横内正
横内 正(よこうち ただし、1941年7月1日 - )は、旧満州・大連生まれ、愛媛県、鹿児島県鹿児島市、福岡県若松市(現在の北九州市若松区)育ちの俳優及び声優[1]。愛称は「ヨコ様」。TYプロモーション所属。
Contents
来歴・人物
父はソ連兵に没収されるまでストラディバリウスを所有していたバイオリニストで、大連でバーカジノのオーナーとなり、バンドマスターも務めていた。
1946年、家族と共に日本に引き揚げ、舞鶴港に上陸後は親戚縁者を頼り転々、一度愛媛県内郡部の小学校に入学するが、2年生で鹿児島市立城南小学校に転校、4年時にはNHK鹿児島放送局児童演劇団に入り、ラジオドラマに出演。 6年生の時に鹿児島市立鴨池小学校に転校するが、同3学期に福岡県若松市(当時。現在の北九州市若松区)に移転、若松市立修多羅小学校(現在は北九州市立若松小学校に合併)へ転校、その後若松市立第三中学校(後の北九州市立高塔中学校、現在は合併により北九州市立若松中学校)、福岡県立若松高等学校へ進学、卒業[1]。
1960年、高校卒業と同時に上京、俳優座養成所を受験するが、2次試験に失敗。そのまま数々のアルバイトをしながら東京にとどまり、翌1961年、再チャレンジし合格、第13期生となる(同級生は石立鉄男、細川俊之、佐藤友美、加藤剛ら)。1964年養成所を卒業、俳優座入団、同年、日生劇場「ハムレット」の幕開き第一声を務めるフランシスコー役で初舞台を踏む。 「ハムレット」公演と同時に東京12チャンネル「雲こそわが墓標」でテレビ初出演。さらに1965年5月16日公開の東宝「最後の審判」で映画初出演、1967年にはNHK総合連続テレビ小説「旅路」に鉄道員・室伏雄一郎役として主演、茶の間の人気を得る。その後、吉田喜重監督「さらば夏の光」(1978年)や、「新・男はつらいよ」(1970年)「愛と死」(1971年)などの映画に助演として出演。その後俳優座の舞台では数多く主役を務める[1]。
1969年から放送された『水戸黄門』では初代・渥美格之進役を8年間(249本出演[1])、1977年から放送された『暴れん坊将軍』では初代・大岡忠相役を19年間(600回以上出演)演じたことで著名。実は前者が初の本格的な時代劇出演で、しかも撮影初日が炎天下であった(本人は「『これからどうなるのか』と思ったのをよく覚えてます」とコメントしている)。「格さん=印籠を出す」という流れが定番となっているが、これは当時の助さん役の杉良太郎よりも声が大きかったため(「最初は、毎回印籠を出していたわけではなくて、今のスタイルが定着したのは始まって3年くらい。印籠を出さないと視聴者からクレームがくるようになってね。ファンの声で定番を作っていったドラマでした」と述べたことがある)。なお、格さんのイメージが定着し過ぎることを恐れ、6年目頃から自ら降板を申し出た。
2時間ドラマでは若林豪(実際は、24年)と並んで狩矢荘助警部役を多く演じた。
2回離婚しており、1度目は俳優座後輩の女優との間に1男2女儲けるが宗教的理由をもとに離婚。その後女優堀越陽子と再婚するが、離婚。
女性自身のblogに「ヨコ様の奥の横道」を開設している。
出演
テレビドラマ
- 陽のあたる坂道(1965年・TBS)
- ナショナルゴールデン劇場 / 逃亡(1966年、NET)
- NHK劇場 愛のシリーズ / 大市民(1966年・NHK)
- 旅路(1967年 - 1968年・NHK連続テレビ小説)
- 男はつらいよ(1968年・フジテレビ)
- 水戸黄門(TBS / C.A.L)
- 度胸時代(1974年・CBC)
- 夜明けの刑事
- 第38話「海洋博でダイナミックな殺人」(1975年)
- 第86話「地上最強のカラテ 仕組まれた殺人のワナ」(1976年)
- 花王 愛の劇場 (TBS)
- 必殺仕置屋稼業 第10話「一筆啓上姦計が見えた」(1975年) - 安田弥一郎
- 江戸を斬るII 第18話「国定忠治 江戸に現わる」(1976年3月8日、TBS / C.A.L) - 国定忠治
- 隠し目付参上 (1976年、毎日放送・三船プロ) - 語り
- 第23話「狙われた春楽! 三太裏切ったか」 - 緒方玄斉
- 人魚亭異聞 無法街の素浪人 第22話「港に咲いた地獄花」(1976年、NET・三船プロ) - 生田久四郎
- 大江戸捜査網(12ch)
- 第250話「鈴の音が俺を呼んだ!」(1976年) - 坂口安之助
- 第277話「仇討ち女三味線」(1977年) - 岡部良庵(吉川鉄之進)
- 第493話「荒海を斬る隠密同心」(1981年) - 塚田新太郎
- 桃太郎侍
- 第12話「はるかなる江戸の灯」(1976年) -佐竹主水
- 第142話「瓦版修行は命がけ」(1979年) - 藤岡屋吉兵衛
- 暴れん坊将軍 吉宗評判記 〜 パートVII(1978年 - 1997年・テレビ朝日) - 大岡忠相(初代)
- 江戸の渦潮 第11話(1978年)
- 美しき背信(1978年・12ch)
- 同心部屋御用帳 江戸の旋風IV 第26話「さむらいの挽歌」(1979年、CX / 東宝) - 郷定春
- 雲霧仁左衛門 (1979年、KTV・松竹) - ナレーター
- 長七郎天下ご免!(1979年 - 1982年・テレビ朝日) - ナレーター
- 土曜ワイド劇場(テレビ朝日)
- 大時計の美女 江戸川乱歩の「幽霊塔」(1979年)
- "月蝕の館"殺人事件(1996年) - 青柳洋介
- 復讐法廷(1997年) - 山本検事
- 突然の明日(1980年・TBS)
- 大河ドラマ(NHK)
- 熱中時代 教師編第2シリーズ 第32話「校長先生に弟がいた!」(1981年・日本テレビ) - 天城信吾
- 銭形平次 第876話「笛屋敷殺人事件」(フジテレビ) - 佐野川高円
- 木曜ゴールデンドラマ「天使が消えていく」(1982年、FBS)
- 泳げ! 第5コース(1986年、関西テレビ)
- 奇妙な同居人(1986年)
- 田原坂(1987年・日本テレビ) - 山岡鉄太郎
- 若大将天下ご免!(1987年・テレビ朝日) - ナレーター
- 京都花見小路殺人事件〜舞妓さんは名探偵!(1988年・テレビ朝日・火曜スーパーワイド) - 狩矢警部
- 京舞妓殺人事件〜舞妓さんは名探偵2〜(1989年・テレビ朝日・火曜スーパーワイド) - 狩矢警部
- 男と女のミステリー(フジテレビ)
- 「京都グルメ旅行殺人事件」(1989年) - 狩矢警部
- 「京都結婚指輪殺人事件」(1990年) - 狩矢警部
- 京都東山殺人事件〜舞妓さんは名探偵〜(1990年・テレビ朝日・火曜ミステリー劇場) - 狩矢警部
- 風林火山(1992年・日本テレビ) - 諏訪頼重
- 陸中海岸殺人ルート(1993年・テレビ朝日) - 石黒徹
- 時代劇スペシャル 決闘鍵屋の辻 荒木又右衛門(1993年) - ナレーター
- 適齢期(1994年・TBS)
- 検視官江夏冬子(1997年 - 2001年) - 狩矢警部
- 金さんVS女ねずみ 第1話「大奥 妖しい京人形」(1998年)
- 土曜ワイド劇場「殺人迷宮課の名警部 連鎖の追跡」(1998年7月、テレビ朝日)
- 真実一路(2003年、東海テレビ)
- 水曜ミステリー9「銀座高級クラブママ・青山みゆき」(2007年〜)
- かりゆし先生ちばる!(2009年・テレビ東京) - 釣沢文次
- リーガル・ハイ 第10話(2012年6月19日・フジテレビ) - 町村教授
- 土曜ドラマ「芙蓉の人〜富士山頂の妻」(2014年) - 野中閑哉
- すべてがFになる 第3、4話(2014年11月4日、11日・フジテレビ) - 香山林水
- 月曜ゴールデン「十津川警部シリーズ54」(2015年4月13日、TBS) - 酒井久仁
- 昔話法廷「浦島太郎裁判」(2016年8月5日、NHK Eテレ) - 浦島太郎 役 [2]
映画
- 最後の審判(1965年) - 倉やん
- 惜春(1967年) - 村越亮
- さらば夏の光(1968年) - 川村信
- 新・男はつらいよ(1970年) - 隆夫
- 愛と死(1971年)
- 小林多喜二(1974年) - ナレーター
- 五番町夕霧楼(1980年) - 写真屋
- 日本海大海戦 海ゆかば(1983年) - 秋山真之
- 国東物語(1985年) - 入田親誠
- 夢千代日記(1985年) - 山根医師
- 沈まぬ太陽(2009年) - 海野昇
トーク・バラエティ
- クイズ!脳ベルSHOW(2017年1月9日、1月10日、BSフジ)
劇場アニメ
- 太陽の王子 ホルスの大冒険(1968年) - 岩男モーグ[3]
- SF新世紀 レンズマン(1984年) - 金髪のレンズマン[4]
- 時空の旅人(1986年)- 織田信長[5]
吹き替え
- 愛人関係(マルク・リルソン〈アラン・ドロン〉)
- 裏窓(トーマス・J・ドイル刑事〈ウェンデル・コーリイ〉)
- エアポート1994(ジョン・カウチ〈リチャード・チェンバレン〉)
- オペラ座の怪人(サンドア・コーヴィン/怪人〈マクシミリアン・シェル〉)
- 海底二万哩(ネモ艦長〈ジェームズ・メイソン〉)※フジテレビ版
- 風と共に去りぬ(ナレーター)※日本テレビ新録版・スペシャルエディションDVD収録
- キャバレー(マクシミリアン・フォン・ヒューナ〈ヘルムート・グリーム〉)
- ジェーン・エア(エドワード・ロチェスター〈ティモシー・ダルトン〉)
- 主任警部モース(モース警部〈ジョン・ソウ〉)
- チャタレイ夫人の恋人(オリヴァー・メラーズ〈ニコラス・クレイ〉)
- 名探偵ポワロ・青列車の秘密(ルーファス・ヴァン・オールデン〈エリオット・グールド〉)※NHK版
- 立証責任(サンディ・スターン〈ヘクター・エリゾンド〉)
- ダラス(ジョン・ロス (J.R.)・ユーイング〈ラリー・ハグマン〉)※テレビ朝日版
- ブラックホール(ハンス・ラインハート博士〈マクシミリアン・シェル〉)
ラジオ
ドキュメンタリー
- コスモス(宇宙)シリーズ - カール・セーガンの声
- コスモス(宇宙)(1980年)
- コスモス・スペシャル(1987年)
ナレーション
- バルセロナの一日(1987年、NHK教育。オリジナルはフランス・CEC制作)
CM
- 「新ライオデント」(ライオン)
音楽作品
シングル
- 一の橋 / ある愛のテーマ
- ああ人生に涙あり
- 男の旅路
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 “HISTORY 横内 正”. TYプロモーション. . 2018閲覧.
- ↑ “『昔話法廷』続編決定 アリ、舌切りすずめ、乙姫が訴えられたら”. ORICON STYLE. (2016年6月26日) . 2016閲覧.
- ↑ “太陽の王子 ホルスの大冒険”. メディア芸術データベース. . 2016閲覧.
- ↑ “SF新世紀 レンズマン”. マッドハウス. . 2016閲覧.
- ↑ “時空の旅人”. マッドハウス . 2016閲覧.
外部リンク
- プロフィール - TYプロモーション
- ヨコ様の奥の横道・横内正公式ブログ(現在は閉鎖)
- ヨコ様の奥の横道Ⅱ (現在のブログ)