海上幕僚長

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海上幕僚長(かいじょうばくりょうちょう、Chief of Staff, Maritime Self Defense Force)は海上幕僚監部の長であり、海上自衛官の最高位である。外国軍の海軍参謀総長ないし、軍令部総長に相当し、防衛大臣の指揮監督の下、海上自衛隊の任務および隊員の服務を監督し、それらに関する最高の専門的助言者として大臣を補佐する。防衛省に設置される特別の機関の一つである、防衛会議の構成員である。海上自衛隊の人事、教育訓練、防衛力整備、後方補給などを司るフォースプロバイダー(練度管理責任者)として平時の部隊を管理し、有事の際にはフォースユーザー(事態対処責任者)の統合幕僚長に海上自衛隊の部隊を提供する役目を担っている[1]政令指定職7号[2]の役職である。

階級は海将であるが、通常の海将が海軍中将に相当するのに対し、海上幕僚長は統合幕僚長と同じ特別の階級章が定められているため、海軍大将相当である。特別の階級章とは、通常の海将の階級章は肩章が金地に桜星が3つ、冬服上衣の袖章が金の太線1本の上に金の中線2本に桜星1つであるのに対し、統合幕僚長および海上幕僚長たる海将は肩章が金地に桜星が4つ、冬服上衣の袖章が金の太線1本の上に金の中線3本に桜星1つとなっている[3]。自衛隊において大将相当官は統合幕僚長・陸上幕僚長・海上幕僚長・航空幕僚長の4人だけである。

歴代の海上幕僚長

歴代の海上幕僚長(前身の役職を含む)
氏名 写真 在職期間 出身校・期 前職 後職
海上警備隊総監
1 山崎小五郎 75px 1952.4.26 - 1952.7.31 東京帝国大学 海上保安庁次長 第二幕僚長
第二幕僚長
1 山崎小五郎 75px 1952.8.1 - 1954.6.30 東京帝国大学 海上警備隊総監 海上幕僚長
海上幕僚長
1 山崎小五郎 75px 1954.7.1 - 1954.8.2 東京帝国大学 第二幕僚長[4] 運輸事務次官
2 長澤浩 75px 1954.8.3 - 1958.8.14 海兵49期・
海大30期
海上幕僚副長 退職
3 庵原貢 75px 1958.8.15 - 1961.8.14 海兵52期・
海大35期
自衛艦隊司令 退職
4 中山定義 75px 1961.8.15 - 1963.6.30 海兵54期・
海大36期
自衛艦隊司令官 退職
5 杉江一三 75px 1963.7.1 - 1964.8.13 海兵56期・
海大37期
自衛艦隊司令官 第2代統合幕僚会議議長
6 西村友晴 75px 1964.8.14 - 1966.4.29 海兵59期 海上幕僚副長 退職
7 板谷隆一 75px 1966.4.30 - 1969.6.30 海兵60期 横須賀地方総監 第5代統合幕僚会議議長
8 内田一臣 75px 1969.7.1 - 1972.3.15 海兵63期 護衛艦隊司令官 退職
9 石田捨雄 75px 1972.3.16 - 1973.11.30 海兵64期 海上幕僚副長 退職
10 鮫島博一 75px 1973.12.1 - 1976.3.15 海兵66期 航空集団司令官 第9代統合幕僚会議議長
11 中村悌次 75px 1976.3.16 - 1977.8.31 海兵67期 自衛艦隊司令官 退職
12 大賀良平 75px 1977.9.1 - 1980.2.14 海兵71期 大湊地方総監 退職
13 矢田次夫 75px 1980.2.15 - 1981.2.15 海兵72期 自衛艦隊司令官 第13代統合幕僚会議議長
14 前田優 75px 1981.2.16 - 1983.4.25 海兵73期 自衛艦隊司令官 退職
15 吉田學 75px 1983.4.26 - 1985.7.31 海兵75期 海上幕僚副長 退職
16 長田博 75px 1985.8.1 - 1987.7.6 海兵76期 自衛艦隊司令官 退職
17 東山収一郎[5] 75px 1987.7.7 - 1989.8.30 東京水産大学
4期幹候
横須賀地方総監 退職
18 佐久間一 75px 1989.8.31 - 1991.6.30 防大1期 佐世保地方総監 第19代統合幕僚会議議長
19 岡部文雄 75px 1991.7.1 - 1993.6.30 防大2期 佐世保地方総監 退職
20 林崎千明 75px 1993.7.1 - 1994.12.14 防大4期 佐世保地方総監 退職
21 福地建夫 75px 1994.12.15 - 1996.3.24 防大5期 横須賀地方総監 退職
22 夏川和也 75px 1996.3.25 - 1997.10.12 防大6期 佐世保地方総監 第22代統合幕僚会議議長
23 山本安正 75px 1997.10.13 - 1999.3.30 防大7期 横須賀地方総監 退職
24 藤田幸生 75px 1999.3.31 - 2001.3.26 防大9期 海上幕僚副長 退職
25 石川亨 75px 2001.3.27 - 2003.1.27 防大11期 佐世保地方総監 第25代統合幕僚会議議長
26 古庄幸一 75px 2003.1.28 - 2005.1.11 防大13期 海上幕僚副長 退職
27 齋藤隆 75px 2005.1.12 - 2006.8.3 防大14期 横須賀地方総監 第2代統合幕僚長
28 吉川榮治[6] 75px 2006.8.4 - 2008.3.23 防大15期 横須賀地方総監 退職
29 赤星慶治 75px 2008.3.24 - 2010.7.25 防大17期 佐世保地方総監 退職
30 杉本正彦[7] 75px 2010.7.26 - 2012.7.25 防大18期 自衛艦隊司令官 退職
31 河野克俊 75px 2012.7.26 - 2014.10.13 防大21期 自衛艦隊司令官 第5代統合幕僚長
32 武居智久 75px 2014.10.14 - 2016.12.21 防大23期 横須賀地方総監 退職
33 村川豊 75px 2016.12.22 - 防大25期 海上幕僚副長

脚注

  1. 統合運用について 防衛省 2010年3月
  2. 自衛官#自衛官と防衛省内局及び他省庁の官僚との比較を参照
  3. 1962年(昭和37年)12月1日、自衛隊法の一部改正により現在の階級章が制定された。それ以前は他の海将と同じ階級章であり、左胸に幕僚長であることを示す幕僚長章を着けていた。
  4. 任命辞令なし(自衛隊法附則第3項第5項による在任)
  5. 警備隊(海上自衛隊の前身)が海上保安庁から分離されて以降、海軍兵学校出身者と防衛大学校出身者との間を埋める存在として、一般大学出身者と海上保安大学校出身者が高級幹部に任用されたが、海保大出身の海上自衛官は、そのまま海上保安庁に残留した者との人事上のバランスをとる為、海幕長に就任することはなかった(海保大出身の海上保安官の最高官等は警備救難監。警備救難監と同格の海自におけるポストは、自衛艦隊司令官と横須賀地方総監、佐世保地方総監(いずれも指定職第5号))。
  6. イージス艦情報漏洩しらね火災、イージス艦衝突事故による事実上の更迭
  7. たちかぜ自衛官いじめ自殺事件の情報隠蔽問題で注意処分を受け依願退職

関連項目

外部リンク

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