので、あらかじめ常温にしておく方がよい。

卵が楽に入る程度の広口の魔法瓶に、前記の概要の項を参考に68℃程度のお湯と卵を入れると、失敗が少ない。ただし、ガラス製魔法瓶の場合は卵を瓶に静かに投入しないと、卵が落下の衝撃で割れることがある。

脚注

関連事項