「海嶺」の版間の差分

提供: miniwiki
移動先:案内検索
(1版 をインポートしました)
(内容を「'''海嶺'''(かいれい、ridge) 長く狭い海底の高まりで,比較的急な斜面をもつ。成因は一様ではない。斜面の勾配がゆるや…」で置換)
(タグ: Replaced)
 
1行目: 1行目:
'''海嶺'''(かいれい、ridge)には、以下の2つの用法がある。
+
'''海嶺'''(かいれい、ridge)
*狭義では、[[海洋プレート]]が両側に引っ張られるために生じた地表の割れ目が直下の[[マントル]](固体)が上昇することによってうめられ、マントルの[[断熱過程|断熱]]上昇のために部分[[融解]]が起こり[[マグマ]]が発生し、火山活動が起こり、新しいプレートと[[海洋地殻]]が生成される大規模な海底山脈のこと。'''中央海嶺'''。
 
*広義では、海洋底において[[海盆]]を分けているような、細長い山脈状の地形のこと。[[海洋]]の底において傾斜を伴った地形の高まりが細長く連なっている、いわば海底山脈のような場所全般を指す。
 
 
 
== 中央海嶺 ==
 
[[ファイル:Ridge_render-ja.jpg|thumb|300px|海嶺の構造]]
 
[[ファイル:Atlantic Central Ridge.JPG|thumb|260px|大西洋中央海嶺]]
 
 
 
'''海嶺'''(かいれい、oceanic ridge)は、[[大洋]]の底にある海底山脈で、[[マントル]](固体)が地下深部から上がってくる場所のこと。特に[[大陸移動説|大陸移動]]の一部である海洋底の拡大をもたらす大規模なものは、通常、'''中央海嶺'''(ちゅうおうかいれい、mid-oceanic ridge)または大洋中央海嶺と呼ばれ、何千kmも続く海底山脈である。中央海嶺では、新しい海洋[[地殻]]が形成され、海洋底が少しずつ左右両側に広がっている。広がった海洋底、すなわち海洋プレートが大陸プレートと衝突し、沈み込む場所を[[海溝]]という。
 
 
 
=== 代表的な中央海嶺 ===
 
* '''[[大西洋中央海嶺]]''' : [[大西洋]]の真中を南北に連なる海嶺。南北アメリカの海岸線とヨーロッパ・アフリカのそれとがよく一致していることは有名だが、この海嶺もその線を描く。海嶺北部に[[アイスランド]]があるが、ここは、大西洋中部の[[アセンション島]]、南部の[[トリスタンダクーニャ]]とともに、大西洋の拡大を発生させた[[ホットスポット (地学)|ホットスポット]]のひとつである。大西洋はまだ若いため、ホットスポット下から上昇してくるマントルプリュームの活動が、海嶺の拡大に大きく寄与している。
 
* '''[[ナンセン・ガッケル海嶺]]''' : 大西洋中央海嶺の続きでアイスランド北方から東[[シベリア]]まで続く中央海嶺。
 
* '''[[東太平洋海嶺]](海膨)''' : [[カリフォルニア湾]]から[[チリ]]沖の[[イースター島]]付近に繋がっている[[太平洋]]の中央海嶺。ここで生まれた海洋底の西側は、誕生した約2億年後に[[日本海溝]]に沈む。
 
* '''[[太平洋南極海嶺]]''' : 東太平洋海嶺の続きで南緯55°以南を東西に走る太平洋の「中央海嶺」。
 
* '''[[中央インド洋海嶺]]''' : [[セーシェル]]島、[[モーリシャス]]島沖、東経60°付近に位置する[[インド洋]]の中央海嶺のひとつ。モーリシャス沖南緯20°の[[ロドリゲス三重点]]で南西インド洋海嶺と南東インド洋海嶺につながる。北部は[[アデン湾]]まで伸び、[[カールスバーグ海嶺]]とも呼ばれる。
 
* '''[[南西インド洋海嶺]]''' : ロドリゲス三重点から[[マダガスカル]]の南方へ南西方向に連なるインド洋の中央海嶺のひとつ。
 
* '''[[南東インド洋海嶺]]''' : インド洋の中央海嶺のひとつ。ロドリゲス三重点から[[オーストラリア]]南方まで連なっている。
 
 
 
=== 海洋底拡大 ===
 
地球表面の地殻の下にあるマントルは、地球中心部の[[核 (天体)|核]]に近い部分が温められ、表面に近い部分が冷却されるため、'''お椀に注がれた熱い[[味噌汁]]が対流しているように'''ゆっくり[[対流]]している(注意すべきはマントルは決して軟らかい[[液体]]でなく硬い[[固体]]である)。対流の速度と位置はほぼ一定しており、マントルの上昇してくる場所は決まっている。上昇してきたマントルは左右に分かれて、地殻の下を水平に動き、やがて冷やされて沈んでゆく。海洋底はマントルの動きに乗って、拡大し、移動し、ぶつかり合い、沈む。この海洋底が生成され、拡大している場所が中央海嶺に相当する。なお、'''陸塊は海洋底に比べて[[比重]]が小さく、ぶつかり合っても沈むことはない'''。1972年まではこのような'''''[[海洋底拡大説]]'''''が信じられていたが、海嶺に大きなフリーエア[[重力異常]]がないため、海嶺がマントル対流が上昇する場所であるという考えは否定された。重力異常があるのは[[ホットスポット (地学)|ホットスポット]]であり、ホットスポットこそがマントル対流が能動的にマントル中部やマントル下部から上昇する場所である。この意見は1990年以降のマントルトモグラフィーで証明された。海嶺でおこるマントル上昇は消極的なものであり、両側から引っ張られた空隙を埋める活動である。そのため、マントルトモグラフィーから観察される上昇流の根は100kmに達しない浅いものである。
 
 
 
=== プレートテクトニクスの証拠 ===
 
以上述べてきた地殻の動きやぶつかり合いは、[[プレートテクトニクス]]として理論化されている。海嶺での海洋底拡大は、プレートテクトニクスの有力な証拠とされる。海洋底の拡大はどのようにして確認されたか以下に述べる。
 
 
 
=== 地磁気の逆転と海洋底拡大 ===
 
[[ファイル:Oceanic.Stripe.Magnetic.Anomalies.Scheme.gif|thumb|300px|中央海嶺を挟んで対称的に拡がる磁気異常帯]]
 
* 地球は中心部の溶融金属核の対流により[[磁気]]を帯びている。これを[[地磁気]]という。地磁気は数万年単位で方向が逆になる事を繰り返している。
 
* [[岩石]]中に一般的に含まれる[[鉱物]]である[[磁鉄鉱]]は、その名の通り常温で磁気を帯びている。磁鉄鉱を加熱していくと、[[キュリー温度]]で磁気がなくなり、冷却すると再度磁気を帯びる。このとき磁鉄鉱が帯びる磁気は周辺の磁場(地磁気)の方向に従う。海洋底鉱物にも微量の磁鉄鉱が含まれており、海嶺でマントル成分が冷やされて、海洋底が生成された時の磁気を帯びている。
 
* 第二次大戦後、海中にひそむ[[潜水艦]]を探索するための[[磁気探知機|磁気探査機器]]の性能が上がり、海洋底の磁気の分析が進んだ。その結果、'''海嶺の両側で岩石の磁気が全く対称的に逆転を繰り返している'''ことが判明した。これは『海嶺で海洋底が拡大している』証拠とされた。
 
 
 
== 海嶺(広義) ==
 
'''海嶺'''(かいれい、ridge)は、海底の細長い[[山脈]]状の地形のこと。山脈のような形状をした海底地形全般を指すが、傾斜が急な斜面を有することが条件である。傾斜が急でないものは[[海膨]]という。また、成因には関係しない。
 
 
 
=== 成因 ===
 
プレートの沈み込みに起因する海嶺は、[[背弧海盆]]の拡大によってできる。
 
 
 
プレートが沈み込むと、[[沈み込み帯]]の[[大陸プレート]]側(上側)には[[付加体]]や[[火山活動]]によって[[島弧]]ができる。このとき、[[マグマ]]も島弧に沿って細長く分布するため、これをマグマ弧という。何らかの原因でマグマ弧が分裂すると、島弧も同様に分裂し、その間で海洋底の拡大が始まる。このとき、沈み込み帯に近いほうは火山前線を伴う島弧として残り、もう1方は火山活動が停止して厚い地殻が残るだけの海嶺となって、その真ん中で拡大する背弧海盆を挟んでお互いに離れていく。
 
 
 
このほかの成因としては、さまざまなものが考えられる。火山活動によって形成され、やがて活動が停止して海底下に沈んだ島弧の跡、古い時代に形成された地塁、周囲のプレートの活動に伴う海底の隆起によってできたものなどがある。
 
 
 
海嶺の片側に厚い地殻があり、片側だけが急な斜面となったような地形も、海嶺とする。
 
 
 
=== 主な海嶺 ===
 
* [[東経90度海嶺]] : インド洋の海底、ほぼ東経90°に位置する海嶺。マントル内で第3次[[ホットプリューム]]が東経90°の位置に吹き上げてできていると考えられている。
 
* [[チャゴス・ラッカディヴ海嶺]] : 東経72°〜74°付近の海嶺で、その頂点は[[チャゴス諸島]]や[[モルディヴ]]諸島や[[ラッカディヴ諸島]]になっている。
 
* [[ロモノソフ海嶺]] : [[北極海]]の海底を横断する海嶺。[[北極点]]付近を通る。
 
 
 
* [[九州-パラオ海嶺]] : [[四国海盆]]・[[パレスベラ海盆]]の拡大によって分裂したもの。
 
* [[西マリアナ海嶺]] : [[マリアナトラフ]]の拡大によって分裂したもの。
 
* [[大和海嶺]] : [[日本海]]の拡大に伴い形成されたもの。
 
* [[銭洲海嶺]] : [[伊豆諸島]]北部、[[新島]]・[[式根島]]から南西に伸びる海底の高まり。
 
* [[奥尻海嶺]] : [[奥尻島]]から[[山形県]]近海まで延びる海底の高まり。
 
* [[佐渡海嶺]] : [[佐渡島]]から北東に延びる海底の高まり。
 
* [[隠岐海嶺]] : [[隠岐諸島]]の東北東に延びる海底の高まり。
 
* [[大東海嶺]]・[[沖大東海嶺]] : [[フィリピン海プレート]]北西部の海嶺群。
 
* [[伊豆海嶺]] : [[伊豆諸島]]の海山列。
 
  
 +
長く狭い[[海底]]の高まりで,比較的急な斜面をもつ。成因は一様ではない。斜面の勾配がゆるやかな海底の高まりは[[海膨]](かいぼう)と呼ぶ。[[大洋]]の中央部の海嶺を一般にさしているが,日本近海のように[[弧状列島]]系に関連した海嶺も多い([[パラオ-九州海嶺]])。
 +
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
 
* [[トランスフォーム断層]]
 
* [[トランスフォーム断層]]
75行目: 21行目:
 
* [[深海掘削計画]]
 
* [[深海掘削計画]]
 
* [[大洋水深総図]](GEBCO)
 
* [[大洋水深総図]](GEBCO)
 
== 参考文献 ==
 
* [http://www.mirc.jha.or.jp/knowledge/seabottom/bottom.html 財団法人日本水路協会 海洋情報研究センター 海底地形]
 
* [http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_1161545453/content.html msnエンカルタ百科事典「海嶺」]
 
  
 
{{プレートテクトニクス}}
 
{{プレートテクトニクス}}
 
{{地形}}
 
{{地形}}
 
+
{{テンプレート:20180815sk}}
{{Normdaten}}
 
 
{{DEFAULTSORT:かいれい}}
 
{{DEFAULTSORT:かいれい}}
 
[[Category:海嶺|*]]
 
[[Category:海嶺|*]]

2018/10/27/ (土) 16:02時点における最新版

海嶺(かいれい、ridge)

長く狭い海底の高まりで,比較的急な斜面をもつ。成因は一様ではない。斜面の勾配がゆるやかな海底の高まりは海膨(かいぼう)と呼ぶ。大洋の中央部の海嶺を一般にさしているが,日本近海のように弧状列島系に関連した海嶺も多い(パラオ-九州海嶺)。

関連項目




楽天市場検索: