松島丘陵

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ファイル:The topography surrounding Sendai.jpg
船形山系から松島湾まで東西(図中では左右)に横たわる、薄緑に着色された地形が松島丘陵。

松島丘陵(まつしまきゅうりょう)とは、宮城県のほぼ中央において、奥羽山脈船形山系から仙台湾松島まで東西に横たわる台地である。陸前丘陵の一部。

定義

一般的な定義では、北を吉田川、北東を鳴瀬川、東を松島湾、南を七北田川に囲まれた丘陵地が松島丘陵とされる(以下、この定義を括弧書きの『松島丘陵』で表す)。奥羽山脈から連なる舌状台地であるため、西端は定義されない。この『松島丘陵』を東西に分割し、東側で旧来から宮城郡に属していた部分のみを松島丘陵とし、西側で旧来から黒川郡に属していた部分は黒川丘陵とする場合もある。さらに各自治体ごとに細分して、塩竈市部分を塩釜丘陵、富谷市部分を富谷丘陵などとも言う。

地質学的な定義では、ラテン文字の「C」の形に松島湾を囲む丘陵地を松島丘陵とする。西側に続く丘陵地との境は長町-利府活断層であり、利府街道JR松島海岸駅国道45号の線がおおよその西端の線となる。この定義の松島丘陵は、新生代新第三紀中新世火山岩非アルカリ性苦鉄質)で覆われており、周囲の丘陵地の表層地層と異なる。

広義では、『松島丘陵』と平行に東西に横たわる舌状台地である、北の大松沢丘陵(吉田川の北側、地図)や、南の七北田丘陵七北田川の南側、地図)を含める(以下、この定義を松島丘陵(広義)で表す)。仙北丘陵地帯とも言う。まれに、鳴瀬川の東側で南北に細くある旭山丘陵地図)をも含める場合もある。

概要

松島丘陵(広義)のほとんどが標高200m未満の低い台地であるため、一般の地図では周囲の沖積平野と同一色となり、仙台平野(広義)に含まれてしまっている。しかし、現実には仙台平野(広義)を南北に分割し、様々な面で境界となる重要な地形である。

また、松島丘陵(広義)は地盤が安定しているため、想定される宮城県沖地震では、周囲の沖積平野と比べて震度が小さいと予想されており、東北地方の交通の要衝である仙台都市圏への進出を目指す機械工業の工業用地として注目される要因となっている。

境界

以下のように、松島丘陵が境界となっているものが在る。

  • 地形
    • 仙台平野(広義)は、『松島丘陵』より北側の「仙北平野」、同南側の「仙南平野」(狭義の仙台平野)に分けられる[1]
    • 仙台湾(広義)は、『松島丘陵』が太平洋に没して形成された「松島湾」、その北側を「石巻湾」、同南側を「仙台湾」(狭義)に分けられる[2]
  • 地域・天気予報
    • 松島丘陵(広義)により、県北(仙北)と県南(仙南)に分ける慣例がある。
  • 軍事・統治勢力の領地
    • 『松島丘陵』により、北の蝦夷側と南の畿内政府側とに分けられた。北側には後に黒川以北十郡が置かれ、『松島丘陵』の南側の樹枝状丘陵に多賀城が建設された。
    • 『松島丘陵』が、歴史的に大名の領地の境界となることが度々あった。戦国時代には松島丘陵を境に、南が伊達氏の領土、北が葛西氏大崎氏の領土であった。松島丘陵以北に位置する大崎市は、天正時代に伊達氏の領土に編入される前に、大崎氏の城下町であった事に因んだ名称である。
  • 方言
    • 松島丘陵(広義)により、単語のアクセントにおいて、北の東京式アクセント地域と南の無アクセント地区とに分かれる。松島丘陵(広義)自体のアクセントは、両者の混在、あるいは遷移地域となっている。なお、松島丘陵(広義)の南北とも徳川時代には仙台藩であったために語彙が同じであり、アクセントは異なるものの両者とも仙台弁に含める。
    • 松島丘陵(広義)より北側の旧・仙台藩エリアでは、里芋を用いた秋の鍋料理を芋の子(汁)と呼び、鶏肉・醤油味が主流であるのに対し、南側では芋煮と呼び、豚肉・味噌味が一般的。
    • 松島丘陵(広義)より北側の旧・仙台藩エリアでは、「文化」が発達している。このエリアでは広くみられるが、町おこしに使用している宮城県内の自治体はなく、岩手県一関市が主に使用している。

史跡・城跡

『松島丘陵』にある史跡および主な城跡は以下の通り。貝塚は主に縄文海進時の海との際にあったが、現在は標高数十メートルの丘陵上にある。は主に平野との際の丘陵凸部上にある。

現在の利用

仙台市に近接する松島丘陵(広義)南部は、住宅地として開発が進んでいる。仙台市都心部から離れるほど、工業流通用地としての開発もある。また、各自治体がレクリエーション施設・体育施設・森林公園などの開発をし、民間ではゴルフ場開発が顕著である。以下は、宮城県による開発例。

脚注

関連項目