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{{Otheruses||漫画の登場人物|白鳥星座の氷河}}
 
{{wide image|Perito Moreno Glacier Panorama.jpg|600px|南米、[[ペリト・モレノ氷河]]の[[氷河末端]]|400px|right}}
 
'''氷河'''(ひょうが、{{Lang-en-short|glacier}})は、[[山地]]では[[重力]]、平坦な[[大陸]]では[[氷]]の重さによる[[圧力]]によって[[塑性]]流動する、巨大な[[氷]]の塊である。
 
  
== 概要 ==
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'''氷河'''(ひょうが、{{Lang-en-short|glacier}}
[[ファイル:Aletschgletscher.jpg|thumb|200px|[[スイス]]・[[アルプス山脈|アルプス]]の氷河<br>[[モレーン]](黒い線)が氷上にみられる]]
 
[[ファイル:Briksdal_Glacier.JPG|thumb|200px|[[ノルウェー]]の[[ブリックスダール氷河]]]]
 
[[ファイル:Jokulsarlon.JPG|thumb|200px|氷河の周囲には[[氷河湖]]が形成される場合がある。[[アイスランド]]の[[ヨークルスアゥルロゥン]]湖]]
 
氷河は、山がちな、または傾斜した[[地形]]に、複数年にわたって氷や[[雪]]が堆積し、[[万年雪]]が圧縮されることでできる。下部には過去の[[氷河期|氷期]]にできたものが融けずに残っている場合もある。氷河は[[侵食]]、[[堆積]]を活発に行い、独特な[[氷河地形]]を生む。
 
 
 
地球の[[気温]]と氷河は密接な関係があり、[[海進]]、[[海退]]の原因となる。現在陸上に見られる氷河は、[[南極大陸|南極]]氷床、[[グリーンランド]]氷床を最大級として、総計1,633万 [[平方キロメートル|km<sup>2</sup>]]に及び、陸地面積の約11[[パーセント|%]]を覆う。
 
 
 
近年は[[地球温暖化]]の影響でその[[面積]]や厚さの減少が激しく、問題となっている(''[[氷河融解]]を参照'')。
 
 
 
== 氷河の分類 ==
 
氷河には発達地域による2種類の形態があることが知られている。一つは山岳地に形成される'''山岳氷河'''である。もう一つは主に[[南極大陸]]とグリーンランドの広大な面積を覆う'''大陸氷河'''である。
 
 
 
山岳氷河の温度は一年を通して、表面から底部まで氷の[[融点]]付近にあることが知られている。一方、極地の氷河は水の激しい[[昇華 (化学)|昇華]]冷却により、常に氷点下にあり融解することがない。[[亜極地]]の氷河の表面は季節により[[融点]]付近に達し、溶けた水がいくらか氷河内部に流れ込むが、氷河の底部は常に融点以下である。
 
 
 
氷河の温度は表面の状態で見分けることができる。氷河本体が表面に出ている場合は融解しつつあり、乾いた雪によって覆われている場合はたとえ夏でも融解しないとされている。融解した水が表面に溜まっていたり、割れ目に流れ込んでいるような場合は、内部や表面に再凍結してできた氷塊や氷層が存在する。湿った雪がある場合においては、氷点以上に気温が上昇した最後の夏からの雪がすべて堆積している。氷が重なり合っている場合、融解した水が氷河の中で冷たい層のところで再凍結し、氷河になる氷が形成されつつある場面であるといえる。
 
 
 
氷河の中で最も小規模なものは山岳地帯の谷間に存在することから、'''谷氷河'''(valley glaciers)と呼ばれる。[[日本]]に現存する氷河は、すべてこの谷氷河である。
 
それより少し大きな規模のものは、[[氷帽]]から流れ出る'''流出氷河'''(outlet glaciers)と呼ばれる。氷帽は山の頂上にある雪の塊で、山脈に存在する事が多いが、現在活動していない[[休火山]]の上にも存在する場合もある。氷帽から氷の舌のようになって谷間に流れ出る事によって、流出氷河を形成する。この流出氷河自体は、氷河全体の規模から見ればまだまだ小規模なものに過ぎない。
 
極冠や巨大山脈の氷帽から形成された流出氷河は、海にまで達することがある。
 
 
 
氷河の中で最も大規模なものは'''[[氷床]]'''である。氷床は地表面のほぼ全てを覆い隠すほどの規模であるが、現在では南極大陸とグリーンランドだけに存在する。これらの地域に氷床が存在するために、仮にグリーンランドの氷床が融解した場合には6m、南極のそれが融解すると65m上昇するとされているほどの、膨大な[[真水|水分]]が氷として蓄えられている。
 
 
 
'''[[氷原]]'''は氷床に似ているが、氷床に比べると厚さや面積が小さい。大陸氷河は標高が高い平原に存在する。このタイプの氷河は多数あり、[[アイスランド]]、[[北極海]]の島々、[[ブリティッシュコロンビア州]]南部の[[北太平洋山脈]]から[[アラスカ]]にかけての地域などに存在している。
 
 
 
'''氷河海岸'''(tidewater glaciers)は、氷河が海に流れ込んでいるものである。海に到達した氷河は、崩れ落ちるか、あるいは分離して[[氷山]]を形成する。ほとんどの氷河は海に達すると崩壊を伴い、非常に大規模な地形の変動を伴う。水深が深い場合、氷河が一旦海中に潜りこみ、暫くすると氷山が突然浮き上がってくることもある。[[アラスカ]]で最も長い[[氷河海岸]]であるフバード氷河([[:en:Hubbard Glacier]])は、10kmもの距離に渡って海に面している。[[ヤクタット湾]]と[[氷河湾]]には、高さ30mもの氷河が崩れ落ちる光景を見ることができるために、観光スポットとして活用されている。このタイプの氷河は、ほかのタイプの氷河よりも中長期的な気候変動の影響を受けやすい。
 
<!--tidewater 潮流、海岸、… -->
 
 
 
[[ファイル:Glacial ice formation LMB.png|thumb|160px|氷河の形成過程]]
 
 
 
== 氷河の形成 ==
 
比較的温度の高い氷河は、融解と凍結を繰り返してざらざらしたネヴェ([[:en:névé|névé]])と呼ばれる雪を主成分とする。この雪はざらめ雪と呼ばれる。この氷河の氷は、氷と雪の層の下で圧力を受け融解し、フィルンという氷の粒に変化する。フィルンの層は一定の年月を経ると、さらに圧縮されて氷河の氷(glacial ice)となる。また、雪は温度変化のあるところにあると、数時間でそれぞれの表面に凹凸のある[[結晶]]に変性し始める(蒸気圧による現象とは異なる)。
 
 
 
== 世界の氷河 ==
 
{{main|氷河の一覧}}
 
 
 
=== 日本 ===
 
[[ファイル:Mount Tsurugi Glacier.jpg|thumb|200px|[[鹿島槍ヶ岳]]から望む[[剱岳]]の三ノ窓氷河と小窓氷河]]
 
{{Wikinews|立山連峰の3ヶ所の氷体が日本初の「氷河」に認定|date=2012年4月6日}}
 
かつて日本に氷河は存在しないとされていたが、[[1999年]]に[[立山]]内蔵助カール内に永久凍土が発見された事が報告され<ref>[[福井幸太郎]]、[[岩田修二]]:[http://dx.doi.org/10.5331/seppyo.62.23 立山,内蔵助カールでの永久凍土の発見] 日本雪氷学会誌 雪氷62巻1号(2000年1月)23-28頁</ref>、数年間の調査を経て流動と<ref>[http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.111.4_564 立山,内蔵助カールのプロテーラスランパートでの永久凍土調査と地表面移動量の観測] 地学雑誌 Vol.111 (2002) No.4 P564-573</ref>維持継続が確認された<ref>[http://dx.doi.org/10.5331/seppyo.66.187 福井幸太郎:立山での山岳永久凍土の形成維持機構] 雪氷 Vol.66 (2004) No.2 P187-195</ref>事で、[[2012年]]4月に[[日本雪氷学会]]が[[剱岳]]の三ノ窓雪渓と小窓雪渓、立山の御前沢雪渓に氷河が現存している可能性を報告した<ref>{{Cite web |title=福井幸太郎・[[飯田肇]]2012「飛騨山脈,立山・剣山域の3つの多年性雪渓の氷厚と流動一日本に現存する氷河の可能性について一」『雪氷』74巻3号 213-222頁 |url=http://www.tatecal.or.jp/stuff/fukui/Fukui74-3p213.pdf |accessdate=2014-05-02}}</ref>。その後、2012年6月にそれぞれ「三ノ窓氷河」「小窓氷河」「御前沢氷河」を呼称とすることで同意した<ref>[http://www.seppyo.org/seppyo/cib7ny/1qplb1-1/2012_74/2012_74-5/74-5_353.pdf 白岩孝行、内藤望、飯田肇、福井幸太郎:氷河情報センター公開シンポジウム報告「日本の多年性雪渓と氷河─これまでの研究と今後の展望─」] 雪氷 Vol.74 (2012) No.5 P353-357</ref>。これにより、[[カムチャツカ半島]]とされていた[[極東]]の氷河の南限は日本の[[富山県]]・[[立山連峰]]となった。
 
 
 
[[2018年]]1月には、[[長野県]]と[[富山県]]にまたがる北アルプス([[飛騨山脈]])の一部である[[鹿島槍ヶ岳]]のカクネ里雪渓(長野県[[大町市]])が氷河であることが、現地調査結果をまとめた論文が複数の研究者の審査の後に学会誌『地理学評論』(2018年1月号)<ref>[http://www.ajg.or.jp/category/cat18/ 「飛騨山脈で新たに見出された現存氷河とその特性」福井幸太郎・飯田 肇・小坂共栄、p.43‒61]『地理学評論』vol.91-No.1(2018年1月)</ref>に掲載されたことで確定。カクネ里雪渓が日本では4例目となる氷河となった<ref>[http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180117/KT180116FTI090018000.php 北ア・カクネ里雪渓は「氷河」県内初確認 国内4例目] 信毎web 2018年1月17日</ref>。この論文をまとめた調査団は、富山県[[上市町]]に位置する剱岳の池ノ谷(いけのたん)雪渓と、[[立山町]]にある[[立山]]内蔵助(くらのすけ)雪渓も氷河と判断しており、2018年1月時点で日本国内の氷河は最大6カ所となる<ref>[https://www.jiji.com/jc/article?k=2018011801007&g=soc 北アの氷河、6カ所に=富山・長野で確認-信大など]時事通信(2018年1月18日)2018年1月19日閲覧</ref>。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* [http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.121.187 小野有五:日本における1960–2010年の氷河地形研究 ―一研究者の回顧と展望―] 地学雑誌 Vol.121 (2012) No.2 p.187-214
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Glaciers}}
 
* [[氷河の一覧]]
 
* [[氷棚]]
 
* [[クレバス]]
 
* 氷河地形
 
** [[圏谷]](カール地形、U字谷)
 
** [[フィヨルド]](峡湾)
 
** [[モレーン]](堆石)
 
*** [[迷子石]]
 
* [[万年雪]]
 
* [[雪渓]]
 
* その他
 
** [[氷河期]]
 
** [[アイスマン]]
 
** [[氷河急行]]
 
** [[氷河制約説]]
 
** [[氷河湖決壊洪水]]
 
** [[日本雪氷学会]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssi/hyoga/index.sjis.html 氷河情報センター]
 
* {{EoE|Glacier|Glacier}}
 
 
 
{{Geo-stub}}
 
  
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流動性をもった氷の集合体。その分類の仕方にはいくつかあるが,一般によく使用されるのは面積により広域氷河と局所氷河を分けるもので,前者は形態から[[氷床]]とも呼ばれ,その規模によって島氷,内陸氷,大陸氷に細分される。後者は主として形態から,基盤の起伏にあまり支配されない[[氷帽]],高原氷河,基盤起伏に関係の深い山岳氷河グループとして,懸垂氷河,[[圏谷氷河]],[[谷氷河]]などに細分される。これらの氷体は浸食,堆積を行い,独特な[[氷河地形]]を生む。現在陸上にみられる氷河は,南極氷床,グリーンランド氷床を最大級として,総計 1633万 km<sup>2</sup>に及び,陸地面のほぼ 11%をおおう。
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[[Category:氷河|*]]
 
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[[Category:雪氷現象]]
 
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[[Category:地形]]
 
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2018/10/27/ (土) 00:11時点における最新版

氷河(ひょうが、: glacier

流動性をもった氷の集合体。その分類の仕方にはいくつかあるが,一般によく使用されるのは面積により広域氷河と局所氷河を分けるもので,前者は形態から氷床とも呼ばれ,その規模によって島氷,内陸氷,大陸氷に細分される。後者は主として形態から,基盤の起伏にあまり支配されない氷帽,高原氷河,基盤起伏に関係の深い山岳氷河グループとして,懸垂氷河,圏谷氷河谷氷河などに細分される。これらの氷体は浸食,堆積を行い,独特な氷河地形を生む。現在陸上にみられる氷河は,南極氷床,グリーンランド氷床を最大級として,総計 1633万 km2に及び,陸地面のほぼ 11%をおおう。




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